事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2008年10月9日(木) 14:00 ~ 14:22
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 本日の事務次官等会議は、特にご報告申し上げる案件はございません。

質疑応答

(問)総理が与党に対して追加の経済対策を検討するように指示したという話が来ているのですが、それについての国土交通省の考え方やスタンスがあればお伺いしたいのですが。
(答)本日、官邸に与党である自民党、公明党の政調会長が呼ばれて、総理から前回の緊急経済対策の後に起こった事態に対応する対策を早急に検討してもらいたいということで、二次補正について検討という趣旨の指示が出されたと聞いております。その後、官房長官もそのことについて問われた際は、「次なる政策については与党で検討して頂き、検討状況を見て必要に応じ、政府としても正式に検討する」ということでを述べられて、まずは与党の検討ということで、それを受けて対応していくことになるのではないかということです。とりあえずは今御審議を頂いている補正予算が一日も早く成立をして施行に移せるようにということでありまして、このようなことが本日総理から指示があったことは承知をしているところです。まだ、具体的な政府内の指示は無い段階です。指示がなされることがありましたら検討したいと思います。それ以上のことは申し上げられる状況ではありません。

(問)空港のインフラ規制の件でお伺いしたいのですが、午前の研究会で外資を狙い打ちにした資本規制は望ましくないという意見がまとまったようです。国土交通省としてはこの方針を尊重するということで宜しいのでしょうか。
(答)少なくとも外資規制に関しては、本日、「資本規制については内外無差別性を検討の前提とする」と書いた資料を席上配布してご検討頂いたところです。今まで研究会で御議論を頂いた中でも、内外無差別というのは皆様がほぼ共通して仰っておられたことですので、その辺りの御議論を踏まえれば、内外無差別という前提で御議論頂くというのが広く、深く審議をして頂く上で適切ではないかという考え方で、資料を提示させて頂きました。その辺りは、本日から正に実質的な討議が開始されていますので、これからの議論の中で色々幅広くまた深く議論が進んでいくのだろうと思っています。私共が前提を言った理由は、今までの議論がそういう形であったということを、ある程度確認してまた議論をしていかないと、なかなか議論が深まらないということにもなるのではないかと思ったので提示したものでして、何か結論的にそういうように物が決まったのかということについては、正に今ご審議頂いているところですので、まだ決まったということでは申せないと思っています。

(問)研究会としては、そこは前提で「それでいいですか」ということで、「異論はないですか」と聞いて異論はないと、基本的にはそういう研究結果が出てくると思うのですが、それを皆さんが尊重すれば当然そこについてはブレないと普通に想像出来るのですが、そうではないのですか。
(答)基本的にはそういうことだと思います。ただ、私共も議論を決めつけるようには申せないものですから、そこは今幅広く議論をお願いしますと言っているところですから、そこに何かタガをはめるとかというような形で申し上げる訳にはいかないだろうということです。

(問)そもそも今年の年初に法案を出した時は、国籍を縛るということで図って結果違うものになったのですが、振り返って理論構成が粗雑だったのかどうかなりどう評価されていますか。
(答)これははっきり言いまして、今も議論が外資規制ということの扱いだけではなくて、広く空港を巡る規制のあり方ということで議論を頂いていますので、行為規制を含めどのように考えたら良いのかということは、正に色々なものの組み合わせと言うか、施策の組み立て方によるのだろうと思っています。私共も当初外資規制ということで考えたものについては、相当他のいわゆる株の保有に関することあるいはそれに留まらない他の規制の関係というのも、外資規制に割と頼る形で議論して結論をつけたようなところがあったのかなというのが反省です。今回は幅広く議論して頂いていますので、その議論の中で資本の持ち方だけではなく、広く行為規制であるとか、その他の色々ルールの作り方というのでしょうか、そのようなものも含め非常に幅の広いご議論を頂いていますから、そういう意味では単純に比較しづらいところもありますが、かつての考え方は少なくともご破算にして議論しているということだと認識はしています。

(問)例えば放送等を見ると、所管は違いますが国籍で切っているものがあるのですが、そういうものとは業種による特性が違うのかそれとも作った時代が違ってきているのかそこは如何ですか。
(答)そこはなかなか難しいところがあります。今申し上げたのも非常に幅広く議論していくと色々な制度というのが一面的にだけ見ても善し悪しということがなかなか決めつけられないというところがあるので、やはり良い部分と問題を含む部分があるという関係だと思います。そのことが1つの決まった形のルールがあって、業種が違うと変化するという構造でも必ずしも無いのかなという気がします。ただ、それぞれの制度を作る時に、どの程度どういう議論があったかというのは、今特に外資を受け入れていくということに関して非常に関心も高いという状況の中ですので、あるいは歴史的な点もあるのかなという感じはします。

(問)関連ですが、これまでの議論を踏まえ資本規制について内外無差別規制を検討の前提とするというのは、官邸と国土交通省として「そうしましょう」ということを言ったということでしょうか。
(答)先程申し上げたように、研究会の事務局をやっているので出来るだけこの研究会の議論を素直にお聞きをしながらその進行に関してどのように整理していったら良いのかということを、委員の方々の議論をより進めるために、我々は材料を用意する立場だと思っています。私共の方針めいたものを、途中で決まったように出すというものではないと思っています。ですから資料をよく見て頂くとお分かりのように、あまり決めつけないように作っているつもりです。

