報道・広報

船舶のエンジンの検査を緩和します
―安全を確保しつつ検査の合理化を進めます―

平成24年3月28日

船舶の内燃機関(エンジン)の検査について、以下の措置を講じることとしました。
(1) 製造後11年未満の内燃機関は、中間検査の際の解放を省略できるようにしました。
(2) 優良な保守・管理体制を有する船舶所有者のための解放検査省略制度(機関計画保全制度)の利用対象船舶を拡大しました。
(3) 湖川のみを航行する旅客船の稼動時間が短い内燃機関については、前回解放検査からの経過時間が10年を超える場合でも定期的検査時の解放を省略できるようにしました。

 舶用機関は船舶の安全を左右する重要なものであり、故障により航行不能となった場合には重大な事故に繋がる可能性があることから、一部の船舶を除き、船舶安全法に基づく定期的な検査の際に内燃機関を分解して部品の状態を確認し、整備を行うこととなっています。
 近年の船舶の内燃機関の性能向上等を考慮し、船舶所有者の負担軽減の観点から内燃機関の解放検査の回数を減らすため、このたび、以下のように検査の方法を見直しました。

  • 解放検査時のエンジンの例

(1) 製造後11年未満の内燃機関

 湖川港内のみを航行する貨物船等に搭載されるものを除き、船舶の内燃機関は、製造されてからの経過年数に関わらず、船舶安全法の定期検査(5年ごと)の際には内燃機関の全部を、中間検査(定期検査の間に1回)の際には内燃機関の一部分を解放(分解)して部品の状態を確認し、整備を行うことになっていました。しかしながら、近年の船舶のエンジンの性能向上等に鑑みれば、製造後、一定の期間は解放検査の頻度を少なくすることが可能であろうとの見込みから、独立行政法人海上技術安全研究所の協力を得て調査を行いました。
 この結果、製造後11年未満のエンジンについては、保守整備が適切に実施されている場合には、中間検査の際に解放検査を行わなくても良いこととしました。対象船舶は、海岸から比較的近い海域を航行する旅客船(平水及び限定沿海を航行区域とする旅客船)、貨物船及び漁船になります。

  • (製造後11年未満の内燃機関の解放検査の省略例)

(2) 機関計画保全制度の対象船舶の拡大

 機関計画保全制度は、適切な保守管理体制を有する船舶所有者が、機関保全計画に基づいて保守管理等を行う場合には、定期検査又は中間検査の際の内燃機関の解放を省略することができる制度です。平成9年に導入した制度ですが、試行段階であり、旅客船については、万一のトラブル発生時の影響を考慮して、内燃機関及びプロペラが2組以上設置されている船舶を対象としていました。
 制度導入以来、内燃機関の解放検査の省略に起因した大きな問題は発生していないことから、このたび、内燃機関及びプロペラが2組以上設置されていない旅客船であっても機関計画保全制度を利用できることとしました。この結果、制度を適用する時点において、原則として、製造後15年未満又は累積運転時間が75,000時間以内の機関であれば、船舶の種類には関係なく、この制度が利用できるようになりました。

(3) 稼働時間が短い船舶の内燃機関

 稼働時間が短い船舶の内燃機関については、一定の条件の下で、定期的検査時の解放検査を省略することができます。具体的には、保守・整備が適切に行われている場合、前回内燃機関の解放を行った検査から次の解放検査の機会となる定期検査又は中間検査までの間の推定稼働時間が7,000時間を超えない場合に解放検査を省略することができますが、解放検査の間隔は10年を超えてはいけないこととなっています。
 このたび、琵琶湖などの湖川のみを航行する船舶の内燃機関は、10年を超えても腐食等による影響が限定的であることが確認できたことから、湖川のみを航行する船舶については、推定稼働時間が7,000時間以内であれば、解放検査の間隔が10年を超えても良いこととしました。

添付資料

プレスリリース資料(PDF形式)PDF形式

お問い合わせ先

国土交通省海事局検査測度課 
TEL:(03)5253-8111 (内線44214、44157)

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