報道・広報

海外旅行者満足度・意識調査の結果をとりまとめました

平成20年7月10日

1.概要
 国際相互交流の拡大のためには、訪日外国人旅行者数の増加と併せて、日本人の海外旅行を促進していく必要があることから、今般、過去3年間に海外旅行に行った人の海外旅行の満足度、および過去3年間海外旅行に行かなかった人も含めた海外旅行に対する意識を調査・分析しましたので、公表致します。

2.調査結果の概要
[1]調査概要
 過去3年間に海外旅行に行った人3000人、過去3年間に海外旅行に行っていない人600人に対して、インターネットによるアンケート調査を実施した。
[2]人気の海外旅行先
○「今後最も行きたい国・地域」としては、ヨーロッパ、オーストラリア、ハワイの人気が高かった。また、過去3年間に海外旅行に行っていない人の回答を見ると、行きたい国・地域が「特にない」と回答した人の割合が19.7%に及んでおり、最も高い割合を占めていた。

○世代別に見ても、ヨーロッパは世代を問わず人気が高かった。世代間の特徴的な違いとしては、若者にはハワイ、米国本土、香港が人気であり、中高年にはオーストラリア、カナダが、高齢者には中国が人気となっていた。

○ヨーロッパへの旅行者は、「今後最も行きたい国・地域」としてヨーロッパを回答する割合が高かった。つまり、ヨーロッパは再来訪希望率が高かったといえる。また、ハワイ、米国本土、タイなども再来訪希望率が高くなっていた。
      
○旅行後の満足度が相対的に高い国(69点以上)は、インドネシア、ドイツ、ハワイ、オーストラリア、カナダ、フランスであった。フランスの満足度は69.6点で相対的に高いものの、旅行前の期待が77.7点と非常に大きいため、期待と満足度の落差は大きくなっている。その他の国では、期待と満足度との落差はさほど大きくない。
満足度が相対的に中位の国(66点~68点台)は、韓国、シンガポール、グアム、香港であった。これらの国では、期待と満足度の落差が比較的大きくなっている。
その他の国について見ると、中国は期待が70.1点となっており、これは米国本土やカナダと比べても大きいが、満足度が62点にとどまっているため、期待と満足度の落差は非常に大きくなっている。一方、フィリピンは、期待は61.6点と高くないが、満足度は期待を上回る63.6点であった。

(注)調査対象の国・地域(韓国、中国、香港、台湾、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ドイツ、フランス、米国本土、ハワイ、グアム、カナダ、オーストラリア、その他のアジア、その他のヨーロッパ(ドイツ、フランス除く、ロシアを含む)、その他の国・地域、特にない)は2005年の日本人訪問者数上位15国・地域(国際観光振興機構発表)にその他ヨーロッパ((ドイツ、フランス除く、ロシアを含む)、その他アジア、その他の国・地域、特にないを加えたもの。
    
[3]海外旅行への期待と旅行後の満足度 
○旅行を構成する主要な要素である「食」、「宿」、「ショッピング」、「観光」について、旅行前の期待と旅行後の満足度について比較した。「食」と「宿」については、期待は高いものの満足度が低く、その落差は大きかった。「観光」については期待も満足度も高く、その落差は小さかった。「ショッピング」については、期待は他の3要素より低いが、期待と同程度の満足度を得ており、その落差は小さかった。

○「パッケージツアー」、「フリープラン」、「自由旅行」の旅行商品タイプ別に、「食」、「宿」、「ショッピング」、「観光」について、旅行前の期待と旅行後の満足度について比較した。「パッケージツアー」では全体的に各要素の満足度が低く、期待と満足度の落差も大きくなっていた。一方、「フリープラン」と「自由旅行」では、「観光」と「ショッピング」の満足度は期待通りもしくは期待以上となっていたが、「食」と「宿」については、期待と満足度の落差は大きくなっていた。

○旅行への期待を世代別に見ると、年代が高くなるとともに、学習志向・健康志向が高まっていた。また、人気のお土産やブランド品などの購入意欲は若者の方が高く、人気の名所・史跡・文化などへの期待は世代を問わず高くなっていた。

[4]海外旅行に行った人・行かなかった人の意識の違い
○海外旅行に行った人・行かなかった人の意識の違いとして特徴的な点は、為替レートや航空運賃などの経済環境、テロ、感染症、言葉・文化の障壁等による「不安感・負担感」であった。海外旅行に行かなかった人は「不安感・負担感」が大きく、これが海外旅行に行くことを躊躇わせていると考えられる。一方、海外旅行に行った人はこうした「不安感・負担感」は小さく、むしろ旅行内容を決める際、飛行機の便数・所要時間や地理的な遠近感等の「利便性」を重視し、定番スポットや定番メニューといったご当地の名物に対する期待を持って旅行内容・旅行先を決定していた。

○若者(20歳代)について見ると、海外旅行に行かなかった人は他の世代同様に「テロ・感染症」や「言葉」等についての不安が強く、これが海外旅行に行くことを躊躇わせていると考えられる。また、同じ海外旅行に行かなかった若者であっても、男女間では意識に違いが見られ、男性はそもそも余暇の過ごし方として海外旅行に行きたいとあまり思っていないが、女性は余暇の過ごし方としては海外旅行に行きたいと思っているものの、「テロ・感染症」や「言葉」についての不安が大きいために海外旅行に行かなかったと考えられる。

[5]その他
○海外旅行に行った人は、燃油サーチャージの広告表示、旅行会社・航空会社の説明のわかりやすさについては、不満を感じている。

添付資料

別添資料1(報告書概要版)(PDF形式:105KB)PDF形式

別添資料2(報告書本体)(PDF形式:2,761KB)PDF形式

お問い合わせ先

国土交通省総合政策局観光事業課 石垣
TEL:(03)5253-8111 (内線27325) 直通 (03)5253-8330

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