事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年4月6日(月) 14:02 ~ 14:23
国土交通省 会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

事務次官等会議の関係で特にご報告申し上げる案件はありません。

質疑応答

(問)幹事から2点お尋ねいたします。まず、昨日の北朝鮮のミサイル発射に関してですが、国土交通省の対応の総括をお願いします。
(答)昨日、北朝鮮から発射があったとのことでございました。この関係では、当初は、場合によっては陸上に落下する事態もあり得るのではないかということで、相当幅広い対応措置も想定しながら連絡体制等とっていたところでございますけれども、陸上に落下する事態とはならなかったということは幸いだと思っています。船舶・航空機については、予め航路や航空路の変更も講ずることが出来ました。実際の発射に当たって特に安全上問題になるような事態は生じなかったということでございます。ここは「ほっ」としたところでございます。ただ、プレス対応ではまだ不十分だった部分があったかと思います。特に発射の後、航行警報とかノータムを発出しましたが、その伝達については十分ではなかった部分もあったかなと思っています。いずれにいたしましても、今回の北朝鮮による発射というのは、安保理決議等との関係でも非常に問題となる行為であると考えています。日本政府全体として、この問題に関して国際的にどう対処するか、安保理での対応を中心に政府としても関係機関や国との間でこの問題の対処を議論しているということでございます。具体的に船舶・航空機に被害が生じる事態にならなかったということはとりあえず良かったと思っています。

(問)2点めですが、先週の金曜日、与党で直轄事業負担金の地方負担分軽減策についてとりまとめがありましたが、これについてのご所見をお願いします。
(答)与党、特に自民党4役で構成する経済対策幹部会でそういうことが決定がされたという報道がなされていることは承知しています。政府といたしましては、3月31日の総理のご指示も受けまして、新しい経済対策の検討に入っているということでございます。この中で日本が直面している経済有事、これを乗り切って日本経済を着実な成長路線に回復させるということで、国土交通省としても、公共事業等の施策に積極的に取り組めるように努めて参りたいと考えております。この負担の問題は地方との相談ということもありますし、それから報道でなされている公共事業費について自治体の負担を軽減するといった措置を講ずるという与党における議論もございますので、この辺の状況も見極めながら対応してまいりたいと考えています。

(問)公共事業の前倒しの件について、国交省として契約手続き短縮化等実現に向けた取り組みや工夫等があれば教えて頂きたいのと、それによってどれ位早期実現出来るかという見込みがあれば教えて下さい。
(答)私共も21年度予算の前倒しについては3月31日に与謝野財務大臣が閣議において予算成立後直ちに公共事業等について執行すべく可能な限りの前倒しを行って参りたいということをお話しをされて、その中で実質的に過去最高水準の前倒しを目指すべく最大限の努力を行いたいと考えています、というお話しも出ています。私共も早速執行通達で前倒しの指示をしたところであり、出来るだけ前倒しを図るということで取り組みたいと考えています。過去最高水準ということになると、上半期の契約実績率で平成10年度で81.9%が過去最大です。こういうものを超えるつもりで前倒しの取組みをしたいと思います。今現実にどれ位のというのは、各整備局にも執行通達の関係で前倒しの指示をし、それぞれ今準備を大車輪で行っているところですので、まだ具体的な規模を申し上げる段階ではありません。

(問)平成10年に比べると、かなり随契よりも競争入札という形で契約がやりづらくなってきている環境になってきていますがその辺は如何ですか。
(答)仰る通りでして、当然、競争入札をした結果、非常に低価格で競争入札をやり直さなければいけないというようなこと等も起こりますので、そういった意味で平成10年と比べると随分環境が変わってきているところもあります。ただ、競争入札の関係も出来るだけ手続きを早めるようなことも行っているところですので、環境が変わっている中でも出来るだけ早く手続きを進められるように、提出資料の簡素化等含めて取り組んでいますので、出来るだけ契約関係の期間も短縮出来るように努力をしたいと考えています。

(問)直轄事業負担金のことで繰り返しになりますが、出先の事務所や庁舎の建て替えに使われていることについて、改めて自治体から批判が出ていることについてお願いします。
(答)直轄事業負担金としてそれぞれ事務所等の建て替えや補修等といった経費が含まれ、私共44ヶ所実際にそういう事例があるということを先週申しましたが、そういうものの中身が自治体に十分説明されていなかったと、また、人件費は直轄負担金の中である程度の割合でお示ししていますが、こういう事柄についても十分な説明等が必要だというご指摘も頂いています。この辺は十分ご説明をしていかなければならないと思います。それから1つは、そもそもこの種の経費を事業費の中に入れて直轄負担金の対象にしていること自体はどうなのかという話も併せて色々と指摘もなされたところです。一応制度の仕組みとしては、事業費の中でこういった経費も含めて負担金制度が出来ているということはありますが、先程も申したように、内容について負担を頂く自治体に十分ご理解を頂く努力が必要だろうと考えています。

