平成28年12月2日
国土交通省は、11月21日(月)に中国・北京市において、第17回都市計画、都市整備に関する日中交流会議を開催しました。
本会議では、「エコシティ、スポンジシティ及び都市における防災・安全計画」をテーマに両国の政府及び企業が発表を行いました。
中国が課題として抱えている、防災のための水インフラや震災復興、環境・安全に配慮したまちづくりに関して、官民が連携した
総合的な浸水対策や高台移転等の防災まちづくり、浜松市と北九州市が実施しているまちづくりを紹介し、都市開発分野における
協力関係を継続していくことを確認しました。
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日中交流会議は、両国の都市計画・都市整備分野での相互協力を促進することを目的とし、平成10年以降、政府間で日中交互に開催されてきた会議です。
第17回目となる今回会議のテーマは、2016年7月中旬の北京及びその周辺での大雨による洪水被害等の自然災害の発生や、それに伴う環境・安全配慮意識の高まりを受け、「エコシティ、スポンジシティ及び都市における防災・安全計画」と設定しました。
中国側からは、雨水の効率的な排水に関する施策や、青海省玉樹地震(2010年4月発生)の震災復興計画、エコシティの取り組み等が紹介されました。それぞれの内容について、我が国の法律の整備や計画の運営・実施方法に関心を持っていることが確認できました。
これに対し、日本側からは、各戸・ビルの貯留浸透施設等と連携した総合的な浸水対策の推進や官民連携した貯留施設の管理に関する下水道法の改正、震災復興に関する市民・企業・自治体・国等の多主体での協力経験や高台移転等の防災まちづくり、浜松市が実施している防災教育等の減災の取り組み、北九州市が実施している水素を利用したまちづくりの取り組み等を紹介し、中国側の抱える課題に応える経験・技術が日本にあることを紹介しました。
この他、11月22日(火)・23日(水)には、日本側同会議メンバーが成都市を訪問し、黄平(ファン・ピン)資政(=副市長級)等へ表敬を行うと共に、同市が進めるプロジェクト等を視察しました。
なお、会議の概要は、以下のとおりです。
記
1.開催日 平成28年11月21日(月)
2.場所 中国 北京市
3.参加者
(日本側)国土交通省(梛野大臣官房審議官 他)、国際都市計画交流組織(INEX)推進協議会(北九州市・浜松市・静岡市)、
独立行政法人都市再生機構、一般社団法人海外エコシティプロジェクト協議会
(中国側)住宅・都市農村建設部都市農村計画司、中国建設科技集団、中国都市計画設計研究院、
中国建築設計院、柳州市、常州市
4.会議テーマ
「エコシティ、スポンジシティ及び都市における防災・安全計画」
5.発表内容
日本発表:「日本の雨水貯留・浸透の動向」、「震災復興の経験と防災まちづくり」
「浜松市における防災・安全のまちづくり」、「環境先進都市 北九州市の歩みと取組み」、
「中国におけるJ-CODEの経験と今後の方策」
中国発表:「中国におけるスポンジシティの都市建設の紹介 玉溪市を例として」、「玉樹地震後の震災復興計画と実践」、
「スマートシティと法律に関する思考」、「エコと緑に恵まれる住みやすい模範の街 常州市の歩みと取り組み」、
「特色のある小鎮建設の発展についての解読」
6.主な成果
・中国側が、雨水の効率的な排水に関する総合的対策や、震災復興における多主体の意見反映などに課題を抱えており、
我が国の法律の整備や計画の運営・実施方法に関心を持っていることが確認できた。
・日本側が有する、各戸の貯留浸透施設等と連携した総合的な浸水対策の推進や貯留施設の官民連携管理に関する下水道法の改正、
震災復興に関する市民・企業・自治体・国等の多主体での協力経験等、中国側の関心に応える経験・技術を紹介できた。
・成都市が進める都市開発分野のプロジェクトを視察することができた。

日中交流会議の様子 成都市との会議の様子
7.視察概要
日本側同会議メンバーが成都市を訪問し、11月22日(火)に、黄平(ファン・ピン)資政(=副市長級)等へ表敬を行うと共に、11月23日(水)には、成都計画館や歴史的街並み保全・活用プロジェクトの現場を視察しました。