目次 > 第4章 今後の対策の方向性 > 4-2 自助―情報の活用
■避難勧告・指示を堤防の決壊前に聞いた率
注)三条市と福井市は、水害前に聞いたとした率で、豊岡市は23時よりも前に聞いた率
■避難勧告と堤防の決壊との時間関係
河川情報表示板(JR川崎駅)
■避難行動
2004年7月・新潟・福島豪雨(新潟県三条市)
対象市
●新潟県三条市
(7月12〜13日、新潟・福島豪雨)
●福井県福井市
(7月17〜18日、福井豪雨)
●兵庫県豊岡市
(10月19〜21日、台風23号)
三条市と福井市では避難勧告の発令から堤防決壊・浸水までの間には、避難に十分な時間があったとは言えず、避難勧告・指示を聞いた人も2〜3割に過ぎなかった。
豊岡市で86.6%の住民が避難勧告・指示を聞いている理由は、戸別方式の防災行政無線による効果が発揮されたことと、三条市や福井市の水害より後に発生したため、水害に対する意識が高かったことなども一因と考えられる。
しかし、豊岡市では多くの人が避難勧告・指示を聞いていても、それが避難率の増加には結びつかず、4割の人が浸水してから慌てて「居た場所の2階以上」に避難していることがわかった。
田中淳「避難勧告・指示の発令はどのように伝わったか」(日本災害情報学会誌「災害情報」No.3・2005年3月)から作成