(問)副大臣に就任した抱負と、特に取り組んでいきたい課題でここを重点的にやっていきたいというところをお聞かせください。
(答)この度、副大臣を拝命いたしました土井亨でございます。
皆様にはいろいろな情報を含めて御指導を賜りますように改めてお願い申し上げたいと思います。
私は昨年9月まで政務官を務めさせていただきました。
一年を経て再び国土交通省で仕事をさせていただくことになり、その重責に震える思いでございますが、しっかりと国土交通行政のために頑張ってまいりたいと思っております。
来年1月には国土交通省が発足して15年を迎えるわけであります。
今日まで御苦労頂きながら、地方と綿密に国土交通行政の進展のために頑張ってこられた国土交通省の現役の皆さん、OBの皆さんの御努力をもっと素晴らしいものにしていくために、微力ではございますが、その責任を果たしてまいりたいと思っております。
私は宮城県選出の国会議員でございます。
震災から4年7ヶ月が過ぎました。
この間、国土交通省の皆様方、本当に懸命に復旧・復興に御尽力を頂いてまいりましたことを私は身に感じております。
それは被災地とともに歩んでこられた、だからこそ被災地の皆様方も国土交通省の皆様方に大変感謝もしておりますし、期待も大きいというふうに思っております。
被災地のいろいろな実情に応じた、きめ細やかな迅速な対応を今まで以上にしていくこと、これがまず私がやらなければならない努めだと思っております。
更に、社会資本の計画的な整備や観光立国の推進など真に豊かな国民生活の実現、また我が国経済の再生と地方の活力をしっかりと再生させるために頑張ってまいりたいと、決意をいたしております。
海上保安庁の皆様には、常に領土・領海の堅守に頑張っていただいておりますので、今まで以上にしっかりとこの点にも取り組んでまいりたいと考えております。
これらの取組みにおいては、国土交通省の現場力や総合力を発揮できるように、私自身、現場また地方の皆さんの声をしっかりと受け止めながら、石井大臣をサポートいたしまして、国土交通省が日本のために仕事ができるような環境を作ることができればと思っております。
以上です。
(問)幅広い担務の中で航空分野があると思うのですが、空港運営の民営化について、地元の宮城を始め、九州では福岡でも民営化の取組みが進んでおりますが、特に運営母体については、三セクは好ましくないだとか、地元の企業連合が望ましいとか、いろんな考え方があるかと思います。
仙台の経験も踏まえて御見解を頂ければと思います。
(問)仙台空港のコンセッションについては、やはり、空港管理者、ターミナル等の地元の考え方が優先されなければならないと思っております。
私自身、政務官当時から、このコンセッションに関わらさせていただいて、国交省としては常に宮城県また経済界の皆様方の御意志をしっかりと尊重しながらスケジュールをつくり、公平で本当に宮城県、仙台空港が第一号として民営化がスムーズにスタートできるよう環境作りに努めてきたと思います。
こういうものもしっかり参考にさせていただきながら、今、手を挙げていらっしゃるところも多いわけでありますので、確実にしっかりとその地域の活性化、又はその空港の活性化に繋がるように頑張っていきたいと、そうであるべきだと思いますし、それをモットーにこれまで頑張ってきたと思っております。
(問)先日の民間企業の調べで、東京は世界ランク4位になりました。
東京など日本の都市の国際競争力の向上についてお伺いしたいと思います。
(答)民間研究機関が発表した直近の都市ランキングにおいても、シンガポールや香港などアジアの都市が急激に伸びてきていることが現実だと思います。
こうしたことを踏まえながら、施策を総動員しながら東京を始めとする大都市の競争力強化を一層進めていかなければならないと思っております。
このためには、シティ-セールス、MICE誘致等のための環境整備を優先的に進めていかなければならないと思っておりますし、従来から行っている大規模で優良な民間都市開発事業に対しても、これまで以上に金融支援・税制支援についても引き続きしっかり取り組んで、国際競争に勝てる都市作りを、それが私どもがまずやらなくてはならないことだということも認識しております。
(問)観光立国についてですが、ホテル不足が叫ばれている中で、民泊の活用についてはどう考えられているのでしょうか。
(答)民泊の活用につきましても、いろいろな問題点がございます。
今、厚生労働省を始め関係省庁と問題点を洗い出しながら、いかに民泊というものを活用できるかということを検討いたしております。
