事務次官会見

春田事務次官繰り上げ会見要旨

2009年3月18日(水) 14:01 ~ 14:37
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 私から事務次官等会議について、特にご報告する案件はありません。

質疑応答

(問)JR王子駅のトイレで、下水が石神井川に垂れ流されていたという問題について、国土交通省の対応をお願いします。
(答)JR王子駅のトイレの排水が石神井川に垂れ流されていたとの報道がなされたということです。東京都からの報告によりますと、3月2日月曜日に東京都が実施した雨水の捌け口の現地調査の結果、3月4日にこうした事実が出て来たということで、これを確認した上で、JR東日本に対して通知を行い、3月5日にJR東日本はトイレを使用禁止にしたということです。現在は仮設トイレが設置されています。本件については、3月5日に東京都下水道局がJR東日本に対し、現在の配水管の撤去や公共下水道の汚水管に接続する改善策を指示したということで、JR東日本はこれを受けて、東京都に対して対応策を検討していくとの方針を示したということです。加えて、つい直前のことですが、東京都から連絡がありまして、この件については、平成19年6月に汚水が雨水の排水路を通って河川に流れていたということを東京都が把握していたことが判明しました。都議会でそういう質問があって答弁されたようです。その時に把握した事実の詳細については、王子駅からのものだったかどうかも含めて未だはっきりしていないということです。この点について、東京都から詳しく事情聴取したいと考えています。

(問)ETC車載器の助成制度ですが、店頭の一部で混乱が生じているようで、そもそも実施主体の財団法人高速道路交流推進財団の準備や情報提供が不十分ではなかったかと言われていますが、これについてのご所見をお願いします。
(答)助成の実施主体である財団法人高速道路交流推進財団では3月12日から助成を始めましたが、私共からは財団に対して合計で100万台の助成規模でお願いしたいということを言っておりまして、財団では明日理事会が開かれ、そこで正式に助成台数を決定すると聞いています。車載器を求めて非常に多くの方が店頭に赴かれ、短期間の内に購入されているという実態があり、助成を開始した3月12日から昨日17日までの6日間で合計28万5千台の助成が行われたという実態になっています。一部の店頭で品切れになるとか、混乱している部分があることについては、非常に申し訳ないことであると思っています。お求めになる人が殺到しているとか、店頭に置かれている車載器が売り切れで買えないという情報もあり、こうした状況に対して、財団では何処でお求め頂けるか、助成を受けられるかについての全体リストを見て頂けるように準備していますけれども、そういうものを見て頂くとか、混乱が出来るだけ生じないように円滑に助成制度が実施されるように、特に車載器が売り切れになっているのではないかということがありますので、私共からメーカーにも問い合わせをして状況を聞いたりしていますが、出来るだけ円滑に助成制度が働くようにしたいと思っています。少なくとも何時まで助成を行うのかということで、早いうちに助成を受けなければならないというようなこともあろうかと思っていますが、少なくとも3月31日までは助成を行う、仮に3月31日までに助成台数に達しない場合であっても、助成台数の範囲内で4月以降も助成を行うということは財団からも聞いているところでございます。非常に色々な意味でご迷惑をお掛けしていることについては出来るだけの対応をしていきたいと思っております。

(問)全日空系の会社でストライキを今朝から行っているんですが、これについての御所見を頂ければと思います。
(答)全日空系のエアーニッポン乗員組合、エアーネクスト乗員組合、エアーニッポンネットワーク乗員組合、エアーセントラル乗員組合が本日始発便からストライキに突入をしているということでございます。このために遅延とか欠航が生じているということでございます。本日の影響は今のところ、遅延で30便、欠航で137便、それぞれ遅延で2,200人程、欠航で7,200人程になるのではないかと聞いております。ストライキは労使関係に関わる事柄でございますので、特にその内容についてコメントする立場ではございませんけれども、公共交通機関として安定的にサービスを提供して頂くということが大事ですので、安定的なサービス提供に努めて頂きたいと考えている次第でございます。

