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高潮に襲われた熊本県不知火町松合地区。早朝に押し寄せた高潮で12人が犠牲となった |
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八代干拓地を流れる氷川の河口部では、伊勢湾台風レベルに耐えられる造りの堤防が高潮により破堤。農地が一面水浸しとなった |
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強い勢力を保った台風18号の接近につれて広い範囲で強風が吹き荒れ、その中心付近から東側では猛烈な暴風雨となった。特に南西諸島や九州・中国地方では、台風の接近、通過時に南寄りの風が強く吹き込み、各地で風速30
m/s以上の暴風を観測した。熊本県の牛深市では最大瞬間風速66.2 m/sを記録したが、これは牛深測候所の観測開始(昭和24年)以来、最高の数値であった。
台風の接近に伴い、西日本を中心に各地の沿岸部で高潮が発生した。中でも台風の直撃を受けた熊本県や山口県では、台風の通過が満潮時刻に近く、中秋の大潮に当たるなどの悪条件も重なって被害が拡大。熊本県不知火町では早朝に押し寄せた高潮で、死者12人を出すなど甚大な被害を受けている。
全国の被害は、死者30人、負傷者882人のほか、家屋の全・半壊2480棟、床上・床下浸水1万4002棟、一部損壊1万9785棟、道路損壊46か所、橋梁流失1か所、山・崖崩れ262か所などに上って
いる。 |