副大臣・大臣政務官会見

牧野副大臣会見要旨

2019年4月24日(水) 15:30 ~ 15:56
国土交通省会見室
牧野たかお 副大臣 

質疑応答

(問)副大臣就任にあたっての抱負をお伺いしたいのですが、塚田前副大臣辞任の経緯もありまして、国土交通行政の公正性が問われている中での就任だと思います。
副大臣として優先的に取り組みたい政策と併せて国土交通行政にどう向き合っていくかという姿勢の部分も含めてお願いいたします。
それから、大臣をどうサポートしていくかについてのお考えもお願いします。
(答)皆さんこんにちは。
2度目の国土交通副大臣ということで、また職務を担当することになりましたが、29年8月に1度国土交通副大臣に就任して、それから1年2ヶ月務めましたが、その間に平成30年の西日本豪雨だったり、いくつもの自然災害が相次いだりしたということがございまして、当時は災害からの復旧と対策の担当でしたので、そういった復旧・復興の様々な取組を推進してまいりました。
今回また改めて副大臣を拝命することになりましたけれども、そうした近年頻発する自然災害からの復興とともに被災者の皆さまの御意見・御要望をしっかり承りながら取り組んでまいりたいと思います。
また、今回の担務は当時の秋元副大臣が務めていた方の担務をさせていただくのですが、この2週間、それぞれの新しく担当する各局からいろいろな説明を受けていますが、国土交通省というのは本当に社会基盤整備から観光だったり、そして海上保安だったり、幅広い分野を所管していますので、国民経済とか国民生活の基盤となる、非常に重要な分野を担っていると改めて感じております。
近年、私がいたときもそうですが、石井大臣が生産性革命の取組について非常に熱心に取り組んでいらっしゃって、それが今も継続されているわけですが、そうしたことをきちんと私も副大臣として石井大臣をお支えしながら、そして今のやらなくてはいけないことをしっかり取り組んでいきたいと思っています。
それから冒頭お話しがありましたけれども、塚田さんが辞任されたということは本当に残念なことでありますけれども、やはり国土交通行政というのは公正性を念頭に置いてしなければいけない、そうした業務だと思っていますので、それを肝に銘じて職務を全うしたいと思っております。

(問)下関北九州道路の関係で伺いたいのですが、今ありましたが、新しく就任されるきっかけになった発言ですが、前副大臣のいわゆる忖度発言というのをどのように受け止めるかというのを伺いたいのですが。
(答)私たち、これは国土交通省だけではなくて、政務の人間全般にいえることだと思いますが、やはり行政の公正性というのを1番大事に考えなければいけない、年頭に置かなければいけない。
ですから、国民の皆さんに行政の公正性について疑念を持たれかねないような発言というのは厳に慎んでいかなければいけないと思っております。
塚田前副大臣におかれましては、発言については訂正をして、謝罪をして、そして自ら行政に対する信頼を損なって国政に遅滞をもたらしてはいけないということで辞任されたと承知しておりますので、それ以上のことは私からコメントするのはいかがかと思いますので、先ほど申し上げた、そういう気持ち、矜持を持って事に当たっていきたいと思っています。

(問)その関連で伺いたいのですが、前副大臣の発言で、今おっしゃったような公正性とか信頼性について、この下関北九州道路の調査事業が信頼性とか公正性が大丈夫なのかと、揺らいでいると、国民はそれをきっかけにそう思ってしまったと思いますが、それを踏まえて、例えばこの調査事業の直轄調査とか調査予算の決定過程の検証を行うお考えがあるか伺いたいのですが。
(答)当時1年2ヶ月やったときの副大臣のときも、それだけで来られたわけではないと思いますが、福岡県の知事も、秋元副大臣が所用でいらっしゃらなかったので、道路の要望は結構多くて、担務ではない方の副大臣も受けることが多いのですが、1度私も受けた覚えがありますが、そのときは地元調査をやっているときでしたが、平成29年度から福岡県と山口県、そして北九州市などで、要するに地元の方で道路のルートだとか構造とか整備手法とか、そういう調査が29年度から実施されまして、今年の3月8日に調査検討会が開催されて、とりまとめが行われて、それを国土交通省に出されたということで、それを受けて、国土交通省の方で最終的に直轄調査にするということになったわけですけれども、これまで委員会等で大臣がお答えしているように、私も1年2ヶ月やっていた副大臣のときもそうですけれども、箇所付けのことについては、政務は1つ1つにそれについては関わらないというのがこれまでの慣例でありましたので、副大臣なり大臣なり政務官なりが、ここについて調査を直轄に切り替えなさいとか、来年度ここをやりなさいとか、事業費はいくらにしなさいとか、そういったことは、大臣も委員会でお答えになっていますけど、ないというか、できないシステムになっていると思います。
決裁をとるのもそういう箇所ごとではなくて、31年度の、例えば、全体の予算の中でこういう方針でやりますよとか、そういうことについて報告を受けて、決裁はそれぞれの局のやつはしますけれども、今申し上げたように、1つ1つの事業についてそういう関わりはもっていませんので、それについては何も、私は特別な配慮があったということはないと確信しております。
現時点で、この下関北九州道路の直轄調査の決定過程においての調査・検証を行うということは、私も考えておりませんし、ないと思います。

