事務次官会見

春田事務次官会見要旨

2009年7月16日(木) 14:02 ~ 14:24
国土交通省 会見室
春田 謙 事務次官

閣議・閣僚懇

次官等会議の関係で特にご報告する案件はありません。

質疑応答

(問)全国知事会が昨日一昨日と三重県で開催され、直轄事業負担金について知事会の要望を満たされなければ国交省の方から請求が来ても支払わないということで知事さん全員に確認したということですが、こうした知事会のことを改めて国交省としてはどのように対応されますでしょうか。
(答)全国知事会が三重県で開かれて、特に直轄事業負担金の改革に関して色々ご討議があって申し合わせということでまとめられたということをお聞きしています。元々直轄事業負担金の問題については4月から色々な形で議論がありまして、全国知事会の要請に応じて負担を頂く都道府県等のご理解を頂けるように詳細な内訳をお持ちをして説明を行ってきたということがありました。今回の知事会の申し合わせですが、私共としても特に直轄事業負担金のどのような範囲で、特に事務取扱費等の関連のお話しも出たということです。その辺の考え方については私共も内容をよく確認させて頂いた上でどのような対応をしていくべきか検討する必要があると思っています。ただ、実際に負担金の対象範囲の所の基準を色々と議論頂いている分については、21年度分ということになるとなかなか今年度の分は既に現在行われている負担金の範囲を前提に予算を組み、事業の計画を立てて事業を進めている最中ですので、これについて年度途中からやり方を変えるということに繋がるとなかなか難しい点もあるかなと考えています。知事会では申し合わせとして負担金の対象範囲を見直さなければ支払いに応じないということを申し合わせたと新聞報道等でお聞きしていますが、今年度予算の事情もありますので事業の進捗に影響が出ないように、特に現下の経済状況の中で事業を前倒し的に進めるということで色々とやっている最中ですから、そういったことに影響が出ないように十分配慮しながらよく相談を知事会或いは都道府県、恐らく知事会の方が全体のまとめを山口県知事が特にこの問題に関しての座長になっておられるということですから、そういう関係の方々とよく相談していく必要があると考えています。

(問)麻生総理が来週早々にも解散をして8月30日に衆議院選挙を行うとの意向を表明されましたが、8月末の概算要求に対して何か影響が出るとお考えでしょうか。
(答)8月末の概算要求というのは、財務省に概算要求を出すということですね。元々概算要求の手順については財政法で各省大臣が毎会計年度必要な歳入歳出等の見積もりの書類を作成して財務大臣に送付しなければならないということで、締め切りは政令で8月31日と決まっているということを受けているものであります。この前シーリングの閣議了解がなされましたが、その時にも8月末の提出期限を厳守するということが謳われています。私共は政府として予算の色々な作業をするスタートラインが8月末という事で翌年度の色々な見通し、それからその中で歳出をどのように見込むかという書類について財務省に提出するという、法律政令、また閣議了解時にも確認をしているということです。私共政府の、特に行政のベースとしてはこの基準に従って作業をして概算要求を財務省に提出をするということだろうと思っています。政治の色々な日程の関係はあるかと思いますが、勿論そういう中で提出したものを巡って政治的に色々な状況が出てきた時にどういう形でその作業について取組みをしていく、新たな取組み等が必要だとか、そういった類のことは当然あり得ることだろうと思っていますが、基本的なスケジュールは決められたスケジュールに従って取組んでいくものだろうと思っています。

(問)例年ですと8月末の少し前、27日、28日等に出されることが多いのですが、今年は30日より前になるか後になるということはか現時点で如何でしょうか。
(答)大体はそのギリギリの時に出しています。早めて出すというのは、これは全体を早めて出せれば良いのでしょうけど、大体は色々な作業は押せ押せになるので通常はギリギリの時に、要するに8月末日で出すというのが今までも普通そういう形になっていると思います。

