事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年2月23日(月) 14:01 ~ 14:14
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

事務次官等会議で私からご報告する案件は特にありません。

質疑応答

(問)週末、羽田空港に5本目の滑走路を設置するという一部報道がありましたけれども、事実関係と検討状況をお願いします。
(答)土曜日の夕刊で「羽田5本目滑走路検討」という記事が出たことについてご説明したいと思います。羽田空港につきましては、皆様ご承知のとおり、今4本目の滑走路新設事業を進めているところで、2010年10月供用予定で取り組んでいるところです。このことによりまして最終的に11万回容量が拡大するということで、現在の約1.3倍の拡充が図れる予定です。一方で、首都圏の空港容量全体に関しましては、冬柴大臣の時に「冬柴プラン」において容量の拡充についての今後の取組みを昨年の5月に発表させて頂いたところですけれども、この中では、概ね10年後には首都圏の空港容量が再び満杯になるということが予想されるということで、管制、機材、環境、施設等あらゆる角度から可能な限り空港容量拡大の施策を検討するとさせて頂いたところです。具体的な検討にあたっては、色々なことを我々は勉強しなければいけないと考えている訳ですが、土曜日の夕刊の記事では国土交通省が近く国の基盤を強化するプランの一つとして公表するという記述がなされていますけれども、私共は現時点で羽田空港について何か具体的なプランを発表することは考えていません。いずれにしましても、先程申し上げましたように首都圏全体の空港容量の拡大については一つの課題として取り組まなければならないと思っています。冬柴プランの中で大事なことは、今、羽田空港の新しい滑走路整備を進めている中で、まずは首都圏空港につきましては成田と羽田の両空港を一体的に活用して、増大する首都圏空港需要に24時間通して対応するということが大事なテーマだと考えているところです。そういった意味では成田空港につきましても、今年の1月に空港の容量の更なる拡大の可能性に着手するということで、地元の四者協でこれから具体的に検討をすると。特に年間の発着回数を成田会社では30万回というものに向けて考えたいということも申し上げているところでありまして調整を進めていきたいと。それからもう1つは、成田空港と羽田空港の一体活用の中では、アクセスの関係で、成田空港と羽田空港を合わせて都心を結ぶ鉄道のアクセスの改善も重要な課題だと考えているところです。幅広く今後の首都圏の空港容量をどのように拡充していくかを検討したいと考えているところでございまして、新聞記事の中に出ておりましたような羽田空港の滑走路の検討を具体的に現在固めているということはございません。検討と言っても幅広く検討している中で、勿論私共は色々な勉強はしていかなければならないと思っていますけれども、この羽田空港に特化してターゲットを絞って検討をしているということでもないということでございます。

(問)先週の予算委員会で、国土交通省所管の財団法人が高速道路無料化の経済効果を試算したにも関わらず公表していなかったということが明らかになりましたが、それについてのご所感をお願いします。
(答)20日の予算委員会における馬淵先生の指摘につきまして、馬淵先生は無料化をした場合の経済効果である2.7兆円ということを予算委員会の席上で仰っておられた件だと思いますが、この2.7兆円と馬淵先生が仰られたことに関する事実関係、あるいは検討資料の有無を含めて現在調査中でございます。どういうものをもって馬淵先生が仰られたのかにつきまして現在検討中でございます。馬淵先生が仰られたことの事実確認、実はこういう内容のことでといったこと等は、検討資料の有無を含めて調査しているところでございますので、確認できましたらご報告を申し上げたいと思います。

(問)今、検討資料の有無と仰いましたが、検討資料自体は存在しているのでしょうか。
(答)それも調べさせて頂いているところでございます。

(問)当然発注した限りは契約なり記録が残っている訳で、その辺もまだなのですか。
(答)明確でないということです。

(問)冒頭の質問にありました羽田の件ですが、幅広く勉強している中に羽田空港にもう1本滑走路を造るという選択肢もあるんですか。
(答)色々な勉強は幅広くやらなければいけないと思っていますが、ご質問にありました新しい滑走路を造るような案があるかということに関しては、具体的な形のものはありません。

(問)具体的になくても勉強はなさっていると。
(答)勿論色々な可能性は色々なところで容量を何とか捻り出そうという話ですから、これは色々な頭の体操等含めて考えを巡らせているということはあります。

(問)容量を捻り出そうとして色々考えているのは重々分かるのですが、5本目ということも含めて考えていらっしゃるのですか。
(答)まだそこまで具体的な形で申し上げられるものではありません。

(問)ただ、第4滑走路を造る時も技術的に不可能だと言いながら裏ではこっそり勉強して結局実現してなかなか言葉通り受け取る訳にはいかないのですが。
(答)そのようなものを具体化するようなことがある場合には、然るべき形でそういうことについてどうなのかということを、4本目の滑走路の場合には河川との関係もありましたし、そういう調整もしなければならないのですが、具体的なことを詰めているということでは全くございません。

(問)ただ、昨日のテレビ番組で与謝野大臣が質問に答える形でかなり前向きな発言をなさっていましたが、その辺との関係は如何ですか。
(答)当該記事もご覧になられたのかもしれません。ただ、政府の中でそういうことを具体的に「我々考えています」と申し上げられる段階ではありません。

(問)与謝野さんの仰っていることは間違いだと。
(答)羽田空港のことに関しては、随分色々な立場で色々な方がご発言されることは今までもあったかと思いますが、特に私共が与謝野大臣に「こういうことです」と説明した経緯もありません。

(問)十分有り得る話と仰っているのですが、国交省としてはあり得ない話ですか。
(答)今の段階で具体的に考えたり絞り込んでいるのかということに関しては、全く「NO」ということです。

(問)金曜日にあった成田空港のノースウェスト機の乱気流事故ですが、会社の対応や機長の連絡が遅れる等色々言われていますが、次官の方から何か指摘、批判することがあればお伺いしたいのですが。

(答)ノースウエスト機事故の関係ですが、20日午前11時50分頃、マニラから成田に向かうボーイング747-400型、乗客・乗員422名が乱気流に遭遇したということで、乗員乗客45名が病院で診察を受けたと、負傷されたということです。内2人が骨折ということで、航空の世界ではICAOのルールによれば2日間入院している場合には重傷扱いになるそうですが、そういう範疇で見ると4人の方が重傷であったということです。そういったことで、大変大きな悲惨な事故だったというように考えています。このことに関しては、事故に遭われた皆様方に対してまず心からお見舞いを申し上げたいと思います。ノースウエストの事故に対する対応ということに関しては、色々と報道等もされているところですが、現在、運輸安全委員会の方で原因調査を行っているところです。実は、本日午前にノースウエスト社に来て頂いて実際に事実関係等含めて報告を求め、必要な指導をしているところです。事実関係は担当で今聞いているということで、まだ結果については確認をしていませんが、1つ目は、負傷者が発生したという情報を適切に地上に伝達していなかったということ、2つ目は運輸安全委員会の調査の前に機内清掃を行い事故時の状況がそのままの形で残っていないようなことになっているという問題、その他パイロットの判断といった問題を含めて事情を聞いているところで、それに応じて今後の安全確保に万全を期するように指導をしていきたいと考えています。まだ詳細は私も報告を受けていないというところです。

(問)念のためにお聞きしておきます。北九州の新規航空会社のスターフライヤーが公的資金注入という報道が無くもないのですが、その様なことは。 
(答)まだ聞いていません。

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