是非この検討を進めてまいりたいと思いますが、現実的にはまだまだ東京都内や大阪府内に旅館の空室もあるということを承知いたしておりますし、また東京、大阪のみならず、その周辺隣県ともしっかり連携しながら、そういう状況をいかに情報発信していくかというところにも努めているところでもございます。
また、大田区など、条例によって民泊を何とか実現していきたいという自治体もだいぶ広がっておりますので、そういう自治体ともしっかり見守りながら、問題を解決していきたいと考えております。
(問)先ほど、地方の活力再生というところで言及されましたけれども、観光分野では外客の地方への誘致ですとか、観光商品の拡大といったところが政府指針として掲げられています。
これについて緊急性や受容性の観点から、特に進めていかれる施策について、またそ現状の課題認識についてお聞かせください。
(答)今はやはり、ゴールデンルートと言われるようなところに集中していると認識しております。
このゴールデンルートに集中しております旅行客を、いかに地方に誘客するかという問題を解決しなければならないと思います。
そのために6月5日に決定されました「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」に基づき、広域周遊ルートの形成、又は地方における免税店の拡充等により、地方への誘客を推進する施策をしっかりと前に進めていかなければならないと考えております。
また、空港容量や今お話いただきましたような宿泊施設、また貸切バス等の供給の確保等こういう問題を一つ一つ解決することによりまして、全国津々浦々に観光客を呼び込むという取組みを政府一丸となって早急に進めていくことが大切だと考えます。
(問)海事分野について1点お伺いします。
11月末に開催されますCOP21で、海事分野が取り上げられた場合の対応方針を教えてください。
(答)2009年の第15回締約国会議におきまして、途上国に対する支援として年間1000億ドルの資金を先進国が共同で拠出することに合意しております。
しかし国際交通分野については、その有力な財源候補とすべきとする議論も一部あるということも承知しております。
しかし、まだまだ現時点におきましては、資金や財源の現実的な道筋というものも示されていないのが現状でございますので、国際交通分野が不当に取り扱われるようなことのないように、しっかりと対応してまいりたいと思います。
また、IMOを含めて他の輸送モードに先駆けて船舶等CO₂排出規制を世界的に導入しておりますし、地球温暖化対策に積極的に取り組んでいるというのも事実でございますので、国際海運における地球温暖化対策について引き続き世界を牽引できるよう、今後ともIMOの審議に積極的に対処して、そういうものをしっかりと訴えていくのも今やるべきことだと認識しています。
(問)航空分野についてお伺いします。
首都圏空港の機能強化について、それに向けた期待と課題をお伺いしたいと思います。
あと、コンセッションの話を先ほど伺いましたけれども、優先交渉権者に決まった東急グループに対する期待も一言お願いします。
(答)コンセッションは、東急グループに決まりましたけれども、これも単に勝手に決めたということではなく、宮城県、経済界、地元の皆様といろいろ事前のお話もございましたでしょうし、そういう意味では地方が求めている具体的なものをしっかりと提示されて決まったということでありますので、私どもは先ほど申しましたとおりスケジュールにしっかり乗って、確実に実施できるように支援してまいりたいと思います。
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を目指して、我が国の国際競争力の強化をしっかりとやっていくことが大きな課題だと思いますし、そのために羽田空港の飛行経路の見直しや、2020年までに約8万回増枠するという目標に向かって今、関係自治体等との協議を鋭意進めているところであります。
しかしながら2020年それだけでいいのかということになりますと将来をしっかり見据えなければなりませんので、2020年以降の更なる機能強化についてもしっかりと今から協議をしていかなければならない。
そのためにも、成田空港の第三滑走路を始めとする機能強化方策の具体化に向けて、関係自治体等と検討・協議を進めておりますので、しっかりと進めて、現実的な機能強化等の実現に向かって頑張っていきたいと思います。
(問)午前中に、港湾整備5団体の全国大会に御出席されていたと思うのですが、国際コンテナ戦略港湾を含めた港湾政策に関してはどのようにお考えでしょうか。
(答)午前中の港湾大会に出席させていただきまして、日本が国際競争に勝つという意味では、やはりしっかりとした拠点、港湾の充実、そのために京浜・阪神港を拠点にこれから進めていくわけですが、今日、自治体の長の皆様方が意見発表された中で、やはりその地域地域の港湾の役割があるんだろうなと。
