わが国の森林面積は国土面積の約7割を占め、過去100年間で大きな変化はなく、 その比率は、欧米に比べ高い。こうした豊かな森林が存在しているにもかかわらず洪水や渇水が頻発しているのが現実である。
森林の洪水緩和機能については、中小洪水に一定の効果を有するものの、治水計画の対象となるような豪雨の際には、森林域からも、降雨はすべて流出してしまう。
一方、森林の渇水緩和機能については、効果の定量的な評価は確立されていないが、森林の増加は樹木からの蒸発散量を増加させ、むしろ、渇水時には河川への流出量を減少させることが観測されている。
従って、必要な治水機能や利水機能の確保を森林の整備のみで対応することは現実的ではなく、今後ともこの森林を良好な状態に保全することが重要であるとともに、ダム等の治水・利水施設整備を着実に行っていくことにより国土保全等を図っていくことが必要。
【森林面積率の国際比較】
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【国土利用の変化】
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【森林の成長に伴う流出量の変化】
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【森林の有無による流出量の違い】
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