事務次官会見

谷口事務次官会見

2009年9月14日(月) 14:00 ~ 14:27
国土交通省会見室
谷口 博昭 事務次官

閣議・閣僚懇

(次官)事務次官会議がございましたが、当省に関係するものはございません。私からは以上です。

質疑応答

(問)次官会見なんですが、新政権では次官会議そのものを無くすという方針のようですが、次官会見が無くなると省庁から国民に直に次官から発信される機会が無くなることと同時に、逆に国民としては直接次官達のお話を聞く機会が無くなるということになると思うのですが、これに対する次官のご所見をお伺いしたいのですが。
(答)事務次官等会議におきまして、漆間官房副長官から今日が最後の次官会議になるだろうというお話がございました。今後につきましては、新しい大臣の指示をいただきながら、国土交通省だけでなく、各省どうしていくのかということも勘案しながら、対応していくことになるのではないかと思っておりまして、今この時点でこれまで事務次官等会議の後の会見をしてきましたが、どうしたものかということを申し上げる段階ではないと思っております。新しい政権の中で整理され、また大臣の指示を頂きながら対応していくということではないかと思っております。

(問)副長官のお話を受けて、今日の会議では、皆さん次官の間では何か意見や話し合いはあったのでしょうか。
(答)1点質問がありましたが、発言は無かったと思います。

(問)質問というのは。
(答)今日そういうお話しがあったということは報告できたと、いうことであります。漆間副長官が後ほど、何時か聞きませんでしたが会見でお話されるという具合に理解をしております。

(問)日本航空の再建をめぐって、いろいろ先週末以来動きがありましたけど、次官のご見解というかご所見をお願いいたします。
(答)いろいろ報道されているということは私も承知はしておりますが、現在、日本航空は経営改善計画の策定作業を進めているということで、その一環として資本提携を含めた海外航空企業との提携についても検討しているという具合に受け止めております。また、具体的な提携先につきまして、いろいろ報道されてる訳でございますが、現在、日本航空はあらゆる可能性を選択肢として協議を行っているという段階でありまして、特定の航空企業に相手を定めて交渉を行っている訳ではないと聞いております。国土交通省としては日本航空に対し、経営改善計画を策定するに当たって外国航空企業との連携強化など、外部資源の積極的な活用を図ってはどうかとの指摘は行っておりますが、当然のことでありますが、提携先を決定するのは日本航空であり、国土交通省が提携先を強制するような考えはありませんということであります。日本航空において、海外航空企業との提携強化を含めた外部資源の活用が検討されるということは一般論として航空ネットワークの維持・拡大を通じた利用者利便の向上に資するということは、同時に日本航空の経営改善に資するものと考えておるということであります。

(問)八ッ場ダムの入札延期で、地元が一段と反発を強めているところがありますが、あらためてご所見、今回の事業は民主党としては無駄な公共事業と言っている訳ですけども、こういうものに対して改めてご所見をいただきますでしょうか。
(答)先般、入札延期の話が出て以来、いろいろな動きが活発になってきているということでありますし、また新しい政権も明後日16日に発足するということで、賛否両論の動きが顕在化しているという具合に受け止めております。いずれにしましても、先般も申し上げたかと思いますが、長年の経緯があるということでございますし、現在の進捗もこれありということで、新しい大臣に早く現在までの経緯、現在の状況、また、昨今の動き等もご説明させて頂きまして、これも何回も繰り返し申し上げておりますが、出来れば現地もご視察頂いてしっかりとご判断を頂きたいということです。その上でご判断頂き、ご指示頂きながら事務方としてしっかり対応していくことには変わりはございません。

(問)高速道路の無料化の試算についてですが、週末の報道でやり直しを検討するとありましたが、そのようなご予定はあるのですか。
(答)やり直しということではなく、先般も申し上げましたが色んな試算はあるということであろうかと思いますが、高速道路の無料化10割引についてですが、3便益については2.7兆円の試算、3便益プラス余剰者の便益を考えると7.8兆円の試算があることを申し上げましたが、更にその試算については新たな試算を行っているということではない訳ですが、色々幅広く検討していく必要があるということで専門家の意見等も伺いながら効果分析の仕方等について道路局が中心になって国総研またその他の方々の協力も得ながら基礎的な検討を行っているということではないかと思っています。

