副大臣・大臣政務官会見

池口副大臣会見要旨

2011年6月20日(月) 17:26 ~ 17:45
国土交通省会見室
池口修次 副大臣 

質疑応答

本日の政務三役会議の概要を1点御報告いたします。
国土交通省が自ら実行する具体的な節電対策を定める「国土交通省節電実行計画」について審議を行いまして、その内容について政務三役会議として了解をしましたので、7月からその内容で実施がされるということでございます。

(問)昨日から今日にかけての高速道路料金の切り替わりについてですが、周知期間が短かったということもあるのですが、19日から20日にかけての渋滞を含めた状況について、副大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)19日の深夜から切り替わったので、18,19日の土日が上限1,000円の最終日でした。
周知期間は短かったのですが、この週が最後の上限1,000円になるということがかなり浸透していて、通常の土日以上に渋滞をしたことは事実だろうと思います。

(問)今日になってから、東北の被災者を中心とした無料化の部分で、東北の方で渋滞が起きたようなのですけれども。
(答)これは最初の日ですから、今後は平日を含めてどのような状況になるかということは、今日の時点ではまだ判断するのは早いかなと思っております。
確かに今日から無料で通行できますので料金所にかなり集中した事実はあろうかとは思います。
若干懸念をするとしたら、今まで通勤に使っていた人が会社に間に合わなかったということがあったとすると大変申し訳なく思いますが、その辺は制度が徐々に浸透していけば、それぞれの人が工夫をしていただけるのではないかなと思います。
そういう問題があるので、我々としては車種を制限することは今のところ考えておりません。

(問)今回の東北被災者の無料化に関して、被災証明の有無を要件にされておりますけれども、この発行に絡んで自治体の間では発行する要件がかなり違っているということで若干の混乱も生じているようですが、これについてどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
(答)私も新聞なり今日の朝のニュースで若干混乱をしているという事実は認識をしております。
この制度というのは元々、被災者、避難者と被災地域の支援をするためにできるだけ早く制度を作った方が良いのではないかと言う声を踏まえて行ったものでございます。
トラックは見れば分かる話ですから、若干の渋滞はあるにしてもそんなに混乱はないだろうと想定はしておりました。
被災者については、確かに阪神・淡路の時にもコピーが出回ったという話は聞いていました。
ただ、我々としては、何らかの方法で被災者、避難者の確認をしないと、全車対象ということに自動的になってしまいます。
将来的には行いたいと我々は思っていますが、現段階ではそこまではできないので、何らかの方法で、被災者、若しくは避難者ということを確認しないといけないのですが、確認をするに当たっては、新たに国土交通省が何か証明書を発行するというよりも、今、被災証明というものがあるわけですから、それを流用すれば良いのではないかと。これはある意味公文書ですから、新聞等で、インターネットに出たとか、場合によってはコピーが出回るとかという話がありますが、これは極論すれば、公文書を不正に使用するということなので、これは犯罪行為だと思いますから、それはそちらの方で処理をすべきではないかなというふうに思っております。
現実に、インターネットは即日ヤフーが削除したみたいですから、ヤフーもある意味、これは犯罪行為であるという認識があると思っております。
なかなかそれ以外の方法で、被災者、避難者を確認する方法があるかというと、具体的な方法は思いつかないので、そういう問題はあるにしても、やはり被災者、避難者の生活なり、地元に帰る者を支援をしたいということは、施策としては続けたいと思っています。

(問)例えば、停電だけで被災証明書を出すという方針を決めている市町村もあるのですが、こういった動きについてはどういうふうに思いますか。
(答)元々そこまでということは考えていなかったのですが、ただ、誰を被災者として見るかということは国土交通省が決める話ではないと思います。
国土交通省は被災者は無料で通行できるようにしましょうと決めたもので、この人が被災者だということを国土交通省が何らかの基準を示すのが良いのかどうか、被災証明書というのは高速道路だけの問題ではなくて、いろいろなところで使うものであり、一番実態が分かっている市町村が発行するというルールになっているので、若干想定外の部分があるのは事実ですが、これは市町村の考えを尊重すべきだろうと私自身は思っています。

(問)市町村がある一定の考え方で出したものについては、それはもう市町村の判断に任せるということですか。
(答)市町村が被災者だと認めたわけであり、国土交通省は被災者についてはそういう措置を執るということですから、それをつなぎあわせると、その認定がおかしいのではないかということを、国土交通省が言うのはどうかなという感じはしています。

