事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年1月15日(木) 14:01 ~ 14:15
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 今日の次官等会議の関係で特にご報告申し上げる案件はありません。

質疑応答

(問)西松建設の副社長等幹部が裏金問題で逮捕されるという事態になりましたが、所管官庁としての現時点でのお考えをお聞かせ下さい。
(答)報道については承知しています。公共工事を受注している建設会社の元役員が外為法の違反容疑で逮捕されたということで非常に残念なことだと思っています。今後の動向を見守った上で適切な対応を図って参りたいと思っていますが、何れにしても国土交通省としては、建設業に従事する会社のコンプライアンスの徹底については、しっかりと取り組んで頂かないといけないことだと思っています。

(問)13日に川辺川ダムの「ダムによらない治水を検討する場」として県と初会合がありました。全体の所感と初会合で県との立場で若干対立があったようですが、所謂どちらが検討の場の主導権を握るのかということで若干考え方の違いが出ているようですが、そこのお考えも教えて下さい。
(答)「ダムによらない治水を検討する場」ということで、第1回の会合が13日に熊本県庁で開催されたということです。当日は蒲島知事と九州地方整備局長、流域の市町村長さんが出席をされたということで、色々な質疑があり、お考えも提案的に仰られたと承知しています。このような会合を通じて、流域の市町村からは色々なご意見が出たということもあります。そうしたお考えあるいは提案も踏まえ、県と地方整備局で協力して必要な検討を行っていくということで流域の関係者の間で球磨川水系の治水対策について共通の認識が持てる方向で色々と議論されるということは非常に重要であると思っています。2点目のことについては、特にどちらが主導するのかという問題は、国も県も協力をして、ダムによらない治水の議論を深める努力をしていかなければならないと思っておりますので、どちらが主導というものではないのではないかと。地元の地方整備局長もそういう趣旨を申し上げていると思いますけれども。勿論、それは国の側が何か控えるということではなくて、この会議が始まるに当たっての色々な私共のスタンスということで既に申し上げておりますが、国としても、色々な情報や、あるいは色々と疑問が呈されることに関して、例えばどういう考え方でそういう場合に対応出来るのかに関しても積極的に提示し、議論が深まる努力をしていくことに変わりはありません。

(問)先日来からお伺いしております、福岡県朝倉市の小石原川ダムの件でお伺いします。先日、調査されるとお話になってました移転予定地の住民の方が移転先を見学される時に謝礼金として現地確認がされないまま支払われていたということがあると認識しておりますが、そこの事実関係はどのようになっているのでしょうか。
(答)この点について、水資源機構から聞き取りを行ってもらいました。住民への謝金につきましては、集団移転地を見学することについての問題というよりも、水資源機構が小石原川ダム以前に、近傍の大山ダムで集団移転が行われた事例があった訳ですが、その時に移転地の方で造成した地盤が沈下したり亀裂したりしたことの問題が生じたということで、小石原川ダムの移転予定者がそのことをお知りになって、機構が行う造成工事についての信頼性に非常に強い不安があることが示されたことがございました。そういう中で、移転予定者の不安の払拭とそれから代替地の造成について施工業者による工事を適正に行ってもらうということも必要であるということもあったので、機構が予め設定した日に見て頂くということではなく、寧ろ抜き打ちで造成工事の施工状況を確認してもらう必要があったと、こういう事情があったということでした。このために、12世帯を対象に現地の造成期間である平成20年2月から7月の間ですが、抜き打ちで造成工事の施工状況を確認して頂くように機構の方から要請して、現地で立ち会う時間の拘束の回数に応じて謝金を支払うことにしたということであった次第です。そういうことで支払われたものということですが、実際の謝金の支払いの仕方に関しては、私共もどのように現地の方で確認したのかということ、それから立ち会いの回数等そういうことについても確認をしました。本人の確認方法については、施工の現場に駐在していた機構の職員に確認したところ、機構では確認のため、例えば立ち会ってもいない者に謝金が支払われるということにならないようには努めていたということで、例えば要請した世帯は12世帯と少なかった訳ですが、現地の立ち会い者が移転予定者であることは確認をしていたと。それから立ち会いに来た移転予定者には、当然工事の実施状況も見るということであったので、監督員から声をかけて移転をされる方毎にその予定される区画で施工されている状況等を説明するという形で対応したということです。それからもう1つ、当日はそういう現地の対応だったのですが、後日面談方式により本人に立ち会いの事実確認をしているということです。因みに、この支払いの金額ですが、1日1万5千円、半日7千5百円という設定していた訳ですが、全て半日の単価で支払われているということです。そういうことですので、一応やり方そのものに大きな問題があったということでは必ずしもないという感じはしていますが、ただ、立ち会い確認の方法は現地でそれなりに対応したということだったと思いますけれども、やはり、もう少し運用の厳格化を図るべきではないかということで、特に機構の職員が現地できちんと確認を行うことが必要だったのではないかということを私共として問題意識を持ちましたので、昨日、河川局から機構に対してやり方に関して改善策を講じるように口頭で指導したところです。一連のことについて色々とご指摘もありますので、私共も機構にこういうことで確認して報告している訳ですけれども、やはり機構からしっかり説明してもらう必要があるのではないかということで、場を設けて機構から小石原川ダムに係わる一連の問題に関して説明を申し上げるということにしたいと思います。

(問)運用に問題があったという認識ですけれども、今回、小石原川ダムについては機構が独自の方式でやられているということになっていますが、他のダムでもこういうことが行われているのではないかとか、そういう確認は今後される予定は無いのでしょうか。
(答)機構でやられているものについては当然確認していくことになると思いますが、先程もありました近傍の宅地造成で問題があったという事例もありますので、以後こういうことが必要に応じてなされるとしても、運用の問題で特に機構職員として現地で参加者の確認をするというものです。やはり支出がきちんと適切になされているかという確認の仕方は徹底する必要があると思います。今現実にそういう事例があるところは、恐らく今の時点だとそうだと思いますけれども、少なくても今後そういうことが予定されるような場合には徹底を図らなければと思っています。

(問)場合によって、補助金の国庫への返納ということについてはどのようにお考えですか。
(答)今のような内容のものですので、元々の支出の仕方についてそんなに問題だったということではなかったと思っています。ただ、もう少し厳密な形で確認する努力が必要だったと思いますし、そういったところは是正して頂く必要があると思っています。

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