副大臣・大臣政務官会見

馬淵副大臣会見要旨

2010年4月5日(月) 16:00 ~ 16:14
国土交通省会見室
馬淵澄夫 副大臣 

質疑応答

私のほうからは1点ご報告がございます。
国土交通省所管の公共事業の事業評価実施要領の改定につきまして、ご報告をさせていただきます。
 すでにお手元にはお配りさせていただいたと聞いております。
公共事業の事業評価実施要領の改定についてということで、今回大きく改定をさせていただきました。
 3点ございます。1点目は、事業評価、この再評価における都道府県、政令市の意見聴取の導入ということでございまして、今までは、事業評価はそれぞれ事業主体が行うということでありました。
しかしながら、国が行う直轄事業、これについて自治体との調整という過程の中で、再評価に対して意見をお伺いするという場面がございませんでした。
今回、この実施要領で、自治体からの意見聴取の導入というものを明定させていただきました。
さらに、再評価の実施時期の短縮、これは極めて重要なポイントだと思っております。これは予算委員会で、私自身が指摘をしてまいりましたが、新規事業採択時評価の後、その後10年間、これは再評価がなされないということになります。これに対しての問題点を指摘してきたわけでございますが、今回実施要領の改定で、この直轄事業に関しましては、まず新規事業採択時から5年継続で再評価と。
さらに、3年ごとに評価ということですから、事業新規で採択されてから5年、8年、11年と、こういった非常に短いサイクルで事業の評価を行っていくことができるようになりました。
また、補助事業に関してですが、これに関しましては、サイクル短縮も検討させていただきましたが、自治体の負担、補助事業は自治体が実施いたしております。
さきほど申し上げたように、事業主体が評価を行うということになりますので、自治体の負担が重くなるということを勘案いたしまして、補助事業に関しましては、これは5年継続の中で見直しをした後、サイクルは5年ということですので、新規評価、そして5年で評価、その後は10年、15年という形になります。
 このように、法定されていたものを、実施要領にてよりきめ細かく実施ができるようにということで、改定をさせていただいたものであります。
3点目、事業評価監視委員会、この規則を改定いたしました。
これは、委員の任期を最長でも6年を限度とするということに変えました。
この事業評価の監視委員会に関しましては、より様々な方々の意見をお聞きする必要があるのではないかといった観点から、委員の任期を最長6年とさせていただいたということであります。
特に地方において、あるいはそれぞれ各事業主体が選定をしてきた委員の皆様方には大変ご苦労いただいたと思いますが、人事が滞留するようなことなきようにということで最長6年とさせていただいたということであります。
今後の取り組みに関してでございますが、事業の前提となる政策目標を明確化した上で事業内容は政策目標達成のために妥当かどうかの検証可能となるような事業評価手法を改善するということでございます。
これは、私がかねがね申し上げている点でもございますが、事業評価の方法、この見直しです。
具体的には、現在の事業評価の仕組みと言いますのは、まず事業が明定されております。例えば、河川で言えばダム事業というものが明定されていると。
これについて、その事業の評価、いわゆるB/Cも含めて検証するということですが、そもそも政策目標として治水というものを考えた場合にダムが妥当なのか、あるいは堤防等の嵩上げの事業が妥当なのか、こういった事業の計画段階の評価というものがそもそも必要ではないかということから、政策目標型の事業評価としてその計画を代替案も含めて検証するという仕組みに変えてまいりたいと思っております。
道路等でも同様です。渋滞緩和のためにいわゆるバイパスを造ること、このことが果たしてその政策目標として合致しているのかと。
あるいは交差点改良によっても十分に現道利用の中で可能性があるのではないか。
こういったことを検証していくということで、今までのように事業ありきの事業評価ではないと、このように変えることができるかと思っております。
また、新たな取り組みの中での事業評価の方法については必要性の再検証というものを繰り返し行っていきたいと思っておりまして、内容等の詳細なチェックを行いたいと思っております。
いったん新規事業が採択されたら、その必要性に関しては一定程度これは満たされたという前提になります。
しかし、公共事業は様々なかたちで不断の関心の元に置かれていることを勘案すればしっかりと必要性においても時代の変化と共に見極める必要があると思っております。
これが新たな取り組みとして今後作業を待つものでございます。
これらに基づきまして、私共としてはこの平成22年度中に従来の評価サイクルで実施予定の事業というものが直轄事業で、数字のほうは正確だというふうに思っておりますが、150事業ほどございます。
これに更にサイクルが短縮されますので、それに上乗せで10年継続が5年継続になることにより122事業、これらについて激変緩和的措置で2年間ほど時間を掛けてこれをさせていただくということになります。
なにぶんサイクルを短縮するがために事業評価の数が増えます。
これについてはその負担がありますので、ここについては見直しによって実施する事業については23年度までに実施ということで進めさせて頂きたいと思っております。
私の方からは、この事業評価実施要領改定について以上でございます。かつて予算委員会の中で、金子大臣だったと思いますが、正に国土交通大臣のご判断で変えていけるものであるということを指摘をさせて頂きました。
今般、政権交代によって前原大臣のリーダーシップの下、このようなかたちで事業評価を変えるということを発表させて頂くことによりまして指摘をさせて頂いたことが一歩前に進んだと思っております。
以上でございます。

