報道・広報

船舶用スクラバー排水の海生生物や水質への影響可能性は著しく低いと確認
~ スクラバー排水影響調査会での検証結果 ~

平成30年7月26日

 2020年より実施される、船舶の燃料中の硫黄分濃度に関する規制強化への対応手段の一つとされている、排ガス洗浄装置(スクラバー)からの排水による海洋環境等への影響について、専門家からなる調査会による検証の結果、海生生物や水質へ影響を及ぼす可能性は、短期的にも長期的にも著しく低いとの検証結果がとりまとめられました。

1. 背景(詳細は別紙1参照)
 船舶の排出ガス中に含まれる硫黄酸化物(SOx)や、大気中でSOxから二次的に生成される粒子状物質による呼吸器疾患等の人体の健康へ影響を防止すべく、2008年の海洋汚染防止条約の改正により、船舶燃料油中の硫黄分濃度に係る規制が2020年より全世界的に強化されます。
  当該規制強化への対応手段の一つとして、スクラバーにより排出ガス中のSOxを洗浄し、海水中へ排出する方法があります。
※ 排出ガスを洗浄し、排出ガス中のSOxなどを除去する装置。
なお、排出ガス中のSOxは、スクラバーにより海水に溶け、もともと海水中に含まれる成分に変化するため、スクラバーからの排水の海生生物への影響の可能性は低いと考えられます(別紙2参照)。また、国際海事機関(IMO)では、スクラバー排水に係る国際基準(pH、硝酸塩、多環芳香族炭化水素等)を定めており、同基準を満たせば、排水することが認められます。

2. 調査会の設置
 国土交通省では、国際基準を満たすスクラバー排水であったとしても、その性状や含まれうる物質等が、我が国の周辺海域、特に瀬戸内海や東京湾等の閉鎖性海域における海洋生物や水質に対して短期的或いは長期的に悪影響を及ぼさないか万全を期すべく、環境省・水産庁と連携し、海生生物、海洋環境などの専門家からなる「スクラバー排水の海洋環境への影響に関する調査会」を設置し、調査・検証しました。

3.調査会における主な検証内容(詳細は別紙3参照)
○ スクラバー排水を用い、海生生物を対象とした曝露試験を実施し、濃度の違いによる海生生物への影響を検証
○ スクラバー排水中の物質を調査し、確認すべき物質の蓄積濃度の長期シミュレーションを実施し、我が国周辺海域の水質への影響を検証

4.検証結果
 本調査会(本年3月から7月にかけて3回実施)による検証の結果、スクラバーからの排水により、海生生物や水質へ影響を及ぼす可能性は、短期的にも長期的にも著しく低いとの結論に至りました。


<検証結果の詳細については下記URLの報告書をご覧ください>
http://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_fr7_000018.html

添付資料

報道発表資料(PDF形式)PDF形式

別紙1(PDF形式)PDF形式

別紙2(PDF形式)PDF形式

別紙3(PDF形式)PDF形式

調査会委員名簿(PDF形式)PDF形式

お問い合わせ先

国土交通省海事局 海洋・環境政策課 今井・下窪
TEL:03-5253-8111 (内線43921、43926) 直通 03-5253-8636

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