大臣会見

井林大臣就任会見要旨

2026年9月18日(金) 15:33 ~ 15:59
国土交通省会見室
井林辰憲 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)就任にあたって

(大臣)

改めまして昨日、高市(たかいち)内閣で国土交通大臣を拝命しました井林辰憲です。
皆さまどうぞよろしくお願い申し上げます。
本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。

質疑応答

抱負について

(記者)

国土交通省の御出身ということで、これまでの御経験を生かして今後、特に重点的に取り組みたい政策課題など、就任に当たっての抱負があれば教えてください。

(大臣)

国土交通省は、国民の皆さまの暮らしと命を守り、我が国の経済や地域の生活・なりわいに直結する大変重要な省庁だと思っています。
その分野を所管していると思っていますし、私が国土交通省に入りたいと思い、門を叩いた時から変わらぬ思いです。
まずは、暮らしと命を守るという意味では、喫緊の課題である災害への対応についてです。
令和8年熊本地震や令和8年8月千葉豪雨が発生するなど、大規模自然災害が相次いでいます。
また、災害の種類も多様化しています。
まずは災害対応に万全を期すとともに、被災された方々の生活やなりわいの再建が円滑に進むように取り組んでいく。
そして、被災地が賑やかで笑顔が取り戻せるよう、省を挙げてこれらの災害と復旧に取り組んでまいりたいと思います。
もちろん過去に起きた東日本大震災や令和6年能登(のと)半島地震についてもしっかりと復旧・復興に取り組んでまいります。
その上で、「国民の安全・安心の確保」「力強い経済成長の実現」「個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり」を、政策の三本柱として、重点的に取り組んでまいります。
まず、「国民の安全・安心の確保」に向け、事前防災の推進やインフラ老朽化対策の加速化など、防災・減災、国土強靱化を強力に推進するとともに、交通の安全確保、海上保安能力の強化などに取り組んでまいります。
また、「力強い経済成長の実現」に向け、高市内閣の「成長戦略」の戦略分野である「造船業の再生」や「港湾ロジスティクスの強化」のほか、高規格道路や整備新幹線等の整備、空港の機能強化、物流・建設業の担い手確保や、自動運転社会の早期実現などに取り組んでまいります。
さらに、「個性をいかした地域づくりと持続可能で活力ある国づくり」に向け、交通空白の解消や、二地域居住の促進、持続可能な観光の推進などにより、地方への人の流れを拡大し、賑わいづくりや雇用の拡大を促してまいりますし、これは今まで党でも行ってきたものも数多くありますので、しっかり幅広く取り組んでまいりたいと思います。
そしてなによりも、開幕まで約半年となった横浜(よこはま)グリーンエクスポについては、準備に万全を期し、成功裏に終わるように全力を尽くしてまいりたいと思っています。
これらの政策課題に対し、国土交通省の一番の強みである現場力・総合力を最大限発揮し、関係省庁と連携しながら、国土交通省の任務に力を尽くしてまいります。

総理指示について

(記者)

大臣御就任にあたって高市総理からはどういった御指示がありましたでしょうか。

(大臣)

全閣僚共通指示とは別で、国土交通大臣に対してということですが、まず、災害対応をしっかり行うようにと。
その上で、令和の国土強靱化対策、自動運転導入促進を含む地域公共交通の確保、「地域未来戦略」における産業クラスター計画の実行に必要なインフラ整備の推進、物流の革新に向けた抜本的・総合的な対策、観光業の振興を通じた地域の活性化、オーバーツーリズム対策などについて御指示をいただきました。
また、航空輸送・鉄道輸送の安定と安全の確保や航空産業の発展、インフラシステムの海外展開、我が国の領土・領海・領空の警戒監視の適切な実施、地下水採取の実態把握とその適切な管理の実現など、水循環施策の推進、2027年国際園芸博覧会に向けた円滑な準備と運営についても御指示をいただきました。
国土交通行政は、社会資本整備や交通政策、観光政策、海上保安など所管が広く、どの課題も国民の命と暮らしを守ることに直結しています。
総理指示を踏まえ、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

災害対応について

(記者)

災害についてお伺いします。
大臣からも災害対応に万全を期すとありましたけれども、今年もこれだけ多くの災害が起きている中で、これらを教訓に、今後、災害に対して新大臣としてどう取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。

(大臣)

