平成21年8月28日

　平成２０年７月から、国土交通省においては、トラック事業における健全な競争環境の整備を図るべく、社会保険等未加入事業者に対する貨物自動車運送事業法上の処分等の運用を行ってきたところ、今般、制度運用開始１年間（平成２０年７月～平成２１年６月）の行政処分等状況がまとまりました。（別紙のとおり）
　今後、より一層の適確な運用が図られるように、本省レベル・地方局レベルで関係機関と連携を強化することとします。

【本制度導入の趣旨及び経緯について】
　トラック運送事業においては、トラック事業者数の増加に伴う競争の激化、荷主ニーズの高度化等を背景とする元請・下請関係の多層化の進行や軽油価格の高騰などに伴い、厳しい競争の中で、競争上の優位性を確保するため、「社会保険等の加入」といった、本来守らなければならない法律上の義務などを免れて、不適正に運送原価を引き下げるケースが顕在化している。このような不健全な競争状態を是正し、「正直者が損をしない」ようにするため、国土交通省並びに公正取引委員会は、平成２０年３月に、「軽油価格高騰に対処するためのトラック運送業に対する緊急措置」を取りまとめ、社会保険等未加入事業者に対する貨物自動車運送事業法上の処分等の強化を行うこととした。平成２０年７月から本制度を運用開始し、貨物自動車運送適正化事業実施機関の指導員による巡回指導、国による監査により判明した社会保険等未加入事業者について逐次行政処分等を行ってきたところである。
　運用開始以降、これまでに一定の効果を上げているところであり、今後とも、本制度の適確な運用を図っていくこととする。