国土交通省では、全国の一級河川の直轄管理区間において、水質及び底質のダイオキシン類による汚染の実態を把握・監視する目的で、平成11年度から継続的に調査を実施している。今般、平成15年度の調査結果を取りまとめた。
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1.平成15年度実態調査の概要
平成15年度は、全ての一級水系(109水系)において、水質238地点、底質236地点(いずれも水資源機構が管理するダム2地点を含む。)でダイオキシン類の調査を実施した(表−1から表−4参照)。このうち、重点監視地点(過去に比較的高い濃度のダイオキシン類が検出され、重点監視状態にある地点:35地点)においては一般の秋期調査に加え、春期、夏期及び冬期にも調査を実施した。
調査の結果、水質では、4地点において環境基準である1.0pg-TEQ/Lを超えるダイオキシン類が検出されたが、底質では、環境基準である150pg-TEQ/gを超えたところはなかった(図−1及び図−2参照)。
なお、分析値の確定に当たっては、その精度を確保するため、学識経験者等で構成される「ダイオキシン類精度管理委員会」において検討を行った。
2.基準監視地点における結果と今後の対応
基準監視地点とは、原則として、水系の順流最下流にある環境基準点及び直轄湖沼の代表地点としている。基準監視地点における調査(水質:116地点、底質:132地点)の結果、水質及び底質のいずれに関しても環境基準値を上回ったところはなかった。さらに、今後重点的に監視をしていかなければならない濃度の判断基準である「要監視濃度」(いずれも環境基準の2分の1)を上回ったところもなかった。基準監視地点においては、基本的に毎年1回、秋期に調査を実施することとしており、今後も継続して監視を行っていく。
3.マニュアルの概要
今回の公募では、GC/MS法(ガスクロマトグラフ質量分析計法)及び生物法(生物若しくは生体機能に関わる物質を利用した測定法)を対象とし検討を行ったため、これら2つの技術に大別し、測定法の概要、同定及び定量、結果の報告等について、解説を加えている。
特筆すべき点は、GC/MS法では、毒性を持つ物質についてのみ定量すればよいこととしたこと、定量する化合物は単離定量できていなくてもよいこととしたこと、異なる質量分析器を用いて測定したデータを組み合わせて結果を報告してもよいこととしたこと、また、生物法では、目標定量下限を50pg-TEQ/g-dryとしたこと、が挙げられる。
4.補助監視地点における結果と今後の対応
補助監視地点とは、基準監視地点を補完する目的で設定された、ダイオキシン類濃度が比較的高くなる可能性があると考えられる地点である。補助監視地点における調査は、基本的に3年に1回行うこととしており、今回は、水質87地点、底質103地点で調査を実施した。その結果、水質に関して環境基準を超える値を2地点で観測した。さらに、今後重点的に監視をしていかなければならない濃度の判断基準である「要監視濃度」(環境基準の2分の1)を上回ったところも1地点あった。これらの地点においては、「河川、湖沼等におけるダイオキシン類常時監視マニュアル」(案)に則り、年間の値の変動を把握することを目的とし、毎年4回、調査を実施することとなる。なお、底質に関しては、環境基準及び要監視濃度を上回ったところはなかった。
平成15年度 調査結果まとめ
| 調査地点数 | 環境基準超過地点数 | 要監視濃度超過地点数 |
水質 | 底質 | 水質 | 底質 | 水質 | 底質 |
基準監視地点 | 116 | 132 | 0 | 0 | 0 | 0 |
補助監視地点 | 87 | 103 | 2 | 0 | 1 | 0 |
重点監視地点 | 基準監視地点 | 16 | 0 | 2 | 0 | 3 | 0 |
補助監視地点 | 19 | 1 | 0 | 0 | 7 | 0 |
合計 | 238 | 236 | 4 | 0 | 11 | 0 |
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問い合わせ先 |
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国土交通省 河川局河川環境課 |
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| 課長補佐 | 宮藤 秀之 | (内線:35452) |
| 係 長 | 小野寺 秀明 | (内線:35483) |
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| 代表電話 | 03-5253-8111 |
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| 夜間直通 | 03-5253-8447 |
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