報道・広報

国連自動車基準調和世界フォーラム第162回会合等の結果について

平成26年3月18日

国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第162回会合の結果概要についてお知らせします。WP29は、自動車基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場であり、日本も積極的に参画しています。
今回の会議では、自動車基準認証の国際化や先進技術に対する日本の取り組みが高く評価され、今後とも日本が自動車基準認証の国際化に向けて主導的な役割を果たしていくことに各国から高い期待が寄せられました。(詳細は以下の通り)

■ 日程:3月10日(月)~14日(金)(現地時間)
■ 場所: スイス、ジュネーブ
■ 参加国・機関:51カ国及び地域の政府代表者、国際機関・自動車産業界の代表者

■ 今次WP29会合等での主な結果
(1)国際的な車両型式認証の相互承認制度(IWVTA)(※1)
 IWVTAに関する規則案策定作業部会(議長:日本)より、同規則案の一次案が提出され、基本的な考えについて支持を受けました。今後は、IWVTAに必要な装置に係る協定規則の選定等具体的な内容について、引き続き検討を進めることとされました。

(2)1958年協定(※2)改正
 これまで、IWVTAの実現に必要な改正等の審議が行われてきましたが、今般、1958年協定改正案策定作業部会より改正案が提出されました。同案においては、「協定規則の採択に要する2/3基準の見直し(※3)」が、唯一の検討課題とされており、日本より、ASEAN諸国等新興国の協定加盟を促す観点から同基準の引き上げの必要性を主張しました。これに対し豪州及びインドから支持が寄せられ、引き続き各国において検討していくこととなりました。今後は、1年間の各締約国における協定改正案の確認等を経て、2016年3月の協定改正の発効を目指すこととされています。

(3)乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)の国際基準の成立
日本が議論を主導してきた乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法(WLTP)の世界統一技術規則(GTR)が成立しました。これにより、現在、各国や地域が独自に設定している排出ガス・燃費の試験サイクル・試験方法が統一され、自動車メーカーは、一度の試験で複数の国・地域での認証に必要なデータが取得可能となります。

(4)自動運転
今次WP29に併せて開催されたITS(高度道路交通システム)専門家会議(共同議長:日本・英国)において、日本から自動運転に関する検討状況等を紹介しました。
日本からは、
[1] 新技術の開発支援を、これまでもASV(先進安全自動車)推進計画等を通じて行っており、今後とも続けていくこと
[2] 中でもドライバーを支援する自動運転については、既に実用化に向けた動きが加速化しており、国としても積極的に支援していくこと
[3] 無人運転については、現行の自動車の概念を変えるものであり、今後、技術の進展に伴い相応しい制度のあり方について検討が必要であること
を説明し、自動運転の定義の明確化の重要性が確認され、引き続き、同専門家会議等で検討することとされました。

※1 IWVTAは、自動車に係る認証の相互承認を、これまでの装置単位から、車両単位へ発展する制度です。本制度の実現により、一カ国で車両認証を取得した自動車が、IWVTAに加盟している世界各国で受け入れられるようになります。
※2 1958年協定は、1958年に締結された国連の多国間協定で、自動車の安全・環境等に関する装置・部品毎の基準の統一及び認証の相互承認の実施を目的としています。日本は1998年に加盟し、現在の加盟国は、50カ国、1地域(欧州連合)となっています。
※3 協定規則は、2/3以上の賛成により成立しますが、51加盟国・地域のうち、29加盟国・地域は欧州が占めています。

お問い合わせ先

国土交通省自動車局 技術政策課 伴・山村
TEL:03-5253-8111 (内線42254)
国土交通省自動車局 環境政策課 盛田・上田
TEL:03-5253-8111 (内線42535)

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