大臣会見

井林大臣会見要旨

2026年9月25日(金) 11:00 ~ 11:17
国土交通省会見室
井林辰憲 大臣

主な質疑事項

冒頭発言

(大臣から)印旛沼周辺における緊急排水オペレーションについて

(大臣)

本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から1点報告があります。
「印旛(いんば)沼(ぬま)周辺における緊急排水等オペレーション」についてです。
このたびの台風第25号によりお亡くなりになられた方々とその御家族に対し、心よりお悔やみ申し上げます。
また、全ての被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げます。
台風第25号により、9月22日に千葉県の印旛沼等の堤防が決壊したことにより、印旛沼北部調整池周辺において浸水が長期間にわたり広範囲に広がっていることから、緊急的な対応が不可欠であると認識しています。
そこで、「印旛沼周辺における緊急排水等オペレーション」として、台風第26号の接近を考慮し、1週間程度を目途に以下の3つの緊急対策を行うこととしました。
まず1つ目は、「印旛沼の水位を可能な限り下げる」ことです。
排水ポンプを最大限稼働させ、本日9月25日7時現在で約3.0mとなっている印旛沼の水位を、一両日中には平常時の水位である2.3mまで低下させた上で、さらに引き続き可能な限り水位低下を図っていく予定です。
2つ目としては、「破堤した印旛沼及び河川等の3地区4カ所の応急復旧」の実施です。
今後の雨で再度水位が上昇した場合でも決壊箇所から再び氾濫することがないよう、現地での施工方法について技術的な支援を行い、早期の応急復旧を推進してまいります。
3つ目としては、印旛沼周辺の「浸水箇所を排水する」ことです。
現在、印旛沼周辺地域など千葉県内で稼働している排水ポンプ車に加えて、堤防の決壊による氾濫水をいち早く排水するために、今後30台まで増強し、緊急排水オペレーションを実施してまいります。
これら3つの取組を着実かつ迅速に実施するため、千葉県、水資源機構、関東地方整備局の3者からなる「チーム印旛沼」を結成します。
会議等を通じて、この3者が相互に連携しながら、次の台風までに応急対策が完了することを目指して全力で対応してまいります。
後ほどプレスリリースをします。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。

質疑応答

外国人・外国法人による土地取得について

(記者)

外国人・外国法人による土地取得について質問します。
15日(火)、国土交通省が「外国人・外国法人による大規模な土地取得の状況」について令和7年7月から12月分の集計結果を公表しました。
これは、昨年の省令改正により、大規模な土地取引の際に国籍等の届出を義務化したことに基づくものであります。
改めてこの義務化の目的をお伺いします。
あわせて、本結果の受止めと結果を受けた今後の対応についてお伺いします。

(大臣)

国土利用計画法では、大規模な土地取引に際し土地取得者に届出を求めていますが、届出の主体が外国人・外国法人である場合に、出身国の言語等を考慮した指導・助言を行う必要が生じていることを踏まえ、昨年7月より土地取得者の国籍等の把握を開始したところです。
今回、国籍等の把握を開始した昨年7月から12月までの届出実績を集計し、公表しました。
結果は、外国人・外国法人からの届出件数は68件で届出全体の0.7%、土地面積は124haで届出全体の0.5%となっています。
外国人による大規模な土地の取得が一定数あるのは事実ですが、国土交通省としても、私もずっと所有者不明土地問題をやってまいりましたが、一番大切なことは不適切な土地利用の防止に向けて、日本人・外国人を問わず、届出制度が確実に機能し、必要な指導・助言を行える環境が大事だと考えています。

JR北海道について

(記者)

JR北海道の赤字ローカル線8区間について伺います。
国の監督命令を受けてJR北海道が進めている赤字8区間の抜本的な改善方策の策定に向けて、このたび国主導で、沿線自治体とJR北海道が協議する新たな枠組みを設置することになりました。
国土交通省はこれまで、地元での協議を優先するとの立場であったが、地元協議に主体的に関わる姿勢にこのたび転換した理由について伺います。
また、監督命令の期限が来年3月に迫る中、地元では期限の延期を求める声も出ていますが、国として期限延期が必要と考えているのかどうかも伺います。