令和8年熊本地震や令和8年8月千葉豪雨をはじめとした一連の豪雨、または災害において、多くの人命が失われるなど甚大な被害が発生しました。
お亡くなりになられた方々とその御家族に対し、心よりお悔やみ申し上げますとともに、全ての被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。
災害が多い我が国ですので、被害を未然に防ぐためには、事前防災にしっかり取り組むことが必要であると改めて認識しており、流域治水や施設の耐震化等に取り組んでいるところです。
また、いざ災害が発生した場合には、TECーFORCE(テックフォース)によるインフラの被災状況調査、復旧計画や工法に関する技術支援等の早期復旧に向けた支援を実施するとともに、被災自治体からの要請を待つことなく、緊要度の高いニーズにプッシュ型で対応を行って行きたいと思っており、災害のたびに課題が出てくれば柔軟に対応し、更に災害対応を進めていくべきだと思っています。
令和8年熊本地震に関しては、「被災者の生活となりわい支援のためのパッケージ」に基づき、住宅の応急修理への支援、旅行・宿泊料金への割引支援、国直轄施設等の迅速な復旧や公共土木施設・庁舎等の復旧支援、また、前大臣からも特にお話をいただきましたが、井戸の洗浄・修理への支援、鉄道の復旧への財政・技術支援や代替輸送による交通の確保などに取り組んでまいります。
また、千葉豪雨等への対応としては、被災者の生活となりわいの再建、被災地の復旧のために緊急に講ずべき施策について、被災自治体と連携して速やかに対応してまいります。
加えて、千葉豪雨等の「都市型水害」は、いつでもどこでも起こりうるという認識のもと、総理からも御指示をいただきまして、内水氾濫への対応について、「水災害調査・対策検討委員会」を9月18日に新たに設置し、関係部局と連携しながら、被害実態と浸水等の現象の把握、課題の抽出を行い、ハード・ソフト両面から総合的な対応策の検討を行っているところです。
国民の生命・財産・暮らしを守り抜くことは、国土交通省の重要な使命であり、引き続き、防災・減災、国土強靱化の取組を全力で推進するとともに、いざ災害が発生した場合には、被災地・被災者に寄り添った災害対応に全力で取り組んでまいります。
これは総理からも強く指示をいただいたところですので、しっかり取り組んでまいります。

中東情勢について

(記者)

ホルムズ海峡を巡り、米国とイランの攻撃の応酬が続くなど、中東情勢の悪化は収束が見通せていない状況ですが、ペルシャ湾内に残る日本関係船舶3隻の状況と今後の見通し、また、ホルムズ海峡における航行の自由の重要性を含め、大臣の考えを伺います。
また、ナフサ関連部材など建設費高騰の継続が懸念されていますが、国土交通省としてどのような支援を検討していく方針か伺います。

(大臣)

ペルシャ湾内に残る日本関係船舶は3隻となっていますが、今後の見通しについては、日々刻々と状況が変化しているため、恐縮ですが現時点で予断を持ってお答えすることは困難です。
他方で、残る3隻についても、引き続き、毎日安否確認を実施し、各船員の無事を確認しているほか、水や食料等について必要に応じて補給を行うなど、現在までに特段の問題には至っていないとの報告を受けています。
引き続き、関係省庁とも緊密に連携し、残る日本関係船舶の安全確保に万全を期すとともに、ホルムズ海峡における自由で安全な航行を確保するべく、最大限の努力を続けてまいります。
また、建設費高騰への対応については、スライド条項の適切な運用など、円滑な価格転嫁への協力を文書で要請してきたところです。
建設Gメンによる中東情勢の影響に関する重点調査を通じて、適切な価格転嫁等が行われるよう注意喚起を実施しているところです。
なお、建設資材の供給の安定化については、経済産業省と連携して流通の偏りや目詰まりの解消に取り組んできた結果、国土交通省に設置した相談窓口に寄せられる「供給要請件数」は減少傾向にあるなど、一定の成果が出てきていることを確認できています。
引き続き、建設資材の価格や需給の動向を注視し、現場の声を丁寧に聞きながら、経済産業省や関係団体等と連携して、中小建設業者等が安心して仕事ができる環境整備に取り組んでまいります。

整備新幹線について

(記者)

整備新幹線の建設について伺います。
北陸新幹線は小浜(おばま)京都ルート桂川(かつらがわ)案の採用を7月に与党整備委員会が決めましたが、沿線自治体の京都市などからは建設費負担などへの懸念が示されています。
北海道新幹線でも事業費の大幅上振れの可能性があり、有識者会議で精査している状況です。
整備新幹線の延伸開業に向けて、財源確保や地方負担の軽減にどのように取り組まれますでしょうか。  

