事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年4月13日(月) 14:01 ~ 14:15
国土交通省 会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

本日の事務次官等会議の関係で特にご報告する案件はございません。

質疑応答

(問)先週末に政府・与党で追加経済対策がとりまとめられ、国交省関連の事業が幅広く盛り込まれていると思いますが、次官の今回の対策に関する評価、自省に関することで結構ですが宜しくお願いします。
(答)先週金曜日に「経済危機対策」ということで政府としての現下の経済状況の中での対策がまとめられたということです。大臣もこの前の会見で仰っていましたが、色々な手順で相当幅広くご意見を聞いた上で政府として取り組むということで内容的にも色々な各般の内容が入っているということです。特に現下の経済状況は、色々な意味で生産の関係が急激に落ち込んだり、金融関係の不安があったりという中で、雇用の問題、生活に対する不安の問題等といったことが言われている中で全体の経済を底上げしていけるような対策、またそれが将来の成長に繋がるような対策ということであったと思います。そういう中で私共に関係する項目が相当あります。そういう項目の中でも特に社会インフラの整備といったことについても相当な力を入れていくということであります。私共も旧来型の取組みだけでなく、バリアフリーの対応や電線の地中化等今までの対応に併せてむしろ将来に繋げたり、また現下の色々な情勢に応じた形での対応についても相当工夫をしながら取り組む内容になっていると思います。そういうものを通じて、雇用の問題や生活不安であるとの緩和・解消がなされるように、これから補正予算に向けて具体的な金額の検討も含めて取り組んでいかなければならない訳ですが、そういった効果を発現していくということで取り組む必要があると感じている次第です。

(問)整備新幹線の絡みでお伺いしたいのですが、一部地方自治体が建設費の増加分について説明が足りない等の理由で負担を拒んでいた件について、今回の補正の一部は底を穴埋めするような効果もあるのかなという気もしますが、これまでの議論への影響、今回の補正の影響についてどのようにご覧になっていますか。
(答)整備新幹線に関しては、今年度に入るところの問題として増嵩分の対応をどうするかということがありました。その件については、整備費が増加した事情についてまだ十分納得頂けていないところがありますので、この点については引き続き御説明をしていきたいと思います。もう一方で、今般の経済対策の中に「整備新幹線の着実な整備」という項目が入り、これは、今整備を進めているもので前倒し出来るものは前倒しして、整備を着実な軌道に乗せるという趣旨ですので、これについては是非ともそういう形で取り組みたいという声もある一方で、増嵩分の問題も含めどのような対応をするかといったことについてはまだ色々と御議論があるだろうと思っています。整備新幹線については、地域の経済や利便といったものに対し具体的に成果を発揮していくものだとの考え方の下で、その推進に関して関係の地方公共団体の理解を得ながら進めていけるように努力をしたいと思っています。前の説明がまだ十分ではないという御議論も私共は十分受け止めをして、理解を引き続き求めるのに併せて、更に推進していくという取り組みに関してもご理解が頂けるように努めたいと思っています。

(問)ソマリアの海賊対策については、海上警備行動で自衛隊がソマリアに向かって護衛活動を始めている訳ですが、あくまでも趣旨は日本関係船舶の警護と聞いているところ、2回程日本関係船舶ではない船の救援活動が行われたということで、逸脱行為ではないかという指摘もあるんですが、国土交通省としてどのように受け止めていらっしゃいますか。
(答)今回海上自衛隊の護衛鑑がソマリア沖に派遣されて日本の関係船舶の警護活動に入っている状況の中で、その近傍で海賊船、或いは海賊船と思われる船舶に接近された、或いは攻撃を仕掛けられるといった状況が生じる中で、通報を受けて大音響を発する機器を使って警告をするという対応があったと報道を通じまして承知をしております。このことについては、現地の状況の中で、元々日本関係船舶の警護ということですから、支障があるか無いかという判断の下に、そういう状況の中、護衛鑑なり、関係のヘリコプター等の勢力が対応するということだと思います。この辺は、私共からどうこうというよりも、現地における判断として本来の任務に支障が無いと判断もした上で対応するということだと思いますので、このことについては第一義的には防衛省、特に現地サイドの判断ということではないかと思っています。

(問)整備新幹線に関連してなんですが、工事の前倒しはされるそうなんですけど、開業の前倒しは難しいということで、その理由を教えてください。
(答)開業の前倒しについては、22年度末の開業予定である九州新幹線は既に目一杯工事を行っているところですから、北陸の新幹線や北海道新幹線の開業時期がどうなるかということがあります。勿論、開業時期が前倒しになれば一番望ましいのかもしれませんが、ただ鉄道というのは下物の整備をし、レールを作り、当然車両を運行するための車両基地を整備するといった色々な過程がございます。北陸新幹線の場合も北海道新幹線の場合もそれぞれ、例えば北陸新幹線ですと、金沢に車両基地を整備するということがありますが、今ここは埋蔵文化財の問題にも対応しなければならないということもあるようです。ですから、全部がそろわないとなかなか開業できないと。北海道新幹線の場合には、青函トンネルの中のレールの取り替えが必要になりますが、列車が運行していない時間帯を使ってやらなければならないという時間的制約がありますので、開業時期が前倒しになるということはなかなかならないという事情もあります。ただ、前倒しをすることによって、出来るだけ事業で不確実な要素を潰していくという意味で、当初の予定が確実に実施出来ることは十分意義のあることだと考えております。

(問)新規着工への影響ということでは、平成29年度までの建設財源は使い切られることになっていて、その辺の影響というのは。
(答)新規着工の議論は、昨年末にこの問題については引き続き議論していくということで、一定の取り組みのスキームを作っており、今年の予算の時期までに議論していくということになっていますので、先程の既着工区間の事業とは直接未着工の関係で内容的にリンクすることではないと思っています。勿論、整備新幹線の全体の整備が前倒し的に進むということは、色々な事業の計画というものがそれだけ前進することにはなりますが、直接的にリンクすることではないと思っています。

                                  

ページの先頭に戻る