(問)今の概算要求との絡みでお伺いしたいのですが、関西国際空港の長期債務の問題について、去年の秋に航空局長が今春までに報告を出したいといわれ、その春に大臣がもうちょっと検討しますといった経緯がありますが、これについて今回の概算要求ではどのようになるのでしょうか。
(答)まだ概算要求について、特に航空関係の予算要求をどのようにしていくかということはまだ具体的内容が決まっている訳ではありません。ただ仰るように、そういう財務問題というものも当然の事ながら私共は課題として大きく取組まなければならないテーマだと思っています。ですから、そのことについてどういうことを予算要求と結びつけるかというようなことは1つのテーマだと思っています。具体的にどういう形でということ等を含めて今の段階ではそれ以上のことは申せません。またよく相談もしていかなければならないと思っています。予算の場合には要求をする大体の段取りのようなことを決めていかなければならないので、それが例えば何局だとどれくらいのボリュームになるか等全体的にどういう事項をどういった形で要求していくかという大まかなことについては色々と整理をしなければなりません。今の段階ではまだ具体的にこういう内容だとか、こういうようにやりたいというところまでは申せません。

(問)具体的な中身は別にして何らかの概算要求をするという理解で良いのでしょうか。
(答)テーマとしては私共も重要な課題と考えていますが、要求の事項でそれがどういう形のものになるかというのはまだはっきりとしている訳ではないので、その項目を要求するとかしないとかということに関しては、まだ今の時点では明確には申し上げられないということです。事項で要求するということになれば、財務の問題について要求しますということになるのでしょうけど、そこまで具体的に今詰めている訳ではないということです。

(問)現行で言えば全く要求をしない可能性もあるということですか。
(答)言葉だけでいけば色々な可能性があります。財務の関係をどのように取り上げていくかというのも、単純に借金が1兆1千億円あります、では1兆1千億円の要求をしますという訳には勿論いかない話はご承知の通りだと思います。それは逆に言えば、関空は財務問題だけを抱えている訳では勿論ありません。当面のことも含めて今の空港をどのように使ってどういう運営をしながら財務の問題も睨みながら、将来の空港の展開、発展をどのように作っていくかという中でのことですから、当然のことながら全体予算の中で財務問題を大きなテーマの中で考えながら対応していくということになると思っています。そういう意味では、大きな1つの課題、テーマであることはご指摘の通りであります。

(問)関空に対して今日地元で促進協があっておそらく路線の見直しに対して反対の趣旨の決議が出るのではないかと予想されるんですけど、日航の再建を進める上で、路線の見直しと関空を立て直すというのと必ずしも方向が同じに向かない訳ですけど、地元がそういう反応を示すということについてのご感想をお願いします。
(答)関空に限らないですが、現下の足下で輸送需要が落ちています。何時までもそういう状況ではないだろうという見通しも含めて、将来的には空港としての機能をより高められるような形での対応を、需要も回復させながら作っていかなければならない、そういう展望を持てるような周りの環境整備とか空港の運営そのものに関する運営会社の財務体質も目標に向けて整備をしていかなければならないということだと思います。その中で具体的に日本航空、全日空も減便の話がある訳です。これは当面の需要が悪いというのもありますので、必ずしも経営のそれぞれの体質或いは体力だけのことではない、現下の緊急対応のような面もあろうかと思います。ただ、日本航空はそもそも会社としての運営体制の問題がありますので、これは関空に限らないことですけど、どういう役割をきちんと担っていけるかが会社としてある程度色んな競争関係の中で、それだけの力を発揮していけるような企業のビジネスモデルを作っていかなければならないということですから、そこはそこでしっかり作りながら、そういう環境の中でも企業として必要な路線、需要に合った、また営業的にもきちんと受け止めが出来るような会社に経営改善計画等通じて再構築していくということだと思います。そのことは当然のことながら、関空は、国内の拠点でありますけど、何と言っても国際の拠点という役割が大きい訳ですから、そういう中で色々特に得意分野というかある程度特色を持とうとしている東南アジア、特に東アジアの中国を中心とした路線を充実させていくという視点はそういう中で当然あるだろうと思っています。さっきの財務の問題も、財務だけの問題ではなくて空港としてどういう運営をしていくかということと財務問題は裏表の話ですから、そういうことをどういう形で将来展望出来るかを、航空企業の問題、空港運営の問題、運営する主体である空港会社の経営の問題等を有機的に考え、それぞれの関連を十分睨みながら対応していかなければならないだろうと思っています。

