報道・広報

国連自動車基準調和世界フォーラム第163 回会合の結果について

平成26年7月1日

国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第163回会合の結果概要についてお知らせします。WP29は、自動車安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場であり(別紙1参照)、日本も積極的に参画しています。

■ 日程:6月23日(月)~27日(金)
■ 場所:スイス、ジュネーブ
■ 参加国・機関:48の政府、国際機関、自動車業界団体等

■ 今回のWP29での主な結果

(1)自動運転
安全・快適な道路交通社会の実現に向けて自動運転技術の実用化が注目される中、国際市場における技術の普及促進と安全確保の両方の観点から、これら技術の取扱いを国際の場で議論していくことの重要性が高まっています。これまで、WP29では、傘下のITS(高度道路交通システム)専門家会議において、自動運転技術の定義等、自動運転技術に係る様々な議論がなされてきました。
今回のWP29においては、ITS専門家会議共同議長の日本から、将来的な国際基準化も視野に入れた今後の進め方として、以下を提案し了承されました。
 ITS専門家会議において、従来の自動運転技術に係る様々な議論に加え、他の条約の規定や各国の道路交通に関する法令との整合性を確保する等、自動運転技術の普及に不可欠な議論を行うこと。
今後は、これらにより、国際的な共通理解の醸成、技術開発・普及の促進、具体的な国際基準の検討開始等が期待されます。

(2)国際的な車両型式認証の相互承認制度(IWVTA)
 IWVTAは、自動車に係る認証の相互承認を、これまでの装置単位から車両単位へ発展する制度です。本制度の実現により、一カ国で車両認証を取得した自動車が、IWVTAを導入している世界各国/地域で受け入れられるようになります(別紙2参照)。
今回のWP29においては、IWVTA専門家会議副議長の日本から、以下を提案し了承されました。
 IWVTAに関する各国の参加促進及び周知徹底を図るため、協定未加盟国を含む全てのWP29参加国に対し、IWVTAの解説資料を送付した上で、IWVTAの導入について、文書で意見の提出を求めること。
今後は、IWVTAに含める上で改正が必要な装置・部品に係る国際基準の改正作業を加速させるなど、引き続き、2016年のIWVTA創設を目指し検討が進められます。

(3)1958年協定の改正
 WP29においては、自動車の安全・環境等に関する装置・部品毎の基準の統一及び認証の相互承認の実施を目的とする1958年協定の改正案が審議されてきました(別紙3参照)。本協定の改正案においては、「同協定に基づく国際基準の採択に関する多数決規定(3分の2)の見直し(※)」が、唯一の残課題とされており、日本は、ASEAN諸国等新興国の協定加盟を促すという今般の協定改正の目的を鑑み、同多数決規定の引き上げを主張してきました。
今回のWP29においては、これまで同多数決規定の引き上げを主張してきた日本、豪州及びインドに加え、ロシアからも同様に引き上げが主張されました。
今後は、同多数決規定の引き上げの必要性を共有する各国と共同提案文書を提出することとしています。なお、本協定改正は、来年3月までの各加盟国における確認を経て、2016年3月に発効することが予定されています。
 ※ 現行の1958年協定において、各基準は、1/3を超える反対がない限り成立するとされていますが、現在の51加盟国・地域のうち、28カ国をEU加盟国が占めています。


(4)その他
 日本において開発された脚部ダミー(Flex-PLI)を試験用ダミーとする歩行者保護の改正基準が成立しました。

(別紙1)国連自動車基準調和世界フォーラム(WP29)の概要
(別紙2)国際的な車両型式認証の相互承認制度(IWVTA)の概要
(別紙3)1958年協定改正案の概要

お問い合わせ先

国土交通省自動車局 技術政策課 末広、山村
TEL:(03)5253-8111 (内線42254)

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