(大臣)

いわゆる「黄線区(きせんく)」については、監督命令において、JR北海道と地域の関係者が一体となって、令和8年度末までに線区ごとに抜本的な改善方策を確実にとりまとめるよう求めているところです。
一方で、本年4月にJR北海道が上下分離を含む「考え方」を発表して以来、自治体との協議が進んでいなかったという状況を受けて、監督命令の履行を確実にする観点から、国として協議の場を設け、主体的に関与することとしました。
JR北海道に対する監督命令の期限が来年3月末とされていることから、国土交通省としては、まずはその期限に向けて、関係者の間で具体的な改善策がとりまとまるよう、円滑な協議を促してまいります。

台風25号について

(記者)

冒頭に印旛沼の対応の発言もありましたが、台風25号による現時点の被害状況、国土交通省の対応状況を教えてください。

(大臣)

概略ですが、台風第25号は、19日に小笠原(おがさわら)諸島に接近し、21日に伊豆(いず)諸島や関東甲信越地方に接近しました。
関東甲信越地方で21日の24時間降水量がこれまでの観測史上1位や9月の1位を更新し、19日から21日までの総雨量は伊豆諸島で800mm、静岡県で500mm、千葉県で450mmを超えるなど記録的な大雨となった所がありました。
これまで確認された被害状況等ですが、25日7時時点で、千葉県、神奈川県、宮崎県などで土砂災害が発生し、死者、行方不明者などの被害が発生しています。
また、千葉県管理河川における浸水や、千葉県内における断水も確認されています。
さらに、被災による国道などの通行止めや鉄道の運休が発生しており、そのほか、バスの運休が生じています。
国土交通省では、まず、記者会見により最大級の警戒を呼びかけるとともに、自治体とのホットラインの構築を行いました。
また、これまで、TEC(テック)-FORCE(フォース)を派遣し、リエゾンによる被災状況の把握、気象庁防災対応支援チームJETT(ジェット)による気象の状況や見通し等のきめ細かな説明、防災ヘリによる被害状況調査などを実施しています。
先ほど冒頭でも触れましたが、千葉県で発生している浸水被害に対しては、排水ポンプ車を11台派遣し、堤防が決壊した印旛沼周辺や浸水した市街地等の排水作業を行うとともに、必要に応じて追加の排水を行えるよう、18台のポンプ車を現場付近に前進配備しています。
また、決壊箇所の堤防の復旧に対しては、TEC-FORCEが緊急復旧に必要な技術的支援を行っています。

リニア中央新幹線について

(記者)

リニア中央新幹線について伺います。
静岡工区に関して、7月に静岡県知事が容認を表明して以降、着工に向けた準備が進められています。
リニア静岡工区の早期着工や品川(しながわ)-名古屋(なごや)間の開業に向けて、静岡選出である大臣の御期待をお聞かせください。
大阪までの全線開業に向けては、最速2037年という目標もありますが、すでに現実的ではないとも指摘されています。
37年全線開業が可能と考えているのかどうか国土交通省の見解をお願いします。

(大臣)

リニア中央新幹線全体で申し上げますと、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を一つの圏域とする日本中央回廊を形成し、日本経済を牽引するとともに、東海道新幹線とのダブルネットワークによるリダンダンシーの確保を図る、国家的見地に立ったプロジェクトだと考えています。
静岡工区の本格的な工事はまさにこれからと承知していますが、JR東海(とうかい)には、これまでの議論の成果である環境保全措置をしっかりと実施し、地域の理解と協力を得ながら、適切かつ着実に工事を推進していただきたいと思っています。
地元の議員としても同じ想いを持っています。
また、リニア中央新幹線の開業を見据え、JR東海と関係自治体との間で地域振興に資する取組に関する議論や、新たな交通結節の核となるリニア中間駅の建設工事も着々と進められていると承知しています。
このようなことも踏まえ、品川-名古屋間の一日も早い開業に向けた工事の着実な進展と、開業を契機とした沿線地域全体のさらなる活性化に期待したいと思います。
さらに、開業時期ですが、事業主体であるJR東海においては、まずは品川・名古屋間の工事に全力を尽くすとしており、名古屋までの開業の見通しについて、年内目途にお示しする方向で検討していると聞いています。
国土交通省としましては、引き続き、リニア中央新幹線の早期整備に向けた環境を整え、一日も早い全線開業に向けて、関係自治体やJR東海と連携し、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。