(問)事務次官会議の廃止が言われておりますが、事務次官会議のこれまでの意義と、伝統と言ったらあれなんですけど、事務次官会議というものがあったことによって日本社会にどのように寄与してきたかという部分のお話をして頂ければと思います。
(答)先般も、私の言葉で申し上げますと、議院内閣制ということを受けて各省庁の調整をその事務次官会議に、翌日閣議にかけるのが原則基本になっているかと思いますが、遺漏の無いように、また閣議の円滑な進行ということで設けられてきたということではないかなと思っております。何れにしましても議院内閣制ということですので、こうした役割は重要ではないかなと思っておりますが、色んな調整の仕方があるという考え方もあり、新しい政権では政治主導ということもあって、従前、事務次官等会議が担ってきた役割を何らかの形で担保するということではないかと理解しております。

(問)次官会議が終わる、言ってみれば最後の次官ということですが、それについてのご感想、これからどういう仕組みになるか分からない状況に突入していく時期の次官としてどのようにご感想をお持ちでしょうか。
(答)未だ定まった訳ではございませんので、今日この場で私の思いみたいなものを申し上げるのは適切ではないかなと思っております。何れにしましても明後日から新しい政権が発足する訳ですので、当面新しい大臣に先程の八ッ場ダム、また高速道路無料化もそうであろうかと思いますが、しっかりとこれまでやってきたことの状況を説明し、ご指示を頂きながら遺漏のない対応ということで頭が一杯ですので、またこれまでやってきました事務次官等会議の後の会見につきましては、またご指示を頂きながら対応するということであろうかと思いますので、今日のところは感想とかそういうところまで思いは至りませんので、ご勘弁を頂ければと思います。

(問)先程、日航の発言がありましたけれども、外国の提携ではなくて明日有識者会議が開かれて明日の冒頭の部分では発言が無いと先程連絡を頂きまして後半にブリーフィングが行われるということなんですが、明日の有識者会議を前に是非この場で、先程の感想と同じですが、提携ではなくてJALの全体の再生について現時点で期待、感想を頂けますか。
(答)明日の有識者会議の会議内容につきましては、明日ブリーフィングがあるかと思いますが、先般もご質問頂いた時に申し上げたかと思いますが、未曾有の世界経済危機、また昨今の新型インフルエンザ等の状況を受けてかなり厳しい経営状況になって来ているということは否めないと思います。何れにしましても、日本航空が聖域無く検討して頂いて抜本的な経営改善計画を策定して頂きたい、そういう中で有識者会議のご承認を得られるようにしっかりとした経営改善計画にして頂かないといけないと思います。色々報道されていますようにこれまでの経緯、体質ということも乗り越えてしっかりと社長がリーダーシップを発揮されて取り組んで頂きたいと思っています。

(問)これまで民主党の鳩山代表に面談を申し入れられて来たと思いますが、鳩山代表から打ち返し、連絡はありましたでしょうか。
(答)今この時点でございません。

(問)他の省庁では面談できている次官もいるみたいですが、何故鳩山代表から打ち返しがないとお考えでしょうか。
(答)色々各省庁によって抱えている問題の差があると思いますが、詳細につきましては私からとやかく申し上げるということではないと思っています。新しい政権の枠組み、人事等で時間的に私の方がご挨拶できる時間は頂戴できないということではないかと推測しています。

(問)先程、特定の外国の航空企業との提携というのは特に調整している訳ではないということでしたが、外国の航空会社との提携そのものについてはその特定の企業ということではなくて、そういった枠組みについてはどのようにお考えですか。
(答)当然そういうことも聖域無くと申し上げている中で、可能性のあるあらゆる選択肢を検討して頂きたいということを申し上げている訳ですので、ご判断頂ければと思います。

(問)話題は変わってしまうのですが、イチロー選手が9年連続200安打の大リーグ記録を更新したのですが、ご感想等ありましたらお願いします。
(答)イチロー選手が200安打達成されたのですか。今朝ほど出て来る時には199本ということでしたが、極めて明るいニュースではないかと思います。200安打、大リーグでも日本人だけではなくて、前人未踏のことだということで日本のステータスもイチローにならって上がって行ければと思います。

