事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年5月25日(月) 14:01 ~ 14:28
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 事務次官等会議の関係は特にご報告する案件はございません。

質疑応答

(問)国土交通省発注の公用車の運転管理業務について、公正取引委員会が談合を指摘しているという報道がありました。現状の事実関係を含め説明をお願いします。
(答)国土交通省発注の車両管理業務に関しまして、公正取引委員会が昨年の7月15日に関係者に立入検査を行う等調査が行われているということであります。公正取引委員会から事業者に対する独占禁止法上の事前通知が5月22日金曜日に行われたと聞いております。この内容の詳細については承知はしておりません。公正取引委員会は事業者に対し排除措置命令等を行うということで、その事前の通知が行われたと思っております。更に、官製談合防止法に基づく改善措置要求を行う方針ということも報道されております。この公正取引委員会の調査状況については未だ詳細は承知しておりませんが、入札談合の問題についてはあってはならないことだと思っておりますし、とりわけ官製談合、いわゆる官の側が関与する形での談合であるとすれば誠に遺憾なことであると考えております。今のところ未だ詳細を把握しておりませんので、現在のところ、どのように考えるかということについては、以上のようなことでございます。

(問)今日、午前中に北朝鮮が核実験を行ったと見られてますが、国土交通省として今後は制裁措置等の話になっていくと思うのですが、ご所見をお願いします。
(答)本日、日本時間の9時55分頃、気象庁が北朝鮮付近で地震波が発生したことを観測しました。その後、11時45分に官邸の対策室が立ち上げられまして色んな情報収集をしていたところですけれども、その間に、朝鮮中央通信から北朝鮮が核実験に成功したとの発表があったということを聞いたところです。政府全体の対応もあるかと思いますが、先程、13時42分、20分程前ですが、海上保安庁から航行警報を発出致しました。北朝鮮北東部において、朝鮮中央通信が本日地下核実験を実施したと発表したということで、付近の航行船舶は関連の情報に留意をされたいとの注意を促す警報を発出したところであります。日本政府全体としての対応は、関係省庁において相談しているところだと思っています。とりあえず私の承知している事実関係は以上です。

(問)海上保安庁が発出した航行警報は何に基づいて、どういう理由から発出されたんですか。
(答)朝鮮中央通信が地下核実験を実施したとの発表があったということで、これを受けて、付近の航行船舶は関連の情報に留意されたいというもので、北朝鮮における発表を受けて航行警報を出したものでございます。

(問)被曝しないようにということですか。
(答)どういうことか詳細が分かりませんから、追加の関連情報にも十分注意をして欲しいということで、その中味は被曝等具体なものが想定されている訳ではなく、一般的な注意喚起ということで出させて頂いたものと聞いてます。同様の警報は、平成18年10月9日に北朝鮮が核実験を行った時にも出させて頂いていたと聞いております。

(問)北朝鮮が短距離ミサイルを発射したとの情報があるのですが。
(答)それは何時ですか。

(問)ちょっと前です。
(答)韓国の連合ニュースが短距離ミサイルを発射したと伝えたと。まだ私の方は行政の方からの情報として流れてきたものには接しておりません。

(問)空のノータムはどうでしょう。
(答)北朝鮮による航行禁止区域の設定に関する航行警報として、1つは5月21日に発出致しましてその後、5月23日にも発出しております。いずれも北朝鮮の沿岸海域で特定の海域を時間指定致しまして、海上における航行への警報ということで発出しております。北朝鮮が発出しているNAVTEX放送を受信して出したものであります。これと今回のことが関係あるかないか直接は承知しておりません。航空の関係では特にそういう警報は出していないということです。

(問)公用車の件ですが、水門談合以降も橋梁談合とか毎年のように繰り返し繰り返しOBの再就職と天下り企業を巡る官製談合が出て来ますが、1年前に立入検査したこととは言え、また官製談合の疑いが指摘がされている事態についてどのようにお考えですか。
(答)仰る通りでして、水門談合の関係では平成19年3月に官製談合防止法に基づく改善措置要求が公正取引委員会から出された訳でございます。私共としても、これを受けてコンプライアンスの徹底や入札契約方式の改善に取り組んできたところであります。そういう中で、今回の公正取引委員会による具体的な調査状況の詳細は把握しておりませんけれども、私共職員の関与について仮に事実だとすれば誠に遺憾なことであると考えております。特に、公用車の関係は利用の適正化だとか、入札改革といった取組みをしてきたところでございますけれども、公正取引委員会の調査の進展を踏まえて、省内のコンプライアンスの取組みを更に徹底していかなければならないということになると考えています。何回も重ねてということに関しては、非常に重い事態、そういう状態だということを厳しく受け止め、私共として厳粛に、かつ再発防止という観点からの取り組みも事態をもう少しきちんと把握した上できちんと対応していかなければいけないと思っています。

