vol.4.....水害から身を守る

実は! 洪水時、家が水につかるかどうかわかる!

水害に備える
大雨で川を流れる水が急に増え、その水が堤防(堤防)などを越えてあふれ出ることを洪水(こうずい)といいます。

洪水が起こると市街地(しがいち)では道路が水につかって交通がマヒし、家が水につかったり、がけくずれが起こったりといった水害が起こります。

最近では、平成25年10月に、台風26号がもたらした大雨によって、伊豆大島で大規模(だいきぼ)な土石流(どせきりゅう)が発生し、多くの死傷者(ししょうしゃ)が出ましたし、今年の夏も、台風や大雨のニュースが飛び交っています。洪水は毎年のように起こっています。

国土交通省では、台風や集中豪雨が多い春から秋にかけてを出水期(しゅっすいき)として、洪水に対する備えを呼びかけていますが、大切なことは、一人ひとりが洪水の危険性(きけんせい)を認識(にんしき)し、身を守る意識を持つことです。

家族でも、その点をよく話し合っておく必要があります。


ハザードマップを知っていますか?
川ぞいの市街地、以前にも浸水(しんすい)の被害(ひがい)があったところ、急ながけがあるところは特に水害に対する注意が必要です。ふだんから、そういう場所がないか、良く観察(かんさつ)しておくことが大切ですね。

さらに、実際に自分の家や学校が水につかるのかどうか、どこまで水がきそうなのかが分かると、より具体的にイメージを持つことができますし、水害に備えなくては! という意識も高まります。

そんな情報をくれるのが、「ハザードマップ」です。ハザードマップには地震、津波、高潮(高い波がくること)などいくつかの種類がありますが、川の水があふれることを想定して作った洪水ハザードマップも多くの市町村で作られています。

洪水ハザードマップには、水につかると予想される場所が深さごとに色分けして描かれていて、避難所(ひなんじょ)の位置や連絡先、消防署や警察署の場所、がけくずれなどに注意しなくてはならないところなど、いざ! というときにそなえるための情報が示されています。

洪水がきたに自分の家や学校が水につかるかどうか、ひと目で分かるわけですね。

ただし、洪水がおこった場合、必ずしもこの通りになるわけではありませんので、そこはよく理解しておきましょう。


身近な川を調べることから始めよう!
家や学校にどのような危険があるかを知ったら、家から避難場所までの行き方や、その途中にある危ないところ、急いで逃げることができそうな高い建物がどこにあるかも、あわせて確認しておくと、水害のときにあわてずにすみます。

さらには、身近な川にどのような危険がひそんでいるのか、実際に歩いて調べてみると、ますます意識が高まります。例えば、橋げたなど見つけやすい場所には、氾濫注意水位(はんらんちゅういすいい)や避難判断水位(ひなんはんだんすいい)の表示がある場合があります。(写真)

このように、身近な川を調べておくことからはじめるといいですね。自由研究の良いテーマにもなります。


マイマップ&
タイムラインをつくろう
あぶないと思った場所は写真をとり、ハザードマップにはったり、あわせて気がついたことを書き込んで、左のイラストのように自分用のオリジナルマップを作ってはどうでしょうか。家族でそれを見て話し合えば、いざ! というときにどう行動すべきか、計画が立てられると思います。

避難所へいく途中には、急ながけがあるかもしれません。危ないところを通らないように、避難ルートを決めることも重要ですね。

そして普段から、どんなことを準備しておくべきか、また、大きな台風がきそうだとか、集中豪雨になりそうだと分かったときから、どう行動したらいいかを時間ごとに整理しておくことも重要です。

時間ごとに行動計画を整理したものを「タイムライン」と言っています。夏休みの宿題も計画的に取り組んでおくことが重要ですが・・・ いざ! という時も計画的に行動できるよう、下のイラストのようなものを作っておくと良いですね。

ただくれぐれも、ハザードマップもタイムラインもその通りにコトが運ぶとは限らないので、それだけはしっかり認識しておきましょう。







チェック! ハザードマップポータルサイト
全国のハザードマップを紹介しています
国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」では、洪水や高潮、津波、土砂災害、火山などのテーマを選んで、地図をクリックしていくと、各市町村が公開しているハザードマップのページを見ることができます。

洪水については、多くのの市町村でハザードマップを整備・公開していますので、自分の住むまちをチェックし、活用してみてください!


注意:予報や警報など情報を集めよう!
観測情報を活用しましょう
洪水が心配されるような大雨が続く場合は、気象や警報に関する情報を常に収集することが大切です。

テレビやラジオからの情報はもちろんですが、「川の防災情報」「XRAIN」などのホームページでは、雨量や水位、洪水予報・警報、ダム放流通知などの情報を随時発信しています。

携帯やスマホからも知ることができるので、とても便利です。テレビのデータ放送でも、川の防災情報をチェックできます。

また、ライブカメラで川の様子を見ることもできます。近くの川の映像が見られるかを確認しておき、ライブ映像で雨量や水位をチェックして、もしも危ない! と感じたら、早めに避難するよう心がけてください。