水管理・国土保全

水防の基礎知識

6.最近の水防をめぐる動き

1)平成25年水防法改正

 近年では、気候変動等による集中豪雨の多発や台風の強大化など、毎年のように全国各地で水害が多発する一方、水防団員や消防団員の減少等による地域の防災力の弱体化が進んでいます。また海外では、アメリカでハリケーン・サンディによりニューヨークが大規模浸水被害を受け、地下鉄が浸水するなど地下空間の水害に対する脆弱性が指摘されたほか、タイのチャオプラヤ川の氾濫で工場等が長期の操業停止となりサプライチェーンが大打撃を受ける深刻な浸水被害が発生しました。
 そこで、国土交通省では、平成25年に水防法を改正し、以下の取組を行うことにより、多様な主体による水防への参画を促し、地域の水防力向上を図っています。

a.河川管理者の水防への協力
河川を管理する国土交通省や都道府県は、これまでも水防管理者(市町村)と共同で水防訓練を行ったり、水害時に排水ポンプ車を出動させて水防活動に協力するなど、連携して水防活動を行っていましたが、これを法的に明確に位置づけました。

b.事業者等による自衛水防の取組の推進
浸水のおそれがある地下街・地下鉄・地下駐車場といった地下空間、高齢者や乳幼児等が利用する要配慮者利用施設、大規模工場の所有者又は管理者に対し、自衛水防の取組を義務づけました。

c.水防協力団体制度の拡充
平成17年の水防法改正の際、水防管理者(市町村)が公益法人やNPO法人を水防協力団体に指定できるようになりましたが、その対象を民間企業や自治会等の任意団体にまで広げ、団体が行うことの出来る業務も拡大しました。
タイ国ロジャナ工業団地の浸水状況(平成23年10月)
タイ国ロジャナ工業団地の浸水状況
(平成23年10月)
ニューヨーク市内の地下鉄駅の浸水状況 平成24年10月)出典:ニューヨーク都市交通公社(MTA)資料
ニューヨーク市内の地下鉄駅の浸水状況
(平成24年10月)
出典:ニューヨーク都市交通公社(MTA)資料


2)平成27年水防法改正

 近年、洪水のほか、内水・高潮により、現在の想定を超える浸水被害が多発しており、これらの浸水被害に対応した避難体制等の充実・強化の必要性が高まっています。
 このことから、平成27年5月に水防法を改正し、想定し得る最大規模の洪水・内水・高潮に対応する浸水想定区域制度を設けるなど、避難体制等の充実・強化を図っています。


3)平成29年水防法改正

 近年、全国各地で洪水等の水災害が頻発・激甚化している中、平成27年9月の関東・東北豪雨、平成28年8月に北海道・東北地方を襲った台風10号等の一連の台風では、住民の逃げ遅れや家屋の浸水により甚大な被害が発生しました。
 このため、国土交通省では平成27年より、「施設では防ぎきれない大洪水は必ず発生するもの」との考えに立ち、ハード・ソフト一体となった対策により社会全体で洪水に備える「水防災意識社会 再構築ビジョン」の取組を進めてきました。今回、平成29年5月に水防法等を改正し、以下の取組を行うことにより、洪水等からの「逃げ遅れゼロ」と「社会経済被害の最小化」の実現を図ります。

  a.「逃げ遅れゼロ」実現のための多様な関係者の連携体制の構築
  • 大規模氾濫減災協議会制度の創設(参考資料
  • 要配慮者利用施設における避難確保計画の作成等の義務化(参考資料
  • 浸水実績等を活用した水害リスク情報の周知等(参考資料

b.「社会経済被害の最小化」のための既存資源の最大活用
  • 民間を活用した水防活動の円滑化(参考資料
  • 浸水拡大を抑制する施設等の保全(参考資料
  • 国等の技術力を活用した中小河川の治水安全度の向上(参考資料
 


7.その他水防に関連すること

■水防月間
 国土交通省では、毎年5月(北海道は6月)を「水防月間」と定め、国民の皆様に水防の重要性と水防に関する基本的な考え方の普及を図り、水防に対する理解を深めて頂くべく、ポスターやリーフレットによる広報活動や水防演習といったイベントをおこなっています。
■水防功労者国土交通大臣表彰
  毎年、水防管理者の所轄のもと水防に従事し、その功績があった個人及び団体について大臣表彰を行っています。平成29年度は個人13名、6団体が受賞されました。 ■避難時に注意すること
  洪水時には、住民の自主的な「避難」が何よりも重要となります。日常からの備え、いざというときの情報収集や避難方法など、気をつけるべき事項をまとめています。
 資料はこちら(PDF形式 101KB)

■水防関係法令
  水防法
  水防法第32条第1項第2号の水防活動を定める政令
  水防法施行規則(国土交通省令)
  水害予防組合法




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