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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第45回河川整備基本方針検討小委員会

平成18年7月28日


出席者(敬称略)
委員長  近 藤   徹
委   員  伊 藤 和 明

海 田 輝 之
楠 田 哲 也
小 池 俊 雄
越 澤   明
佐 藤   準
澤 本 正 樹
福 岡 捷 二
増 田 寛 也
村 井 嘉 浩


1.開      会

 

(事務局)  ただいまより、第45回社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会を開催いたします。
本日、進行を務めさせていただきます事務局○○でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、お手元に配付しております資料のご確認をお願いいたします。議事次第、名簿、配席図、各1枚ずつございます。それから資料目次がございます。資料1、補足説明資料、資料2、基本方針(案)の骨子、資料3、基本方針(案)でございます。
参考資料が1から8までございます。これは、これまでお配りした資料等でございます。資料に不備がございましたら、お申し出いただきたいと思います。
それでは、本日はAグループでございます。○○委員、○○委員、○○委員、○○委員はご都合により欠席されております。
また、傍聴の皆様におかれましては、傍聴のみとなっております。議事の進行にご協力願います。
それでは、○○委員長、よろしくお願いいたします。

2.議      事

(委員長)  本日は、委員の皆様には、ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
それでは、議事に入ります。
前回は、北上川水系の治水安全度の考え方等についてご審議いただきました。今回は、前回の審議を踏まえて、北上川水系の河川整備基本方針の本文案について審議をいただきたいと思います。
まず、前回までの中で委員から質問等があった点についての説明をお願いいたします。
(事務局)  事務局○○でございます。座って説明をさせていただきます。
A3判のカラーの右上に資料1と書きました資料で説明をさせていただきたいと思いますが、まず、1つは「基本高水のピーク流量の増加に対する対応について」ということです。これはちょっと振り返りまして、一番上の表をごらんいただければと思いますが、現在の工事実施基本計画は、狐禅寺地点を100年に1回、1/100といたしまして、この下の流量が設定されているわけですが、盛岡のところは明治43年に6,200m3/sぐらいの洪水が出たということもございまして、これを確率で評価いたしますと、大体1/150相当になるのではないかということで、水系区間のバランスから考えて、前回までのご議論で、基本方針のところに(1/150)と書いてございますように、狐禅寺のところで150年に1回というものに全部まとめて今回変更しようと。そういうことで盛岡の分も含んで上下流のバランスをとろうという結果になりました。このとき、その結果として、差分というところに書いてございますが、600m3/s基本高水のピーク流量が増加いたします。結果としては、その下にあります洪水調節施設でこの分はためるということになるわけですが、この内訳はどういうものがあるのだろうかというようなお尋ねがございました。
前も少し申し上げてございますが、直轄の国の管理のダムだけではなくて、県の管理のダムもございます。そういうものを含めて総合的な運用等をしております。下のほうに「県管理ダムもあわせた総合的な洪水調節施設の運用とそれにあわせた洪水調節ルールの変更」と書きました以下でございますが、順番からいくと、まず、データがかなり観測精度を上げたものを取り入れることができるようになっておりますので、前回、工事実施基本計画は昭和48年につくられておりますが、海域までのデータも含めて整備ができております。それから流出解析の精度も向上している。こういうものもあわせまして、先ほど申し上げました県のダム、それから各直轄のダムも最適運用みたいなものを再度検討しています。
その結果として、左下にございますように、600m3/sのうち350m3/sにつきましては、上流のダム群、そこには国の既設ダムとして、例えば四十四田ダムとか、御所ダムとか、建設中のものでは胆沢ダム等がございますが、その他県管理の綱取ダム等々、これを総合運用すると。ごらんいただきますと、その表にありますように、既設ダムと書いてあります、建設中の胆沢ダムも入ってございますけれども、工事実施基本計画のときに想定しておりました運用ルールからしますと、治水容量の洪水をためていることで使っている率が71%ぐらいでございますので、運用をかえていきますと、88.8%ぐらいということで、結果としては運用が高度になっている分で350m3/sカットしようというものです。
もう一つは、下の2一関遊水地の調節量の増加、これが600m3/sのうち250m3/sでございます。これも先ほどの最近のデータ、それから精度の高いデータ及び計算によりまして最適化を図ってみますと、遊水地の容量はふやすことなく、遊水地の大きさもふやすことなく、下の絵のところで、例えば平水位と書いてあります右側に掘削と書いてございますが、そういう部分を形状を変えてやることによりまして、それから小堤も最大で20cmぐらい変えることで、洪水調節の開始流量、ですから日ごろの洪水は下へ流して、大きくなるところだけをため込めば効果的でございますので、そういう利用が少し可能になります。この分が250m3/sでございます。両方あわせて600m3/sの調節をしようというものでございます。
次のページへお願いいたします。今度は別のお話がございました。遊水地がいろいろ出てきます。遊水地、この北上川だけの話ではございませんが、どのようなものがあり、また、どのような治水計画上の位置づけのものになっているだろうかというようなお話がございました。こういうまとめ方でご質問にうまく合っているかどうかありますが、上のほうは遊水地の機能というもので、あえて分けてみてございます。あえてと申し上げますのは、必ずしも、いろいろな性格があわさったものとして建設される場合が多うございますが、性格分けをしてみますと、左側の1は上流の河川改修により増加した洪水流量が狭窄部等の影響で流下できない場合に設ける遊水地。
これは下の絵をごらんいただきますと、例えば遊水地と水色で書きました左側に市街地がございます。ここの川幅を広げて洪水を安全に流そうといたしますと、当然その分は下へ流れてくるわけですが、例えば下に狭窄部があって、なかなかそこは簡単には広げられないというときに、そこの遊水地のところで上からたくさん流れてきたものをため込んでやろうということ。こういうことができないと、結局、上流の市街地のところの川幅が広げられないわけでありますが、上流の川幅を広げる分、ためるものを遊水地としてやろうと。今回、例示も書いてございますが、北上川の一関遊水地などは典型例でございます。その他淀川の木津川にございます上野遊水地等が狭窄部の上、それから本川としての合流点あたりに設けられておりますが、渡良瀬遊水地や母子島遊水地というのがございます。これらも渡良瀬川から入ってきますものを利根川の高水量をふやさない形で直前でため込んでやろうというものでございます。
右のほうの2でございますが、これは別の形態で、これは平野部平地のダムみたいなものでございます。上流で洪水をため込んで下流の被害を軽減すると。ごらんいただきますと、下流のほうに守る市街地の絵がございます。ここのところで河道で対応もいたしますが、十分対応できない場合、上流でためます。これはダムでございましたり、ここに書いてある遊水地というものでためようと。例えば、鶴見川遊水地や小田井遊水地を例示で挙げさせていただいておりますが、先ほど申し上げましたように、厳密に12がきれいに分かれるかどうかというのは個別の状況で違いますが、こういう機能分類ができるかなという感じがいたします。