(問)シンドラーエレベーターの関係ですが、港区での事故から3年が経ってようやく今日当時の幹部が起訴されるということなんですけど、これに関して捜査が原因究明に必ずしも資しないという色々な問題があって国土交通省の今後のこうした事故についての関わり方が問われているというところがあると思うのですが、それについては如何ですか。
(答)本日、シンドラーエレベーターと保守管理を担当していたエス・イー・シーエレベーター株式会社の関係の幹部、或いは社員が起訴されるということが報道されています。この事故は社会的にも非常に大きな問題だと思っています。私共の取組みは、この事故を契機にいたしまして社会資本整備審議会の建築部会、建築物等事故対策部会でご審議を頂いて、取り敢えずの再発防止対策は、特にエレベーターの戸開操行、戸が開いたまま操行する、これを防止するための安全装置のための政令改正を9月28日から施行ということになる訳です。一方で、今回の港区のシティハイツ竹芝エレベーター事故の関係で事故発生の原因ですね、これをどういう風に我々は整理をしてそれに応じた形で具体的な再発防止対策をどういう風に組めるのかということに関しては、これも社整審の、社会資本整備審議会で専門家の構成する昇降機等事故対策委員会を設置して、ここで専門家に集まって頂いて検討して頂いています。これは本年2月3日からやっています。警察の刑事的な取組みがありますけれども、私共は再発防止に結び付けて取組むことが非常に大事だと思っています。実際の事故機の調査も昨年12月にこれも警察との調整を経てやっておりますけれども、そういうこともきちんと踏まえて具体的な事故原因というものを、メカニズムを明らかにすることと再発防止対策、これをとにかく早急にまとめていくことが大事だと思います。このことには、本日起訴がなされるとのことですが、そのこととは独立した問題としてこの点については早急に調査結果をまとめて再発防止対策を打ち立てていきたいと思います。

(問)直轄事業負担金の件で確認ですが、21年度の途中でやり換えるのは困難、難しいということですが、これは例えば財務省なり総務省なりと話し合った上でそういう結論は出ているのですか。
(答)知事会のほうでそういうことでまとめられたということでいくと、逆に言うと私共も具体的内容もお聞きした上で、我々も当然のことながら、一定の額で予算を組んでいることがありますから、その予算の使い方ということで今のところは各事業の貼り付け等は負担金も当てにして組んでいるということがありますので、今年の事業で見ると割り付けている内容に関しては、もし仮に負担金がそのまま入らない場合はどうするかというのは、国の場合にはお金が資金ショートするという訳にはいきませんので、当然のことながら何らかの対応をとらなければいけないということになれば、私共の中だけで処理できないということ等を含めて、財務省とも相談しなければならないのは当然だと思っていますし総務省も関係があると思います。ただ、直接のことでいくと事業の関係ですと財務省が比較的大きなウェイトを占めるのではないかと思いますが、仮に事業がこのままでは中々進められないということになったときにどう対処するか、具体的なあてはめも検討した上で対応できるかできるないかということを考えなければいけないと思います。だから、知事会でまとめられた基準等も良く確認させて頂いて、その上でそういうことについてどういうことが我々の対処として出て来るのか検討して、関係の省庁とも相談した上で、特に今年度ということになると予算的には決まっている中での話ですから、それをどうするかということの答えをちゃんと作ってからでなければ動けないと、既に予算が組まれて、且つ進められているということでそれを換えるというのは難しい、そういう趣旨でございます。

ページの先頭に戻る