事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年3月23日(月) 14:01 ~ 14:28
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 事務次官等会議の関係では特にご報告する案件はありません。

質疑応答

(問)本日の朝に成田で発生したフェデラルエクスプレス機の事故についてお願いします。
(答)本日6時48分頃、フェデラルエクスプレス航空80便、MD11型機、中国の広州から成田に向けた便です。搭乗者が2名でパイロットです。成田国際空港ののA滑走路に着陸した際に横転して炎上したということです。直ちに消火活動が行われ、8時36分頃鎮火したという報告を受けています。当該機はフェデラルエクスプレスの貨物便で、運航乗務員が2名搭乗されていましたが、当該2名の乗務員が共に病院に搬送され、2人とも死亡が確認されました。お亡くなりになられた2名の方には心からお悔やみを申し上げます。また成田国際空港はこの事故の影響で欠航便が出て、成田到着予定の便は他の空港に目的地変更しまして、非常に大きな影響が出ています。影響を受けられた利用者の皆様には大変ご迷惑をお掛けしています。今、事故原因究明のために運輸安全委員会が6名の調査官を現地に派遣しています。何れにしても原因究明を図ることが大事だと思っています。

(問)静岡空港について、県が全日空に対して着陸料の減免を提示しました。一部報道で、こうした静岡空港の新しい不公平な問題が明らかになっていますが、これについての次官のご所感をお願いします。
(答)静岡空港に関して、全日空に対する沖縄路線に関して静岡県が5つの支援措置を提案したと聞いています。5つの提案というのは、1点目は、沖縄線は教育旅行で利用することも十分期待出来るということで、県内の学校に対する沖縄線利用の働きかけの強化、2点目は、全日空は貨物基地を沖縄に設ける構想を持っていることもあり、企業等に対し旅客便のベリーのスペースを貨物輸送で利用することの働きかけに努めるという内容です。3点目は沖縄県との交流の促進、あるいは富士山静岡空港利用促進協議会等で販売促進活動に積極的に取り組むということ。4点目に沖縄線の着陸料を条例本則の6分の1に軽減することを検討すると。5点目として、こういった措置の他に、開港後の沖縄線の維持・発展を目指す観点から協議連携しながら適切に対応策を講じるという内容を県の方で提案をされるということであります。こういう内容のことにつきまして、県の方でも、今日知事の定例の会見も1時半からあったというように聞いております。以前に、日本航空の方で利用率というか、どれだけ利用されるかということについて福岡便に関して搭乗保証というような形で、一定の範囲を県側において担保すると、一定の搭乗率に満たない場合にはその利用に見合うお金を日本航空に支払うといった条件設定をするという約束をされているという話もありました。何れにしても、私共としても固定資産税の軽減の措置であるとか、あるいは着陸料の関係は国管理空港では今までも実施しているところですが、個別路線のことについては、特に地方自治体が管理する空港に関して航空会社との間で個々の路線の開設等の関係でどういう提案をするかということは各自治体側の判断で行われているものでありますし、今回の提案も静岡県の判断において検討されるものと認識をしております。そういった意味では、それぞれの措置に関して国の立場で適当であるとか適当でないとかということは、一概には言えないことであると考えています。

(問)ソマリア沖でまた海賊襲撃があったようですが、若干今までのソマリア沖よりも位置がずれている気もするのですが、傾向も含めて何かありますか。
(答)今回は、日本時間の3月22日夜、ソマリア沖でケイマン諸島船籍の自動車運搬船が2隻の小舟に追跡・発砲され、操舵室等に被弾したということでありますが、ジグザグ航行等の回避操船をとったところ、2隻の小舟は追跡を断念したという状況です。場所は確かにソマリア沖でありますが、ソマリア沖でも海賊案件が発生していますが、今年の3月23日現在の海賊発生件数で見ると、アデン湾では33件、ソマリア沖では10件という発生の状況です。やはり集中しているのはアデン湾の方であろうと思います。ただ、確かにソマリア沖の方にも広がっているということです。こういう事件が発生したということもありますので、そういう状況がどういう形で推移するかということについては、私共も注意深く情報収集を図りたいと思います。

