vol.7... クイズでチェック! 足元の災害リスク

大地のルーツを知る

正解です!!
③ 昔、川が通っていた

大きな川の痕跡が見えます
現在の川(荒川)は向かって右側を流れています。
くねくねした道の正体は、昔の川の跡で、「旧河道」と言います。 川は、その時代の自然条件によって流路を変えることがあり、 また、人の手によっても流路が変えられることがあります。 この川島町は、昔から土地利用が大幅に変わっていないので、 現在の空中写真を見ても、旧河道が存在することが良くわかります。

国土地理院地図で表示できる「治水分類図」でも、 大きな旧河道であることがわかります。 また、この分類図にも川に沿って「自然堤防」(Q.2参照)が描かれています。 自然堤防上に集落が発達していることもQ.2と同じです。 住家が自然堤防の上に連なって、川のように見えますね。


昔の空撮で川を確認
下の写真は1948年に撮影されたものですが、
大きな旧河道があることがはっきりわかります。これはその蛇行の規模の大きさから、
過去に利根川と荒川が一緒にここを流れていた跡だと言われています。
下側(南側)の入間川を見ると、川が大きく蛇行している部分(赤点線の丸内)が
ありますが、現在の空中写真と比較すると、直線化されて蛇行部は消滅しています。
このように直線化された蛇行部は全国の至るところにあります。
蛇行部が三日月湖として残存している場合もありますが、埋め立てられて、
昔は川であったことが分からなくなっている場合もあります。

ここ川島町では、旧河道は水田としての利用が中心で、住家はあまり建っていません。
ですが、旧河道を埋め立てて、その上に建物を建てているケースも各地にあります。
そのような場所は、地盤が弱いといった可能性も考えられます。

注: 必ずしも旧河道の地盤が弱いとは限りません。
実際には確認が必要ですのでご注意ください。


ウェブサイト・アプリを活用

昔の地図と今の地図を比較してみると、旧河道の場所がよくわかります。今の地図は国土地理院地図やGoogleマップなどで、容易に見ることができますが、昔の地図についてもいろいろとウェブサイトやアプリがあります。以下にいくつかご紹介します。

歴史的農業環境閲覧システム
関東圏の明治初期から中期にかけての古い地図を見ることができるウェブサイトです。スクロールが可能で、現在の地図との比較表示もできオススメです。右の図は川島町を表示したものですが、左側の明治期の地図には、まだ、現在の荒川がないことや、右上(北東)に大きな沼地があることに気がつくと思います。
詳しくはこちら >

今昔マップ
明治以降の古い地図と、今の地図を見比べながらスクロールできる、また、色別標高の重ね合わせも可能なウェブサイトです(全国9地域の閲覧ができるようになっています)。
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東京時層地図
明治以降の地図と現在の地図をスマホ・タッチパッドで表示できるアプリです(iOS:有料)。東京の変遷を知ることができます。
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全国の古い地図
国土地理院から古い地図(地形図)の謄本の交付を受けることができます。全国の至るところの古い地図が取得できます。
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※この地図は歴史的農業環境閲覧システムで閲覧できます

このようなツールを活用することで、旧河道だけでなく、明治期に湿地や沼地がどこに広がっていたかや、市街地がどこまで発達していたかなど、いろいろなことがわかります。

歴史について知ることができたり、自分の住む街について意外な発見があるかもしれません。ぜひ、楽しみながら見てみてください!!


※日本では、その地理的条件や社会の成り立ちから、急傾斜地や地盤の低いところに住まないわけにはいきません。そういった自然条件をよく知った上で、今回ご紹介しているように、地理情報を活用するなどのソフト対策も含めて、しっかりとリスク管理を心がけておくことが重要です。