事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年5月14日(木) 14:00 ~ 14:26
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 事務次官等会議では特にご報告する案件はございません。

質疑応答

(問)先程、金子大臣がお盆期間中も高速道路料金の上限1,000円割引を表明されましたが、それについての次官のご所見をお願いします。
(答)これは大臣が、ゴールデン・ウィークの状況も踏まえた上で、お盆休みの時に、今年はカレンダー上8月15日が土曜日、16日が日曜日ということですので、この2日が今の休日割引の扱いの1,000円ということになりますがお盆にどういう対応するべきなのか、特に渋滞ですね。15日、16日の2日間に料金の割引があるということで、帰省のお客さんがゴールデン・ウィーク以上に集中することにならないか等、どういうことが出来るか検討してもらいたいというご指示があったということでございます。今回のゴールデン・ウィークの渋滞の実態とかもよく分析をして、それでお盆の時にどういう対応が出来るか検討していきたいと考えています。

(問)これから検討する段階ということで宜しいですか。
(答)これから検討するということでございます。

(問)先日、日本航空が決算を発表しまして、2010年3月期についても巨額の赤字の予想を出しています。一方で、コスト削減策等を打ち出していますが、それらの点についてご所見をお願いいたします。
(答)日本航空が5月12日に決算の発表をしたということです。決算発表の中では、営業ベースで収入面では昨年比2,800億円の減ということで、1兆9,500億円になると。一方で、営業費用は昨年比1,383億円の減となり2兆20億円ということで、差し引き前年に比べ1,408億円が営業損益ベースで悪くなるということで、これにより営業損益ベースで508億円の損失と。特に日本航空の場合は、収入の落ち込みの中で国際旅客の関係が前年度比507億円の減、それから国際貨物で前年度比360億円の減と、これが非常に大きいところです。確かに国内旅客の減が1割、国際旅客で2割、国際貨物は5割の減となっていますので、その辺が大きく効いているかと思います。何れにしてもこういう経営状況ですので、更なるコスト削減を含めた相当思い切った取組みが色々必要になると思います。

(問)高速道路料金値下げの件ですが、大臣は平日割引について言及されていて、次官の
ご説明では8月15日、16日は土日だと。平日についてどういうお考えを示されているのか分からないのですが。
(答)言葉足らずで申し訳ございませんでした。平日に渡ってある程度割引を広げることをしないとまずいのではないかという問題意識の下での検討ということでございます。大変失礼いたしました。

(問)そうすると、土日の前後2日間位を念頭にということですか。
(答)具体的なご指示ではございません。我々としてどういうことが出来るか検討しなければいけないと思っています。

(問)お盆についてそのようなご検討を始めたということであれば、冬休みやクリスマス、スキーシーズン等観光に車を使って移動する期間が12月にあると思いますし、正月三ヶ日については、高速道路会社は今のところ1日のみを祝日として割引の対象にしていますが、1月2日、3日についてはどうするのか、それについてどう思われますか。
(答)今仰られたように確かに色々なケースがございます。このことについては、当然お盆だけではない問題になろうかと思います。どういう範囲で検討するかは、それをやるならこっちだって同じことではないかという議論も起こるだろうということは想定して検討しないといけないと思います。

(問)現状で道路局が検討しているものは、お盆と何について検討されているのですか。
(答)まだ何時の時期というところまでは、大臣からの検討指示があったばかりというところでもありますので、私共も当然応用問題は考えておかないと、実はお盆の時しか考えていませんでしたという訳にはいかないと思っています。ちなみに、11月は1日と3日が休日で2日が月曜日ということで、利用増進計画を発表した中でも、間に1日挟まっているケースについては、休日扱いとするという内容であったので、ここは最初からそういうところは措置をするという内容でした。ですから、お尋ねの関係は、年末年始のほか、スキーシーズンやクリスマスは今お聞きする前は想定していませんでしたが、やはり大勢の方が移動をするということが定型的に行われているような時期のことがまず第一ではないかと思います。

(問)先程、お盆の場合に15、16日に集中するのを分散するのがねらいと仰いましたが、他方で平日に割引を広げると新しい需要を誘発してむしろ一層渋滞が酷くなるのではないかと思いますが、その点如何ですか。
(答)そうですね。そういうことも含めて検討しないといけないというのは、正にそう単純ではないというのはご指摘の通りだと思います。

(問)財源については新たに投入してでもということですか。
(答)財源については、ご承知の通り昨年度の2次補正で5千億円というお金を確保して、それで今年と来年の分で対応しようとしていたということがありますので、そういう意味では、財源の問題も含めて検討しないといけないと思っています。