(大臣)

整備新幹線の着実な整備を進めていく上で、必要な財源を確保していくということは極めて重要な課題であると認識しています。
このため、令和9年度予算概算要求では、北海道新幹線の整備に追加的に要する費用や北陸新幹線の新規着工に要する費用について、地方の財政負担への配慮も含めた事項要求を行っています。
令和9年度予算編成過程において、地域の実情を踏まえつつ、関係省庁とも連携し、必要な検討を進めてまいりたいと思っています。

国土交通省の組織について

(記者)

先ほど、職員への挨拶をされていたかと思います。
この中で、「旧運輸省、旧建設省という言葉を大臣室で使うな」とおっしゃられたかなと思いました。
国土交通省出身の大臣ならではの言葉かなと思いますが、この言葉に込められた思いであったり、この旧省庁の垣根を越えることについて、今後、政策面でどう効果が出てくるかなど、お考えを伺わせてください。

(大臣)

国土交通省の最大の強みは、現場力と総合力です。
省庁が合併して一つの組織になったからこそ、さらに現場力と総合力を生かすべきであって、旧4省庁を惹起(じゃっき)させるような言葉というものは、私は極力使うべきではないと思っていますし、そうした文化が定着することこそが、国土交通省の総合力というものをより高めていくという思いを、政治の場から見ていてそう思いましたので、そのようなことをお願いをさせていただいたと、せめて私の部屋では使わないで欲しいということでお願いをさせていただきました。

(記者)

そこを何か弊害というか、そのようなところを感じた部分はどのようなところにあったのですか。

(大臣)

弊害というか、そのような言葉が出ること自体、省庁の統合が進んでないことだというように思いますので、やはりそのような言葉が出ない組織文化を作っていく、これも一つ大きな役割だと。
省庁再編は政治主導で行いましたから、やはり政治が取り組むべきだと思っています。

アンケートについて

(記者)

今回の閣僚人事だと自民党内の実施した役職希望アンケートに基づいて人事が決められたかと思います。
昨日、大臣は官邸で、「アンケートにはやりたい政策を記載された」と、総理からもそのアンケートに書いた政策を早く持ってくるよう指示をいただいたとお話されていました。
改めてですが、どのような政策を記載されたのか、ここにいわゆる国土交通大臣としての真意が込められてるのかなと思いますので、是非伺わせていただけたらと思います。

(大臣)

アンケートには書かせていただきまして、役職は人事権者がお決めになることですので、ここでは人事の中間過程というのは申し上げるべきではないと思ってますので、控えさせていただきたいと思います。
その上で、政策は書かせていただきました。
今まで党内でも訴えてきたことを書かせていただきました。
ただ、中々、今まだ正式なものになっていませんので、今この場でということではありませんが、総理からも早く具体的な政策にして持ってくるようにいうことで非常に強い御指示をいただいていますので、早急に、事務方に既に渡してありますので、しっかりと検討を進めて、そして総理のもとへお持ちさせていただきたいと思います。

物流について

(記者)

物流分野からお願いします。
先ほども物流の担い手の確保ということのお話がありました。
こういった部分で一応の制度ができていて、その上で制度が回っている、そういう状態にあると思います。
ただ、現場からはその動きが見えないというお話がよく聞かれます。
動きを作っていくという意味で、現場からは政策はあるのだけれども、それが動いているのかが見えないというお話があります。
先ほど首相からは抜本的、総合的な対策を講じるようにという指示があったと。
大臣から見て今何をすべきかという意味で、何か物流という分野ですけれども、何か今のお考えがありましたら教えてください。

(大臣)

物流は、私はやはり繁栄する地域、栄える地域、これは全国津々浦々にあっていただきたいと願っていますが、人と物、そしてお金が集まってくる地域が繁栄する地域だというように古来から言われていますし、私もそう信じています。
その中で、物流というものは、物の流れですので、地域の繁栄、そして人々の生活にとって極めて重要なものだと思っていますし、だからこそ、現場が非常に多種多様で大きいです。
ですから、色々な政策を、やはり今までも国土交通省の皆さん、私も物流調査会長をやらせいただきましたので、精力的に取り組んでこられましたけれども、そういう政策が全国一律で全てに綺麗にいっているかというと、それは現実問題としては非常に難しいと思います。
だからこそ、現場で変化が感じられないという方がいらっしゃるというのが事実だと思いますので、そういうところをGメンとか、様々なものを使ってなるべく早く目詰まりなく施策を浸透していく、その努力をより強力に進めていくことが何よりも大事だと思っています。

