報道・広報

小糸工業(株)に対する業務改善勧告等について

平成22年2月8日

1.概要
 国土交通省では、昨年6月及び7月に相次いで小糸工業の不正に関する情報提供があったことを受けて、同年7月以降、同社に対する立入検査を継続的に実施してきたところ、情報提供を受けた内容を含め、これまでに以下のような不正行為が行われていたことが判明しました。
・ 適正な手続きによらない座席の設計変更
・ 座席の製造過程における検査記録等の改ざん・ねつ造
・ 仕様承認※を受けるための試験における不正及び試験結果の改ざん・ねつ造

※航空法施行規則第14条に基づき、航空機の装備品及び部品の耐空性について国土交通大臣が行う承認。航空機用座席の場合、静荷重試験、動荷重試験、耐火性試験等を実施し、当該座席の基準への適合性を確認。

2.国土交通省の対応
2-1.同社に対しての業務改善勧告
 国土交通省は、別添「航空機用座席の設計及び製造業務の適切な実施について(業務改善勧告)」のとおり、本日付けで同社に対して、仕様承認に係る業務を徹底的に見直すとともに、現在使用されている座席及び今後、出荷する座席の安全性・基準適合性を確保するため、下記の措置を講じるよう勧告しました。
(1)航空安全に対する意識の徹底、納期を優先する社内体質の排除、品質保 証部門の体制強化等を行い、仕様承認に係る業務を適切かつ確実に実施 する体制を構築する具体的な改善計画を策定し、その詳細について、本 年2月26日までに航空局に報告すること。
(2)これまでに出荷し、現在も使用されている座席に関して、航空局の監督 のもとで全ての調査及び再試験を実施し、仕様承認における技術基準への適合性について、優先的に確認すべき事項については本年5月まで、それ以外の全ての事項については本年12月までに明らかにするとともに、不適合が発見された場合、改修等の適切な措置を直ちに講じること。
(3)当分の間、航空局が基準への適合性を確認した場合を除き、新規製造座 席の出荷を停止すること。

2-2.出荷済み座席及び新規製造座席に対する対応
 国土交通省は、再試験への立ち会いを含め、同社が行う出荷済み座席の安全性確認を厳重に監視してまいります。基準不適合が発見された場合には、外国の航空当局及び航空機メーカーと連携して、航空機の運航の安全を確保するべく、適切に対応することとしております。 また、新規製造座席の出荷にあたっては、厳重に検査を行い、基準への適合性を確認できたもののみ出荷を認めることといたします。

2-3.同種事例の防止
 国土交通省としては、同社に対して継続的に安全性の確認や再発防止について厳正な指導を行うとともに、同社を含め、我が国で航空機の装備品及び部品を製造するメーカーに対して、抜き打ちでの検査実施や製造能力認定の取得を通じた適切な品質管理体制の再確認等、監視の強化を行うこととしております。

お問い合わせ先

国土交通省航空局航空機安全課 辻、釣
TEL:(03)5253-8111 (内線50213、50218) 直通 (03)5253-8735

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