(問)これも繰り返しで恐縮ですが、制度とか仕組みを変えていくというお考えについては如何ですか。  
(答)この制度は勿論法律で仕組みが出来ていますので、法律の改正をするかどうかということであろうと思います。これは私共の省庁だけではなくて、全体的な国と地方の分担の関係で総務省や財務省も含めた事柄なので、私共国土交通省の立場だけでどうこうということはなかなか申し上げづらいことです。勿論こういった制度そのものの有り様についても色んな議論がなされるという中で、どうするかということは論点としてあると思います。私共としては、今の直轄事業についての負担金制度というのは色々なご批判もありますが、実際の直轄事業は国が実施をする道路や河川事業であってもそれがやはり地方のそれぞれの地域にも非常に必要な事業であったり、或いは色々な経済的な効果が発生するということもあるので、そういった部分に関しては地方にある程度負担をして頂くという制度の仕組みに全く合理性が無いかというと、それなりの合理性、制度の必要性があるのだろうと思います。ただ今申したように、そもそも制度としてどうなのかということや、そのことに関してお金の使い方として十分関係自治体との間でよく情報交換がなされ共通の認識が持たれるようになっていないのではないかというような点については改善をしなければいけないと思います。

(問)週末の報道で、追加経済対策の関係で羽田空港のC滑走路を南側に350メートル延伸すると。そのための調査費を補正予算に計上という報道があったのですが、その事実関係も含めて国土交通省としてのスタンスをお伺いします。  
(答)これは、私共も今経済対策、3月31日の総理の指示を受けて色々と検討をしているところです。C滑走路の延伸について新聞で取り上げられていますが、羽田空港は成田と並んで首都圏の空港としての役割について色々なご議論がある中で、やはり空港の機能を高めたり、より使いやすい形にしていくために必要な施策が色々あるだろうと。今、4番目の滑走路であるD滑走路の整備を2010年10月目途ということで今整備を進めているところですが、そういった整備と並行して、私共が特に羽田空港についてどういった対応を出来るかということは色々と今勉強をして経済対策に向けて何が出来るかということを検討しているところです。まだ具体的にこういったものをやると確定したものではありません。今お話しが出たC滑走路の延伸といったテーマは、特に遠距離であるヨーロッパ等との航空交渉、イギリス、フランス、オランダ、ドイツとの航空交渉で、夜間、早朝の時間帯に飛ぶことが一応それぞれの国との間で、合意がなされているところでございますので、そういった意味ではC滑走路の延伸は、遠距離を飛ぶ国際航空路線を開設する時には利便を高めることに繋がることだと思います。ただ先程申しましたように、未だ経済対策の具体的内容について固めたものではございません。

(問)北朝鮮の飛翔体の落下物ですけど、日本海と太平洋に落ちたと聞いておりますが、その落下物の今後の探査だとか、回収について考え方があれば教えてください。
(答)政府部内でどういう飛翔体が飛んで、今人工衛星になっているのかどうかという議論も含めて、内閣官房が中心で色々と分析や情報の整理をしているところだと思います。未だその結果についてどうだったかという正確な情報に接しておりません。何れに致しましても、今色々データの整理をし、事実関係の確認をしているところだと思いますので、その辺の確認を待って実際にはどういうことであったかが明らかになることを望みたいと思っています。

(問)先程の北朝鮮の関係ですけど、ノータムとか航行警報の伝達について十分でなかった点があったと仰っていたんですが、それは具体的には。
(答)私も聞いているところでは、海上保安庁が航行警報をやっておりましたが、ノータムは航空局が出しております。出す過程で何か問題があったということは無いと思っております。ただ、皆様方に合計5回のノータム等を出したという情報のお伝えの仕方で不十分な点もあったんではないかということを聞いております。その点については、ちょっと反省材料として考えていく必要があるのかなと思っております。

(問)防衛省や官邸とのやりとりの中で、海上保安庁は巡視船や航空機を出されているようですが、その辺のやりとりの中で情報伝達の課題はどのようにお考えですか。
(答)特に課題というよりも海上保安庁が当初予定していましたように、日本海側には巡視船の待機を致しまして航空機については直ちに落下したと思われる海域に向かったと、それから太平洋側については航空機が待機をして落下したと推測される海域を実際に航空機で哨戒をしたということでございましたので、その過程で特に防衛省との間の情報の伝達の関係で特に大きな問題があったということは無かったと聞いております。

                           

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