(問)基礎的な質問ですが、お盆とは何時から何時までですか。
(答)宗教上のことだと思いまかすが、15日がお盆の中日ということだと思いますが、公式にどのようになっているかは即答出来ません。

(問)一般的な見解で良いのですが。
(答)お盆にどうやって先祖の方のお祀りをするかは色々と習慣はあるようですので、確かに曜日の関係もあって、曜日の配列と無関係に日にちを決めてということでは必ずしも無いようですから、大体その辺の週で休みを取られて帰省されたりする方が多いということなのだと思います。ですから、何時から何時までという何か決まりがあるというよりは、この時期に休みを取られて帰省されたり、或いは仕事場の関係でもその辺りに休む人が多いし、休みが取り易いから家族揃ってどっか行こうよということもあるかと思いますから、今の曜日の配列からすれば、次の月曜日辺りにかけてというのが想定に入るのかなと思います。

(問)15日で魂は帰っちゃうのではないですか。
(答)すみません。きちんと把握しておりませんでした。申し訳ありません。

(問)1週間位と考えていれば良いですか。
(答)どのような内容かは検討するということで、具体的な結論のイメージはまだ申せるようなことではありません。

(問)指示は何時大臣からあったのですか。
(答)昨日だと思います。実は、私もこの会見に臨むに当たっては、道路局の指示を受けたであろう局長とも連絡が取れなかったものですから。おそらく昨日だと思います。

(問)次官の頭越しと。
(答)頭越しというよりも、ゴールデン・ウィークの利用状況等についてのお話しの中でこの話題が出たと聞いていますので、直接ご本人から聞いていないので、大臣とも直接まだお話しをしていないものですから。

(問)派閥の会合後のぶら下がりでそういうことを仰ったと聞いたのですが、そうまでして票が欲しいのか、自民党は勝ちたいのかというイメージがついて回ってしまうのですが、その辺次官として如何ですか。
(答)それは非常に難しいご質問ですが、勿論、大臣としても問題意識をお持ちですから、その中で外に対して「これはちょっと検討課題にしてるんだよ」と仰ったということであると受け止めておりますが、昨日そういったご指示があったと思いますので、まず検討を取り敢えずしなさいということだけ仰ったと思いますが。答えにならない感じの答えですが。

(問)基本的には前向きにというか大臣の指示でもあるので国土交通省としては前向きに考えざるを得ないということですか。
(答)そうです。とにかく検討するということに関してはしっかり検討したいと思います。

(問)逆にこの野放図な、そういった値下げ政策を押し止めるというお考えはないのですか。
(答)やはり短い期間に相当の交通量が皆利用しようということになれば、少し色々と問題だなあという感じがしますから、大臣の問題意識は非常に正しいというか適切ではないかと思います。

(問)先程のお話しですが、財源のことを検討しないといけないというのは、2年間で5千億円しかない財源の中で平日割引についても収まるように検討しなければいけないということですか。
(答)どの程度の利用の実態になるのかで、お金の出と入ってくるものとの関係の整理もして考えなければいけないと思いますが、基本的には用意された財源に見合うものとしては、今までやったことで大体それに見合うということでやっているので、それに更に加えてということになれば、今の財源では足りないということになるのではないかということは検討しなければいけないと思います。

(問)渋滞の話は分かりますが、逆にCO2が増えるとか、排出が増える等、実際にゴールデン・ウィークには鉄道各社は影響を受けている訳で、その辺りゴールデン・ウィークの反省も踏まえない段階でまた次にやるというのはどうなのでしょうか。
(答)まだやるというよりも、寧ろそういった利用の実態や渋滞というのも社会的に見れば大変なコストというか、時間的な影響も大きかった訳ですし、色々な今仰ったような負の部分も当然議論としてあると思いますから、そのことも含めて検討しないといけないのだろうと思います。とにかくゴールデン・ウィークの実態についてもよく改めて色んなデータも集めて分析しないといけないと思っています。

(問)先程のJALの話に戻りますが、支援策をこの春まとめられたわけですが、検討していた時に比べで各社業績を下方修正したり、需要がまだ戻っていない状況ですが、新たな支援策というようなことも考えられるのかどうか、そこは如何ですか。
(答)今の時点では支援策で何か直ぐ経営がどうなるというものでも必ずしもないところもあるので、逆に言えば行政として取り組めるものもまだ具体化もしていないところがありますが、その辺も踏まえて、これは企業としての努力が必要になるので、その辺を取り組まれてその上でやはりなかなか難しいとか大体いけそうとか等も見据えながらの話だろうと思っています。確かに、収支は当初予定していたものを修正して悪くなるという形での発表になっていますから。これは3月までの決算ですから、その後も当然時間的には推移して来ていることもあります。ですから、現在の問題ということになればそういった状況を更に今年度に入ってどうかということも見据えながら、今年度の会社としての合理化施策、コスト削減の取組みも踏まえた上で支援策をどのように上手く利用出来るかの見極めもしながら、どこまで機能出来るか。また、支援策が足らないような時にそういう策を取るのか取らないのか、或いはどういうことが検討出来るのかということはその次のことだろうと思っています。

