報道・広報

フェリー「ありあけ」の座礁横転事故を踏まえた対応について

平成22年1月13日

1.マルエーフェリー(株)に対する立入検査の結果について

(1)立入検査の実施及び結果

 平成21年11月13日に発生したフェリー「ありあけ」の事故を受けて、11月26日、九州運輸局において、当該フェリーを運航していたマルエーフェリー株式会社(本社:鹿児島県)に対し、海上運送法に基づく立入検査を実施しました。
 立入検査の結果は、以下のとおりです。
[1]船内巡視について、安全管理規程(注)の作業基準に定められた要領によらず、行われていた。
[2]貨物の積付け、固縛は、安全管理規程に基づき、確実に行われていたことを聴取した。
なお、安全管理規程の作業基準には車両の積込み、積付け、固縛作業等について規定を設けていたが、コンテナについては規定されていなかった。
[3]貨物(車両・コンテナ)の固縛方法を具体的に示したマニュアルが整備されていなかった。

(2)立入検査の結果を踏まえた指導

 この結果を踏まえ、本日付で、以下の事項について、同社に対し九州運輸局から指導を行いました。
[1]安全管理規程に従った船内巡視の徹底
[2]安全管理規程の作業基準の見直し(コンテナの規程の追加)
[3]貨物の固縛マニュアルの作成
[4]運航中の船舶における確実な貨物の固縛の徹底

(注)安全管理規程
海上運送法第10条の3に基づき、旅客運送事業者において、輸送の安全の確保のために遵守すべき事項を定めるものであり、作成、届出を義務付けている。

2.マルエーフェリー(株)以外のフェリー会社に対する貨物固縛状態の立入検査等について

(1)立入検査の実施及び結果

 国土交通省は、別紙のとおり、長距離フェリー航路を中心に18事業者24航路に対し、貨物固縛状態の確認のため立入検査を実施しました。
 その結果、実際に行われている貨物の固縛は、安全管理規程に基づき、各社とも確実になされていましたが、うち6社については、固縛方法を具体化したマニュアルが整備されていませんでした。
 また、上記以外の中短距離フェリー事業者に対しても、「年末年始の輸送等に関する安全総点検」の際に、貨物の固縛についての自主点検を要請したところです。

(2)立入検査の結果を踏まえた当面の対応

[1]今回監査を行った事業者で、貨物の固縛マニュアルを作成していなかった事業者に対して、貨物の固縛作業内容をマニュアル化するよう指導を行います。
[2]フェリー「ありあけ」の事故と同種の事故の再発を防止する観点から、平成21年11月13日付文書により、運航労務課長から(社)日本旅客船協会に対し、傘下事業者への積載貨物の安全確保及び船内巡視の励行等の注意喚起を要請したところですが、今般、改めて安全管理規程及びそれに基づく貨物固縛マニュアルによる作業の確実な実施を図る旨、周知徹底を指導することとしています。
[3]コンテナを甲板に直載している事業者に対しては、安全管理規程の作業基準にコンテナの固縛等について記載した上で、具体的な固縛方法をマニュアル化するよう指導することとしています。

添付資料

別紙(Excel形式)Excel形式

お問い合わせ先

国土交通省海事局運航労務課 岩瀬、橋本、内藤
TEL:(03)5253-8111 (内線45266,45267,45268) 直通 (03)5253-8653

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