それから設置場所ですが、これは右のほうも左のほうもいずれも、どうせつくるのであればといいますか、地域の合意その他もございます。地形もございまして、もともとあふれていた場所というものをうまく活用しているというのが多うございます。下の表は、今度は遊水地の性質といいますか、性格で少し、遊水地だけではございませんが、分けてみてございます。一番上が計画遊水地です。それから自然の遊水というのは、右のほうに例示がございますが、例えば釧路湿原みたいなもの。それから総合治水における遊水区域というのは、河川から氾濫しました洪水が市街地に拡大するのを防ぐため、一時遊水区域を設けておく。総合治水においては保水という降りました雨水が川へ出ないもの、それからあふれましたものがうまく拡大しないでたまる、遊水、そういうものをねらっているわけであります。
その他参考を入れております。貯留の性質は今申し上げましたようなことでございますが、計画遊水地というのは、今、上のほうで申し上げましたような上下流の他の区間の浸水被害の防止のためにためると。例えば、下流の洪水を上流のダムみたいにためるとか、上流の改修のためにためるということですので、従前よりもある種水につかりやすくなる場合がございます。この分、他の区域の人たちのためにここがダム的な運用をするということですので、いろいろ法律の位置づけ、それから補償形態等が違ってございます。
それで、区域の法律上の位置づけ。3号地とだけ書いてございますが、これは河川法に基づきます河川区域の3号地でございまして、ここはダムと同じように河川区域としてきちんと指定いたします。それから土地等の補償形態。今、申し上げましたように、他の区域のために余計に水がたまるといいますか、そういうところでございますので、これはきちんと公共事業として何らかの補償をいたしております。買収をしているもの、全部買収しております形態もございますが、一般的には大きなものでございますと、地役権を設定する。一部、日ごろは田んぼとしてお使いになったり、公園としてお使いになったりする中で、洪水のときだけためていただく、河川区域にするということをしております。
それから損失補償というのが旧北上川、今回話題になっております中の南谷地遊水地だけは将来の損失を見込んで補償をしているものもございますが、これは旧河川法時代にやりましたもので、これもどちらかというと地役権設定をしました場合にどれだけ補償を払うかと。地役権設定ですと大体二、三割払っておりますが、同じように損失ということを考えて補償しているというもので、地役権設定と同じ概念かと思います。構造は、先ほど来申し上げていますように、洪水がちゃんとたまるように、日ごろは少し洪水が減るのでございますが、ということもございますので、それなりの構造物、越流堤等を設けます。例示は右のほうです。
自然の遊水は、前、お話が別のところでございましたのは釧路湿原、もしくは、例えば霞堤の遊水部分などでございます。この表、間違っている部分がございまして、区域の法律上の位置づけというのが×になってございますが、どちらかというと必要に応じて3号地といいますか、今の河川区域に設定されております。若干霞堤の遊水部分は、その辺が設定されているものと設定されていないものがございますが、そういうものを今整理しております。この部分は人為的に余計にためるというわけではございませんので、新たな補償はしておりません。それから構造も自然の判断でございます。
総合治水のものは、これは市街地調整区域の保持等で現在やっておりますが、もう少しきちんとしたエレクターを考えていかないといけないと考えているところでございます。土地等の補償形態はございません。構造も特別といいますか、越流を余計にするようにとかいうふうにはしておりません。鶴見川とか寝屋川でございます。それから海外ではスイスやオランダなどで、一たんあふれましたものが市街地のほうに行かない前段の少し水がたまりやすい区域として2線堤などをつくってしております。
一番下、最上流部の氾濫というので、これは直接的ではございませんが、考えようによっては、上流の安全度が大体低くて、下流が高いわけでございますけれども、そうすると、ある一定の安全度では上流では少しあふれて、下流のほうへはあふれている分だけ来ないというので、上流での遊水効果みたいなものが、こういうものもございますが、これは上下流バランスの中で整理されることでございます。
次のページをお願いいたします。低水管理における基準地点でございます。これは委員のほうから北上川は数百kmの非常に長い川でございます。これを狐禅寺の1点で流水の正常な機能の維持のための基準地点としていいのだろうか。もっとたくさん設けるべきではないかというようなご指摘がございました。基準地点の低水管理を受けます設定につきましては、左上にございますように、こんなふうに今まで考え、運用してきているところでございます。
1つは、通常の取水や還元等が行われる中で、低水管理を行うにあたって一連のまとまった連続する区間として扱うことが適当な場合には、当該区間を代表する1地点を基準地点として設定しております。
2つ目、ただ、こういう検討します区間の中で相当量の流況の変化、例えばどこかへ分派して外へ流れていく、どこかから大きく入ってくるとか、また水資源の施設があるとか、いろいろございますが、そういうものへの的確な対応。それから低水管理の確実性の確保。例えばこういう長い川などで全部のところが、どこか1点で確実性があるだろうかというようなときなどに、必要に応じて複数の基準地点を設けてきてございます。
なお、正常流量は水系の低水管理の基本的な事項でございますので、その基準地点は必要最小限であるべきかと思います。それからちょっと間違うといいますか、誤解がある場合がございますが、管理上必要な水量の把握とか、いろいろな施設運用のための地点というのは必要に応じて適宜、その地点で実施するということで、基準地点としては基本的には、○の2つ目に書きましたような場合に、それに応じた地点を設けている。複数の地点を設けているものは長い非常に大きな川で、利根川ですとか、石狩川というものがございます。
北上川でございますが、この前の委員会のご指摘も含めて、基準地点の設定理由というのを右下のほうに書いてございます。それで結論といたしましては、狐禅寺、それから盛岡市内の明治橋、2つの地点でさせていただければと思いますが、これはここの設定理由とも深く関係いたします。右下の表でごらんいただきますと、狐禅寺は、ここは昭和24年から流量観測が行われております。約50年分ぐらいの資料がございますし、今後もここで物を見ていくというのが妥当なものでございます。それからここの部分から下に狭窄部がございます。いろいろな地形、それから途中の地下水その他だと思いますが、いろいろな中流部における主要支川でございます、胆沢川とか磐井川等いろいろな支川の合流もございます。そういうものがみんな集まって、また還元をして、取水をして還元をしてという流況のまとまった地点でございます。そういう意味もあって、中流部のダムの放流基準なんかもこの地点でしてございます。これは一つそういう意味で基準点としておく必要があるのではないか。
それからもう一つ、明治橋でございますが、ここも昭和23年から流量観測が行われておりまして、約50年分の資料が存在しますし、今後もここで的確な把握がされる場所でございます。この北上川全体の主要なまちでございます盛岡の市街地でございまして、ここから上流部のところが前々回からお話がございますように、大きな3川が合流して流れを形成するという場所でございます。それから北上川の個性であるサケの遡上と書きましたが、サケだけではございませんが、北上川の特徴としまして、上流から下流まで余り横断する工作物がございません。そういうこともあって、ずっと上流までサケだけではございませんが、いろいろなそういうものの行き来がございます。大体こういうものの観点から見ましたとき、実は明治橋のところの流量が一番クリティカルといいますか、そこが代表地点になってございます。そこまで海のほうから上ってくるわけでございますが、そういうので実際の流量の必要性もこの地点がきわめて重要な部分かなと思いますので、数百kmにわたる川でございますので、この2点を基準点として設定をさせていただければと思います。