(問)この前JALが決算発表の場で路線の再見直しというようなことが必要になってくるかも知れないということについてかなり強く示唆されていますが、これについてどのような感想をお持ちか教えて下さい。
(答)利用度合いが悪い、ロードファクターが低い路線の扱いについては合理化とか企業の規模を少し見直す際に起こる課題だと思います。その点は当然課題としてテーマに上がるだろうとは思いますが、もう一方で、航空会社として、全体の航空サービス、ネットワークサービスを持って提供しているという会社としての営業的な体制というものもあると思います。今の現下の経営状況の中で、どのようにモノを考えて個別の路線等についてどういった取組みをするかといったことを考えて頂かなければならないと思うし、またそこでの利用者の利便もありますから、それがどのように利用者の利便に跳ね返るかもよく考えて頂かなければならないことだと思っております。

(問)航空会社への支援策ですが、これまでの支援策と仰っている部分は世界的な不況を踏まえた支援策であって、新型インフルエンザ等で国際線の需要が今後どうなるか見通しがつかない中で、別の角度から見た航空会社の支援策が今後必要になってくるというお考えはありますか。
(答)インフルエンザの関係と言ってもなかなか難しい話ではありますね。インフルエンザの関係も未だ事態が今後どうなるかというところがありますので、今どうだというのはなかなか判断がつかないところがあります。ただ、経済活動が非常に落ち込む中での問題と違う問題も起こっているという点では、正にそういう事柄も一緒に考えなければいけないということだと思います。

(問)先程、企業としての努力も必要だということでありましたけれども、日本航空は企業年金の大幅減額を今回示してますが、その辺のご評価をお聞かせください。
(答)企業年金は非常に大きな問題なんだろうと思います。ですから、そういったところにまで踏み込んでいくのは聖域無く色んな見直しをしているということなんだろうと思います。それだけの理解が得られるためには相当の努力が必要だろうというテーマだと思います。そういう意味で非常に大きな項目だろうと思います。

(問)企業年金で200億円の特別利益を立てても財政赤字が600億円と。実質的には1,500~1,600億円の大幅赤字が膨らんでいることを考えると、また黒野さんが会長になるとか、全日空と経営統合も必要だとか、そういった話が出て来るんだと思いますが、これ以上踏み込んだ対応を国土交通省としてなされるとお考えですか。
(答)確かに今インフルエンザの話も出ましたけれども、経営的にどこまでも落ちていくような場合にはなかなか再建策は難しいことにもなりますから、需要の面でどこかで底を打つようなことだとか、全体の経済対策で需要を作って、或いは需要が盛り上がるような対策も含めて色々取り組まなければならないと思っていますし、どういう前提の下でどういう対策を講じるかという正に組み合わせのことだと思いますから、とにかく収入は落ち続けるという前提の下にどうなのかといった少し先のことの見通しですよね。この辺のところは、そうも決めつけられないと思っています。ある意味、その辺は期待もしているところもありますので。ただ、状況に応じてはより厳しいことも必要になるんじゃないか、あるかもしれないと思います。ただ、今時点でそういうことを考えるとか考えないとかということも、俄には断定的に言えないかなと思います。

(問)CO2の削減について、国土交通省は交通分野のCO2の削減で世界各国と共通して取り組んでいらっしゃるかと思いますけど、政府も自動車メーカーや家電メーカーが環境対策の消費について優遇措置を今回取られるようですけど、航空会社も例えばJALで言うと、バイオ燃料を導入する飛行法を検討していて、そうした航空会社の環境対策をした部分について何か優遇措置を取ってあげるとかは検討なさらないんですか。減税措置とかですね。
(答)勿論、環境問題としてそういうものがより進むようなインセンティブについて、航空が例外となっている訳ではないと思います。そういうことも考えなければいけないかもしれません。ただ概して言えば、航空の場合は時間価値が高いという中で、相当燃料を使って飛んでいることも事実ですから、確かに燃料の問題だとか、出来るだけクリーンな形でということを何かやったことについてインセンティブになるようなことは政策としては必要なことだと思います。ただ、先程の家電のエコポイントですか、そういうものとはちょっと取組み方が同列にはいかないかもしれませんね。よく色々考えなければいけないと思います。あまり有効な施策になっていないとのご指摘は受け止めたいと思っておりますけど。

ページの先頭に戻る