(問)改めて今回、公共事業の評価のサイクルを短くしていったりすることとなると、透明性確保ということだと思うのですけれども、よりチェックさせるよということも分かるのですけれども、改めてどうしてこれを導入しなければいけないのかというところを教えてください。
(答)これも再三指摘をしてまいりましたが、新規採択時で評価をした後、10年間は事業が継続されている場合、全く再評価されることがなかったと。
ある意味公共事業がスタートすれば、その必要性の検証がなされないままに進んできた。
これが公共事業のなかなか見直しが効かないと指摘された部分の大きな要因になっていたと思っております。
これを再度、5年で見直し、更には3年ごとのサイクルに短縮することによって正に鳩山政権においてコンクリートから人へと、様々なかたちで、限られた財政の中で、財政支出を振り向けていくという検証の中では非常にタイムリーに判断が出来るようになると思っております。
また併せて、今後の取り組みではありますが、計画段階からの評価は極めて重要だと思っております。
計画段階で事業ありきではなく、どの事業が政策目標に合致するものなのかということをしっかりと検証することによって、地域の皆さん方のご要望も含めて十分に対応出来るかたちに変えていくことが出来ると思っております。
何分、長年続いてきた仕組みを変えていく訳ですから、作業もなかなか手間取る部分もあるかと思いますが、しっかりと進めて頂きたいと思っております。

(問)もう一点。今、後半で仰られた、先程も申されましたけれども、計画段階からの評価、この渋滞緩和、他の方法では出来ないかどうかをやっていくということですけれども、これはもう22年度から、新しい予算の概算要求に向けてこのやり方を行うのですか。
(答)取り組みを進めさせて頂こうと思っております。
それぞれどのような方法にするかというのは事業ごとによって違います。
この事業ごとで河川事業、道路事業、或いは港湾事業と、それぞれの事業ごとによってこの計画が妥当かどうかという評価軸が違いますので、それぞれをしっかりと見直して、もちろん全てがいっせいに出来れば良いのですが、先行して出来るもの、或いは若干時期がずれるものがあるかもしれませんが、6月末までの概算要求に向けてその評価の方法を整理をしてまいりたいと思っております。

(問)6月から実施を予定される高速道路の上限料金割引についてお伺いいたします。
これまで一部の報道で本州四国連絡道路については競合するフェリーに配慮する形で上限乗用車は3,000円という報道も出ておりますが、この事実確認と、こうした競合する公共輸送機関に配慮した料金設定を他に適用する考えがあるのか教えてください。
(答)これは4月上旬に然るべき時ということで上旬に発表させていただくということを大臣からもご説明されているかと思います。
然るべき時にしっかりと具体的な事実も含めて公表させていただくということでございます。

(問)事業評価ですが、5年さらにそれ以上の評価の結果如何によってその事業を中止するということはあるのでしょうか。
(答)まさに公共事業がその評価によって見直されるという大きな転機になると私は思っております。
ただ単にやみくもにこれは進めるんだ進めないんだということではなく、私共としてはこの事業評価の結果は第三者評価委員会によってしっかりと確認もされます。
第三者組織によって確認もされてまいりますので、その上で必要性、或いは自治体の意見も聴取いたしますから必要でないと判断をされるものについては当然ながら公共事業がスタートしたものでも見直しが図られることになると思っております。

(問)その時に使うB/Cの数値基準といいますか、何を便益として何を費用とするかというところはこれから具体的に見直していくということでしょうか。
(答)これは皆さん方はB/Cというと道路ばかりのイメージがあるかもしれませんが、それぞれの事業においてB/Cというのは設定されたり、或いはB/Cだけで評価されないものもあります。
事業内容によって異なりますのでそれぞれの関係する事業によって評価方法というのは詰めて参りたいと思っております。

(問)その新しい評価軸というのは何処の時点が適用されると、来年度の概算要求時ですか。
(答)概算要求に間に合うものに関しては、概算要求時点で事業評価というものを行いたいと思っておりますが、なにぶん先程来申し上げているように長きに渡って使われてきた事業評価の仕組み、或いは方法を見直すということですから、しっかりと精緻化を進めながら行っていきたいと思っております。


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