事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年5月28日(木) 14:02 ~ 14:18
国土交通省会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 私の方からは事務次官等会議の関係で、特に私共の方から提出している案件、報告申し上げる案件はありません。

質疑応答

(問)新型インフルエンザの関連ですが、昨日観光庁の方に関西の政令指定都市の首長が訪れて、風評被害の防止や旅館の資金繰り支援等を要望されていたと思いますが、省としてご対応はどのように検討されているのでしょうか。
(答)新型インフルエンザの国内発生については、現時点で356名、加えて水際発見事例ということで8名、足すと364名と承知しています。依然として、兵庫県や大阪府では感染された方の数が増加しているといったことがあります。そういった中で、特に、インフルエンザの発生以降観光関係でキャンセルされるといったことが観光産業に相当大きな影響を及ぼしているということで、関係の団体からもこういった状況に対しての支援を求める声が強く出て来ているところです。特に修学旅行関係については、私共が把握している限りでは、今国内修学旅行の取消し或いは延期ということで1875件、それから海外への修学旅行では462件という状況です。新型インフルエンザの発生以来、政府の対処方針において、外出の自粛要請を行わないとか、或いは集会、スポーツ大会等について一律に自粛要請を行わないといった方針の変更が先週の金曜日に行われたところであり、観光庁においては、各都道府県に対して新型インフルエンザ発生に起因する観光産業への影響や実態だとか、政府の対処方針が22日に改定されたことを受けた対応の変化や変更の状況を把握するアンケート調査を昨日発送したところです。これに加えて、国内外の旅行者に対し行き過ぎた旅行自粛とならないように、今後とも正確な情報の提供について、旅行業者等に働きかけをしていくこととしているところです。更に色々な事態の進展に応じ、関係省庁間でも緊密な連携を図りながらどういう対応を取っていけるかということについて色々と相談をしていくという体制をとりたいと思っています。具体的な対策ですが、現下の経済状況が相当悪化している状況の中でこのインフルエンザの問題が生じたこともあり、旅行業者、宿泊業者において資金繰り等で大変な状況が生じているところについて日本政策金融公庫のセーフティネット貸付や信用保証協会の緊急保証等が可能だということがありますので、こういった窓口での対応を考えていく必要があると思います。それから、修学旅行のキャンセル料ですが、21年度補正予算の中で地域活性化・経済危機対策臨時交付金が盛り込まれていますが、こうしたキャンセル料の支払いに充てることも可能であるという話もあります。実態をよく把握しながら、このような色んな問題に関して、旅行業者或いは宿泊業者の皆さんに実際の状況に応じてどういう対応をとっていくかご相談していきたいと思っています。基本的には、旅行そのものの自粛というよりは、旅行する時にあまり不安にならないように、受け入れ側の方で出来るだけのことをして和らげるとか、何か問題が起こった時でもちゃんと対応出来るといった体制についても旅行しようとされる方や修学旅行を計画されている方に理解をしてもらえる努力も必要だろうと思っております。こういった点についても関係の皆さんともよく相談して、特に旅行者の方々にそういう状況をよく理解して頂けるよう取組んでいく必要があるのではないかと思っています。

(問)先程、キャンセル料の支払いに平成21年度の交付金を充てるということですが、これは業者に対して支払うということですか。
(答)要するに、キャンセル料を学校で支払う時に、公立学校の場合に自治体なりで支払いに充てるお金の対応について、こういう交付金等も活用して実際にご負担頂く、例えば個々の家庭にお願いするのも大変であるという場合に、そうした活用も検討出来ないかという話があります。まだ予算も勿論国会にかかっているところでございますので、そういったことも出来ないかとの話があるということでございます。私共もどういうことが可能なのか等、色々な問題に関して関係者との調整に当たりたいと思っています。まだ決まったとか、そういうことで措置をするということが確定的になっているということではないということです。

(問)今の絡みで、昨日関西の4市長の要請の中にイベントの取り止めの補償だとか貸付制度の更なる充実みたいなことがありましたけれども、個別にどういうご感想をお持ちでしょうか。
(答)通常の単純な融資等の問題についても、資金繰り的な問題ともうちょっと個別的な問題等色々あると思いますので、ただこういったことは観光に限らないので、商店街でも人通りが急激に少なくなったことの影響等経済的な影響が出ているということではないかと思います。ですから、急激に出て来た色々な影響を受け止めきれないような場合は、ある程度そういう問題にも手を差し伸べていかなければいけないこともあるのではないかと、必要性が高いのではないかということついては、バランスも考えながら対応していかなければならないと思います。非常に影響が掴みづらいことも多いだろうと思いますが、まず影響をしっかり把握し、それからインフルエンザの関係もどの程度これから推移するのかよくわからない、比較的落ち着いているという見方も出来るのかもしれませんが、感染ルートが全部明確になりこれ以上の感染がないことが確認された状況でもありませんので、その点は状況をよく見ながら必要な対策についても考えていくということではないかと思います。

(問)昨日、今日とJR福知山線の事故の関係で、神戸地検がJR西日本本社と山崎社長の自宅の捜索を行っておりますけれども、起訴の判断はまだ出ていない訳ですが、今回の捜索について改めてご感想をお願いします。
(答)昨日、神戸地検がJR西日本本社、或いは山崎社長の自宅の捜索が行われたという記事は拝見しております。ただ、その内容については検察当局、神戸地検がどういう風に今捜査をされているのか、この辺のところは直接承知しておりませんし、またこういう検察当局の捜査にどうこう言うよう申し上げることでもない案件ですから、その点について私共としてどうかということは、見通しを含めて何とも申し上げられません。

(問)政策投資銀行の完全民営化について、撤回というか修正する方向で与野党合意した模様ですが、国土交通省として航空会社への危機対応融資を行った経緯を踏まえてその影響についてどのようにご覧になっていますか。
(答)完全民営化の目標の期限に関して3年半程延期をするということ等を内容にする法律の改正を議員立法という形で検討されているということです。政投銀を含めて政府系金融機関の民営化に関してはスケジュールを含め1つのルールを設定したところでしたが、現下のこういった経済状況等もある中、どうしてもそういった政府系金融機関の機能をある程度活用していかないと色々な問題に対応することが難しいという事態もあることは事実ですので、そういった意味で、こういう取組みも現下の情勢では相当必要性があると思いますし、このことに関しては、経済にある程度見通しを付けるまでの間は多少公的な立場からの色んな支援をこういう金融機関が間に立って対応していくことが求められるのではないかと。今の経済の状況について何らかの将来に向けた対応が出来るのかということについては、そういった金融関係の支援もお願いしていかなければならないということも色々出てくるのではないか、また現実にそういう問題があるなという認識です。

(問)一部で改革の後退ではないかという声も一方である訳ですが、これについてはどうですか。
(答)ですから、現下の経済状況の中で経済全体をどうしていくかということが非常に大きな課題なので、そういったものとの関係で、全体、行革といった取組みも勿論進めていかなければならないという基本的な方針や方向があると思いますが、そのタイミングを現下の経済情勢も踏まえて調整するというようなことではないかと思っています。

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