(問)最後に1点、この下関北九州道路の事業について、必要性も含めて、今後どのように進めていきますかということを改めて伺いたいのですが。
(答)まず先に申し上げたいのは、一般的な話ですけれども、道路の調査については、直轄でやるにしても、これは事業化をするかどうかを客観的に判断するための検討材料を整理するということで、事業化をするということを決定付けたというか、事業化を前提にやっているものではないと思います。
これは、下関北九州道路だけではなくて、ほかの直轄道路の事業についてですけれども、道路の場合は、まず、ある意味、今言われている直轄調査というのは、事前調査というような意味合いだと思いますけれども、仮に次のステップにいくとしたら、計画段階評価というのがあります。
道路によっては違うのでしょうけれども、私が知っている限りで言うと、2年ないし3年くらいかけて計画段階評価という次のステップにいって、そのステップで更に先に進むと決めたなら、次に、都市計画決定とか環境アセスメントの調査をやった上で、そこで更に事業化に進むということを判断したならば、最終的に新規事業の採択時評価というような、要は3段階、これはそれぞれの段階で、これはちょっとまだ事業化、次のステップにいくのは待てよというのであれば、その段階でストップしてしまうのですけれども、順調にいってもこれから3段階のステップがあって初めて事業化になると思っております。

(問)社会資本整備に対する現状認識と今後の進め方に関する御所見と、併せまして、道路・港湾、所管する分野のインフラ整備と維持管理の老朽化対策のあり方に関するお考えをお願いいたします。
(答) 社会資本というのは、わが国の経済を支えるとともに、頻発する災害から国民の生命と財産を守るというのが、社会資本というのはそういうものではないかと思っておりますし、大変重要な役割をもっていると思っております。
今、わが日本においては、高齢化、少子化、人口減少社会、というのがこれから進んでいくと言われておりますので、いろいろなことを効率化、そして、生産性を高めていくということが、何よりも大事ではないかと思っておりまして、当然社会資本整備においても、物流の効率化とか、観光振興に寄与するとか、そういう視点での社会資本整備も必要だし、また、経済成長や地域社会の活性化を牽引するという視点も必要で、ただ、そういう目的というか視点がないまま整備していくのではなくて、時代に合わせた中で優先順位を決めてやっていかなければならないと思っていますし、またこうした社会資本整備を進めるにしても、従来からやっています新技術を導入して生産性を高めるというような、i-Constructionという取組、私が前のときもやっておりましたけれども、そういうことをやって生産性向上に努めていかなければならないと思っています。
当面、とにかく今やらなければいけないことは、政府全体で取り組んでいますけども、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」を今やっておりますので、これをとにかく確実に31年度も進めていかなければいけないと思っていますし、それとともに、やっぱりハードだけでなくて、ソフトの面でも意識を変えていただかなければならないということで、防災意識社会への転換を社会全体でしていかなければいけないと思っています。
インフラの中で、政府の中で言えば、新しく強化する部分もあるのですが、やっぱり、今、いろいろな社会資本の施設が老朽化していると思います。
特に道路の中で、端的に言うと、橋のことをよく言われますけれども、日本全国にある橋というのは、私も教えてもらったのですが、73万橋あるそうですけれども、その7割が市町村管理ということで、約50万の橋が、大小はともかくとして、市町村が管理をしているのですが、その老朽化が非常に著しく進んでいるのではないかと言われています。
全体でいうと50年経過している橋というのが、今、25%くらいで、更に10年すると50%近くになるということで、ちゃんと点検した上で老朽化対策をしていかないと、地震だとか洪水時等に崩壊したりする危険がありますので、それをとにかく優先的にやっていかなければいけないと思っていますが、なかなか市町村単位ですと技術者がいないとかですね、あと財政面で厳しいとか、なかなかそうはいっても全部市町村任せでは進んでいかないと思いますので、人の派遣も含めて、技術的支援や交付金で財政支援をしていかなければいけないと思っております。

