平成21年9月1日
1.事案の概要及び緊急監査の実施
平成21年8月26日、福山通運株式会社から委託を受けた九州福山通運株式会社佐賀支店は、品名(注1)確認を怠ったうえ、保安検査においても、玩具用花火(注2)が入った航空貨物を確認できず、そのまま株式会社スターフライヤーに委託され、航空輸送される事案が発生したとの報告を、株式会社スターフライヤーから同日に受けました。
航空局及び政策統括官付参事官(複合物流)室は、この事案を受け、直ちに事実関係の把握並びに福山通運株式会社及びグループ会社の航空保安対策及び貨物利用運送事業の実施状況を確認するために監査等を実施しました。
2.監査に基づく処分の概要
監査等の結果、航空貨物に対する適正な保安検査が実施されていないことが判明しましたので、以下の処分等を実施します。(別紙参照)
(処分等の概要)
(1) 今回の事案に関し、現地監査の結果、九州福山通運株式会社福岡支店において、保安検査前の航空貨物(以下、「非特定貨物」という。)について、保安検査を実施せずに特定貨物確認書(注3)を航空会社に提出していた事実が明らかとなり、また、福山通運株式会社において、全国各地域において適正な航空貨物の取扱を行っている旨の的確な説明が行われなかったことに鑑み、(2)の改善報告が行われ、かつ、改善措置に基づく航空貨物保安検査の適切な実施を確認できるまでの間、特定航空貨物利用運送事業者等の認定等に関する指針第3条に基づく認定の効力を停止。
※この認定の効力が停止されている間は、航空会社は福山通運の取扱いに係る航空貨物は航空保安検査が終了していないものとして扱うこととなるため、航空機に搭載するためには自らが検査する必要がある。
(2) 福山通運株式会社に対して保安検査体制等の改善を実施し、改善結果を9月15日までに報告するよう指示。
なお、あわせて同社に対し、貨物利用運送事業法上の観点から、弁明の手続きを経たうえで、行政処分を含め所要の措置を講じる予定です。
3.グループ関連企業に対する監査の実施と対応措置
なお、特定航空貨物利用運送事業者のうち「エフアンドエイチエアエクスプレス株式会社」は福山通運株式会社と資本関係にあるグループ企業であり、航空貨物保安検査の状況も確認する必要があると判断し、羽田に所在する「エフアンドエイチエアエクスプレス」社に対して緊急監査を行いました。その結果、当該社では自社で航空貨物保安検査装置を所有し、貨物検査を行っている実態は確認されたものの、航空貨物に対する安全確認体制等が不十分であることが判明したため、エフアンドエイチエアエクスプレス社に対しても保安検査体制等の改善措置を実施し、改善結果を9月15日までに報告するよう指示しました。
(注1)貨物運送状には「花火」と記載してあった。
(注2)今回の事案で輸送された玩具用花火は、航空法で規制する危険物には該当するが、適正に梱包、申告等がなされれば航空機で輸送することが可能なものであった。しかしながら、今回の事案では、適正な梱包、申告等がなされていなかった。
(注3)航空貨物の安全確認の内容を航空運送事業者に対して証明する文書
平成21年9月1日 「特定航空貨物利用運送事業者等の認定に関する効力停止について」(PDF形式:132KB)
平成21年9月1日 「航空貨物に対する保安対策の改善等について」(PDF形式:61KB)