2026年10月2日(金) 11:10 ~ 11:31
国土交通省会見室
井林辰憲 大臣
(大臣)
本日の閣議案件で、特に私から報告するものはありません。
このほか、私から2点報告があります。
1点目は、名古屋市視察報告についてです。
9月8日の大雨を受けて冠水等の被害が発生した名古屋市内を昨日、視察しました。
視察では、名古屋市内で整備が進められている名古屋中央雨水調整池、大曽根の直轄地下駐車場の浸水防止対策及び庄内川の枇杷島橋を視察し、関係者から当日の降雨状況や施設の運用状況等について説明を受けました。
現地では、短時間に非常に強い雨が降る中での内水対策として、名古屋中央雨水調整池が雨水を一時的に貯留し、市街地の浸水軽減に効果を発揮した状況を確認しました。
また、直轄地下駐車場においては、本年6月に設定した閉鎖基準に基づき、当日迅速に止水板を設置し、浸水防止が図られていたことを確認しました。
あわせて、庄内川の枇杷島橋周辺では、出水時の河川水位の状況や橋の架け替え等による水位低減効果などについて説明を受けました。
流域では短時間の記録的な大雨により河川水位が上昇したものの、これまで進められてきた河川整備などが地域の安全確保に重要な役割を果たしていることを改めて認識したところです。
今回の視察を通じて、現在進められている浸水対策等の事前防災の重要性を改めて実感したところです。
引き続き、自治体や関係機関と緊密に連携しながら、国土交通省として、流域のあらゆる関係者が協働し、ハード、ソフトを総動員する流域治水に取り組んでまいります。
詳細は事務方にお問い合わせください。
(大臣から)東海汽船に対する船舶の使用停止処分について
(大臣)
2点目は、東海汽船に対する船舶の使用停止処分についてです。
東海汽船については、本年1月から複数回にわたり、海上運送法及び船員法に基づく立入検査を実施した結果、同社が運航する、東京~大島~神津島航路、東京~八丈島航路、熱海~大島航路において、旅客乗船口を閉鎖しないまま運航を行っていたこと、酒気帯び乗務及びアルコール検査の肩代わりによる偽装を行っていたことなど、重大な事故につながりかねない危険な行為が漫然と繰り返されていた実態が確認されました。
この違反事実を受け、8月28日には、関東運輸局から東海汽船に対し、海上運送法に基づく安全統括管理者及び運航管理者の解任命令等を行ったところです。
これに加えて、今般、同社が策定した「改善計画」と行政処分基準に照らし事案を精査した結果、同社が対象の3つの航路において運航している5隻の船舶のうち、3隻の船舶について、10月9日から28日までの20日間の使用停止命令を発出することとしました。
一方、これらの航路は、伊豆大島や八丈島などの島民の方々にとって必要不可欠な航路であり、生活交通や物流を担うものであることから、「改善計画」に基づき、近隣航路の事業者による代替運航を行うこととされるなど、島民生活への影響は最小限に抑制されていると考えています。
国土交通省としては、このような行為を二度と繰り返させないため、同社において、安全管理体制の抜本的な再構築を含む再発防止策が確実に講じられるよう、関東運輸局、東京都、東海汽船からなる新たに立ち上げられる会議体も通じて、厳格に指導監督を行ってまいります。
また、今般の事案では、経営トップを含め、現場実態を把握し、必要な是正につなげようという、安全意識が欠けており、安全管理体制が機能していなかったことに対する責任は極めて重大であると考えています。
東海汽船の経営陣には、その責任をしっかりと受け止め、社風を一新する覚悟で再発防止に取り組んでいただきたいと思います。
後ほどプレスリリースをします。
また、本日14時に、関東運輸局において東海汽船に対する命令書の交付を行います。
詳細は事務方にお問い合わせください。
私からは以上です。
(記者)
印旛沼の堤防決壊についてお聞きします。
現在、市街地の排水作業、決壊箇所の応急処置が実施されていると思いますが、現在の最新の状況を教えてください。
