事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2008年12月22日(月) 14:01 ~ 14:14
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 次官会議の関係で特に報告する案件はありません。

質疑応答

(問)来年度予算ですが、復活の関係は残っているものの、財務省原案が内示されましたが、感想等ありましたらお願いします。
(答)20日に内示をされました財務省原案の中では、シーリングを維持しながら状況に応じて果敢な対応を機動的且つ弾力的に行うという方針の下に、国土交通省関係の公共事業関係費についてはマイナス5%削減という厳しい数字が示されたところです。個別の事項についても、「ひまわり」の後継機の事業が認められないということがありました。昨日行われた与党の国土交通部会においても、現下の経済状況、特に地域の状況が非常に厳しいということで、公共事業関係がマイナス5%という状況の中で強い懸念を示す意見もありました。そういう中で、復活要求事項としては、公共事業予算の所要額の確保や「ひまわり」の後継機の整備等を求めるということになりました。今日、復活内示がこれからあるということであります。そういう中で重点の枠、調整の枠の中で必要な額について確保していくということで期待をしているところです。

(問)川辺川ダムと淀川水系大戸川ダムについては、本体工事を前提とした部分での本体建設工事に係る予算部分を一切認めないということを判断された訳ですが、それへの受け止めをお願いします。
(答)川辺川ダムについては、川辺川ダム事業実施調整費という形で、事業費ベースで34億円の要求に対して21億円ということで13億円減じられた訳です。計上されなかったものはダムの本体関連の経費です。大戸川ダムにつきましては、要求した事業費10億円に対して認められたのが5億円ということでして、付け替え県道の整備費関連、あるいはダム本体の地質調査等が認められなかったということです。川辺川ダムについては、9月の県知事の意見表明を受けて川辺川ダムの今後の方針を検討する必要が生じたということがございましたし、また、大戸川ダムにつきましては、11月に4府県知事の共通認識が示され、河川整備計画に位置付ける必要はないという内容でございましたので、ダム本体に関わる経費については未だ不確実な点があるということで、関係する事業費は除かれたということだと思っています。これから、川辺川ダムについては、関係の皆さんとダムによらない治水対策を検討をする場において検討していきたいと思っておりますし、また、淀川の関係はそれぞれ関係の知事さんから河川整備計画案について意見を頂くということになっておりますので、それを受けた形で大戸川ダムの取扱いについても、関係の皆さんと色々と相談をしていくということになろうかと思っております。そういった意味では、ダムについての取り組みをどうしていくかは、これから色々それぞれの状況に応じて関係の皆さんと相談をしていくということでございますので、そういうものを通じて、どういう形で取り組むかということに関して具体的な内容を明確にしていきたいということです。したがって、現時点で、ダムが休止あるいは白紙撤回という形でダム自体の方針が定まったということではないということだと思っています。

(問)国交省としては白旗を上げたようには言いたくないのでしょうけど、財務省の方の説明だと知事がはっきりNOと行っている状況で、これ以上前に進むことを前提とした予算は今後もこういった状況が続く限り認めない、とはっきりと取材に対しては言っています。向こうとのそういった認識のズレを考えると、もう少し厳しい見方を自分達でする必要があるのではないかと思いますが、その辺はまだ状況が改善する、ダムを造る方向に話が行くこともあり得るという期待も持っているということになるのでしょうか。
(答)期待などというよりはよく相談をしていかないと、我々も治水対策についてどういう形で責任を持った対応をしていけるかということをきちんと明らかにしていく努力をしていかなければならないと思っていますので、知事からのご意見等を受けて、ダムの問題に関してそれだけのことで結論付けて全体の治水対策のことについて明確に出来ないという訳にも行かないだろうという趣旨であり、何かダムを期待をして希望を持っているのだとか、何か特に思いを込めているということではありません。その点はご理解を頂きたいと思います。

(問)正式な意見として、例えば大戸川で言うと、「反対」が出て来たらどのように判断するのでしょうか。
(答)それは勿論、各県知事からの意見をそれぞれ頂かなければいけないと思います。その上で、どういった形で淀川全体の問題を治水対策の面で考えていくかということを、関係の皆さんと調整をしていかなければならないと思います。

(問)それは、知事意見が少なくとも4府県について、反対という形で出ると思われますが、その上でも、まだ何らかの協議ということを続けていくのでしょうか。
(答)1つには、治水対策をどうするかという回答はきちんと明確にしないと、私共も治水対策に責任を持っているという立場で、そこの点を明確に出来ないと責任が果たせないということにもなりますから、その点については知事さんから個々に頂いた意見がどのような形になるかというのは勿論ありますけれども、それを受けて必要な治水対策としてどのような整理をしたら良いかということの調整はしなければならないと思います。

(問)明確にするというのは、計画案が出ている中でもうはっきりしているのだと思いますが。
(答)それは計画案を変更するという場合であれば、どのような形で治水対策を講ずるのかについて整備計画の中でもきちんと位置付けを明確にしなければならないだろうと思います。

(問)ダムの関連なのですが、要求に対して半額とか、4割とか、かなり削られていますが、それはかなり異例なことだと思いますけれども、この削られたことは想定内だったと、今の仰りようだとそういう感じがしますが、そういうことで宜しいでしょうか。
(答)実際、こういう事態の中でどのようにしていったら良いのかというのは、我々も何もこういう事態を受け止める必要がないと思っているということは毛頭ありませんので、当然のことながら、財務省にもこういう状況を詳しく説明し、その上で我々としてもどのような形でそれぞれの地域毎に今まで取組んできたことと、それを受けてこれからどのように地元との調整を含めて取組んだら良いのかということを相談してきたところです。お互いの意見のすり合わせ、考え方の調整無しに結論が出されたということでもありませんし、逆に言うと、我々もこいういう事態の中で一番適切な予算の組み方になるように努力してきたつもりですので、そういう意味では想定内とか想定外というのとちょっと言葉は違うのかなと思います。

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