(問)担務されている航空と観光の分野についてお伺いできればと思っています。
今年ラグビーのワールドカップがあって、来年オリンピック、大きなイベントが目白押しですけども、これから大臣を航空、観光分野でどうサポートしていくのかと、課題の現状認識なども含めてお話いただければと思うのですが、よろしいでしょうか。
(答)そういう大きなイベントがありますので、やはり観光客の人もいらっしゃるし、日本の人も海外に出て行くときに空港使いますので、安全性を確保していかなければならないと思っています。
あまり言うと逆に誘発すると困るなと思いますけど、やはりテロ対策というのは大事ではないかと思っています。
テロ対策には、空港だけではなくて、国土交通省では鉄道も所管しておりますので駅だとか、国土交通省でやる部分と警察がやる部分、ほかの省庁が担当する部分もあるのでしょうけども、国土交通省の自分たちの所管する部分については、やはり安全が第一と考えていかなければならないと思っています。
それと、大勢の人に来てもらうという意味では、今、羽田空港の近い将来の増便を目指して空路を変えていかなければいけないところがありますので、空路の下にある住民説明会を頻繁に開いておりますけれども、やはり最終的には関係する皆さんの御理解をいただいた上で、来年の東京オリンピック・パラリンピック前までに増便ができるように、今、努力をしているところですので、これを確実に進めていきたいと思っています。

(問)観光分野について伺いたいのですが、住宅宿泊事業法が成立、施行してから約1年弱ということで、いわゆる民泊の足下の状況と今後の健全な普及に向けた取り組みについてお考えをお聞かせください。
(答)民泊新法、住宅宿泊事業法が制定されて、去年の6月15日に施行されたわけですけれども、今月の4月15日の時点で、施行時の民泊の数に比べると7倍ぐらいの、今の数は1万5720件という数字だそうでございます。
順調に民泊の数が増えていますけれども、まだ手続きが割と煩雑だという指摘がございまして、関係する自治体、これは全国の自治体全てあてはまるわけですけれども、手続きの適正な運用を求める通知を観光庁から出して、改善を促しているところです。
今の民泊の状況というのは、北海道とか、あと東京、大阪、それに続くと京都とか、本当に大都市とか、観光客が大勢、本当にシンボル的なところに、どうも集中しているみたいですので、これからもっとほかの地方における民泊の普及というのが、やはり最大の課題ではないかと認識しておりますので、今、全国の自治体とか、全国における様々な民泊の事例集を作成して、公表しているところであります。
これから特に民泊を地方に増やしていきたいというのが、今の私たちの目指すところでございます。
また、まだ違法の民泊が多いですから、これについては関係省庁の連絡会議などを通じて取締りを強化してもらおうということをしているところです。

(問)港湾分野についてお伺いしたいのですけれども、国際戦略港湾政策のこれまでの取組と今後の課題についてお聞かせいただければと思います。
それともう1つ、AIターミナルの今後の取組ついて、副大臣の所感をお聞かせいただければと思います。
(答)国際コンテナ戦略については、3つの柱を国土交通省は考えておりまして、基幹航路の維持・拡大をするために、まず、戦略港湾へほかの港湾から荷を集めるという「集貨」、そして、戦略港湾の背後地に産業を集積するという「創貨」、そして、水深を更に深くしてコンテナターミナルの機能を強化するという「競争力強化」、この3本柱を更に進めていって、国際コンテナ戦略港湾政策というのを進めていきたいと思っています。
最近のこういった取組によって、神戸港は、昨年、過去最高のコンテナ取扱貨物量ということになったそうです。
300万TEUぐらいの量になったということで、過去最高となったそうでありますし、横浜港も2017年、2018年に北米航路が新規に開設されたり、今年の5月に休止していた欧州航路の寄港再開が予定されていたりということでありますので、こうしたことを更に進めていって、更にこれから中南米とかアフリカとか多方面の航路を充実させていくというのが、目標にしていきたいと思っています。
AIターミナルでありますけれども、これは世界最高水準の生産性、先ほど申し上げた生産性革命の一環ですけれども、生産性と、そして、働き方改革という意味では良好な労働環境を有することになりますAIターミナルを実現する取組を、今、進めておりますので、これを更に先に、前に向けて進めていきたいと思っています。
今やっていることで言えば、AIターミナルが実現すれば、ゲート前で待機している皆さんに、待機の時間が、無駄な時間がなくなるようになっていくと思っていますし、本年度補助事業を新設しましたけれども、私もあまり詳しくないので実物を見たいのですけれども、遠隔操作で自由に移動できるラバータイヤのガントリークレーンの導入促進を図ろうということで、補助制度を今年から作りました。
これから、それを導入するための目標と工程に沿って、それぞれの戦略港湾でそれを増やしていくということを実現していきたいと思っています。

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