(大臣)
このたびの台風第25号によりお亡くなりになられた方々とその御家族に対し、心よりお悔やみ申し上げます。
また、全ての被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。
印旛沼については、これまでに、千葉県、水資源機構、関東地方整備局の3者からなるチーム印旛沼を結成し、印旛沼周辺における緊急排水等オペレーションとして3つの対策を実施してまいりました。
1つ目の印旛沼の水位を可能な限り下げる対策については、関係する利水者などとも調整のうえ、排水ポンプを稼動させ、平常時の満水位よりも低い水位を維持しています。
2つ目の決壊した印旛沼及び河川等の3地区4カ所の応急復旧については、台風第26号に備え24時間体制で施工し、9月末までに全ての箇所の決壊口を締め切りました。
最も決壊被害の大きかった北印旛沼の船形干拓地区については、引き続き、決壊前の堤防断面を確保する工事を施工しています。
3つ目の印旛沼周辺の浸水箇所を排水する対策については、出津地区河川防災ステーションに前進配備していた排水ポンプ車を印旛沼周辺などに30台設置し、順次排水作業を実施しているところです。
台風第26号が接近する中でも、これらの作業を停滞させることなく実施しており、引き続き、国土交通省の現場力・総合力を最大限発揮し、全力で取り組んでまいります。
(記者)
大きく2問伺います。1問目が東武鉄道に関してです。
8月20日に東武鉄道において発生した事故に関して、一昨日、東武鉄道より関東運輸局に対して、事故についての中間報告書が提出されました。
国土交通省としての受け止めをうかがいます。
また、同種事故を防止するための措置も示されましたが、今般の事故において安全管理規程の一部不履行もあったことから、この再発防止策、実効性が伴うのかという指摘もあります。
国土交通省としてどのように関わっていくのかまず伺わせてください。
(大臣)
まず、このたびの事故によりお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆さまに対し、お悔やみを申し上げます。
先月30日に東武鉄道から関東運輸局に対して、今般の事故に関する中間報告書が提出されました。
中間報告書では、作業指揮者として指名されていない者が作業を指揮していたことをはじめ、安全管理規程などで定められた内容が遵守されていないことに加えまして、現場で意見や疑問を言いにくい、風通しの悪い環境であったこと、また規程などが守れなかった場合の安全確保対策に改善の余地があったことが確認されました。
こうした事実関係を踏まえて、再発防止策として、安全教育の実施や列車接近警報装置の導入拡大を実施するとともに、今後、東武鉄道が設置する第三者委員会などにおいて、更なる検証を行い、追加的な対策を講じることとされています。
国土交通省としては、安全管理規程の不履行などにより、このような重大な事故が起きたことを大変重く受け止めています。
このため、東武鉄道に対し、中間報告書に示された再発防止策を迅速かつ確実に実施するとともに、第三者委員会での検証を通じて、事故の背景や原因を更に掘り下げ、追加的な対策を講じるよう指導し、また、フォローアップの保安監査を行ってまいりたいと考えています。
また、同種事案の再発防止について、全国の鉄道事業者に対し、昨日1日付けで中間報告書の内容を共有するとともに、線路内作業に係る規程の遵守状況について緊急点検を実施するよう求めたところです。
さらに、全国の鉄道事業者を集めて「緊急鉄道保安連絡会議」を10月23日に開催することとしました。
本会議では、今般の事故で確認された事実に加え、他の鉄道事業者における対策事例や教訓などについての情報共有及び意見交換を行い、再発防止に向けた取組の横展開を図るとともに、各鉄道事業者における取組の確実な実施を促してまいりたいと考えています。
輸送の安全確保は鉄道事業者にとって最も重要な使命です。