次のページからは前回つけた資料の若干の修正バージョンでございます。そういたしました場合、狐禅寺につきましては4ページでございます。前も狐禅寺を載せてございますが、正常流量、右のほうに代かき期、普通期、非かんがい期に分けてございますけれども、例えば真ん中の普通期は、前回の資料では正常流量は72m3/sとなってございます。これが少し上流のほうに移転いたしますと、68.8m3/sです。ただ、河口堰流量として基本方針に書きます流量は、前回も72m3/sをもって70m3/s。今回も68.8m3/sをもって70m3/sというふうに記述させていただければと思います。基本的にはどの期別も含めて、ここにありますように70m3/sが狐禅寺かと思います。
それから次のページは明治橋のほうでございまして、同様のことで期別で分けてございます。どれも若干の違いはございますが、基本的にはおおむね20m3/sということでいいかなと思います。また、これらにつきましては、現在つくっております上流の調節施設とか、今後の施設で確保見込みを持っているところでございます。
以上でございます。
(委員長)  ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明についてご議論をお願いしますが、資料1の1ページは、これは○○委員でしたけれども、本日、出席されていませんが、ほかの委員はこれでよろしゅうございますか。また、ご議論がありましたら、本文説明のときにお伺いしたいと思います。
2ページは○○委員でした。ご意見をお願いします。
(委員)  どうもありがとうございます。遊水地の機能と性質で分けていただいて、わかりやすくというか、私自身のわからなかったことが理解できるようになったのですが、しかしながら、一、二今後のこともあるのでつけ足していただきますが、計画遊水地につきましては、こういうことでよくわかるのですが、自然の遊水というものが随分いろいろなところでありまして、前回も議論があったように、自然の遊水機能のところは余り計画上位置づけることができないという。すなわち地形を変状、私有地だったりするから変形することになったりすることがあり得るので、確かなボリュームを決めることができないから、計画遊水地と違って自然の遊水機能のあるところは計画値を位置づけられないのだというご説明がありました。それについてはよくわかるのですけれども、実際にこの手の自然の遊水のところが非常に多いと。それは計画でいろいろ数字上は明確に出てこないのですけれども、これらの点をある程度意識して計画づくりをしているのではないかなと私はずっと考えております。
そのあたりを、自然の遊水というものを今後どうするのだろうか。全部計画遊水地にできないのもわかりますし、水がこぼれていくことによって遊水機能があって、下流に対して下流を守る役割をしていると。そういったものを今後どう考えるのかというのがよくわからないのが一番の質問でした。相変わらずそこはわかりづらいということで、この辺につきましては、ぜひ継続的にご検討していただいて、上の区域の法律上の位置づけというのに書いてあること、河川区域として位置づけるということと、ここは霞堤はあるけれどもというご説明がありましたが、このあたりがいろいろな意味で不備な面があるのではないか。具体的には、機能しているところを機能しているというだけで計画的に位置づけられないということがまずい場合もあるだろうということで気になりましたというのが1点目。
それから2点目は、最後の参考に出ている最上流部等での氾濫、これは貯留の性質・目的に書いてありますように、この委員会で常に議論になるところで、これはこれで非常にわかりやすいのですが、これがここに出てくるという、参考にわざわざ書いていただいたというのは非常によくわかって、考え方として、上下流バランス問題で、上流はこう考える場合があるということだろうと思うのですが、今後こういうものが遊水地の性質としてこういうふうな形で出ていくことがいいのだろうかというか、これもまた自然の遊水と同じように、何となく隠し財産的な、そのようなものの考え方になっていると。参考のほうは非常に大事な話で、これこそまさにもっと明確に、そういう場合によってはこういうのが大事だということがちゃんとした形で、いろいろなケースごとでいいのですけれども、位置づけられればいいなというのが、これは私の感覚ですけれども、そう思いました。この点は今回の北上川の問題と大変関連しまして、整理していただいて少し明確になったかなと思っています。
(委員長)  ご意見はありますか、事務局のほうから。
(事務局)  非常に重要なご指摘だと思いますし、今、委員からお話しございましたように、この委員会の中でも重要なポイントとしてご議論がたびたび行われているところでございますので、にわかにこうするというのはあれですけれども、今、局内でもいろいろなそういう場合のことについて検討しているところでございます。最後に言われた上下流バランスも今後最も適正な格好はどうあるべきかというのは、これまで50河川ぐらい基本方針を整理してきていただいておりますので、一度そういうものも含めてご議論をまたお願いできたらと思っております。現在進行形で恐縮でございますが、重要な問題として意識してしっかりやっていきたいと思っております。
(委員長)  委員長から私見を申し述べますが、自然の遊水と前局長が言ったので、言葉が違うと申し上げたのは、河川があふれているところはみんな遊水なんです、河川技術上は。だけど、住民から見れば、氾濫区域なんです。自然に氾濫している。そういうところは全部ゼロにするのですか。遊水させない、氾濫させない。氾濫は自然現象ですが、遊水は河川技術上意図して滞水させるという語感があります。氾濫水を計画内であろうと計画外であろうと、全てコントロールしようとするのには無理があります。水をコントロールするのか、水害を減らすのか。おそらく高度成長期に河川技術屋さんの頭が全く変わっちゃって、あふれた水は全部河川の区域の中へ入れますという意思決定をしたのではないか。それを私は修正しようとしているのです。あふれたって水害にならなければいい。自然の状態よりよくするために河川工事をやっているのであって、あふれているところをゼロにすることを目的にしているのではないでしょう。
だから、上流区域に洪水が入ってきて、これは上流の人が5年に一遍、あるいは毎年つかっているところを10年に一遍にしてくださいというのは、これは河川工事の目標になるけれども、氾濫しているところは全部ゼロにしますよと、もし河川行政が考えているなら、余りにも傲慢ではないか。特に少子高齢化社会を迎えてお金もなくなってきているときに、全部あふれるところをなくしますなんていうのはあり得ないと。だから、河川法の中で遊水区域と言っているのは、皆さんの水害防除のために犠牲になって土地を提供しているところが遊水地であって、自然にあふれているところをすべて遊水地というのはちょっと狂っているのではないか。そういうところは人が住まないという選択肢がある。だから少子高齢化で予算も少なくなってきているのに、あふれるところを全部ゼロにしますということを思っているならおかしいですよ。
この北上川はまさにそういうことが議論された川ではないかということで非常に意義があるので、要は公共事業で対象とすべきものは何かと言ったら、ここに補償という形で書いてありますけれども、我が土地を提供して、不特定多数の人の災害を減らすために提供するところが遊水地ですね。自分の土地に水がたまったところは単なる氾濫区域であって、それを河川行政で水が氾濫しないようにするかしないかは、地域全体のコンセンサスの中で、低未利用地ならもともと水につかっているところは仕方ないねということで本来おさまるはずなのです。それを一切水に浸けないというのは余りにも親切し過ぎるのではないか。そんなに国には税金がないのではないかと。そこは一たん原点に戻ったらどうだというので大変的確な質問だったのです。ただし、今まで水に浸かるところも水に浸からないような土地にしてくれという土地所有者の要請はあります。だけど、そこまで全部税金でやっていくのか。常時水につかるところの方は水屋をつくるなり、地上げするなり、自衛手段でやるという手段だってあるのではないか。公共事業でやらないところと絶対やらなければいけないところをそろそろ峻別する時期ではないか。そこで、今、前から委員会でも提案していますけれども、少し土地利用をにらんだ河川行政、治水行政というのを考えていただいたらどうか。そこではこういう区域が一番議論の対象になりやすいんですね。別に機会を設けて議論したほうがいいと思います。これは委員長の私見でございましたので、行政当局が答えにくいところだと思います。ちょっと勝手につけ加えさせていただきました。
