報道・広報

第7回日英海事政策対話の開催結果について

平成25年2月22日

 国土交通省において2月19日(火)、日本及び英国の海事当局による第7回日英海事政策対話が開催されました。

 本会合の概要は下記のとおりです。



1.日時

平成25年2月19日(火)10:30~

2.場所

国土交通省(中央合同庁舎3号館8階 観光庁会議室)

3.出席者

日本側:国土交通省 森海事局長 他
英国側:運輸省 アラン・マッセイ海事沿岸警備庁長官 他

4.主要議題の結果

(1) 国際海運分野における日英協力
 日本から、昨今の海運業の課題として、パナマ運河やスエズ運河における通航料の値上げ問題を取り上げ、これらの問題について、本年4月にドイツ・ハンブルグで開催予定の次回CSG会議(海運先進18カ国の当局間会議)の場で英国海事当局とも連携して議論を進めたいとの提案を行った。
 英国からは、本件については問題意識を共有している、本件をCSG会議の場で取り上げることは良い案であり、運河の管理者であるエジプトやパナマとも通航料について協議することは望ましい、との発言があった。

(2) 旅客船安全対策
 コスタ・コンコルディア号事故を受け、国際海事機関(IMO)で検討されている旅客船の安全対策の見直しに関して、両国で意見交換を行った。
 日本からは、旅客船の安全対策については技術的要件の見直しだけではなく運航上の対策の検討も重要であることを指摘した。
 英国からは、今後IMOに対し、損傷時復原性等の技術的要件の見直しの提案や非常時訓練等の運航上の安全対策に関する提案を行う旨情報提供があった。

(3) 主要シーレーンの確保
(海賊対策)
 日本から、外航船舶に対し提供されている英国艦船による護衛活動について謝意を表明した。また、通常国会提出予定法案として、日本籍船に武器を所持した民間武装警備員を乗船させる法案を策定中であることを説明し、検討にあたり英国から行われた情報提供に謝意を表明するとともに、更なる協力を要請した。
 英国からは、民間武装警備会社の認定等にかかる英国の制度の説明があり、今後も両国間で協力を継続していくことが確認された。

(マラッカ・シンガポール海峡協力メカニズム)
 日本から、マラッカ・シンガポール海峡協力メカニズムにおける我が国の活動について説明した。また、現在当該基金への拠出を行っていない英国にも拠出を促したのに対し、英国からは、従来から立場には変更がないとする一方で、日本からの要請は検討する旨発言があった。

(4) 環境政策
(国際海運からの温室効果ガス排出削減)
 日本から、国際海運からの温室効果ガス排出削減については、地域的規制ではなくグローバルな枠組みで規制を行う必要があること、ECが提案した監視・報告・認証システム(MRV)のEU域内実施についても、経済的手法導入までの中間的な措置としてグローバルな枠組みで取り組むべきものであることを指摘し、日英での協調について要請を行った。
 英国からは、海運がグローバルな産業であることは認識しており、IMOはそれに係る議論を行うための最適な機関であると考えていること、またMRVをグローバルな枠組みのもとでの中間的な措置として導入することは考慮に値する案であることを述べた上で、持ち帰り検討する旨発言があった。

(バラスト水管理条約)
 日本から、バラスト水管理条約の円滑な実施に係る課題として、バラスト水処理装置搭載義務に係る搭載工事の集中への対応があることから、義務期日のリスケジュールに関するIMO総会決議案を我が国主導でコレスポンデンスグループにおいて作成したことを説明し、英国に対し同総会決議の採択への協力を要請した。
 英国からは、海運業界への影響は認識しつつも、英国は条約どおりの処理装置搭載スケジュールを支持していること、しかしながら、リスケジュールが必要とIMO全体として考えるならば細部の修正に応じる余地があることについて発言があった。

(今後の政策対話の開催について)   
 今後も引き続き、日英海事政策対話を定期的に開催していくことが合意された。

(右:森海事局長、中央:マッセイ海事沿岸警備庁長官、左:マズムダール船舶登録部長)

添付資料

第7回日英海事政策対話開催結果(PDF形式)PDF形式

お問い合わせ先

国土交通省海事局総務課国際企画調整室 井上、大崎
TEL:(03)5253-8111 (内線44401、45611)

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