国土交通省としては、再びこのような事故が起きることのないよう、鉄道の安全・安定輸送の確保に全力で取り組んでまいりたいと考えています。
(記者)
簗農水大臣の関連です。
簗農水大臣は今年5月に開かれた非公開の会合で、栃木県那須烏山市と那珂川町に対する道路予算を大幅にカットしたと発言をしたと報道が一部されています。
道路予算は基本的に国土交通省の管轄かと思いますが、道路予算が削減された事実があるのか、大臣の受け止めを伺わせてください。
(大臣)
一部報道において、御指摘の発言や、那須烏山市と那珂川町の社会資本整備総合交付金の配分が対前年比で減少していることについて、報道があったことは承知しています。
社会資本整備総合交付金の配分については、限られた予算の中で地方公共団体からの要望や事業の進捗状況、重点配分の対象の有無等を総合的に勘案して行っているものです。
したがって、報道されているような、御指摘の発言のような形で、道路予算が削減された事実はないと報告を受けています。
なお、御指摘については、報道で様々な数字が掲載されていることも含めて、事務方において、事実関係の精査を行っているところです。
(記者)
その上で簗大臣から、こうした議員時代に口利きだったりとか相談であったりとか国土交通省に対してあったのでしょうか。
(大臣)
先ほど申し上げましたとおり、御指摘の内容については事実関係の精査を行っているところですので、時間をいただければと思います。
(記者)
事実関係の精査というのは、簗大臣からの口利きとか相談とか、そうしたことがあったかないかも含めて精査をされているという形ですか。
(大臣)
はい。
(記者)
もう1点が、おっしゃっていたように社会資本整備総合交付金は大幅に減額されています。
また、要望額と照らし合わせてもかなり減額されています。
進捗状況等を踏まえて、あとは地方自治体からの要望も踏まえて検討されるということなのですが、かなり大幅に減額されているのですが、これ、なぜなのでしょうか。
2自治体についてかなり言及があったので、この2自治体についてなぜこんなに減額されているのか伺わせてください。
(大臣)
先ほど申し上げましたように、社会資本整備総合交付金の配分については、限られた予算の中で地方公共団体からの要望だけではなく、事業の進捗状況、または重点配分の対象の有無等も総合的に勘案して行っています。
その事実関係については、今、事務方において精査をしているところです。
(記者)
閣僚からこうした発言が出てきたことに関して、井林大臣、どのように受け止めてらっしゃるのでしょうか。
(大臣)
私自身、個々の政治家の発言なので、今は国土交通大臣として立っているので、政府の立場としてコメントはすべきではないし、差し控えたいと思っています。
(記者)
一方で議員がこうした発言において、カットしただとか、そうした発言が出てくることについて、所管する国土交通大臣として、こうした国土交通省が管轄する予算を大幅にカットしてきたんだというような発言をされていることに関してはどうお考えですか。
(大臣)
そこも個々の政治家の発言ですので、今の大臣としての、政府としての立場としてはコメントは控えたいと思います。
(記者)
簗議員側から口利きがあったかどうかは調査中とのことでしたが、予算配分をする時に国交省側から簗議員側に対してなにかレクを行ったりだとか説明をしたという事実は確認されていますでしょうか。
(大臣)
そうした事実も含めて、事実関係についていま調査を行っているところです。
(記者)
その調査のあと、今回の報道を受けて、例えば減額された理由などを調査されていると思いますが、それを受けて、2つの自治体に対して、何か改めて説明をしたりだとか、そういったことは今考えていますでしょうか。
(大臣)
まずは事実関係の精査を行っているので、その先の仮定のことはお答えを控えさせていただきたいと思います。
(記者)
井林大臣御自身も国土交通省の道路局にいらっしゃったことがあると思います。