(問)東京湾アクアラインの関係ですが、先週末、千葉県の主導という形で全日普通車800円という案が出されましたけれども、まずご所見をお願いします。
(答)22日に千葉県知事が大臣のところにお見えになって、東京湾アクアラインの料金につきまして、平日休日を問わずに大型車を含む全車種を対象に更なる料金の引下げが必要だということで、当面、千葉県が主体となって湾岸部の交通渋滞の緩和或いは観光・企業立地に及ぼす影響等を検証するための社会実験を行うことを決めましたということでありました。大臣もこのことに関しましては、特に物流の効率化という観点から、渋滞の問題等千葉の関係はアクアラインを使わない形での交通という意味で京葉道路や東関東道路に渋滞箇所があること等もありますので、そういう関係から、アクアラインの有効活用の実験ということについては私共としても提案として受け止め、これについて協力出来ることは協力していくという受け止めをしているということを大臣も申されたということです。ただ、ご提案を頂いてどのように協力出来るかということ等については、高速道路会社等関係者と今後調整するということでありまして、具体的に決まったものではありません。

(問)千葉県主体とか千葉県から提案があったという仰り方をされていますが、本当に千葉県側からの提案なのですか。
(答)そうです。千葉県から22日に知事が文書でもお持ちになりましたし、そういうお話しを大臣に対してされたということです。

(問)スキームを作ったのは国なのではないですか。
(答)そういう事実関係ではありません。

(問)実質的に何にでも使える地域活性化・経済危機対策臨時交付金をアクアラインに10億円投入してと。千葉県としては何にでも使えるお金をアクアラインに投入した方が良いという形で絵図を描いたのは国交省ではないのですか。そうすれば解決すると。
(答)これはあくまでも千葉県でこういう取組みをするということで、国に対して協力方を要請してみえたということだと思っています。

(問)形はそうなのでしょうが、実際絵を描いたのは国なのではないですか。
(答)基本的にアクアラインについては土曜休日の千円という割引を始めたところでありますので、そういう中で800円ということでは千葉県知事を中心としてこういう形で社会実験として取り組むという形として出されたものということで、そういう意味では、私共の取組みは土曜休日に千円を始めたところですから、私共としてこの辺まで想定をしていたのではないかというご指摘でありますが、そこまで私共が何か構想していたというものではありません。

(問)この件で、競合するフェリー会社の社長が「とんでもない」と、補償を求めたいと仰っていますが、ご感想は如何ですか。
(答)アクアラインの土曜休日の割引の関係も相当フェリーの利用には色々な影響が出ていると思います。今回千葉県で考えているのは、土曜休日に限らないということと、併せて大型車両も対象にしてということですから、そういった意味では非常に大きなインパクトがあるのではないかと思います。ですから、フェリーの立場からは非常に大きな影響があるのではないかというご指摘だと思います。この辺のところは、社会実験であれ実施する時にどの範囲で行うか勿論ありますが、どのように影響が出るかということについてもよく検討する必要があると思っています。今でも、土曜休日で行った結果でどのような影響が出ているかというのは随分色々な実績も出てきていますので、この辺も整理した上で考えなければいけないと思っています。

(問)そもそもアクアラインに限らず大幅値下げで副作用を指摘する声が関係業界から相当出て来ていますが、その総括はどうなっていますか。
(答)今色々なデータも整理中です。直接値下げする前、値下げした後の比較と、値下げ前も色々燃料代が高騰していた時期があったりと色々な要素があります。その辺は全体的に整理をしないといけないということで、データも相当色々集めて頂いていると思いますから、各業界の影響が非常に大きいというような点を中心にどのような対策が執れるのか、私の方にも色々な声を寄せて頂いているところですので、データも整理してどのような形で対応することが可能なのか、影響の度合いも強弱があると思いますからそれぞれに応じた対応の仕方も考えなければいけないと思っています。まだその辺はデータも整理しながら作業しているとのことです。出来るだけ早く対応しなければならないと思っています。