(問)川辺川ダムの知事表明から一月経ちましたが、国土交通省側のこれまでの取り組みと、中山元大臣は知事との面談に意欲を示されてましたが、そういったものはまだ実現してません。見通しはどうなっているのでしょうか。
(答)金子大臣も知事と出来るだけ早くにお会いしてお考えをお聞きしたいと仰ってますので、日程の方はまだ具体的に決まっていませんが、現在調整をしている状況です。その意味ではちょっと時間が経っているので、「出来るだけ早く」とまさに大臣も仰っているところで、大臣と知事とまずはお会い頂くということが必要かと思っています。出来るだけ早い日程で実現するようにということを私共も願っています。

(問)この一ヶ月は具体的に熊本県との間で何か進展があったという訳ではないということですか。
(答)はい、進展があったということではないです。

(問)知事面談はこれからの取り組みの第一弾になりますか。  
(答)そうですね、そうなるものだと思います。

(問)羽田空港の保安のことでお聞きしたいのですが、昨日打ち上げ花火を運んでしまったという事案が公表されましたが、前に制限区域に入ったというという事案があり、ちょっと保安警備という点で緩みが出ているのではないかと思いますが、その辺りどうですか、ということと、国土交通省の対応ですが、前回制限区域の問題が出た時には公表が遅れて「こういった事案があった場合には速やかに公表します」と仰ったと思いますけれども、今回公表された事案は1ヶ月と4日も前の事案でした。こういうのは再発防止の観点からも速やかに公表するべきかと思いますが、その辺り如何でしょうか。
(答)確かに、前に貨物地区から制限区域に入った事案の時にそれに対する私共の広報の体制に反省するべき点があったのではないかということを申し上げました。勿論、航空の関係では徹底するように指示をしたのですが、今回のこの案件は実際に事件が起こったのが9月4日で、それを公表したのは10月8日になってしまったということです。途中の段階でも、私共はまず事案が起こったことに関して、勿論内容を確認する必要がありますけれども、まず、一番急ぐ対策というのは、関係者に注意喚起をすることだと思います。手順としては注意喚起するところで、まず我々がそうした対応を執ったことを、事実を確認した段階で直ぐにという意見もあるとは思いますが、少なくとも事実を確認した上で最初の行政としての対応を執るところでは、遅くてもその段階で皆様方に広報する必要があると思っています。その点が今回の事案でまた前回に続いてこういうことになったということは大変残念なことでした。私も本件に関してはそこが徹底していなかったということを大いに反省しています。9月4日ですから、実は注意喚起をしたというのは事務連絡という形で9月11日にそういうことをしたということを聞きました。逆に言えば、11日というのも遅いような気もするのですが、事実確認をした上で11日ということであれば、遅くともその時には記者の皆様にはご報告をしていないといけなかったのではないかと思っています。

(問)公用車削減の話なのですが、今週も終わりが近づいていますが、何時出せる体制になりそうですか。
(答)2度に渡って発表が遅れていますので、少なくても今週中は今の状態では難しいのですが、来週中には記者発表したいと思っています。

(問)何が弊害となっているのですか。
(答)今回は現場で全体の方針を決めてということではなく、具体的に使用実態等を踏まえて一台一台精査して取組むという作業をしました。元々そういう作業をするのには期間を延ばした中で少し難しかった点もあるのかなと思います。その他の事務的な関係がどうだったのかということは、手順の組み方とかに問題が無かったのかというと、実は私はそのような事務の運びに何か非常に大きな問題があったということでは無かったと思っていますが、事務所から更に出張所まで含めてのことでしたので、今の現場の公用車の使い方というところまできちんと見ていくという作業が、実は思ったよりも手間が掛かったというのが正直なところです。その見通しを正確に最初の段階から申し上げられなかったことは大変申し訳なく思っております。

(問)空港の外資規制研究会の話ですが、研究会で内外無差別を前提に討議しますということを国土交通省としてはどう受け止めるということになるのですか。
(答)それは勿論、今、研究会でそういうご意見がほぼ皆さん一致されているということですから、勿論受け止めております。ただ、研究会がまだ検討の途中ですから、途中の段階で研究会の全体方針を私共が先取りするような形で何か申し上げる訳にはいかないということがありますので。

(問)外資にターゲットを絞るといういうことはしないということでいいんですよね。
(答)実は、研究会の議論としては、今日そういう形で整理をして議論したら如何でしょうかというペーパーまで出してますから、それは正にその通りなんです。ただ最初に誤解を受けるようで申し訳なかったのですが、まだ実は、今日一応3点ほどのことについて議論がありましたが、次回は安全保障の点と今日積み残した部分を議論するという関係になっていますので、今日の議論もどちらかというとまだ尽くしたいと、落合委員長も言っておられたので、その意味では議論を尽くす中で多少新しいまた安全保障のところの議論も含めて当然一回言った議論をもう一回やっぱり検証したいという議論も当然あるだろうと思っていますので、途中の段階でここまで進んだところでこうだっていうのは、順繰りに積み上げ的になるかどうか、私もあまり確定的には言えないかなということを申し上げただけです。

(問)冒頭仰いましたけれども、実質討議がまさに開始した段階で、そもそも外資規制をという話だったものを、いきなり白旗を揚げることもないのかなという気もしないでもないですよね。
(答)ただ結局、それも委員の方がそういう道は基本的に難しいんじゃないかと皆さん言っているのに、そういう議論の場であるにも関わらず、それもどなたもおっしゃってないけれども、議論を含めてやって下さいと、事務局的にも申し上げれられないかなと思いました。そういう意味で自由にあまり余談的なことではなくて、御議論をして頂きたい、そういういう形でまた議論をしようとことで皆さんお集まりいただきましたので、できるだけ自由な議論が、しかも相当広い視野に渡ってなされるということは我々としても是非とも担保して、確保していきながら全体の議論、どういうふうにこれでまとまっていくかというところだと思いますので、そこは皆さん方の議論を真摯に受け止め、見守っていくことが必要だと思っています。

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