(委員)  関連したところですけれども、先ほど事務局からのご説明で損失補償のことで、これは旧河川法の中でそういう手当てがあって、地役権設定と同等のものというようなご説明がございましたが、普通ある土地利用されているところに水をためて、そして下流を守るというような形で、現在ある土地利用はされている。その土地利用をそのままの形で、その損失をそういうイベントのときに補うというような制度というのは、今の河川法の中ではないのでしょうか。
(事務局)  ここの例は、例えば河川管理者と土地の所有者との間では一定のお金を最初の地役権補償と同じようにお支払いしております。そのお金を、土地を所有している方たちが組織というか、枠をつくりまして、ずっと基金みたいに持っておりまして、それで何かありましたときの被害に対して、その基金から払うというような仕組みをされているようです。ちょっと冷たいようですが、厳密に言うと、法的には河川管理者と、あるいは公共事業としてやるところとしては、一応まとまったお金としてお支払いして、民といいますか、土地所有者のところの仕組みとしてやっているので、河川法とか、その中でこういう仕組みが用意されているかというと、それは昔も今も用意はされておりません。また、そういうことを考えたらどうだという意見は実はいろいろなところでしてはおりますけれども、まだその制度はできていないというのが現状です。
(委員)  一言だけご意見申し上げさせていただきたいと思います。自然の遊水というところの範疇に入るようなものには、いろいろなケースがあるのだろうと思っています。それで、委員長もおっしゃられたような、当然先にそこは水があふれてしまうようなところとか、例えば霞堤の部分というのがございます。この霞堤自体が歴史的にできたということは、ある意味でその地域はほかの地域に比べてそういうものだということを基本的に納得した形の、江戸時代からつながった土技術の世界だろうと思います。ただ、そういうような第二順位に置かれた地域は、それを解消したいというのも営々とずっと望んできた地域でもあるということも申し上げておきたいと思います。
それからまた、河川のその他のところの安全度を上げて整備が進んだときに、それでは、その部分が従前に増して被害を被るようなことが出ないかどうか、そこら辺のチェックも必要だろうと思っております。それで計画上しっかりと位置づけるのであれば、今でいう河川法の3号地に指定していただくなりなんなりという、地元との協議の上でですね、そのような対応をしていただいたほうが一つはいいのかなと考えております。その際には、特に地元の要望、農村地域は宅地も農地も道路もすべて混在している状況でございますので、そこら辺もしんしゃくいただいて運用していただけたらと思っております。
(委員)  遊水地の2の部分でございますが、ここに取り上げている鶴見川、それから庄内川、それから寝屋川、いずれも都市計画をダブルにかけて、実際は公園としても管理運営していると思いますが、河川業者の考え方としましては、特に2のタイプについては、原則むしろそういう形にしているのか、あるいはたまたまこういう大都市圏ではオープンスペースがないので、ケース・バイ・ケースの判断でそういうふうにされているのか。そこら辺を教えてほしいことと、その場合に、都市公園とダブった場合の費用なり管理運営についての考え方が原則あるのか。これもケース・バイ・ケースなのか。これを教えていただければと思いますが、いかがでしょうか。
(事務局)  これをご説明申し上げましたときあえてと申し上げましたように、12と混在していたより差がないかもしれません。最初のご質問の公園的にやっているものが右のタイプだと限定されるものではございませんが、たまたまそういうものが多くなっているのかなと思います。一つ目としては、そういうものを限定して、こういうタイプはこうするということではございません。
それからもう一つ、例えば都市公園となりましたときに、費用負担のあり方はどうだろうかというお話がございましたが、厳密にルールが存在しているわけではございませんが、基本的にはそれぞれの目的の事業をそれぞれ計画いたしまして、それでアロケーションというか、それぞれの効用に応じて費用負担を相談して協定を結んでやっているというのが、こういうタイプのものが一般的でございます。
(委員)  わかりました。
(委員長)  大変おもしろい課題で議論百出なので、ここで一応締め切らせていただきます。ただ、申し上げたかったのは、すべての土地を氾濫ゼロにするというのは絵にかいたもちではないか。したがって、氾濫するところはあるねと。ただ、氾濫する中で、まさに河川事業で救うというのは、国民の税金を入れるわけですから、それによって不特定多数の人が助かること。その場合で犠牲になるところは計画遊水地であること。単に溢れているところは単なる自然条件ですね。
それからもう一つは、霞堤の話は大変微妙なところです。河川工事をやってみたら、霞堤が残っちゃったねというのが今までなのですが、せっかく河川整備方針で河川整備計画をつくるにあたっては、今までは仕方ないねって住民納得ずくの世界でした。これからは簡単に納得してくれないのではないか。土地利用問題の中で整理して、ここは残念ながら河川事業の便益は及ばないところになるかもしれないと。そのかわり、何かもっと別のメリットがあるようにしていくとか、今まで便利さの都市計画でしたけれども、社会システムの中で、こういう水害常襲地帯の土地利用問題を国のシステムの中で考えていただくことも大事なのではないか。これは要請ということにして仕切らせていただきます。
次は3ページでございますが、基準点。○○委員はきょうご欠席ですが、一応これは○○委員のご意向にも沿った整理だと思いますが、そういうことで本文の議論の中でご意見がありましたらお願いしたいと思います。
以上、ご質問があった事項について整理いたしました。
それでは、引き続きまして、北上川水系の河川整備基本方針の本文案のご説明をお願いいたします。
(事務局)  それでは、引き続きご説明させていただきます。資料2、資料3をごらんいただきたいと思います。基本的には資料3のほうが右左、現在の工事実施基本計画と河川整備基本方針(案)ということで対比表になっていますので、こちらをメインにしたいと思いますが、資料3を1枚お開きいただきますと、目次です。さらに開いていただきまして、1ページからは河川の総合的な保全と利用に関する基本方針、流域及び河川の概要ということで、これは、どちらかというと第1回目にお話をさせていただきました流域、それから河川の概要、特徴を書かせていただいております。1ページ目は大体水源から河口までの概要をずっと述べさせていただいておりますが、時間の関係もありますのではしょらせていただきます。
2ページ目の下のほうから流域の自然環境のお話をしておりますが、これも前々回お話し申し上げましたようなことを個別のところの話等々入れて書いてございます。
それから4ページにまいりまして、4ページの下のほうから今度は水害の歴史、それから治水事業の沿革について整理をさせていただいてございます。これも前にご紹介させていただきましたことでございます。
それから、恐縮ですが、8ページにいかせていただきまして、8ページの途中までそういった治水事業等のお話をさせていただいていますが、真ん中から北上川の水利用について述べております。これは次の9ページの上の5行ぐらいまでいくのでございますが、記載漏れがございまして、ほかの川のときによく豊・平・低・渇といいますか、流量の現状の状況も、今、低水流量とか渇水流量がどのくらいかというようなことを書かせていただいておりますが、場所からいうと、9ページの5行が終わりましたぐらいのところに他の水系では書いてございます。ちょっと追記をさせていただきたいと思いますが、間に合っておりませんですみません。物は参考資料4というA4判の白黒の縦長のものにございますが、この12ページ、13ページに流況の表が出ております。最大流量とか、豊水量、平水量からずっといきまして、渇水量や平均云々等がありますが、これの一番下に最近30年のうちの1/10相当とかがございますが、これは3/30みたいなものですが、この表でございます。
