平成23年4月22日

　混雑空港である成田・羽田空港においては、限られた発着枠の有効活用のため、各航空会社が配分された発着枠を８０％以上、実際に使用しなかった場合には、翌年において、当該発着枠に対する優先権を与えない、という国際ルール（Ｕ／Ｌルール）（※）が適用されています。
（※）国際航空運送協会（ＩＡＴＡ）が定めた混雑空港における発着調整のガイドライン

　一方、自然災害やテロ等、航空会社の責めによらない不可抗力により需要が減少した場合において、Ｕ／Ｌルールを適用し続けると、需要に応じてやむを得ず欠航を決めた航空会社は翌年に同じ時間帯の発着枠が確保されず、復便が困難となる可能性があり、逆に、そういった事態を避けるためには、搭乗率が低い便も運航を継続せざるを得なくなります。そのため、国際ルールにより、こうしたケースにおいてはＵ／Ｌルールを停止できることとされており、我が国も、過去に、９．１１のテロやリーマンショック等の際に、当該措置を講じてきています。

　今般、東日本大震災及び東京電力福島第一発電所の事故の影響を受け、成田・羽田の国際、国内定期便においては、輸送需要が大幅に落ち込んでおり、既に多くの欠航が生じております。
　これは、航空会社の責めによらない不可抗力によるものであることから、震災復興後において、円滑に両空港からの航空ネットワークを再構築できるようにする観点からも、両空港における国際・国内定期便を対象に、地震発生日の３月１１日から２０１１年夏期スケジュール期間の末日（１０月２９日）までの間、Ｕ／Ｌルールを一時的に停止することとし、本日、航空会社各社に通知致しました。

　なお、欠航便の発生に伴って空いた発着枠は、チャーター便や臨時便に有効活用するとともに、本格的な需要回復に向け、成田・羽田両空港の発着容量の拡大と戦略的オープンスカイ交渉については、今後とも着実に進めてまいります。