事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年6月8日(月) 14:04 ~ 14:20
国土交通省 会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

 事務次官等会議では特にご報告する案件はございませんでした。

質疑応答

(問)一昨日の夜、関西国際空港発の日本航空便で火が出て緊急着陸するという騒ぎがあったようですが、この発表及び国交省からの対応が遅かったようですが、事実関係等をお願いします。
(答)日本航空のJAL便の関係ですが、6日土曜日の日本時間午後21時20分頃、JAL653便、関西国際空港から台北に向かっていた航空機です。乗客乗員44名乗りのボーイング767型で台北の空港に進入中に客室の座席から炎が出たということで、客室乗務員が消火器を使用して消火をしたので、けが人は無かったということです。本件については、着陸後の点検で座席の肘掛けの付け根付近、背もたれと座板の間から焦げたライターが発見されたということ、JALに対して原因調査と再発防止策の検討を行うよう指示をしたということです。事実経過ですが、これが起こったのが土曜日の夜でしたが、日本航空から、日曜日の0時30分頃、航空局の担当課に一報があったということです。これが重大インシデントに当たるのか、イレギュラー運航報なのかということに関してその時点ではまだ内容が分からないということがあったようです。台北空港に着陸態勢に入って着陸に近い時間でこういうことが生じたということで、扱いとしては、台湾の空域で起こった事柄だと台湾側で事案の処理をすると。重大インシデントだったかについて台湾航空当局が判断するということで、どのようにその判断をされるかということについて、日本航空を通じて日曜日の段階で状況の把握をしてきたところですが、JAL経由の話では、台湾当局は日曜日の朝の時点で事故や重大インシデントではないと判断しているようだとの情報がありました。私共としてはそういう状況もあり、またその後入った情報からしてどうも重大インシデントに当たるような事柄ではなかったようだということで、本日の朝JALに対して、それまでに寄せられた写真等の情報によると重大インシデントではないようだということを回答したということでした。ただ、実は本件についてこういった炎が上がったということ、消火器で消し止めたということ、その辺のことについてマスコミの皆様に広報対応をとるのが非常に遅れて、最終的には本日午前、JALの方の連絡は本日の8時半ごろ各社に連絡を申し上げたということだったようです。その間にお尋ねがあり、そのことに答えた形での報道は一部なされているところであります。第一義的には台湾当局の判断というエリアだったようですが、この情報に接した後の対応として、それが所謂重大インシデントには当たらないという判断がなされる前にも、JALにおいて少なくともイレギュラー運航であることは事実な訳ですから、そういった広報がなされるということを報道機関に対して連絡をするといった形で私共の方からもエアラインの方にも流すべきであったと考えています。最終的にその扱いが重大インシデントになるかどうかはさておき、場合によっては追加のお知らせをするとして、取り敢えず、まずイレギュラー運航の部分として広報すべきだったのではないかと考えています。したがって、この扱いに関してはJALに対してもそういった扱いをすべきであったということを今後に向けて指導したいと思いますし、私共もそういう情報に触れた中で、適切なタイミングで、事実関係の解明が出来ないとしても、事柄が起こったということに関して何らかの形で広報がなされるように、私共なりでも対応すべきだったのではないかと反省しているところです。

(問)今の関連の広報とは別ですが全日空の方でも、これは出火はしていませんがシートが焦げていた事案が4月にあったと思いますが、こういう事案について乗客からしてみればシートから火が出れば恐い話だと思いますが、調査等される予定はあるのですか。
(答)全日空も4月2日の香港から羽田に向けた便で、香港の空港を離陸して上昇中に客室内で異臭が発生し座席のクッションが焦げた事案があったようです。そういう意味では、事柄が全く同じ形だったかどうか、つまり今回とですね。そこは分かりませんが、いずれもライターが原因だった可能性が非常に高いということでありますので、そういったものがクッションの間に挟まったりして火が出る形でクッションが焦げるということが原因としてあったのかどうかを、全日空のケースについてもどういう原因でそういうことになったかということについて検討を指示しているところですが、未だそこが解明出来ない。挟まった状態で何かクッションを、例えばその他で動かしたりしている時に何かのきっかけで火が出るということになったのかその辺りちょっとよく分かりません。今回のJAL機の場合も、炎が出たというところでライターが原因であったということでありますので、挟まっていた状態で何か発火するようなことが起こったのかどうかですね。この辺は原因をしっかり究明する必要があると思っております。その上で再発防止がどのように取れるかもしっかり取り組まなければいけないと思っております。

(問)公用車談合の再発防止委員会が先週開かれてますけれども、それが非公開の理由をご説明頂けますか。
(答)今回委員会を開くことにさせて頂きましたが、事実の究明のための調査をすること、それからそれを受けて再発防止策を講じることが目的であります。事実の解明もどういう形で解明していくか、公正取引委員会も未だ具体的な内容については明らかになっていませんので、そういう意味では、私共もそういう結果が出る前に調べられるところから調べたり、特に官製談合防止法の関係で行政が関与している部分があったのではないかという情報がありますので、この部分についても調査をする必要があると思っています。事実解明に関しては、どのように調べるのか、或いは調べた内容についてどのように評価し、また更に詳細に調べを進めるかということ等ありますので、委員の先生とも相当具体的に、実行の上がるような形でご指導も頂きながら調査をする必要があります。というようなこともありますので、公開という形で執り進めるのは色々問題もあるということでございます。そういう意味で全面的な公開で臨むことは差し控えさせて頂きたいという判断をしたものでございます。

(問)議事録が出されているのですが、極めて不十分というか誰がどういう発言をしたかが明らかになっていなくて、役所にとって都合が悪いことは非公開でおやりになるのかととられかねないのですが、今後公開するつもりも今のところないと。
(答)先程のような事柄でございますので、一般的に行政をどうしたら良いかというような形で議論するものとか、事柄によっては公開の場で議論するということはあると思いますが、本件は事柄について事実解明をしながら、その解明も相当背景も含めた形でしっかりやった上で再発防止をしていくということになるものですから、議事の内容について公表の仕方にご批判があるということでございますけれども、その点は出来るだけ工夫したいと思っています。議事そのものについて、皆さんが見ている前で、誰が言ったというような、個々にどういう状況の中で誰がどのように発言しているかということを含めた対応はなかなか難しいと思っております。議論の中身でそういう問題に直接関わらない問題に関しては出来るだけお知らせ出来るように努力したいと思っています。

(問)それは自由な発言がされないからということで宜しいですか。
(答)これは、ある談合の事実に関して解明していかなければいけないということもありますし、その内容に関してどのように解明するかということに取組むものですから、その過程を公表する場合なかなか解明そのものもきちんと出来ないという恐れがあります。勿論委員の中に色々解明の仕方とか事柄を巡ってご自由な意見を頂かなければいけないということもありますから、場合によっては、発言された方についても自由な発言というか発言しづらい状況が起こる可能性があるかもしれません。第一には、事柄を解明するための調査であること、しかも今回の案件に直接関与した可能性がある方に調査をかけてそこから得られた情報についてどのようにそれを判断して更に調査を深めていくかということでございますので、その辺の情報も含めて議論して頂くということになります。そういった意味では、こういう性格の案件であるということからすると、これを公表してやるということは適当ではないということで考えております。

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