(問)ソマリアの海賊ですが、日本時間の昨夜10時に発生して広報が本日の午後だったのですが、これは30日から開始されるオペレーション以降もこの位の時間差で、場合によってオペレーションが始まってから日本関係船舶が襲撃された場合もこの位のタイムラグが広報として発生するのですか。
(答)出来るだけ早くに情報を把握することが基本になる訳ですが、私共の方に第1報が船社なりから入ってくるタイミングがやはり前提になってくるものですから、私共に情報が入ってきた場合に勿論事柄の中身を確認等はしないといけないと思いますが、その上で皆様方に発表出来るように努力したいと思っています。タイムラグがあるというご指摘に関しては、出来るだけ早くこういった内容について承知をすることと、それから皆様方にお知らせ出来るものは出来るだけ早くということが基本だと思っています。何れにしても第1報が迅速に入りませんとそういう手順になりませんので、関係の船社なりに対して、海上警護行動も30日から現地で始まると防衛省からも発表がありましたが、そういう状況でありますので、出来るだけそういう情報については早くに頂けるように関係の皆さんにはお願いをしたいと思っています。

(問)フェデックスの件ですが、航空局の方で朝早くから対応下さって情報伝達の部分でとてもありがたかったのですが、そうした最中に、ある幹部が担当課にやってきて「何でここで取材対応をしているのか。」と言って去っていったのですが、担当課での取材は規制が掛かるものなのですか。
(答)どういうやり取りがあったのかは存じませんが、規制があるということは無いと思います。事柄にもよると思いますが、事故対応を行っている最中でなかなか十分な対応が出来ない状況ということもあるいはあるかもしれません。ただそういうことが無ければ対応をするということは何も問題は無いだろうと思います。ですから、何か対応していることがおかしいということは無いのではないかと思います。事態にもよりますから、一般論としては具体的な状況に応じてということを加えて申し上げなければいけないと思いますが。

(問)高速料金の値下げですが、先行実施したアクアラインと本四で3連休に相当な交通量があったということで28日からの本格実施に向けて今の準備状況、特に予想される混雑への対応がどうなっているかお願いします。
(答)丁度20日からアクアラインと本四の高速におきまして先行して上限料金1,000円を普通車以下について導入したところで、アクアラインで1番多く利用して頂いたのは3月21日で50,800台、前の週に比べると1.6倍。それから、本四の関係では、神戸淡路鳴門道で3月21日に34,500台、これも前の週と比べると2倍、瀬戸中央自動車道で3月20日に28,600台、前の週と比べて2.3倍、それから西瀬戸自動車道が3月21日に13,000台、前の週と比べて2.4倍ということで大変多くの方に利用されたということです。渋滞の状況は、アクアラインで3月21日の午前の下りの千葉方面、それから午後の上り方面で渋滞が発生したということです。本四高速は交通集中による渋滞は発生していないということでした。渋滞の関係は非常に重要だと思っておりまして、各高速道路会社も渋滞対策でどのように取り組むかそれなりの予測を立てながら対応したところです。東京湾アクアラインではアクアトンネルの上り線で簡易のLEDを使った表示板を増設いたしまして、ボトルネック箇所での速度回復、あるいは渋滞中という表示を補助的に行ったり、特に「海ほたる」では非常に多くの車に利用して頂き、PAの交通整理員を増員し、通常の繁忙期の18人を23人配置すると。あるいはPAに臨時の駐車場を確保するといったことも行ったところです。併せて、木更津の金田料金所で仮設トイレを設置しましたが、渋滞が起こったので非常にこれは有効に働きました。今アクアラインの例を申し上げましたが、28日からは本格的にどこまで乗っても1,000円というルールの適用が始まるということもございますので、色んなところで渋滞対策の準備したいと思っております。どういう結果になるかは予測が付きづらいところもありますので、事態に応じて、追加的に対応を考えなければいけないこともあろうかと思いますが、予めある程度予測が付くようなところに関しては、渋滞箇所に応じた工夫をしたいと考えております。