(記者)

これまでの延長でいいのか、という意味ではいかがですか。

(大臣)

これまでの延長で、これは、新たな政策を取り組むことも非常に重要ですが、非常に現場が大きいものですから、朝令暮改も戒めなければいけないと思っていますし、現場の混乱を招いてはいけないと思っていますので、これまでの政策が全てそれだけでいいかと言われれば、それは新たなことをやらなければいけませんが、まずは今行っている施策をきちんと現場に浸透させて、そしてその間に次の新しい施策の準備を進めていく。
この繰り返しだと思っています。

成田空港について

(記者)

滑走路の延長と新設、施設整備からなる成田空港の機能強化についてどのような御所見をお持ちでしょうか。

(大臣)

成田空港の機能強化は、我が国の競争力を持っていく上で極めて重要な課題だと思っていますが、おっしゃるように、滑走路の延長新設は、その土地をお持ちの皆さまの、また、周辺にお住まいの方々の理解を十二分に進めていかなければいけない課題だと思っています。
どの事業もそうですが、地元の皆さまの御理解を得て進めていくというのが事業の基本だと思っています。

ライドシェアについて

(記者)

ライドシェアのことで伺いたいのですが、今回、規制改革担当大臣にライドシェアを進めていくべきだとされていた日本維新の会の方が入閣されたというところで、そこについて、今までライドシェアについてのお考えが何か変わるところがあるのか伺いたいと思います。

(大臣)

私自身、先ほど申し上げたようにライドシェア、先ほどは物の流れですが、人の流れに影響しますので、非常に現場が大きい制度ですので、公共ライドシェアが導入されたりして行われていまして、日本版ライドシェアも行われていますので、そうしたものを進めていきながら、足らざるものがあれば検討しなければいけませんが、まずはそうしたもので、大事なことは交通空白を埋めていくということですので、しっかりそれが実現するように取り組んでいくというのが、なによりも大事なことだと思っています。
その上で、規制改革、私の所管ではありませんが、様々な問題点を御指摘いただければ真摯に検討していくということは当然のことだと思います。

内水氾濫について

(記者)

先ほどの対策の方で、内水氾濫への対応を今後も強化するという話ですけど、これまで千葉豪雨では床上と床下で3000件弱の被害が出ています。
その内水氾濫の対応としては、新築、これを建てる部分に関しては、そのリスクを喚起して、また内水氾濫が起こる地域に建築を控えるよう、という呼びかけができるのですが、すでに建っているストック住宅に対しては、特に戸建てに対してはなかなか物理的にその内水氾濫の対応を取るというのは難しいと思うのですが、仮にストックの戸建て住宅に対して内水氾濫の対策であったり、対応を取る場合はどういう方向性があるのでしょうか。

(大臣)

既に建てたもののことですよね。
それは、まずは内水氾濫が起きにくい、ハード的な対策をしっかりやるということと、あと災害が起きてしまった場合の対応を早急に取るということが現実的な答えだと思っていますので、今時点で、そこに強制的な何かを加えるということは、私自身は検討していないです。

上下水道政策について

(記者)

上下水道政策について1点お尋ねしたいと思います。
先ほど内水氾濫の千葉の件とかもありましたし、また昨年、八潮(やしお)の件があったかと存じます。
上下水道、その後、道路陥没等、かなりインフラの老朽化等、問題となっているところかと存じますけども、今後の上下水道とかインフラの維持について大臣のお考え、また、もしくはそれが具体的なところ難しければ何か期待するところとか、そういったものを伺えたらなと思いますが、いかがでしょうか。

(大臣)

まず上下水道は、私も大学専攻が上下水道ですので、国民の生命や暮らしを支える、公衆衛生確保に欠かせないインフラです。
逆に今回そのような、今おっしゃったような事故を経て、上下水道の重要性は改めて、我々も改めて明らかになったのではないかなと思っています。
インフラ老朽化対策をしっかり進めていくようにと総理指示もあったということですが、特にこうした上下水道や、またはトンネルのような目に見えない、見えにくいところについての老朽化対策は非常に難しく、しかし、ひとたび災害が起きると重篤な災害を引き起こすので、しっかりと取り組んでまいりたいと思っていますし、こうしたことを考えると、第1次国土強靱化実施中期計画、これをしっかりと進めていくことが第一義的には重要だと思っています。

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