(委員長)  数字を読み上げてください。
(事務局)  12ページ下の渇水量、1/10相当、近30カ年、64.35m3/sが狐禅寺です。それから、1枚おめくりいただきましたところに明治橋のほうがございます。同じ場所の22.49m3/s、この辺について記述させていただきたいと思っております。
それから先ほどの資料に戻りまして、9ページの6行目ぐらいから、今度は水質です。前々お話がございました松尾鉱山によりました強酸性水、死の川になって、これまでどうしてきたかということを書いてございます。
それから下のほうの5行目ぐらいから河川の利用についてでございます。10ページまでが今申し上げましたような河川の概要でございます。
11ページからは、それらを踏まえまして、この川としてどうしていくかということでございまして、「河川の総合的な保全と利用に関する基本方針」というところでございます。こちらのほうは、まず、最初に治水と利水とか、環境の総合的な方針についてまとめさせていただいております。これが11ページでございます。流域の多様な歴史や文化、それから河川景観等の地域性を理解して、これを育んできた北上川の自然環境やネットワークの機能を保全、継承するということ。それから関係機関や流域住民と総合的なビジョンについて共通の認識を持って連携・調整を図りながら、治水・利水・環境にかかわる施策を総合的にやるということ。それから水源から河口まで一貫した計画、それから途中途中の段階的な整備というものをきちんと目標を定めてやっていくこと。それから健全な水循環系の構築というものを流域一体となって図ること。それから河川の多面的な機能を発揮できるよう維持管理をしっかりと適切に行うということにしております。
12ページの上の3行目からアとして、今度はこのうち災害の発生の防止または軽減、水害対策について入れております。ここはいろいろご議論がございました。中に書いておりますのは、河道や沿川の状況等を踏まえ、それぞれの地域特性にあった治水対策を講じることがこの川の全体の問題であるということ。バランスよくですね。それから豊かな自然環境や史跡に配慮しながら、堤防の新設、拡築及び河道掘削を行い河積を増大させるということ。それから、お出ししたものから少し直しておりますが、アのところの6行目ぐらいから、「そのため」というのが前回申し上げているのから変わっております。「そのため、狭窄部、支派川の分合流部等において洪水の安全な流下、河床の安定を図るため、洪水時の水位の縦断変化等について継続的な調査観測を実施し、その結果を反映した河川整備や適切な維持管理を実施する」。前回、委員からご意見がございまして、お配りしているものから変えた部分でございます。それらの河道で調節できないものを洪水調節施設でためると、そういうものを整備する。内水被害への対応をしっかりやろうということでございます。
下の8行目ぐらいから個別の場所のことを書いてございます。北上川の明治橋から上流部においては、洪水調節施設によって河道への負担を低減させ、堤防の新設、拡築及び河道掘削による河積の拡大、護岸等の整備により計画規模の洪水を安全流下させる。それから河道掘削にあたっては盛岡市中心部における緑豊かな空間形成をできる限り維持できるようにするということ。それから明治橋から狐禅寺までの中流部においては、洪水調節施設によって河道への負担を低減させて、堤防の新設、拡築、河道掘削による河積の拡大、護岸等の整備により計画規模の洪水を安全に流下させること。それから次へいきまして、治水対策を早期かつ効果的に進めるため、河道や沿川の状況等を踏まえ、住民との合意形成を図りつつ、連続した堤防による洪水防御だけでなく、輪中堤や宅地の嵩上げ等の対策を実施する。また、河道の整備にあたっては、自然環境や史跡等に配慮する。
北上川の狭窄部がその下流になりますが、地形的特性から大規模な掘削は行わず、早期に治水効果を発揮する効果的な対策として輪中堤や宅地の嵩上げ等を実施する。それからさらに今度は狭窄部の下でございますが、堤防の新設、拡築及び河道掘削により計画規模の洪水を安全に流下させる。なお、河道掘削にあたっては、河口付近の良好な河川環境等に配慮する。また、旧北上川のほうでございますが、拡散型の氾濫形態を有し、浸水時間も長期にわたることから、洪水調節施設によって河道への負担を低減させ、堤防の新設、拡築及び河道掘削を行うとともに、洪水流量の北上川本川からの分離、支川江合川から隣接する鳴瀬川水系への分派を両河川の治水バランスに配慮しながら整備を行う。以上が基本的な川の枠組みでございまして、前回も流れとして申し上げましたところでございます。
13ページの途中から河川管理、それからソフト対策について、施設管理の高度化、効率化、計画的な河道の樹木等も含めました管理、治山、治水の一体的な整備による土砂、流木対策、地震、津波防災を図るための堤防の耐震対策、防災拠点の整備。それから研究、監視、それから計画を上回ります洪水や整備途上での施設能力を上回る洪水に対する配慮、対策等でございます。14ページの下のほうまでそういうことを述べさせていただいております。
14ページの下のほうにイとしまして、河川の適正な利用及び流水の正常な機能の維持ということでございまして、最初のところは既設ダム群の有効活用や連携を図って新たな水資源活用を行うとともに、広域的かつ合理的な水利用を促進していくこと。それから森・川・海との関連に配慮し、関係機関と連携を図りつつ必要に応じて対策を実施すること。それから渇水時の被害を軽減するため、情報体制の整備と関係機関の連携というものであります。
15ページの3行目からウとしまして、河川環境の整備と保全でございます。河川環境の整備と保全の全体的な方針としまして、流域の歴史、文化、北上川の関係を考慮しつつ、多様な動植物が生息・生育する豊かな自然環境を次世代に引き継ぐと。それから河川環境の整備と保全が適切に行われるよう地域と連携しながら、そういった川づくりを進めていく。動植物の生息地・生育地の保全、それから良好な、特に遡上がここは特徴的でございますので、そういった状況の保持、それから河口部といいますか、汽水域等の環境の保全、それから良好な景観の維持形成。それから人と河川との豊かなふれあいの確保として、人がふれあい、環境の学習等ができるような場の整備保全を図るということ。一番下のほうにいきまして、水質については、これも前回、委員のほうからご指摘がございました、松尾鉱山からの強酸性の廃水が流入したことで魚類が大量へい死するなど、自然環境、河川利用への影響が生じたこれまでの経緯を踏まえ、継続して中和処理による水質改善を関係機関と協力しつつ、抜本的な改善策等についても検討する。さらに流域の水環境の回復・保全を図るため、関係機関や地域住民と連携・調整を図りながら水質改善に務めるというふうに少し修正してございます。
その下は河川敷地の占用、許可、それから流域の自然環境、歴史、文化を踏まえた地域づくりの核としてできますように地域の参加、連携をしていこうということを書いてございます。
17ページは「河川の整備の基本となるべき事項」ということで基本高水のピーク流量、それから洪水調節施設への配分の話でございまして、これも記入漏れがございます。アとして北上川、「基本高水は」という、その次に「明治43年9月」というのが抜けてしまっておりますが、それとか昭和22年9月、そんなふうに修正させていただきますが、等々踏まえて、先ほどの1/150の流量にしてございます。
具体の流量につきましては、18ページに表にしてございまして、表−1をごらんいただきますと、北上川、狐禅寺が1万3,600m3/s、これは1万3,000m3/sでございましたのを1万3,600m3/s。洪水調節施設の調節を少しふやしまして、河道への配分流量としては8,500m3/sというふうに同じ。旧北上川につきましては、従前と同じです。それから左側の工事実施基本計画の段階で江合川とか迫川等が書いてございますが、これは前回か前々回かお話し申し上げましたが、少し細かく基準点として設定されておりますので、この点をやめるというのではなくて、主要地点のほうに分類させていただきまして、基準点としては、右にあります北上川の狐禅寺、それから旧北上川の和渕というふうにさせていただければと思います。
