事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2008年12月18日(木) 14:02 ~ 14:26
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 事務次官等会議の関係ですが、本日は国土交通省関連の政令案が2本掛かりました。「都市再生特別措置法施行令の一部を改正する政令」と「民間都市開発の推進に関する特別措置法施行令の一部を改正する政令」です。内容は、住宅不動産の対策として先般取りまとめを行った関係で、優良な民間都市開発事業の立ち上げを支援するためにそれぞれ民間都市開発推進機構が行う支援の免責要件やあるいは出資する事業についての免責要件ですが、それを一定の場合に緩和する措置を講じるというものです。私の方からの事務次官等会議の報告は以上です。

質疑応答

(問)整備新幹線の関係ですが、政府・与党で財源の確保を前提に部分着工するということで合意した訳ですが、今の段階で財源確保の見通しが立っているのかどうかということを再度確認したいのですが。
(答)大臣はこの前の会見の際に、財源の見通しについては、相当自分としては確保出来るという趣旨のことをお話しされています。私共も、一番前からお話ししているように、財源の問題が今回色んな議論をする中で一番大事なところだということで、貸付料を積み上げて6千億円という数字を与党の方にも示した訳ですが、大臣はこの問題に関して積極的に取り組んでいきたいというご趣旨で仰っているものと私共事務方も受け止めています。ただ、現実に今、財源がどうなっているかということになると、前にお示しした6千億円を更に超えるような、固まっているような内容は特に無い訳ですが、色んな工夫をしていかなければならないと思っています。ここの会見の議論でも、将来の貸付料を念頭に置いたものもJRの同意がないではないかといった議論もありましたが、この辺も引き続いて調整を図っていかなければならないと思っています。それから、政府与党のワーキンググループの合意事項でもあったように、JRからの貸付料の他、国と地方の負担のあり方、地域開発予算、既設新幹線の譲渡収入、あるいは鉄道運輸機構の特例勘定の活用を含めた幅広い観点からの財源確保の方策を検討するということになっている訳です。それぞれ当然課題もあります。その辺の所については、財政当局との調整も含めて財源が積み上がるように取り組んでいかなければならないと考えているところです。

(問)道路特定財源の一般財源化に伴う新しい交付金から6百億円を社会保障費に充てるということですが、考え方についてご説明を頂ければと思います。
(答)昨日の午後、自民党の道路特定財源の一般財源化に関するプロジェクトチームが開催され、今月8日の政府与党合意に基づいて創設される1兆円程度の「地域活力基盤創造交付金(仮称)」の内6百億円を来年度社会保障費に充てるとの方針をプロジェクトチームで了解したということを承知しているところです。実は、本日午後1時から与党道路財源問題等協議会で最終調整方針の確認、決定されると聞いています。そこで最終的に結論が得られるという運びの上で決まっていくということです。いずれにせよ、最終的にこの方針が決定すると、その方針に従って対応を図るということになると考えています。そういう過程、経過を経て決められるというものですので、何故6百億円なのか等について私の立場からご説明することはなかなか難しいというか、コメント出来ない内容のこともありますので、そういう過程を経て今決まりつつあるということで、その方針に添って対応したいと申し上げたいと思います。

(問)道路への新しい交付金ですが、所管は国土交通省と言われておりますが、道路に回す8千億円を道路局が所管して、残りのお金は他局でということになるのでしょうか。
(答)これも本日与党の会議でその問題も含めておそらく決まっていくのだろうと思っています。仮に私共の国土交通省の所管と言った場合には、どういう形で実際の運用をしていくのか、それは予算までの間に固めないといけないと思います。今の段階で具体的にこうなりますということを申し上げる状況ではありません。

(問)静岡空港の件ですが、静岡県が測量し直した結果、収用する必要がない土地まで誤って収用していたということが明らかになりましたが、土地収用の所管官庁としてお願いします。
(答)この点は新聞報道において承知をしています。それで収用する必要のない土地を収用しているということであれば、これは問題だと思っています。現在、事業認定庁である中部地方整備局の方が静岡県に対して正にそれをやっている状況です。実際必要性がなかったのか否かというところですが、この辺については県に確認しているところです。私共はまず県の真意というもの、実際、どういうことなのかをはっきりさせたいと思っています。