治水対策について

(記者)

今回、千葉県印旛沼で堤防決壊で大きな被害が出ましたが、これの受け止めをお願いします。
2018年の西日本豪雨災害の時も同じように岡山県の倉敷(くらしき)市真備(まび)町(ちょう)で堤防決壊で大きな被害が出たと。
その後、全国的な堤防決壊リスク点検が遅れていて、対策が進んでいなかったので今回の事態を招いたのではないかと思うのですが、ダム優先の治水政策からの転換が遅れていたのではないかというふうに見えるのですが、大臣の御見解をよろしくお願いします。

(大臣)

今回の印旛沼における堤防の決壊により、地域の皆さまの暮らしや社会経済活動に大きな被害が生じたと承知していますし、お亡くなりになられたすべての方々に、また、その御家族の方に対しまして心からお悔やみ申し上げたいと思っています。
またすべての被災された皆さま方にも心からお見舞い申し上げたいと思っています。
その上で、国土交通省では御指摘の西日本豪雨などの水害を踏まえ、全国の河川を対象に堤防決壊時の危険性などについて緊急点検を行い、洪水や堤防決壊時の危険性が高い区間等について、堤防の強化やかさ上げ、河道掘削などの対策を進めてきたところであり、今回決壊した印旛沼周辺についても、築堤や河道掘削などの対策を進めてきたところです。
また、気候変動により水災害が激甚化・頻発化する中、堤防整備や河道掘削、既存ダムの有効活用や新規ダムの整備、雨水の貯留・浸透対策、避難体制の強化など、流域全体のあらゆる関係者が協働して、ハード・ソフトの対策を総動員する「流域治水」に全国で取り組んできたところです。
こうした取組を進めてきた中で、今回、堤防が決壊し、大きな被害が生じたことを踏まえ、どのような要因で堤防が決壊に至ったのかに関する検証や再度災害を防止・軽減させるための対策などについて、河川管理者である千葉県等の関係機関と連携して進めてまいります。

(記者)

緊急に対策が必要な、点検が必要な進捗状況をお伺いしたいのですが、全国で何kmぐらい危険なエリアがあって、その内今どれぐらいの進捗状況なのか。
西日本豪雨災害の時も言われていたのですが、簡易的な鉄板を入れたり、コンクリートで周りを固めたりする手法があるのに国土交通省はなかなか認めようとしないと。
すぐに素早く堤防強化ができるやり方というのは現時点では認められているのでしょうか。
鉄板を入れたりとか、コンクリートで周りを固める手法なのですが。

(大臣)

御指摘のような技術的な対策については、私の立場から申し上げるのではなく、技術者の方々に、有識者の皆さまに御助言をいただきながら進めていくというのが一番大切なことだと思っており、色々な御意見があるのは承知していますが、しっかりとした有識者の皆さまに出していただいた答えに沿って現場で進めていくのが大事だと思いますし、今回の印旛沼に関しては、まだどのような要因で堤防が決壊に至ったのかに関する検証が行われていません。
そうしたものを踏まえて、これから対策を検討していくということになると思います。

(記者)

何%点検して、何%残っているのかを聞きたいのですが。
堤防で危険なところがあると、緊急点検されたとのことですが、何%ぐらい今まで対策が終わっているのか、どれぐらいまだ終わってないのか、その割合についてお伺いしたいのですが。

(大臣)

具体的な数字は持ち合わせてないので、後で事務的にお返しさせていただきたいと思います。

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