事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年4月9日(木) 14:03 ~ 14:37
国土交通省 会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 事務次官等会議の関係では特にご報告する案件はございません。

質疑応答

(問)昨日の知事会との協議についてですが、議論をお聞きになってのご感想や今後の直轄負担金を巡る検討にどのように活かしていくか等々お願いします。
(答)昨日、12人の知事さんがお見えになられまして、併せて金子国土交通大臣ほか、鳩山総務大臣、石破農林水産大臣も参加されまして非常に活発な意見交換が出来たと感じております。全体的に知事さんは色々なご意見がありましたけれども、直轄負担金の問題に関しては、そもそも直轄負担金だけではない、国と地方の役割という問題もあるとの御指摘もありましたし、直轄負担金の中味の説明が情報公開の観点から十分なされていないということで、その内容に関して地元がどういうものを優先的に取り上げるかが反映出来るような形で提示がなされていないということもございました。直轄事業として地元に負担を求めている中で、維持管理費に係る負担ということに関しては、負担を無くしてもらいたいという意見が複数の知事さんから出たということもございました。特に、国の直轄事業は外部のチェックが働かないで高コストになっているというお話もございましたし、直轄負担金を巡っては自治体が色んな予算の関係で必要なものを絞りに絞り取捨選択をするということをしている中で、直轄負担金についてはこれだけは必要ですという形で相当まとまった金額で請求されるということで、自治体がやり繰りをしている中で非常に大きな制約になっているという事情も含めてお話が出たということだと思っています。併せまして、この中で出来るものから取り上げていく、実際にここで出た問題に関してどういう取り上げをするのかとか、或いはこういう場を今後もフォローしていくということについても御意見を頂いたということでございます。大臣もお話をされておりますけれども、知事の皆さんとの会合で十分貴重なご意見を頂いた訳ですから、これを踏まえて出来るところは、特に情報開示の点については出来るだけ早く対応を図れるように検討をしたいと思っています。色々な制度のあり方も含めた問題に関しては、国土交通省だけの問題ではない色んな観点もございます。関係の省庁ともよく相談して、どういう形でこの問題を受け止められるかについて検討していかないといけないと考えております。大臣も何らかの形で会議のフォローをしていきたいという趣旨のことを仰っていることでもありますので、検討を進めるのに併せて会議のフォローをどのようにしていけるかについても十分考えていきたいと思います。

(問)与党で追加の経済対策の策定が大詰めを迎えていると思うのですが、国土交通省関係の施策も大分盛り込まれるようなんですが、これについて御評価をして頂きたいのですが。
(答)全体の経済対策については今朝程から与党の手続きが進んでいるということでお聞きしております。全体としては、3月31日の総理の御指示を受けて経済対策に盛り込む中味について検討をしてきているところでございますが、未だ正式に政府として決まったところではございません。内容としては、まず経済の底割れを防ぐことが重要であるという認識の下に、21年度の事業の執行についてとにかく前倒しを目指して努力するということで、既にこれは指示もしているところです。それからもう1つ、中長期的な成長を実現するために低炭素型社会の実現に向けた環境対応車、省エネ住宅などの普及・促進、地域連携や国際競争力の強化に資する道路、港湾、空港等のインフラの整備、地域の活性化対策、防災安全対策の推進といった幅広い分野について検討をしてきたところですし、国土交通省として取り組まなければならない内容については全体の取りまとめの中で盛り込みに最大限努力をしてきているところでございます。そういった意味で、新しい経済対策が取りまとめられましたら、これについて総力を挙げて取り組んでいかなければならないと考えているところでございます。

(問)先月18路線の国道の建設凍結が発表された訳なんですけれども、その内の新潟県と山形県を通る鷹ノ巣道路が通る地元の村長が、今日新潟県の泉田知事に申入れを行う予定なんですけれども、その動きについてどうお考えでしょうか。
(答)村長が泉田知事の所に本日行かれることについてでしょうか。内容としてどういった形でお話しすれば宜しいのでしょうか。

(問)凍結されたということで、地元としてはやはり凍結しないで欲しいという内容で申し入れをされているのですが、このように地方にも波及されているということについて次官はどのようにお考えでしょうか。
(答)B/Cの点検結果を受けて、18事業について見直しをするということで私共の作業を取りまとめたものであり、これについては、それぞれの関係の方面から、B/Cといっても便益の点についてもっと色々と地域の実情であるとか、地域のそれぞれの状況の中でやはり必要な面もあるのだといったことはご説明に上京されているということもあり、また「いのちの道議員連盟」の先生方も昨日大臣のところに国民の命と財産を守る道ということで、道路整備で特に凍結の対象になった18路線の扱いに関して見直しをすべきであるという話もなされたところです。私共としては、この18事業については速やかにコスト縮減等を検討した上で再評価を行い、その結果を受けて事業継続の可否を判断して参りたいと考えています。色々なご議論があると思いますが、先程の村長がどういったことを訴えられたいかについては色々あるかと思います。私共も地域や専門家の意見もお聞きしながら適切な評価が出来るように努めて参りたいと考えています。