(問)関連してですが、高速道路の値下げに使うETCを助成している財団のことですが、始める前に助成の台数を3月中10万台と低い予測をしたり、金子大臣と次官が4月以降のETCの助成の継続を示唆されているにも関わらず、打診を受けるまで拒否する反応を示していて、ちょっとちぐはぐな対応が見られるのですが、この財団についてどのような所感を持っていらっしゃいますか。
(答)この財団が支援措置を講じることに関しては、こういう割引制度を導入する中で
色んな工夫をして頂くことは大変有効なことであると考えております。元々、高速道路交流推進財団がこういう助成をするのも、この財団自身が従来SA、PAで色々とお客さんの利便関係の施設を運営していた財産を高速道路会社に引き継いだことによる売却代金のような財源がございまして、これを活用してということでございます。その意味で、有効に資金を活用するということは評価しているところでございます。前回の会見の時にも、どれだけの台数を助成するか発表しないのかという御指摘を頂き、私も「出来れば早く決めて頂く必要があるだろう」と申し上げてきたところです。木曜日に100万台と発表されたということです。一方で、利用台数は順調に推移しているので、それで十分かとの議論も出てくるのかという感じはしますが、このことについては、大臣も先週木曜日の会見時に、「この財団の助成で一定の台数を措置した上で、状況を見ながら必要に応じて検討しなければいけない」と申し上げているところです。ETCを入手し組み付けしたいということがあっても、モノ自体が無い状況が一方で起こっている状況ですので、料金の値下げがスムーズに運ぶように、ETCの助成も含めた対応措置が的確に執れることが大事だと考えています。そういった取り組みも色々と工夫をしていかなければならないと思っています。また、財団にも色々な協力をして頂かなくてはならないと思っております。

(問)大臣が「100万台を達成した後、まだ希望者がいれば対応を考えていきたい」と仰っているのですが、助成の拡大については、どのタイミングで検討し、決断するのですか。90万台の段階で考えるべきなのか、100万台を助成し終わってから対応されるのか、どの辺で見極めるのですか。
(答)それは、今の助成の状況も見なければならないと思います。今、順調に、むしろ思った以上のスピードで申請が出ているということでもありますので、当然のことながら、状況をよく見てその上で必要な対策をどうするかということも検討しなければならないと思います。今の時点でそれが何時ということは申し上げられませんが。

(問)今朝の航空事故の件ですが、滑走路の再開の目途はどう考えれば良いでしょうか。今日はもう再開しないと思って宜しいでしょうか。滑走路自体が損傷しているという情報が入っていないんですが、そこを確認させて下さい。
(答)滑走路のオープンがどのような予定になるかは、今情報を持ち合わせていません。運輸安全委員会も入っているという中で、現場を確保しなければならないということもありますので、まずそういう問題が1つあると思います。それから、エアライン自身はこの機体が横転して炎上する時に滑走路から外れる形で炎上した訳ですが、その間に灯火の関係は壊れているということがあるようです。ですから、最低、A滑走路の灯火については修理もしないといけないと思います。まず、機体が除去されることと、灯火の関係が修繕され、路面を再度確認することは当然しなければいけないと思いますが、その上でオープン出来るかどうかということになると思います。まだその辺の具体的な見通しは聞いていません。また、この後3時から航空局がその時点における情報については皆様方にお話を申し上げると思いますが、その時点でお話出来るようになるのかどうかまだ分かりません。

(問)事故に関してですが、フェデラルエクスプレスの日本代表が成田で会見したらしいのですが、直接聞いていないので何とも言えないのですが、謝罪の言葉は全く無くて、事実関係が分かるまで何も言えないとの一点張りだったようなんですが、それについては如何ですか。
(答)それも直接はお聞きしていませんので、よく分からないところです。これだけの事故を起こしたことで色々他の便に大きな影響も出ているところですし、また消防関係も含めて関係方面に消火・救助関係の活動がなされたということですので、その辺のことは充分承知されておられることだと思いますが、具体的にどのような形で会見されたのか、そのような状況も踏まえた形で対応して頂くということだと思います。

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