(問)ETCの4月以降の助成を行う部分は、100万台というのはそのまま据え置きで実施で宜しいのですか。
(答)100万台については、未だ財団にその規模でお願いをしたいというのを申し上げているところですので、財団が明日どういう数字で決定をされるかということでございますけれども、少なくとも3月中でお終いだとかいうことではなくて、4月以降も助成が行えるようにということで、財団もそういうことで考えているということでありますが、ただ先程申しましたように予想以上に申請をされる方が多い、購入をされる方及び助成金を受けられる方が多い実態がございますので、集中して混乱にならないように、かと言ってお求めになりたいという希望の方がおられる訳ですから、そこは出来るだけそういう希望にも添えるようにということも考えないといけないと思っております。何れにしても3月を越えても、そこで打ち切りでない形で運用されることもよく理解して頂けるように、財団としても周知を図る必要があるだろうと思っているところでございます。

(問)集中している理由は、期間を設けて、限られた台数のみという情報があるから集中している訳で、4月以降どの位延ばすのかという情報を流さない限り、この殺到の現象は変わらないんですよ。
(答)助成台数自体も財団で示されていないということで、これも早くに示して頂いて、明日決まるということでありますけれども、その上で仮に決まった台数との関係で十分ではないじゃないかという議論も出て来る可能性が勿論あるだろうと思っております。今のところで、財団がまずどれだけの規模でやるか決めて頂くことが前提として必要だと思っております。その上で、どういう財源があった上で対応出来るかということもあると思いますので、今後の状況を見て台数に関しても色々とご相談していかなければならないだろうと思います。まずは、どれ位の台数を対象に出来るのかを財団で決めて頂く必要があり、またそれを外にも発表して頂く必要があるだろうと思っています。

(問)そもそもETCは国土交通省の都合で付けさせられるもので、これに対して財団がどうしたとか、実質は分かりませんけれども、きちんと国で整備するという態度を示されたら如何ですか。お金が無いなら無いでETCなんかそもそもやらなければいいんだし。その辺どうですか。国で責任持てないんですか。
(答)ETCを利用した形で料金の割引をしたりとか、あるいはスマートインターチェンジのような形でETC利用者に対しての利便ということで工夫出来るものは工夫してきたという事実がございます。そのことは重く受け止めなければならないことだと思っています。もう一方で、何とか車載器を購入するのに支援策はないだろうかということで、色々工夫する中で財団もあったということでございます。財団頼みにしないでもというご意見、そういうお気持もよく分かるところですが、出来るだけのことを講じた上で、今回の高速道路料金の引下げの効果がより上がるような形で取り組みたいということですので、結果的に私共の対応の中で色々と混乱が起こったり、ご迷惑かけたりするということに関しては本当に誠に申し訳ないという気持ちです。何とか円滑な形で進められるように、努力出来ることについては一生懸命取り組みたいと思っています。

(問)香川河川国道事務所の庁舎改修に関して、香川県の負担が発生することに対して香川県が反発していることについて、橋下知事がかなり強い調子で国土交通省を批判していますが、これについてお考えをお願いします。
(答)香川河川国道事務所の建て替えについては実際の建物は46年経過している建物だそうですが、非常に老朽化して耐震性も問題があるということで、移転の上建て替えというような工事を今始めているということです。一方で、香川河川国道事務所は、道路事業、治水事業を直接やっている事務所です。専ら直轄事業を実施しているということで、実は庁舎の関係の費用もこの道路、治水の事業費として支出をするという形で計上されています。直轄事業の実施に必要な経費ということでこの庁舎の建て替えを今進めているところでして、この分は事業の直接の工事等と一緒に事業費として計上される中での支弁なので、その費用の一部負担ということで地元の公共団体にもお願いをしているということです。このことについては、議会の方でもご批判があるということでお話しが出ているということです。私共としては、そういう性格の事業として経費を計上しているということについてご理解を頂きたいということでお話を申し上げているところですが、この点についての情報交換だとか意思疎通等といったことでは不十分というご指摘も頂いています。このことについては反省すべき点もあるだろうと考えていますが、いずれにせよ、このご負担を頂くということは地元のご了解を頂かなければ出来ないことなので、その意味で私共も十分誠意をもって説明をして参りたいと考えているところです。

(問)今の話ですが、庁舎の費用を道路、治水事業費として支出計上しているということについて先程も質問がありましたが、大阪府の橋下知事が「道路、治水事業費の中に滑り込ませたことは、詐欺だと。国土交通省は詐欺集団だ、文部科学省以上に馬鹿だ。」と批判していますが、このことについてご見解お願いします。
(答)こういった河川国道の事務所は、まさに事業を行うため、直轄事業を行うための事務所です。そういった意味では、そこの活動というもので実際の事業が成り立つという関係もあって、従来からそういった事業費で庁舎の関係の経費も計上するという形になっていたものです。もう1つは、そのことを地元によく説明出来ていたのかどうかというところについては、先程も申しましたが、反省すべき点もあったというように思っています。この点については十分理解を得られるように、地元でそういうことについてご了解を頂けるよう説明を十分にして行かなければならないと思っています。

