報道・広報

日本・ラオス建築基準セミナーの開催について(結果報告)

平成27年2月18日

日本・ラオス建築基準セミナーの開催について(結果報告)


 この度、国土交通省では、ラオス国の首都ビエンチャンにおいて、ラオス国公共事業運輸省とともに「建築基準セミナー」を開催いたしましたので、お知らせいたします。 ラオス国とりわけ首都ビエンチャンにおいては、近年の経済成長に呼応して、これまでにはなかった高層建築物や大規模建築物の建設が始まっています。一方、ラオス国においては、建築物の構造基準や防火基準を内容とする建築基準が定められておらず、安全で質の高い建築物の整備のために建築基準を策定することが緊急の課題となっています。 ラオス国の公共事業運輸省とはこの分野でも協力関係を継続してきたところ、ラオス国のブンチャン公共事業運輸大臣が2014年10月に来日された際、太田国土交通大臣と建築基準セミナーの開催について合意がなされ、今回のセミナー開催に至ったものです。

○セミナーの概要

(1)日程  平成27年2月10日(火)
(2)会場  公共事業運輸省の講堂(ビエンチャン都内)
(3)主催  国土交通省、ラオス国公共事業運輸省
(4)参加者 約140名
        ラオス側は、公共事業運輸省のほか、消防庁、大学、地方政府、関係業界等から、 約130名が参加した。日本側からは、本邦からの3名を含む6名が参加した。
(5)主な出席者
[日 本 側] 国土交通省 杉藤崇 大臣官房審議官(住宅)
        北海道大学名誉教授 石山祐二
        東京理科大学大学院教授 小林恭一
       JICA専門家 長谷川知弘(国土交通省から長期派遣)
       JICA専門家 森範行(国土交通省から長期派遣)
       JICAラオス事務所 岸上明子  
 [ラオス側] 公共事業運輸省 ブンチャン大臣
               同    ウィライカム副大臣
               同    サンティサック官房長
               同    カンタヴィ住宅都市計画局長

(6)発表
  最初に、ブンチャン公共事業運輸大臣から「近年、公共に限らず民間においても高層建築物や大規模建築物の建設が進められつつあるところ、構造や防火で問題が生じるおそれのあるものが散見される。建築基準の策定が急務である。」との挨拶、並びに杉藤審議官から「この分野における日本の経験を活用していただければ幸い」との挨拶があった。
 続いてカンタヴィ局長から現在検討中のラオス建築基準の枠組みについて説明がされた。
  次に、長谷川JICA専門家から日本の建築規制制度、石山名誉教授から日本の構造基準、並びに小林教授から日本の防火基準について説明を行った。

(7)現場視察、質疑応答、意見交換
  建築基準セミナーの前日には、高層建築物の建築工事現場や都市開発プロジェクトの現場を視察し、首都ビエンチャンで近年進行中である高層建築物や大規模建築物の状況について把握した。また、建築基準セミナーにおける質疑応答、並びに別途開催したラオスの建築基準策定に向けた意見交換においては、ラオス国の公共事業運輸省の担当者、大学関係者、業界関係者などからさまざまな意見や質問が出され、日本側が応答した。主な意見交換の事項は次のとおり。

 ・建築士制度の導入(ラオス国においては、建築関係の資格制度がない)
 ・ラオスにおける地震想定の必要性(現在、ラオスで地震を考慮する必要がないとされている)
 ・消防基準の担当部局(ラオスでも日本と同様に消防部局が担当すべきとの意見あり)
 ・構造基準の積載荷重の設定方法(日本の設定方法を学びたいとの意見)
 ・ラオス原案における単位系の整理の必要性を指摘
  ・仕様基準に適合しない場合の対応(大臣認定等のルート) 
  ・材料・部材・設備の基準について、国際化された基準への整合化を検討する必要性を指摘
  ・ラオス原案において自動火災報知設備や消防隊の活動を支援する設備(非常用エレベーター等)が不足していることを指摘

  • 建築基準セミナー(ラオス国公共事業運輸省講堂)

お問い合わせ先

国土交通省住宅局建築指導課建築国際関係分析官 砺波匡
TEL:03-5253-8111 (内線39502)

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