(問)明日、愛知県の神田知事が大臣のところへお越しになり、名古屋高速道路の料金を引き下げるために地域活力基盤創造交付金の配分を求めるということですが、大臣が以前道路公社が経営している有料道路についても何らかの支援が出来ないかということを仰っていたかと思いますが、現在の検討状況は如何でしょうか。
(答)大臣も会見等で何らかのことが出来ないかということで検討するということについてお話しをされているところです。愛知県知事が直接明日大臣にお会いになられるという話はまだ聞いていません。大臣のスケジュールのこともあるだろうと思いますが、名古屋の高速道路公社の料金のお話しでお見えになるということかと思います。どういった方策を取ることが出来るかについて今色々と検討しているところです。地域活力基盤創造交付金が活用出来ないかということもその対応方策の1つとして検討対象になるものであろうと思いますが、具体的にどのように取り組むか、どういった内容で対応が可能なのか、この辺については、愛知県だけではなくて京都や宮城等他の地域からも要望が寄せられており、地方有料道路問題連絡協議会や地方道路公社連絡協議会といったところからも要望を頂いているところです。いずれにせよ、どういうことが出来るのか関係者とよく相談して、私共も何らかの形で工夫しながら、そういった要望の内容について何らかの対応が出来るように努めていきたいと思っています。

(問)昨日の会議の件ですが、最後に麻生知事会長の方から、県民への説明責任もあるので、情報開示の課題は可及かつ深刻な問題であり早くお願いしたい、来月一杯に見せて欲しいと向こう側は期限を切ってきているのですが、昨日の大臣のぶら下がり会見ではそこら辺は必ずしも明確になってはいないのですが、何月までに行う等期限はあるのでしょうか。
(答)これについては、出来るだけ早くということで、大臣が終わった後の会見でお話しされています。まず事務的に情報公開、所謂事業の中身をそれぞれの自治体の方にご説明をしていくということが急がれるというのは麻生知事も仰っていました。私共として事務的にどのように対応出来るかは今詰めているところです。その上で、出来るだけ早くというのが何時になるのかは確定的に申し上げられませんが、県議会との関係等タイミングのこともあるでしょうから、そういったことも睨みながら、私共も出来るだけの努力をしたいと思っています。まだ、明確にこの時期までということは申し上げられません。そういう要請をされている背景も分かりますので、それに叶うような形に答えを作りたいと思っています。

(問)昨日の意見交換会でのテレビカメラの撮影について、当初冒頭のみということでしたが、途中で橋下知事が退席して戻ってきた後でフルオープンに変わった訳ですけれども、当初制限された際にどういう判断をされたのかということと、その後対応を変えられた際にどういう判断をされたのかという点を伺います。  
(答)テレビカメラの関係をどう対応をするかということは、相手である知事会との関係もありますし、その辺は知事会とも相談しながら当初はカメラはいわゆる冒頭の頭撮りで考えていたということです。具体的な経過は承知していませんが、その後聞いたところでは、テレビカメラも入る中で会議を始めて、その中で知事サイドの方は一度仕切りとしては頭撮りということでしたが、再度会議が始まった後で知事会の方にもお尋ねをしたところ、テレビカメラが引き続き入る形で構わないのではないかということで麻生知事が全体まとめてそういうご判断をされたということで、それを私共から大臣にもお断りした上でテレビカメラが入るよう切り替えたと、こういう経過であったようでございます。

(問)橋下知事が最後に謝っておられましたけれども、自分の意にそわない仕切りだからといって何も言わず飛び出してしまうという態度はどう思われましたか。
(答)姿が見えなくなられたので中座されたのかなと思った位でした。そこはどういうことか分からなかったです。後で戻られてご発言されておりましたので、そういう意味では知事が皆さん個別にお話をされるところでお話頂いたということであったので、その点は良かったなと思います。

(問)同じく、昨日の橋下知事からの批判について大臣は「ぼったくりというのも無理はない」と理解を示されていますが、次官としては如何でしょうか。
(答)大臣も香川の庁舎のことについて、説明が全く無く庁舎の費用を県側に負担金として請求したことに関して、「どこの世界にいるつもりなのか」のように会見で仰られたと思います。大臣としてはそういうお気持ちを素直に自分の受け止めということで仰られたのかなと思っております。そのことについてどうかというよりは、大臣も会見で既に仰っていたこととの関係でいけば、あまり違和感なくお聞きしていたところでございます。

(問)「ぼったくりというのも無理はない」という・・・
(答)ですから大臣ご自身も以前の会見の時にも香川の庁舎の関係で説明が無かったということは「どこの世界に住んでいるのか」というような感じもしますねというのはどう意味ですか、と記者さんからも更問があったように思いましたが、大臣からは全然説明もなく請求することはおかしいという趣旨のことをお話されたと記憶しています。