(問)確認の上で、県の瑕疵が明らかであるとなった場合、どういう対応になるのでしょうか。
(答)これは中身にもよると思いますので、私共も事業認定そのものにも係わることですから収用する必要性がなかったというようなことの実際の事実関係ですが、その辺を確認した上での対応ということになると思います。今の時点でどういう処理になるかというところまでは申し上げづらいと思います。

(問)一般論ではどうなのでしょうか。
(答)普通は事業の必要性があるということで事業認定が行われていますので、それがどういう目的、必要性に応じて事業認定の対象になっているかということの判断だと思いますので、一般論でというのは、正にそういう具体的な内容、どういう判断の下に認定をしているかということの特に今のは制限表面との関係ですが、制限表面との関係で必要だという判断が変わっているとして、その上で事業認定の中に含める必要があったのか無かったのかですね、その辺りだと思います。

(問)ただ、強制収用は出来るだけ使わないのが原則ですよね。
(答)そうです。仰る通りです。元々財産権に反することですから、当然のことながら収用ということに繋がる問題としては限定的に扱われるものだと思います。

(問)必要性が無い所まで行ったとしたら。
(答)それは問題だということで、その上でどのようなことかという話です。今事実を確認中ですので、それ以上のことは申し上げられません。

(問)6百億円の件ですが、かなり政治主導で決められた結果だと思いますが、これまで道路財源の一般財源化した部分については道路なり自動車なりに関連する説明をし、納税者の理解を得るところの説明付けをしてきたと思いますが、その辺り暫定税率を維持しながら社会保障に充てるという説明を納税者の理解という観点で説明出来るのかについてどのようにお考えですか。
(答)6百億円の重みといいますか、このような経過の中で、社会保障費に充てるということをどのように納税される立場の方に理解して頂くかと思いますので、この辺のことは、こういう決定をすることと並行して、そのような関係の方に対する理解が得られるかどうかという問題になるのだろうと思います。これがもっと大きな額でなく、6百億円だということがどう評価されるのかというようなことなのかと思いますが、現実にこの6百億円の扱いを巡って、当然これが正式に決まるということになれば、そのような方もこの問題に関してどのように受け取るかという問題はあるのだろうと思います。ボリュームの問題や経過の中で評価されるのかということではないかと思います。それ以上に私の方から、これはこうではないかとは申し上げづらいかなと思います。

(問)そこの説明は今後しないということですか。要するに自動車に関連する説明は来年度以降しなくなるということですか。
(答)これは元々道路特定財源という、特定財源から財源が充てられているという整理なのかどうなのかということも含めて、これから予算編成で決まっていくこととなりますので、先程こういう経緯の中でと申し上げたのは、正に特定財源問題で、例えば暫定税率をどうするか等枠組みと言うより政府全体の来年度の予算編成の中でどのように処理をするかということで、「地域活力基盤創造交付金(仮称)」という形で一度議論になったものの中から充てられるという経過を辿っているので、そういう意味では道路整備との関係の深いものではないかということだと思いますが、ただし特定財源としてその部分がどう処理されたかという発想の中でということでも必ずしも無いということがあるので、そうした経緯も含めて6百億円というボリュームの問題、実際にそういうことを通じて、道路整備そのものがどのような予算の仕組みになるのかということの評価の中で、この6百億円の扱いがどうなのかという話になるものではないかと思います。

