1.河道計画上の工夫が見られる事例

①法線:法線は現況流路を基本とする。

    良好な自然環境を形成している場合にはこれを尊重し、現況流路を基本とした平面線形とする。
    直線的な流路では河床は平滑で、推進や流速の変化が乏しい。
    現況流路の線形やみお筋が良好な自然環境を形成している場合には、現況流路の線形、特に流路の蛇行を尊重し、計画に取り入れることが重要。
 
 
 
河道を直線化した区間 蛇行を残した区間

河道法線に工夫を行った河川災害復旧事例

牧左内川 
 石狩市・厚田地区の厚田公園内を流れるこの川はサケの遡上・産卵が見られる川として有名です。
復旧にあたり、公園内を流れる区間については、従前の平面的な河道特性(蛇行・川幅等)を踏襲し、多様な河岸、曲線的な河道法線確保したほか、公園利用と一体的に活用出来る整備を実施しています。
工事着手前(H23)
 現 在(H30.5)
 ■基本方針の活用ポイント■ 凡例:◎工夫が優れている ○配慮されている △もう少し工夫が望まれる
  河道計画上の工夫点
法線

流速

スライド
ダウン

片岸拡幅 

みお筋

河床幅
- - - -
 災害復旧上の工夫点
河岸・
水際部

環境要素
の保全

景観配慮

重要種
への配慮

環境への
配慮
- -
 ■河川DATA■
 水系/河川名  一級河川石狩川水系 普通河川 牧佐内川(ぼくさないがわ)
 事業名  特定小川災害関連環境再生事業
 事業主体  北海道     
 年災  平成22年度   
 河川の流域面積  5.4平方キロメートル
 河道特性  セグメントM
 主な工事概要  コンクリートブロック積工(練積) L=209m A=429m
 階段ブロック工L=20m A=95㎡
 川づくりのテーマ  公園内の利用状況及び親水性、景観、水辺環境の復元などを考慮した川づくり

黒谷川 
 災害時の河道平面形状を活かし、川幅や堤防の法勾配を自然に変化させ、河床もスライドダウンによって人工的な感じをさせない災害復旧を行いました。
 そのほか、流速が低減する河道拡幅部の右岸山付き部分は護岸を整備しない、落差工はスロープ形式として魚類の移動阻害を緩和するなど、自然の機能を残すような工夫が行われています。
 
被災時(H23.8)
 現在(H27.10)
 ■基本方針の活用ポイント■ 凡例:◎工夫が優れている ○配慮されている △もう少し工夫が望まれる
  河道計画上の工夫点
法線

流速

スライド
ダウン

片岸拡幅 

みお筋

河床幅
  災害復旧上の工夫点
河岸・
水際部

環境要素
の保全

景観配慮

重要種
への配慮

環境への
配慮
- -
 ■河川DATA■
 水系/河川名  一級河川 阿賀野川水系 黒谷川(くろたにがわ)
 事業名  災害復旧助成事業
 事業主体  福島県
 年災  平成23年度
 河川の流域面積  158.0平方キロメートル
 河道特性  セグメント1(扇状地帯)
 主な工事概要  事業延長L=6,636m 自然石護岸工A=約60,000m2
 床止工N=7基 排水樋管N=5基
 川づくりのテーマ  環境保全に配慮し、自然環境との調和を図りつつ、災害に対応できる流量増を実現

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