(問)国土交通省としてはそういった運用面は見直したとしても、制度の根幹は変えられないというのが基本的なお立場でしょうか。
(答)制度の根幹は変えられないということを何も検討もせずに申し上げるというようなスタンスではないと思っています。今の制度は法律で定められていますので、これをもし変えるということになれば当然のことながら法律改正しなければなりませんし、昨日も議論があったと思いますが、国と地方の役割、国が何をして地方が何をするのか、それから財源等含めて全体が絡む大きな話になりますから、事柄をどう整理し、どう考えていくのか、制度論になる話だろうと思います。一方で、今の制度の中でも改善出来ることは直ちにでも取りかかってやるべきではないかと思います。情報開示は今の制度の下においてもをできるだけ早く改善を図らなければならないと思っています。

(問)昨日の意見交換で大臣は政治家として見直しに向けて政府全体として取り組みをしていこうということを仰っていましたが、後は事務方というか、省として具体的にどういうことをとりまとめていくのか、例えば大臣は事務方の方で財務省と調整することになるだろうと仰いましたが、何時ごろどういう提案を国交省側からする予定でしょうか。
(答)昨日の意見交換会の内容については、大臣もお見えで、かつ事務方も来ていたところはある程度中身はご存じである訳ですが、財務省にも事務的に内容を報告を行っているところです。まずは各知事から出てきた意見の内容を共有化するということがまず出発点だと思っています。その上で、その問題意識の中で特に制度的なこと、あるいは制度的に対応することと密接に関連するような事柄というのはどのように議論したら良いかということを整理し、その上でそれに対する対応策をどうするかということを考えるということだと思います。それが昨日の意見交換会を生かす対応だと思います。関係省庁では、総務省もありますし、同じ公共事業で直轄事業となると農水省があります。それから財務省。こういった関係省庁が特に中心的なところだと思いますが、そういったところとお互いの意見をそれぞれ出しながらどういう対応が可能であるのかということを議論したいと思います。昨日の今日でありますので、まだ具体的な目処がどうだとかというスケジュール的なものは持ち合わせていませんが、昨日も会議でただ聞きっぱなしではないようにして下さいとありましたので、そうならないように取り組みたいと思います。

(問)昨日、羽田空港でJAL機がターンバックする事案があり、その後6時間滑走路が閉鎖されましたが、羽田空港側から何の情報もありませんでした。午後8時過ぎにイレギュラー運航報が1枚出て、その中に1行滑走路閉鎖の下りがあったという対応だったのですが、羽田空港の広報を巡っては、前も保安の関係で問題になったばかりだと思いますが、その辺りの広報対応についてどう思いますか。また今後どうされますか。
(答)昨日の13時33分頃に日本航空の1227便、羽田発三沢行きのMD90型機が羽田空港を離陸した直後に油圧系統に不具合が発生したとの計器表示があったということで急遽引き返し、14時7分にB滑走路に着陸したと。その際に主脚の格納扉が開いたまま着陸し、結果滑走路上に格納扉が接触し、その際に油漏れが生じたということです。その関係で滑走路の中心線灯2基も破損したと。路面に油が流れていたということもあったので14時7分から清掃作業等や灯火の修理等が行われて、19時53分まで約6時間B滑走路が閉鎖されたということで、この内容の広報が20時頃になったということで、私も広報の仕方としては問題が多々あったと認識をしています。この事柄については、1回離陸した飛行機が戻って来て着陸に当たって格納扉が開いたままで着陸という形になったこと、それから滑走路が油漏れ等で閉鎖をされたという事柄が続いた訳です。担当から話を確認すると、そういう通常の運航でない形のことがあり、かつ滑走路が閉鎖ということについて一連のことをまとめた形で広報すれば良いと思っていたところがあり、結果、滑走路の閉鎖が思ったよりも長い時間掛かったため広報が遅れたと、これは広報の仕方として非常に問題があったと思っています。私は少なくとも、航空機が戻って着陸をしたのは通常の運航ではないことですので、この事柄とその後滑走路の閉鎖が起こったことはそれぞれ然るべきタイミングで広報すべきであったのではないかと思っています。従って、この案件に関しては事実関係をもう1回整理をし、どの段階でどのように広報すれば良かったのかについて検証した上で改善策を検討して、具体的にある程度こういった時はこうすると明確に決めて以後同じようなことが起こらないように対応して貰いたいと航空局に指示したところです。私はその経過はしっかりとフォローして、少なくとも現場でこういう案件が起こった時にどう対応するかということが担当レベルでしっかり手順というかタイミングというのかそういうものがきちんと出来るようなルールにしたいと思っています。

(問)羽田空港の件ですが、機材の故障とは言え、滑走路を傷つけて油まで流してしまったと、公共の財産を傷つけながらJALから何もアナウンスもなく、国民の前で頭を垂れるべきと思いますが、羽田空港の航空当局がそれをおざなりにしていたということは、責任の在りかまでいい加減にしていた気がして残念でならないのですが如何ですか。
(答)事実関係はその後の処理も含めて空港事務所によく調べるように指示をしています。広報関係だけでなく、事実起こった事柄もきちんと調べてくれと言っています。それに応じた形でそれぞれの関係者が必要な対応をすることが大事だと思います。これを反省材料にして、同様のことが起こらないように改善したいと思います。

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