報道・広報

国際海事機関(IMO) 第12回航行安全・無線通信・捜索救助小委員会(NCSR 12)の開催結果概要
~船舶の新しい通信システムの導入に向けた国際規則の改正案がとりまとめられました~

令和7年5月23日

 令和7年5月13日から22日まで、国際海事機関(IMO)の第12回航行安全・無線通信・捜索救助小委員会※1が開催されました。
今次会合では、船舶の新しい通信システムであるVHFデータ交換システム(VDES)の導入に向けた海上人命安全(SOLAS)条約の改正案等が取りまとめられた他、新しい規格に基づいて作られた電子海図情報等の利用のための通信枠組みについて審議が行われました。
  ※1 船舶の航路指定、無線設備や航海機器の技術基準・搭載要件、捜索救助に関する国際的指針等について検討を行うMSCの下部小委員会。

1.VHFデータ交換システム(VDES)の導入
 VDESは、船舶自動識別装置(AIS)※2の機能に加えて、船舶間で航路等情報の交換ができる特性を活かした航行の安全性向上が期待できるシステムです。
 今次会合では、VDESを現在搭載が義務付けられているAISとの選択制とするSOLAS条約附属書第V章の改正案やVDESの性能基準案等が合意されました。この改正案等は、今後、上部委員会である海上安全委員会(MSC)による承認(本年6月予定)、採択(来年春予定)を経て、2028年1月1日から発効する見込みです。
  ※2 船舶の位置、針路、速力等、航行の安全に関する情報を自動的に送受信するシステム
 
2.新しい規格に基づいて作られた電子海図情報等の利用に向けて
 水路データの新しい国際規格であるS-100には、その規格に基づき作られた電子海図情報(S-101)や潮汐情報(S-104)、航行警報(S-124)等があります。これらの情報は、船舶に搭載される電子海図を表示する情報システム(ECDIS)にインターネット通信を通じて配信され、1つの画面上に重ねて表示することができ、利用者の利便性向上が期待されています。
 今次会合では、S-100規格の活用にあたって必要となるインターネット通信の枠組みやサイバーセキュリティの確保に向けたガイダンスについて議論が開始されました。議論の中では特に、配信される様々な情報によるECDIS画面上の表示情報の多さや既存の海上安全情報※3との区別の観点から利用者に混乱をもたらすことがないようにすべきことが合意されました。
  ※3 船舶が安全に航行するために必要な気象・海象情報や航行警報等

 この他、電子航海刊行物(ENP)の利用に関するガイドラインが合意されました。それぞれの詳細は別紙をご参照ください。

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式

お問い合わせ先

国土交通省海事局安全政策課 太巻
TEL:03-5253-8111 (内線43-568) 直通 03-5253-8631
国土交通省海上保安庁交通部企画課 竹内
TEL:03-3591-6361 (内線6801) 直通 03-3591-5650

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