19ページからは「主要な地点における計画高水流量に関する事項」でございます。これはずっと文章で書いてございますが、20ページのこういう計画高水流量図に全部集約されるものでございます。前々お話をさせていただきましたようなことで狐禅寺を1/150、150年に1回のものに上げまして、少し上流での調節を入れまして、結果として計画流量、狐禅寺では8,500m3/sです。
それから少し小さな川といいますか、それぞれ細かく流量が入っておりましたが、全国的な並びで、ある程度本川の流量に対しての比率で変えたりしてございます。
それから21ページが旧北上川でございます。先ほど申し上げましたように、左のほうは凡例が入っていないので凡例を入れさせていただいていますが、■で書いたのが基準点でございます。●で書きましたのが主要地点と称するものでございますが、基準点としては和渕、その他は主要地点として整理をさせていただきたいと思っております。
それから22ページは計画高水位及び計画横断形、川幅等でございます。それから23ページは流水の正常な機能を維持するための必要な流量ということでございまして、先ほどございましたように、狐禅寺、それから明治橋、それぞれにつきまして、例えば、この文章ですと、下から6行目から、流水の正常な機能を維持するために必要な流量は、利水の現況、動植物の保護、流水の清潔の保持、景観、塩害の防止等を考慮し、狐禅寺地点において年間を通じておおむね70m3/s、明治橋地点において年間を通じておおむね20m3/sとするということでございます。
それからその次のページは水利権量などの参考表でございます。それから参考図が後ろについてございます。
以上でございます。
(委員長)  ありがとうございました。
それでは、ただいまの説明、また、先ほどの補足説明もご意見があればということも含めまして、ご質問、ご意見をちょうだいしたいと思います。○○委員のほうからお願いいたします。
(委員)  質問ですけれども、最後の正常な機能を維持するため必要な流量、これは旧北上川については一言も触れられていないのですけれども、これはどういうふうに考えればいいということなのでございましょうか。
(事務局)  例えば、きょうの資料をごらんいただきますと、3ページ、補足説明資料の3、4、5とあります。どれも同じようなものなのでございますが、北上川自身の流れは、旧北上川も含めましてずっと縦断的に、洪水のほうは分派、遮断いたしますけれども、普通のほうの水は実は旧北上川のほうへ流れていっておりますので、例えば今の3ページをごらんいただきましても、ブルーのところが北上川、その下に旧北上川というのがつけてございますように、この辺は連続させてございますので、そういう意味で狐禅寺はそこも含めていいかなというふうに考えたものでございます。
(委員)  わかりました。
(委員長)  またご議論いただくことにしまして、それでは、全般を通しましてご意見がございましたら、まず、地元からおいでの○○委員からお願いいたします。
(委員)  個人的な要望みたいな形ですが、一つは、最初に説明がありましたように、北上川はわりと縦断する構造物が少なくて、連続性が上下流保たれているという、そういう連続性の確保というようなところを少し強調して何か入れていただければありがたいと思います。
それから、最初にダムで調整するというようなお話がありましたが、この中身でいくと、ダム群を総合的に運用して洪水対策を行うというような、そういうところの言葉が書いていないような感じがいたしました。渇水については書いてあったのですが、洪水のところには書いていなかったようなので、お願いしたいと思います。
(委員長)  お気づきの点がありましたら案文を出していただいて、最終的な案文に反映させたいと思いますが、そのほか全般的にはよろしゅうございますか。
(委員)  はい。
(委員長)  ○○委員、全般的にご意見がありましたらお願いいたします。
(委員)  大体結構だと思いますが、土砂に関して、今の連続性の話が何となくあいまいかなというような気がしています。途中では余り問題ないけれども、河口部あたりで結構、周辺の海岸が今、随分後退していて、理由がどうもよくわからない。北上川のせいなのか、何だかよくわからないというようなことが起きていますので、土砂に関してはちょっとつけ足し、形式的に書いてあるだけのような気がするので、もう少し何か基本的な考え方みたいなものがあるといいのかなというような気がいたします。個別にどういう文言というところまではまだ考えていませんけれども。
(委員長)  この点についてということがありましたら具体的に言っていただいて、最終案文に反映させたいと思います。
それでは、○○委員のほうからお願いいたします。
(委員)  四点、お願いいたします。まず、全体として見て本文は非常によく書けているなと思いました。歴史のある北上川で、前半の部分で治水事業の歴史的な流れがよくわかり、今日の北上川とのつながりがわかるようによく書けていると思いました。次に質問と意見です。まず、12ページです。きょう配られました補足説明資料1で、増大した高水流量に対してどういうふうに計画的にコントロールしようとするのかという説明がありました。そこでは、今後の観測データの蓄積と観測精度の向上、流出解析等、解析精度の向上が非常に大事な要素であるとしてまとめていただきました。
私もこの点が重要であると思っておりました。北上川水系では、ダムをどう運用するのかとか、遊水地をどう使おうとするのかということは、基本的に最も重要なことのひとつです。特に基本方針の計画規模だけではなくて、整備計画レベルも含めて考えたときに、きょうのご指摘のようなことが検討されることが大変大事だと思います。そういうことからすれば、アの真ん中付近の「また」以下の文章、「また、河道で処理できない流量については、気象予測や情報技術の進展等を踏まえた、より効果的な洪水調節を行うなど」、これはこれでいいのですけれども、気象予測もそうですし、情報技術の進展もそうですけれども、「観測解析技術の進展等を踏まえた」というのを加えていただきたい。いろいろな規模の洪水に対応できるように考えていかなければならないので、「観測解析技術の進展等を踏まえた」というのを加えていただければ今回のご説明と対応できるのではないかなと思います。ご検討ください。
それから20ページです。わからないので教えていただきたいのですが、この高水計画流量図で砂鉄川が、工事実施基本計画では2,550m3/sだったのが、今度は1,500m3/sに減っています。でも下流に出ていく流量に変わりはありません。これはどういう根拠でこういうことになったのでしょうか。合流量が1,000m3/s減っているということで、この辺はどういう判断でこうなったのかということについて説明していただきたいと思います。
3点目は、流量配分図の書き方です。それは先ほどお話がありました旧北上川への高水流量については合流量をゼロにする場合の表現の仕方です。北上川と旧北上川は平常時の水は水利用とか、環境とかいろいろな面ではつながっています。ですから、旧北上川も一級河川だろうと思うのですが、21ページの高水の配分図を見ると、前回の釧路川もそうだったのですけれども、北上川と旧北上川は切れてしまい、つながっていない表現になっているのですね。連続した一級河川としてあるのだというのはわかっているつもりですけれども、これだけ見ていると、ほんとうにそうなのかなと。これでよいのかなと疑問に思います。これが普通の状態ではいつもこれがつながっているということで、この書き方がほんとうにいいのだろうか。釧路川のときにこれでいいというご説明あったのですが、その後、北上川も含めて考えると、高水は合流ゼロでいいのですけれども、ふだんはつながっていて、利水関係等はつながっているということは何らかの形で図の中に表現されていないと本来の河川の姿が想像しづらいなと思います。その辺はどうお考えになるのかということが3点目です。先ほど○○委員から川の連続性というお話もありました。そこのところを検討して、わかりやすくしていただきたい。