(問)北海道開発局の官製談合の件で中間報告が出ましたが、その中で過去に談合に関与した業者が3割位あったり、あるいはその間の半分位は官製談合を示唆しているようですが、これまで随分と談合が繰り返されて色々対策を打たれてきましたが、なかなかうまくいっていないということを表しているのかなと思いますがどう思いますか。
(答)今3割と言われたのは、今回事業者側に対して匿名でアンケート調査を行いました。その中でこの様な問題への関わりについて「必要悪」という項目に丸を付けた回答もあった訳ですが、それだけ構造的な問題があったのではないかと我々は深刻に受け止める必要があるだろうということを報告書の中でも特に特記をさせて頂きました。それだけある意味では、北海道の建設業というものがそのようなものにある程度頼っていくようなところがあったのではないか、と反省しなければいけないと思います。それから今までこういうことについての入札監視委員会というのは既に平成6年や平成14年から北海道開発局本局や各開発建設部に設けられていたところ、こういう案件がそのような中でチェック出来なかったのかというようなこともあります。したがって、今年度中に我々としては反省点を考えなければいけないことではないかと思っています。今回の対策の中で、色々な項目の対策を分けて整理しているのですが、1つには色んな情報が組織の中で閉鎖的に、特に人材的な繋がりが深いとされるような職種の中で扱われたり、あるいは積算等の業務と技術評価のような部分を1人の人間が両方ともまとめて把握をすると、当然、所謂入札の割り付けのようなことに繋がりかねないということに対する対策を執ることにしている訳ですが、相当色々な対策を講じても、仰るような趣旨でそういう事態にまた再度陥る可能性があるのではないか、ということは常に注意をしなければいけないことかなと思っています。その意味では、各項目について、これは別に北海道だけではなくて、北海道以外の地方整備局関係でも同種のものについては徹底を図らなければいけないということで、今回この内容については、各地方整備局にも昨日の時点で全部連絡をしたところですが、これを反省材料としてもうこのようなことは起こらないという取り組みをしなければならないと考えております。

(問)ということは、これは北海道特有のことということではなくて、各地方整備局、全国的な形で起こり得るものということですか。
(答)積算と技術評価のような話は、北海道の場合、各開発建設部の次長等のところで一緒にやっていたというのが、地方整備局だとそのような体制ではないというような違いがあったりします。ですから、北海道で取り組むことと、それ以外の局で全く現状が同じという訳ではない部分もあるので、その辺のところが全くパラレルにならないところもあります。ただ、コンプライアンスの徹底等は共通しているところはありますので、これは同じような取り組みをしていかなければならないと考えています。

(問)ただ、今仰っていたように、発注方式が違うということですが、ずっと昔から言われてきていますが。
(答)いいえ、発注方式ではなく、所謂、情報の扱いの仕方というか、管理の仕方が北海道開発局の場合と地方整備局の場合で違う部分があったりということがあります。

(問)一方で、別のアンケートでは、元開発局職員の再就職460人のうち179人が開発局に紹介を依頼したと。一方で、問題の根の部分では再就職の問題があるという答えも多数あったと思いますが、むしろ根の部分については、そちらのほうが強いということでしょうか。
(答)再就職関係は、大きな背景の1つです。二本柱のようなものです。その辺は、特にこの発注業務との関係で問題になるというのは全般的にありますので、何も北海道に限ったことだとは思っていません。

(問)リニアに関してですが、一部の報道で調査期間を設定しないということがありましたが、その辺は如何でしょうか。
(答)今、ギリギリのところで年内にも指示を出すべく最終的な詰めをしているところです。まだ、調査期間について完全に固まったというところではありません。年内に指示を出す時には、今の調査期間をどのように出すかを決めなくてはならないと思っています。今、関係者との間の色々な、これがどういった受け止めになるのか等含めて調整をしているところです。今時点で何か決まっているということではありません。

(問)年内に調査指示を出すというのは、確実と考えて良いですか。
(答)出したいと思います。確実かどうかと言うことですが、大臣も年内には出したいと仰っていましたので、私共もそれに合うように進めたいと思っています。

(問)年内と言っても再来週はお休みですが。
(答)そうですね、来週です。実質的に来週です。

(問)先日、東京都交通局と東京メトロで、乗務員が指定場所以外で喫煙したということがありました。それが原因となって電車が止まったという事案がありましたが、これについてご所感をお願い致します。
(答)特に、乗務員が原因という話であれば、そういう事業を行っている立場としても乗客に対する影響等考えればあってはいけないことだと思います。そういう意味で、このようなことが起こらないように厳正に対応をしなければならないと思っています。

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