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河川局

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記者発表

平成11年度水環境における内分泌かく乱物質及び
ダイオキシン類に関する実態調査結果について


平成12年7月21日
河川局河川環境課
課長補佐 是澤裕二(内3334)
都市局下水道部流域下水道課
課長補佐 内田 勉(内3185)


1.概要
     建設省では、動物の生体内に取りこまれた場合に本来その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性物質(以下「内分泌かく乱物質」という。)として疑いのある物質について、平成10年度より全国の一級河川及び下水道における実態調査を実施しており、これまでに、平成10年度及び平成11年度春期・夏期の調査結果から、内分泌かく乱作用が疑われる物質が河川水中に広く存在すること、一部の雄コイの血液中から雌性化の目安となる物質(ビテロゲニン)が検出されたこと等を確認している。平成11年度秋期・冬期には、全国の河川における実態調査、河川への流入実態調査等を実施したところであり、今般、その結果及び平成12年度の調査計画を取りまとめた
     また、近年、社会的な関心が高まっているダイオキシン類については、水環境における実態把握が重要な課題となっていることに鑑み、平成11年度秋期に一級河川の水質・底質における実態調査を実施した。今般、その結果を取りまとめるとともに、平成12年度に河川環境中での詳細な分布を把握するための調査、存在形態に関する調査等を実施することとした。

2.平成11年度調査結果
 (1)内分泌かく乱物質関係調査
    1)全国調査
       平成10年度及び11年度夏期に引き続き、内分泌かく乱作用が疑われる物質のうち生産量の多さや環境中での検出状況から選定した化学物質7物質に人や家畜に由来する女性ホルモンを加えた8物質を主な調査対象物質として、平成11年度秋期に、全国の一級河川109水系における水質及び代表的な11河川における底質の実態調査を実施した。
       その結果、水質については109水系中70水系(64%)、底質については10水系中9水系(90%)から調査対象の化学物質を検出した。検出された調査対象物質毎の濃度や検出地点数の範囲は、従来の調査結果とほぼ同様であった。


表−1 基本調査対象物質の水系別検出結果
(検出下限値以上の地点が確認された水系数/調査水系数)
物 質 名 10年度 11年度
前期 後期 夏期 秋期
4-n-オクチルフェノール、
4-t-オクチルフェノール(界面活性剤等)
4/109 1/109 1/109 1/109
ノニルフェノール(界面活性剤等) 55/109 24/109 22/109 12/109
フルタ酸ジ-2-エチルヘキシル
(プラスチックの可塑剤等)
57/109 39/109 39/109 37/109
フルタ酸ブチルベンジル
(プラスチックの可塑剤等)
3/109 2/109 0/109 0/109
フルタ酸ジ-n-ブチル
(プラスチックの可塑剤等)
24/109 13/109 18/109 13/109
アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル
(耐寒用可塑剤等)
69/109 29/109 20/109 16/109
ビスフェノールA
(ポリカーボネート樹脂の原料等)
66/109 46/109 42/109 42/109
7化学物質のいずれかを検出 102/109 75/109 75/109 70/109
人畜由来ホルモン 93/109 70/109 82/109 72/109

注) 4-n-オクチルフェノール、4-t-オクチルフェノール、ノニルフェノールの検出下限値は、時期によって異なるため、10年度前期の検出下限値により検出の有無を判定した。


    2)流入実態調査
       平成11年12月に、多摩川及び淀川において、本川及び本川に流入する支川や下水処理水の流量とノニルフェノール、ビスフェノールA及び17β―エストラジオールの水質測定を同時に行い、河川に流入する負荷量等の調査を行った。
       測定誤差を含んでいることや河川水中での調査対象物質の挙動に未解明な部分が多いことに留意する必要があるが、調査対象物質の増減の傾向が確認され、調査対象としていない排出源の寄与等による増加や河川水中からの減少が示唆された。
       なお、現時点においては、環境庁が同時に実施した流入支川の調査におけるデータの精査が終了しておらず、解析に含めることができなかったため、データの確定を待って、さらに検討を加えることとした。


図−1.1 多摩川における流入実態調査結果

図−1.2 多摩川における流入実態調査結果(その2)


注) 内の数値は、直轄河川及び下水道の調査結果から収支を算出したものである。
▲は負の値であることを示す。

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