(問)JR北海道に対する事業改善命令が出されましたけれども、それ以後も昨日、今日とトラブルが続いているようですが、それに対する受け止めと、JR北海道の経営陣の責任について副大臣のお考えをお聞かせください。
(答)これについては、18日土曜日に、「安全輸送の確保に関する事業改善命令」を津川政務官からJR北海道の会長に手渡しました。
さらに、「保安監査の結果等による改善指示」を久保鉄道局長から社長に出しております。
そういうことを行ってはいるのですが、今日、私も報告を受けたのですが、その後の6月16日あたりにも、信号がうまく作動しなかったとか、その日だけではなく信号の問題は14日にもあり、15日にもあり、16日にもありと、こういうことからして、私自身の認識としては、石勝線の事故以外にも相当改善すべき点があるのかなと認識しております。
特に公共交通機関の第一の使命は安全第一ですから、JR北海道において安全第一という思想について、どういった教育なり指導をしてきたか、更にはこの問題はトップの姿勢ですから、経営陣に全く問題がなかったということであれば、私は問題があるし、これを糧として安全管理についてさらに徹底をしてもらう必要があるのだろうと感じております。

(問)高速道路で二点お伺いします。
まず一点は今日の東北地方の高速無料化が始まって、渋滞や被災証明書の悪用など、こういったことがどの程度発生していて、それは国土交通省の調査の統計と比べてどの程度のものだったのかということと、全車種への拡大は、現時点ではいつ頃を想定してらっしゃるのかについて教えてください。
(答)不正使用については、まだ掴んでいません。
交通量については、今朝の無料開放後の交通量ということで、無料開放前が6月13日の0時から9時、無料開放後は20日の0時から9時、つまり、同じ月曜日の一週間前の0時から9時と開放後である今日20日の0時から9時の交通量を比較しますと、東北道の盛岡南から盛岡が9時間で通行車が5,300台、ちなみに普通車が4,000台、大型が1,300台であったのが、今回は6,200台、大型車が2,100台で1.6倍、普通車が4,100台ですからほぼ変わらず、東北道の仙台南から仙台、仙台南から仙台宮城、これについてもほぼ1.2倍です。
東北道の白河から矢吹も1.3倍。常磐道の水戸から那珂インターも1.3倍ということで、主に大型車の通行量が増えているというデータが出ています。
ただ、これにより渋滞がどうであったかということは、今、手元には持っておりません。
全車種無料の問題については、これは財源が必要な話です。
今の無料化区間で言うと、大体年間1,200億円必要と計算をしております。
そうすると、1,200億の財源が確保されなければできないということです。
今、2次補正の議論をしていますが、総理の指示によるとこの2次補正というのは復興ということでの補正予算ではなくて、復旧という観点で1次補正を組みましたが、そこに入らなかったものをこの2次補正で主に組めということが指示だと思っておりますので、トラックまでは復旧中心ということで我々は考えております。
ただ、全車ということになると復旧というよりも復興ということに重きを置いた制度になり、復興ということを補正予算で組むのは次のステップだと聞いておりますので、次のステップにならざるを得ないと思います。
そこで全体調整の結果、予算が取れるのか取れないのかというステップになると思っております。現段階でいつになると言われましても、前回言ったように、観光という意味で言えば東北のお祭りのころに間に合わせるようにしたいという思いは今でも持っているわけですが、東北のお祭りというのは8月ですから、なかなか今の政治状況でいうと、8月というのは厳しくなってきたのかなというのが私の思いです。

(問)仮に補正予算で計上が認められなかった場合、例えば利便増進の財源を組み変えてでも実施したいという思いはあるのでしょうか。
(答)ありません。そういう議論はあるようで、3党の政調会長の話の中でそれらしい文章が入っているというのは私も見てはおりますが、それに沿って何らかの指示を受けたというつもりはありません。
そういう意味で、私もなかなか分からないのは、自民党、公明党がばらまき4Kと言ってますけれども、高速道路無料化については多分ばらまき4Kに入っていると思いますが、高速道路の料金を下げるということについては、確か自民党や公明党の政策に入っている話なのです。
ですから、そういう議論を一部の新聞社は書いてますが、具体的な指示は全くないということと、今までの私の知識から言うと、そういう話がどういう経過で出てきているのかということも分かりません。

(問)今日の交通量の増加のことですが、トラックは1.2から1.6倍くらいということですが、国土交通省で想定していた水準と比べて予想より多かったのでしょうか。それとも少なかったのでしょうか。
(答)一部テレビでも報道されてましたように、今日は1日目ですから、12時を過ぎるのをサービスエリアで待っていた人もいたと思います。
そういうことを含めると、もう少し様子を見ないと、どの程度というのは判断できないのではないかと私自身は思っております。
どこかの段階で、渋滞情報等も分かれば皆さんにお知らせしたいと思っております。
ただ今回の政策は、トラックで言えば、東北方面にたくさん復興のための車を入れるためのものですから、当然これは増えないと政策の意味はないという見方もできるのだろうと思っておりますので、通過する車両は増えると思っております。


国土交通省節電実行計画について(6月20日池口副大臣会見参考資料)

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