(問)そういった話題も気にする余裕もない程お忙しい状況でしょうか。
(答)そうですね。今日は事務次官等会議がございましたので。何時に達成されたのですか。多分午前中ですかね。次官等会議に没頭しておりました。

(問)ナショナル・フラッグ・キャリアのJALに対する思いと重なる部分はありますか。
(答)日本経済自体がここに来てステータスが下がって来ているのではないかと私は受け止めています。そういう意味では、前人未踏の記録ということをされた訳ですので、野球のことと航空経営とは同一に論じられないとは思いますが、イチローのこれまでやって来たような日本人としての誇り、プライド、また弛まざる努力というものを企業としても参考にすべき点はあるのではないかと思っています。何れにしても、国際航空はグローバリゼーションの中で重要な物があるのではないかと思っていますし、今後日本が世界の中でステータスを高めて行くためには国際航空、国内航空もございますが、特に国際航空については重要なのではないかと思っているので、社長以下大変経営陣はご苦労されているかと思いますが、良いチャンスでもあろうかと思いますので、JALが世界の中で羽ばたけるようになるように我々も指導・監督していく必要あるのではないかと思っています。

(問)民主党の岡田代表が先週末に掛けて人事院の関係でいろいろと発言されていて、人件費削減と同時に職員の団体交渉を認めるべきではないかとのお話しをされているようですが、開発局のヤミ専従等々で組合問題もあったと思いますが、そういった動きについて次官はどのようにお考えですか。
(答)ご質問の主旨は公務員の身分、組合交渉ということですか。国家公務員は言わずもがなでありますが、国民の奉仕者として公正厳正に対応していくということで、その中で一定の身分が保証されているということだと思います。そういう意味では一般の会社の方々と異なる面があるということである訳ですが、現在の経済状況、世界状況を考えると少し国家公務員に対する厳しい目というものを考えますと、特権にあぐらをかいているという訳にはいかないということであろうかと思います。そういう意味では新しい政権の国のあり方また国家公務員のあり方またその中での労働組合のあり方というようなものが新しい政権になって変えていくべきではないかということではないかと思います。何れにしても部分部分ということではなく全体の枠組みがしっかり明示されることが重要なのではないかと思います。

(問)JALの件ですが、デルタやアメリカン航空といった複数の交渉相手が上がっているようですが、国交省としては基本的にはJALの意向にまかせて、どちらが望ましいといった後押しをすることはないのでしょうか。
(答)まだそういう段階ではないのではないかと思っています。一義的にはJALがしっかりといろんな声を受け止めて、交渉事でありますので二股を掛けるとかということではなく、交渉の経緯を踏まえて、先程言いました経営改善計画として良いものを策定して頂くということではないかなと思っています。

(問)JALの件でもう1つですが、新しい大臣に対してはどのようにご説明していかれるお考えですか。
(答)新しい大臣には16日ご説明出来るかどうか、いつご説明させて頂くかということもあるかと思いますが、明日の有識者会議も踏まえてまたその時点での交渉の中身がJALからお話しがありましたら、何れにしてもそうした最新の状況も踏まえてこれまでの取り組みや考え方というものをご説明させて頂いて、今後のことについては、新しい大臣のお考えを受けて対応していくということではないかと思います。

(問)JALの関係ですが、一部報道で国交省がデルタとの提供を進めたがっているという報道があって、さっきの次官のお答えですと、今はそういう段階ではないけども何れどちらかに肩入れする時が来るという捉え方でいいのですか。
(答)JALがどのような形で私どもの意見を求められるかということもあるのではないかと思いますが、何れにしても国として国交省として指導・監督していくということは申し上げていますので、どのような場面でどのような指導・監督になるかということを今申し上げるべきではないということを申し上げているということです。何れにしても明日有識者会議もありますし明日で終わりということではありませんので、そういう方々のご意見をお聞きすると、そういう有識者会議の承認を得るという姿勢でやってきていますので今この時点でどうこうするということを考えているかどうか、どうしていくかということを申し上げるのは適切でないということではないかと思います。

ページの先頭に戻る