(問)橋下知事の発言についてご感想を願えませんか。詐欺と言われて文部科学省以上に馬鹿だと言われたことについては如何でしょうか。
(答)今申し上げたことの多少繰り返しになりますが、私共こういった形で予算の計上がなされているということの内容に関して説明が不十分だったということについて、色々とご指摘がある部分については受け止めなければならないと思っています。

(問)ETCの話に戻りますが、4月以降も継続して行うことに変わったのは、品不足で購入出来ない人が出ている等のためという理由で宜しいのでしょうか。
(答)3月6日に財団法人高速道路交流推進財団が発表した紙の中でETCの車載器の新規導入助成のことについてお知らせしました。助成期間については、平成21年3月12日から平成21年3月31日までと書いてありますが、その下にもう1つ記述があり、「21年度も国、高速道路会社と相まって引き続き実施すべきものと考えていますが、助成台数については理事会等で決定後公表します」ということで、3月31日までとは書いていますが、4月以降も21年度に入ってからも引き続き実施すべきものと考えています、ということをこの時にも申し上げているところであります。4月に入っても助成が行われるということについて、今の時点で急に申し上げている訳ではありません。そういう意味では、助成台数を財団でしっかり決めて頂く必要があると思っていますが、今までの状況も踏まえて財団で明日決められるということだと思いますので、その中でそれをどのように助成していくか、期間の問題、その辺は3月31日に限る必要は全くないと私共も思っています。

(問)何故今日になって次官が4月以降も助成を行うといういことを改めて言う必要があるのですか。
(答)改めて申し上げていると言うよりは、制度としてどのように運用していくかという問題に関して、財団との話をしている中身として大体こういうお話しはしておりますと。また、対外的にも私共4月以降のことにつきましても3月31日で切るということではありませんということを注意的に申し上げたという気持ちです。ことさら思い切って今まで申し上げようかどうしようか思っていたことを、今日は思い切って言いましたということではありません。

(問)JR王子駅についてのご発言の中で、19年6月に東京都が把握していたことについて今後事情を聞きたいというお話しなのですが、これは東京都が垂れ流しを把握していながら放置していたのではないかということについて東京都から事情を聞かれるということで宜しいですか。
(答)そういう情報が入ったばっかりで、どういうことを19年6月に東京都として把握したいたのかということもはっきり分からないところで、東京都からまだ様子を詳しく聞いていません。事実関係として、王子駅南口のトイレの排水が石神井川に流れ排水されていたということが、その当時どの程度把握されていたのかということも当然大事な点だと思っています。こういう事態が確認されたところで、きちんと対応措置を徹底出来るようにしていかなければならないということが行政としては必要な対応だと思っていますので、そういう観点から事情聴取をしたいということです。

(問)ソマリア沖の海賊対策ですが、警備対象となる船の選定は海事局がなさっていると思いますが、4月上旬にも現地に到着する護衛艦が一番最初に護衛する対象となる船は大体決まっていて、何時ぐらいから一番最初のオペレーションが始まるかというのはどのような状況ですか。
(答)対象の船舶の登録は既に受け付けておりますが、トータルの具体的な数字は持ち合わせていませんが、2千5、6百だったと思います。ただ具体的に何時の時点なのか、特にご質問の関係ですと、派遣隊が現地に着くのが3月中か4月に入るかその辺はまだ具体的予定をお聞きしておりません。実際に警備の行動に入る時点を見定めて、それに応じた形でどれ位の船が警護を受けるのかという打ち合わせをしなければなりませんので、今時点で例えば隻数がどの位になるかということまでは、そういう予定のものがあるといった少し幅のある情報はあるかもしれませんが、確定的なものがあるとは聞いていません。

