平成21年5月29日
1.経緯
(1) 2月12日に、トヨタ自動車の「ハイエースコミューター」など4型式の改造車679台に関し、本来はNOx・PM対策地域内での登録が可能であるにも関わらず、自動車検査証に誤った記載(一定期間後に当該地域内に登録ができなくなる旨の記載)をしていることが判明したことを発表しました。当該4型式については、国土交通省の自動車登録検査業務電子情報処理システム(MOTAS)に、NOx排出量諸元値が入力されていないことにより誤記載をしていることが分かったため、所要の入力手続を行うとともに、関係のユーザーに連絡を取り自動車検査証の差し替え依頼を行いました。
(2) 上記事実を踏まえ、今般、(社)日本自動車工業会及び日本自動車輸入組合の協力を得つつ、同種事案が更に発生していないかどうかの全型式調査(約3万2千型式)を実施しました。
2.同種事案の発生状況の調査結果と原因
(1) 全型式調査の結果、更にトヨタ自動車の2型式の改造車29台(4月末現在)の自動車検査証について、同様の誤記載があることが分かりました。
《誤った記載が判明した自動車》 【詳細は別添1】
○ トヨタハイエースレジアスバン(型式GE-RCH42V)と、トヨタハイラックス(型式 GC-RZN147)
○ 初度登録年月: 平成11年11月から14年10月までの間に新車として新規登録されたもの
○ 車いす移動車等にするために、座席を取り外す等の改造を行い車両総重量が軽くなったもの(2.5トン超(重量車)→2.5トン以下(中量車)、又は1.7トン超(中量車)→1.7トン以下(軽量車))
《自動車検査証の記載》
◆誤った記載例◆
「この自動車は平成XX年XX月XX日以降の有効期間満了日を超えてNOx・PM対策地域内に使用の本拠を置くことができません」
◆正しい記載例◆
「使用車種規制(NOx・PM)適合」
(2) 本件該当の2つの型式のNOx排出量諸元値は、本来、NOx・PM法上のNOx規制値に適合しているところです。
しかし、2月12日発表の当初の4型式と同様に、国土交通省の自動車登録検査業務電子情報処理システム(MOTAS)に、本件該当の2つの型式のNOx排出量諸元値が入っていなかったため、当該自動車が本来の重量区分2.5トン超(重量車)から2.5トン以下(中量車)になるよう改造がなされた場合(※)に、重量車より厳しい基準値である中量車のNOx・PM規制値に適合しない自動車として判定され、自動車検査証に誤った記載がされたことが原因と考えられます。 【別添2参照】
※ 本来の重量区分1.7トン超(中量車)から1.7トン以下(軽量車)になるような改造をした自動車においても発生
3. 国土交通省の対応
(1) 既に、国土交通省の自動車登録検査業務電子情報処理システム(MOTAS)に本件該当の2つの型式のNOx排出量諸元値を入れるとともに、自動車検査証に誤った記載をしていることが既に判明している自動車(計29台)に係るMOTAS上の記録を、NOx・PM規制値に適合しているものとして修正を行ったところです。
(2)また、今後速やかに、自動車検査証に誤った記載をしている29台のユーザーに連絡を取り、管轄運輸支局等において自動車検査証の差し替え依頼を行うこととしています。
別添1 自動車検査証の誤記載にかかる型式別対象車両数と主な使用形態(PDF形式)
別添2 自動車検査証の誤記載の状況(PDF形式)
別添3 自動車NOx・PM法による車種規制について(PDF形式)