そういう役割をしっかりと受け止めて港湾整備をやっていくことが、地域の港湾を利用した地域の活性化につながるのだろうなという思いを強く持たせていただきました。
しっかりと港湾の役割分担を明確にしながら、その地域に貢献できる港湾にしていくことが必要だと考えています。
(問)カジノの合法化を目指すIR法案の関係ですが、効果を期待する声とリスクを負う不安の声とが出ていますが、そもそもこの法案についての副大臣の御見解、御認識をお願いします。
(答)IR法案については、今、衆議院で継続審査になっておりますし、これからの国民的な議論を見守ってまいりたいと思っております。
そもそもIRとはどういうものなのか、それはどういう形の中で日本の経済の牽引役になるのか、そのことが地域と言いますか、圏域の活性化につながるのだと、そういうものも含めて基本的なことからしっかりと国民の皆様方へ説明をしていくということも必要だと思いますが、これは議法でありますから、しっかりとまずは国会の中での動きを見守っていきたいと思います。
(問)社会資本のストック効果を最大化するという取組みについて、具体的に御所見をお願いします。
(答)安倍総理から石井大臣に対しては、交通網の整備等、地方再生の起爆剤になることに留意し、これをしっかりと進めるように指示があったと伺っております。
このために、今いろいろな課題がありますが、社会資本整備というのもやはりそういう課題一つ一つを解決するために進めなければならないと考えております。
第4次社会資本整備重点計画に基づき、集約・再生を含めた既存施設の戦略的メンテナンスと、既存施設を有効に賢く使う取組も進めながら、安全・安心の確保、生活の質や生産性を向上していくという社会資本の本来のストック効果を最大化させるために、やはり必要な集中と選択、こういうものも徹底させながら進めていくべきだと思いますし、そうあるべきだと考えております。
(問)国土政策についてお伺いします。
8月に国土形成計画が閣議決定され、今後は地方ブロック計画も策定するかと思いますが、この地方ブロック計画のとらえ方、あり方、方向性をお聞かせください。
(答)国土形成計画が目指す地方ブロック計画というのは、対流促進型国土を目指すものであります。
全国8ブロックに分けまして、具体的な取組みをしっかりと明確にしていかなければならないと考えております。
そのためには、是非、今年度中の策定に向けて、各ブロックの地元経済界や行政機関の皆様と協議会を開かせていただいてますので、その方針や目標等について、中間整理を行わせていただきながら、それぞれの広域地方計画において、各協議会での議論も踏まえて、社会資本のストック効果も活用した骨太な圏域構造や圏域を越えた連携のあり方について、具体的に示していきたいと考えております。
(問)東京圏の高齢化がこの先、急激に進むと言われておりますが、高齢化に向けた都市政策などをお伺いできればと思います。
(答)よく、地方ではコンパクトシティというような形で、地方の高齢化、又は人口減少に対しての対応を進めているわけであります。
東京も人口密集地等も含めて、高齢者の皆様方が住みやすい東京都のあり方、これは東京都の方で一生懸命取り組んでいただいていると思いますが、そういうものも踏まえながら、これから検討していく課題だと思います。
(問)来年度から、新しい北海道総合開発計画というのが策定されるのですが、本格的な人口減少社会が到来する中、今後の北海道開発のあり方について教えていただけませんでしょうか。
(答)北海道は、他の地域よりも人口減少が10年位先行して進んでいることを承知しています。
一方で、北海道は我が国の食料基地、供給基地でもありますし、御承知のとおり、観光、保養等、主要な拠点として大変ポテンシャルが高い地域であるということも承知をいたしております。
また、近年では、農産物の輸出や外国人旅行客が急増しておりますし、こういうものをしっかりと活用していくということが大切だと思っております。
生産空間においても、住みやすい、また住み続けることができるような機能とネットワークの維持、また、食と観光の面で本当に北海道は素晴らしいものがありますので、そういうものをしっかり戦略的な産業として、世界水準の北海道をしっかり作り上げていくということを成し遂げるためにも、来春を目途に北海道総合開発計画を策定すべく、今一生懸命努力をしているところです。
その際にも、北海道の皆様の考え方や北海道のあり方にもしっかりと耳を傾けながら、一緒に考えていく、一緒に計画を作り上げていくということが必要だと思います。