(問)ETCの話で確認ですが、非常に反響が大きいので確認しておきたいのですが、助成は4月以降も続くということで考えて宜しいですか。もし台数が達した場合は3月の時点で打ち切りになると現場の混乱はまだ続きますし、4月以降も同じような制度が続けられれば、ある程度回避して後にしようかという人も出てくると思いますが。
(答)どれだけ助成出来るかということと、今の売れ具合と言いますか、そういうものと関係すると思います。ただ、お聞きしているところですと、お店に無いような状況もあるとのことですから、その意味では仮にですが、何台という形で助成台数が決まったところで一体どのように円滑に、しかもお客さんには車載器をお求め出来る状況を確保した上で混乱の無いように3月中に全て済ませるということには中々ならないのかなという感じがします。台数は明日発表すると財団で言っていますから、私共も何台と決まった上で申し上げることも出来ないだろうと思っていますので、その点は私は3月中という切り方ではなく、4月に跨っても混乱の無い形で助成ができることが望ましいとは思っています。

(問)台数が明日決まると仰っていますが、始めてからかなりの時間が経ってから決まるというのは意味が分からないので、分かるように説明をして頂きたいのですが。
(答)実は私もその点については、説明出来るものは持ち合わせておりません。普通に考えれば、何か実施状況を見てということでは必ずしもないのかなと思っております。12日にスタートを切る時にどれだけの規模かということは、出来れば明らかであった方が良かったのではないかという気はしています。何故明日になるのかというのは、理事会が明日開かれるからということですが、私も物事を決めるのに早く決めた方が混乱も少ないし、色々な対応も出来るということだと思います。

(問)全くの私見なんですが、二重跨ぎの問題で4月29日まで期間が延びましたと、1ヶ月間延長しましたというこちらの落ち度があったということなんですが、助成制度もそれに合わせてある程度期間の余裕を見るというのが筋なのかなという感じもしなくはないのですが。
(答)あまりそのことと関連するのかどうか、確かに関連しない訳ではない事柄だとは思いますが、助成の財源の見通しが立てば幅広い期間に渡ってということは当然望ましいことだと本当に思います。全体の整合とか、全体がどうなるのかということの見定めが十分ではないものを段階的に進めていくこともどうかということを含めて色々なご議論があって、この点は私共も反省するところも色々あるのですが、出来るものから最大に工夫したり、早めから実施出来るものは実施するようにすると。それによってむしろ混乱が大きいという場合には、タイミングを合わせてということも当然必要だと思っていますが、とにかく経済効果を発揮出来るように取り組んでいくことがとても大事なことだと思っていますので、そのことに水を差すようなことにならないよう努力していかなけばならないと思っています。

(問)高速道路の値下げの件ですが、時間帯や通るルートによって非常に大きな料金になってしまう等分かりずらいと思うのですが、複雑な料金体系になってしまったことはユーザー側にとって利便性の向上に繋がると思われますか。
(答)料金が分かりづらいということが利便性の向上に繋がるかというと、確かに分かり易く利便性の向上に通じることが一番望ましいと思っております。ただこれも、結局色々な制度を組み合わせた形で取り組んでいるというところがあるので、つまり1回そういうことを使いながら利用されているという実態も出てしまいますと、後から追加的に措置を取る時に、前の措置と出来るだけうまく繋げていく必要がると思うので、時間帯について埋まらない部分は割引の時間を延ばすといったことは入れた訳ですが、それでも今ご指摘があったように、区間、利用の条件や時間帯でどうしても複雑な感じになると。勿論、ETCを使うことでそのような問題を乗り越えていく工夫もしていかなければならないと思っているのですが、「分かりづらい」とか実際利用してみたら、「一体いくらになるんですか」とか、このケースを少し変えると、「こういう経路なり、こういう時間で行けば安くなるのですか」という問い合わせは十分頂いて答えられるようにしないといけないと思います。こういう経過でやっていることですので、私共もその中で改良出来ることは、色々工夫していかなければならないと思います。段階的に色々なことを追加して取り組んでいく中で、出来るだけ混乱が無いように、またご理解頂けるように、経済効果がうまく発揮出来るように取り組んでいかなけばならないと思っています。

(問)次官の仰っている話を要約すると、明日、財団から台数制限が発表されますが、様子を見てその台数を更に増やす可能性もあるということですか。
(答)申し訳ありませんが、そこまで具体的にまだ決まってもいない話です。私共はその後の状況を見て色々あった時にどうするかということは考えなければならないと思っています。まだ発表されていませんので、あまり具体的に申し上げづらいことをご容赦頂きたいと思います。

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