その経験も含めて一般的に、一議員が特定の自治体の道路予算を減らすような指示をして、それを受けて実際に減らすということがあり得るのかどうか、そのあたりについて大臣のお言葉でいただけますか。
(大臣)
先ほど申し上げたとおり社会資本整備総合交付金の配分については限られた予算の中で地方公共団体からの要望や事業の進捗状況、重点配分対象の有無等を総合的に勘案して行うものであり、それ以上でも以下でもないということです。
(記者)
一般的には口利きがあって減らすというのはあり得ないという認識でよろしいですか。
(大臣)
口利きという言い方が適切かどうかというのは判断つきかねますが、地元からの要望や事業の進捗、重点配分の対象の有無等を総合的に勘案して、社会資本総合交付金の配分については行っています。
(記者)
台風第25号で被災した千葉県について、各地で盛土が行われていた箇所で崩落被害が拡大していると思います。
中には、規制法に基づく許可を得ずに造成された箇所が崩落したケースもあり、行政としても度重なる指導を行っていたとの報道もありますが、業者が指導を無視した結果、今回の崩落が発生したとも考えられますが、監督官庁として今後の指導をはじめ、強制力を持たせた対策について検討するのか国土交通省のお考えをお聞かせください。
(大臣)
今回の台風第25号により、千葉県内で複数の盛土が崩落しているものと承知しています。
不適切な盛土がひとたび災害を引き起こした場合に、地域住民の生活や安全に深刻な影響を及ぼし得ることが改めて示されたと受け止めています。
令和5年に施行された盛土規制法では、規制区域における危険な盛土等について、都道府県等が土地の所有者等に対して勧告、命令を行い、命令に従わない場合には行政代執行や刑事告発を行うことなどが可能です。
国土交通省としてはこれまで、行政代執行や刑事告発を行うためのガイドラインを整備し、必要な場合には躊躇なく適切な措置を講じるよう、都道府県等に働きかけているところです。
今般の台風第25号による被害を受け、この趣旨を徹底するよう、改めて通知を発出したところです。
引き続き、盛土規制法の着実な運用を通じて、危険な盛土等への対応を進め、盛土等による災害の未然防止と住民の安全確保を推進してまいります。
(記者)
印旛沼堤防決壊についてなのですが、緊急点検をしていたにも関わらず、決壊が起きたという重い事実があると思うのですが、このことは今までの対策では不十分で近年の豪雨災害、異常気象を受けて、より厳しい点検、対策が必要ではないかということを物語っていると思うのですが、一方で高市政権は「危機管理投資」を掲げていますが、投資案件ではなくて、緊急対策点検予算の投入がまず必要なのではないかというふうにお考えではないでしょうか。
具体的には、補正予算でこの堤防決壊を防ぐための緊急点検対策強化の予算を盛り込むというお考えはないのでしょうか。
(大臣)
先日お答えしたとおり、国土交通省では、2018年の西日本豪雨などの水害を踏まえ、全国の河川を対象に、堤防決壊時のリスクなどについて緊急点検を行い、堤防の強化やかさ上げ、河道掘削などの対策を進めてきたところであり、今回決壊した印旛沼周辺についても、築堤や河道掘削などの対策を進めてきたところです。
そうした中、今回、令和8年台風第25号により、印旛沼では既往最高水位を記録するなど、記録的な大雨が生じたことから、堤防が決壊するなど大きな被害が発生したと承知しています。
今後、堤防の決壊の検証や、再度災害を防止・軽減させるための対策などについて、河川管理者である千葉県等の関係機関と連携して進めてまいります。
また、全国的には、気候変動などにより水災害が激甚化・頻発化していることを踏まえ、全国の河川の治水計画を気候変動による降雨の増加も踏まえたものに順次見直すとともに、堤防決壊のリスクが高く、治水安全度が不足している区間等において、堤防整備や河道掘削を推進してきたところです。
御指摘の点については、まずは私たちは国土強靭化実施中期計画の予算を活用しながら、早急に地域の安全・安心を確保できるよう全力で努めてまいりたいと思います。