第3回河川審議会管理部会
河川情報小委員会議事要旨
1.目 時 平成10年10月6目(火) 15:00〜17:00
2.場 所 建設省第一会議室
3.出席者
(委 員) |
月尾委員長、井出委員、志方委員、多賀谷委員、田中委員、長谷川委員、山崎委員、山田委員 |
(事務局) |
青山河川局長、吉井河川局次長ほか |
4.議 題 日常における河川情報のあり方
5.議事要旨
事務局から、前回の河川情報小委員会における意見及び「日常における河川情報のあり方」について説明の後、質疑応答が行われた。委員からの主な意見は次のとおり。
- ○
- 日常時に利用していない情報システムを、非日常時に利用するのは困難。日常の情報提供と災害時の情報提供を共用できる方法について考える必要がある。映像情報は非常に有効である。
- ○
- 出水時でも川の状況が視覚的にわからないと避難をしない傾向があり、ITV等により現地の情報を見せることが効果的である。インターネットの画面をCATVで流すことも有効である。
- ○
- 水質検査の項目がたくさんあるが、ITVや毒物を監視するセンサーも必要だろう。
- ○
- 流域全体で情報を共有することが必要。上流の氾濫にしても、上流で氾濫の当事者になっている人は、下流に情報を伝えるどころではないだろうから、機械で扱うことができる情報と人間でないと扱えない情報を区分し、機械で扱える情報は徹底して機械で扱うようにすべき。
日常は心が通うようなコミュニケーションをもてるようなシステムを整備して、災害時には自動的に情報を下流に提供するようにする方がよい。
- ○
- 提供する情報の内容の一つとしてアメニティ、ヒーリング(癒やし)についての情報があるが、建設省はそういう情報を持っていない。現地では五感で川を感じることができるが、これを現地に行かなくでも体験できるようにすることが河川への関心を高めることになる。川の場合、画像情報だけでなく音声情報も大切。
- ○
- 川に対してはヒーリング(癒やし)効果が求められていると考えるべき。従って、歴史や文化等の情報が充足されなければ人々の関心を河川に向けるのは難しいのではないか。
- ○
- 水文・水質データは、多くの測定地点があるが、一つの河川についてみると、汚染源を分析が出来るような支流についての情報がないのが現状。もう少し観測地点を増やさないと本当に利用できる情報にはならないのではないか。
- ○
- 水質の測定をするにしても、その測定地点に情報を提示すると、地元の人々の関心も高まり、地元とのコミュニケーションを育むことにもなるのではないか。
- ○
- 緊急の時だけに情報を発信するというのでは関心を呼びにくいので、定点で目につくよう日常的に情報を発信しておくべき。
- ○
- 生活者としての河川情報を考えると、必要なのは、アメニティ情報と警戒情報の二つに大別できる。この二つは分けて議論する必要がある。
- ○
- 河川情報を市民等のエンドユーザーに対して提供するのは誰かということを考えることが必要。河川管理者が全て担うのは無理があり、卸売り的に提供する方法を考えてはどうか。
- ○
- 他の機関との情報共有化については、ネットワークでの情報の共有化で対応すべき。
- ○
- 川の魚等の生態系を学ぶには、日常的に利用できる本格的な河川博物館が欲しい。
- ○
- 河川博物館を作るなら、イギリスの運河博物館のように歴史や住民の生活スタイルの展示といった”人間的”な要素と、これまでの国内の河川博物館のようにハイテクを駆使した”機械的”な要素の、双方のいいところをとったものにして、日常・非日常の情報発信センターとして活用するとよい。
- ○
- 情報を蓄積するのは地味な仕事だが重要。情報を専門に扱う集団や流域での専門家の養成等が必要。
6.その他
次回の小委員会は、11月末から12月にかけて行うこととされた。
問い合わせ先 |
河川局河川計画課河川情報対策室課長補佐 大槻英治(内線3282)
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