それから4点目は、それは先ほど事務局からご説明がありました12ページの狭窄部、支派川の分合流部等においては、調査観測を実施して計画的に反映するということですが、この考え方は計画全体の中に入っているのだろうと思います。別に狭窄部だけというわけではなくて、ダムをどう考えるのか、遊水地をどういうふうに考えるのか。完成時の計画だけならば、このくらいでいいのかもしれませんが、この川は計画が完成するまで相当時間がかかるだろうと思います。その間にいろいろな規模の洪水が来るでしょう。そうすると、遊水地の使い方とか、ダムの運用のあり方論の中には、まさにちゃんと観測調査もやって、ほんとうに解析技術を上げて被災を少なくするのだということが完成計画とのつながりの中で出てきてほしいと私は思います。
(委員長)  砂鉄川の流量の問題と、北上川の図をどうするのか。これは確かにおっしゃるとおりで、今までと整合性がとれていないところがありますので、事務局から答えていただけますか。
(事務局)  まず、砂鉄川のほうでございますが、丁寧な説明を申し上げなくて申しわけございません。20ページでございますけれども、現在の2,550m3/sというのは、実は2,550m3/sではなくて、周辺のほかの小さい川も含めて、当時一つの記述のテクニックなのかもしれませんが、この辺から、砂鉄川等と書いてあるぐらいのものとして2,550m3/sでございます。その辺、ちょっと誤解等々ありますので、きちんと砂鉄川の分に書きますと、現在の1,500m3/sというものでございます。
それから2つ目は、記述の仕方の話でよろしいのでしょうか。21ページに旧北上川があります。もともとこういうセパレートな書き方は、昔もしているのもあるのですけれども、いろいろ川によって違うかもしれません。ただ、ちょっと振り返りますと、議論としては、例えばつなげて絵をつけておいて、線を1本だけ入れてとか、ゼロと書くかとかありますけれども、逆にそれが誤解を生むことはないだろうかという話があったりして、全く洪水がいかないものと、ピーク時はゼロだけれども、例えば荒川と隅田川なんていうのはそうですが、洪水の途中は実は流すと。状況によっては流すのですけれども、ピークのときは全く締めるというのが何となくあるので、にわかにどうしたらいいというのはありますが、そういう経緯になっておりますが、工夫をさせていただければと思います。
(委員長)  これは一本化していただきたいと思います。庄内川のときはゼロ放流ですか、新川堰からゼロと書いて、これは一級河川の証明上書くという説明でした。今度は釧路川のときは、細いすき間を入れて書いてありましたね、釧路川と新釧路川ね。だから少なくとも統一をしていただいて、北上川本川は一級河川であることは間違いないわけですから、流量配分上は参加しなくても、今までは書くというのが流れだったと思うので、そこは修正をお願いしたいと思います。
3番目の問題は、案文等ありましたらお願いするということでいいですか。
(委員)  そのようにさせていただきます。
(委員長)  では、○○委員、お願いいたします。
(委員)  前回欠席しておりますので、十分議論を踏まえていないということをご考慮いただいてお聞きいただければと思います。
先ほど○○委員からご指摘があったところで、私も12ページのアというところの第1段落の最後の3行のところを非常に注目しております。事務局にご質問ですが、こういう気象予測、あるいは今、○○委員からご指摘があった観測や解析技術等の進展を踏まえて、より効果的な洪水調節を行うことによって対応するという、こういう記述はこれまでの基本方針の中では用いられたことがあるのでしょうか。これは大変大事なことで、こういうものを前面に出していくことはこれから必要だと思いますが、ちょっと質問としてこういうことは今までも入れられたかということをお聞きした上でコメントを申し上げたいと思います。
(事務局)  その点だけについてお答えしますが、書いた例は過去にもございます。利根川なんかも書いていますが、共通してそういう書き方をしているかというと、そうではございません。
(委員)  わかりました。ここの部分は○○委員からもご指摘がありましたが、特に、利根川もそうですし、北上川は総合開発計画でダムが適所に配置されている。雨の降り方を適切に見ながらダムの運用を統合的にやっていくということである程度の効果が上がると思います。そういう意味でこういう文章を積極的に入れていただくことは大事だと思いますが、洪水調節施設を整備する、最後の2行目、「統合的な運用」という言葉をどこかに入れていただきたいということが1点と。それから統合的な運用ということは、情報を住民の方々と共有しなくてはいけませんので、そういう運用の情報を住民と共有するというような部分も、これは避難ともつながりますので、書き方について工夫していただければというのが第1点でございます。
それから第2点目は、これは○○委員長が先ほどおっしゃったことと、私は取り違えているかもしれませんが、あえて申し上げますと、その下の北上川明治橋から狐禅寺までの中流部の対応の仕方でございますが、ここの無堤部の氾濫というのは、非常に長い区間にわたって、この2行目に書いてあります堤防の新設ということでやると、非常に膨大な河川工事になると。そういうことでその次に、「住民との合意形成を図りつつ連続した堤防による洪水防御だけでなく」というふうに書いてありますので、「輪中堤や宅地の嵩上げ等の対策を実施する」と書いてありますので、私はそういう路線を今後とっていくことは大事だと思いますが、もう一歩踏み込めないでしょうかということですね。嵩上げ等の対策や、例えば土地利用の再検討というようなところまで踏み込めないであろうかということを感じます。それが2点目でございます。
3点目は、これはご議論されたのかもしれませんが、16ページの一番下の水質のことでございますが、強酸性の水については書かれていますが、ダムの貯水池の水質の問題が北上川はあると思いますが、そこは触れなくてよろしいのでしょうかということが最後の点でございます。
(委員長)  また案文修正の段階でご相談するということにいたしたいと思います。
○○委員、お願いいたします。
(委員)  おおむね結構かと思いますが、1点だけ確認をさせていただきたいのですが、15ページの河川環境の整備と保全のところで、動植物の生息地・生育地の保全という項が上から3つ目にございます。その中で、遡上環境ですとか、産卵床のところは保全だけになっておりまして、整備という単語が入っていないのですが、これは保全で十分ということでよろしいのでしょうか。現地を詳しく存じ上げているわけではございませんので、整備がほんとうに必要かどうかというのはわかりかねているのですが。
(委員長)  これは実態に即して、今どういうお考えなのか含めて最終案文に反映させたいと思います。
それでは、○○委員のほうからお願いいたします。
(委員)  14ページの2つ目の段落に「洪水、土砂、火山、津波等による被害を極力抑えるため、ハザードマップの作成支援」云々とさらっと書いてあるのですが、もう少し具体的に踏み込んでもらってもいいのかな。というのは、ここに挙げた洪水、土砂、火山、津波、それぞれにハザードマップの質が違うわけでありまして、例えば洪水のハザードマップですね。これは例えば石巻には、旧北上川の下流域になるわけですが、無堤地帯があるということで、堤防新設ということが上のほうにも書いてありますが、すぐには堤防というのは新設できないだろうと思います。そうしますと、どうしてもソフトで対応しなければならないということで、多分、私の思いに間違いがなければ、石巻はまだ洪水ハザードマップをつくっていないのではないかと思いますので、これを支援しなければいけないという問題があるかと思います。
もう一つ、この地域で問題なのは、これは前にも申し上げたと思いますけれども、宮城県沖地震が、これは30年以内に99%ということが13ページの下にも書いてありますが、これがもし日本海溝などと連動しますと大津波が襲ってくる可能性があります。そういうことで、もしその津波が来ますと、当然旧北上川を遡上いたしますので、洪水ハザードマップと似ることになるかもしれませんけれども、津波の浸水予測図というのは必要になってくるであろうということが一つです。