(問)アクアラインの値下げに協力してそちらの方に物流というか交通の流動を移されるということは、第2湾岸線については当面考えないということで宜しいのでしょうか。
(答)このアクアライン関係では、特に京葉道路や東関東道は非常に渋滞の問題が出ているということと、それから仮に社会実験ということの意味で考えた場合にそれぞれの通行量の度合いをどのように見ていくかというところがあるのだろうと思います。ですから、今現に起こっている渋滞の問題等に対して仮に社会実験として取り組んだ時にどういったことが検証可能であるか、或いはその検証を通じて物流の問題等では渋滞が非常に大きい問題であることは前から指摘もあるところなので我々もよく勉強してみないといけないと思います。ただ具体的にどうするかということ等については、まだ関係者の間でこれからの調整ということになるので、具体的に決まっているということではありません。

(問)まだ具体的に決まっていることではないというのは、何が決まっていないのですか。
(答)どういうことをやれるか或いはどういうことを我々として支援出来るかということです。

(問)アクアラインについてですか。
(答)そうです。

(問)前から指摘のある京葉道、東関道の渋滞を緩和するために第2湾岸を構想されている訳ですよね。では、これであっさりアクアラインの値下げに協力するというのであれば、これまで第2湾岸を造るために事実上ほとんど土地は確保されている訳ですし、調査費も随分使っている訳ですし、それは一体何だったのかという総括はないのですか。
(答)社会実験することと、基本的な道路の整備といったことで考えるものとの関係なんだと思いますが、今の渋滞の解消というのは元々の交通容量の関係もあるし、実際に京葉道路や東関東道といった道路の通行が最終的にどことの関係が一番大きく効いているのかということもあると思うので、その辺のところはアクアラインを活用してある程度渋滞の改善が出来るようなことは期待出来るか出来ないか、この辺の兼ね合いの問題だと思います。ですから、今仮に社会実験のようなことが出来たとしても、基本的な道路容量としての対応として、第2湾岸のような問題というものとどうかはそのまま置き換えられるものでもないと思います。

(問)ちょっと確認ですが、やや他の省庁も絡んだ話でもありますが、ポスト京都議定書で中期目標について経済界が90年比4パーセントだと言ってます。これに対して関係の大臣が「そんなことを言ったら世界の笑いものになる」と反論して議論が続いていますが、このやりとりについて次官はどういうご感想をお持ちですか。
(答)勿論、これからの削減目標をどのように定めていくかということに関しては、色々なデータを基にしつつどこまで現実に数値的なものに向けた施策というものを積み上げていけるかということと、もう一つはそれによる色んな経済的な影響というのも当然あるだろうと思います。その辺の兼ね合いもあると思います。そういった辺りのことは、今までやってきていることについてもどこまで効果を発揮出来るか、各分野毎に進捗の良いところ或いは少し苦しんでいるところ、それぞれの分野がありますので、その辺を検証しながら最終的に将来に向けての目標値を設定するということになると思います。色んな分野のそれぞれの進捗度合いの中で、ある程度具体的に施策を積み上げて到達出来るような目標値の設定も大事だと思うし、ただそれがあまりにも全体の関係から言ってもっと努力すべきだということで、更に施策を深度化していかなければならないということであれば、そういった議論も重ねてやらなければいけないと思います。具体的にどこまでやれているか、或いはそれを将来に向けてどうやって更に深度化するかということは相当個々について厳しく見ていかなければならないと思います。その上で、全体的な目標値を設定していくことが必要ではないかと思います。今現実に相場的にどの程度になるのかということまでは申せませんが、やはり今やっていることの検証と将来に向かって施策そのものの効果を発揮される仕方というものも強めていかなければならないことは当然のことなので、我々として出来るものは、国土交通省も色んな分野があるので、現在取り組んでいるものを更にどこまで深度化出来るか、その辺の積み上げをきちんとした上で目標値を設定していくということではないかと思います。あまり観念的にこの程度の数字が良いのではないかということで決める訳にもなかなかいかないだろうと思っています。

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