それからもう一つ、火山の問題、火山のハザードマップ。北上川というのは、支川も含めて上流域が、八幡平、岩手山、秋田駒ヶ岳、栗駒山ですか、これはほんとうに活火山銀座と言ってもいいくらいでありまして、火山性土砂の生産が多いということで火山砂防事業も展開されているわけですけれども、既に岩手山と秋田駒ヶ岳はハザードマップを作成して公表されております。特にこの中で重要なのは岩手山でありまして、岩手山のことは14ページの一番上の段落に書いてありますけれども、岩手山のハザードマップは1998年につくられまして、これは日本の活火山のハザードマップの中でも大変質の高いハザードマップです。旧建設省の強力な支援のもとにつくられたハザードマップです。たしかあのとき、98年10月ごろだったと思いますが、私はNHKの「クローズアップ現代」で紹介した記憶がありますけれども、この地域、もしもこの火山が大きな噴火をしますと、江戸時代に2回大きな噴火をしていますので、そのような噴火が起きますと、例えば積雪期ですと、大規模な泥流、土石流が流下する。それが当然北上川に入ってくるという問題もありますので、ぜひ、質の高いハザードマップを岩手山では既につくっているということもここに書き加えていただければということであります。
(委員長)  また案文等でご相談させてもらいます。
それでは、○○委員、お願いします。
(委員)  特段ございません。
(委員長)  ○○委員、お願いいたします。
(委員)  大分整理されまして、私は基本的には結構かと思っております。先ほどご議論ありましたいろいろな土地利用との関係ですとかは、事務局段階といいますか、少し皆さんで検討されたらいいのではないかなと思っております。
(委員長)  それでは、地元からおいでいただきました○○委員からご意見をお願いします。
(委員)  代理で出席させていただいております○○でございます。上流部、中流部、狭窄部と非常に特徴をとらえてよくまとめていただいたと思います。昨日も狭窄部の流域懇談会が開催されておりまして、地域からはさまざまな意見が出ております。地域としても早く効果を出していただきたいということで、先ほど来お話に出ていますように、周辺の土地利用の状況、それからできるだけ早く、輪中堤なり嵩上げなりという部分もございますので、上・中・狭窄部と、それぞれの特徴を踏まえた形の早期効果の発現ができるような治水対策を講じていただければと思います。よろしくお願いします。
(委員長)  基本的にはこの枠組みでよろしゅうございますね。
(委員)  よろしいかと思います。
(委員長)  それでは、○○委員からお願いします。
(委員)  宮城県○○でございます。おかげさまでこういう形でつくっていただきまして、ほんとうにありがとうございます。我々もこの計画に基づいて国と連携しながら整備計画をこれからしっかりつくってまいりたいと思いますが、今、○○委員からもありましたように、宮城県沖地震も控えておりますし、先ほどお話がありましたけれども、宮城県側は低平地で非常に拡散型の洪水で、一朝有事がありますと浸水時間が長くなりますので、安全度を上げていただけたということは宮城県にとっては大きな、感謝を持っております。
それとあわせて、今、大きな形で北上川と旧北上川の分離工事が行われておりまして、これにも大きな期待をしているわけですけれども、いよいよこれが終わった段階では、ぜひ国土交通省に、今お話がありました石巻、これは県下第二の都市ですけれども、無堤部になっておりますので、この整備もぜひ促進していただければと思っております。ほんとうにありがとうございました。
(委員長)  ちょっとフライングの質問ですが、石巻というのは地元ではある意味で上から洪水が来なければ一番安全なところであったからかもしれませんが、無堤地区になっていますね。この大河川の河口にしてですね。だけど、そこに堤防をつくるというと、住んでいる方のおそらく猛反対があるのではないかと。だけど、津波が来たら大変だぞというので、この前も釧路川のときに申し上げたのですけれども、第1列から第3列ぐらいを犠牲にして、第4列の後ろに堤防をつくるぞとかね。全部を守ろうとするから、川岸の人は川と一緒に生活しているので大変なので、じゃ、それから離れている人のところまで津波がいかないようにというので、全部守ろうとする縛りを外して、例えば背後地に堤防をつくって、前の人は危ないよと、ハザードマップで気をつけてください、いざとなったらこっちに逃げろという案を、これからは考えたらどうかなという提案です。これは返事を求めません。少し柔軟な考えをしないと金縛りに遭って、河川管理者が上で一生懸命ダムをつくって、遊水地をつくって一生懸命やっても、肝心のところ、おまえを守るためにやっているのが全然のほほんとしているのではないかというのが、おそらく河川管理者の担当の意識だと思うのです。少し衝撃的な案を出して、おれも犠牲になるんじゃ、みんなで堤防をつくろうじゃないかという意見が出ることも大事なわけです。○○委員も地元へご提案をいただいたらどうかと思って、これはちょっと余分なことでしたが申し上げました。一応、皆さんのご意見で取りまとめられました。
私も最後にご意見を申し上げたいと思いますが、北上川は、おそらく全国の川で、坂東太郎、筑紫次郎、四国三郎、この辺よりはほんとうはランクが上でもいいのでしょうけれども、たまたま東北にあったので目立たなくて、陸奥四郎がいいか、陸奥次郎ぐらいになってもいいぐらいの川だと思います。ただ、河川の整備の状況は、今まで大変いい選択をしてきたのかなと思います。宮城県内は徹底的に堤防をつくって氾濫防止をした。岩手県内はダムを一生懸命つくって、狭窄部に遊水地をつくって、いわば大事なところをしっかり守ってきたということです。
次の段階、いよいよ今度は岩手県内を堤防で洪水を締め切っていくのかね。そうすると、上下流のバランスがある意味で現状より崩れるかもしれないというので、この前いろいろなご意見を出して、土地利用の問題等も踏まえて考えてはどうかということを言いましたが、現実に土地利用問題を踏まえた河川改修をやれる法制度というのはちょっと未熟だろうと思います。それで千厩川は岩手県がご尽力されて地元に災害危険区域と堤防とセットでやるとか、いろいろな挑戦的なことをやってこられましたので、北上川が発端になって、上流は下流を思いやり、下流は上流を思いやりつつバランスのいい計画が最終目標です。整備計画の段階で特に安全度に配慮しながら段階的に進めていくのがいいのではないか。先ほど言いました宅地の嵩上げとか、輪中堤というのは書いてなかったですかね。いろいろなことを踏まえながら、全国で最先端の河川整備を進めていただくことを期待したいというのが私の意見でございます。
それでは、幾つか案文のところで反映させるべきこともありましたけれども、大局的にはこれで皆さんよろしいということで認めていただけますか。
それでは、あらかたの意見も出尽くしましたので、本日のご議論を踏まえ、私と事務局において北上川水系の河川整備基本方針(案)を取りまとめ、各委員にご確認をいただいた上で河川分科会に報告したいと思います。この件につきまして、私にご一任いただければ幸いと存じますが、いかがでございましょうか。
(「異議なし」の声あり)
(委員長)  ありがとうございます。それでは、そのようにさせていただきます。
各委員には、本議題につきまして、短時間の中で熱心なご審議、ご議論をいただき、また、貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。特に審議対象の北上川水系の関係委員としてご参加いただきました○○委員、○○委員、○○委員の各委員におかれましては、今回をもって最後の委員会となります。地域の実情を踏まえた貴重なご助言などをいただき、ありがとうございました。
最後に、本日の議事録につきましては、内容について、発言者の氏名を除いたものとし、各委員のご確認を得た後、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします。
本日の議題は以上でございます。

3.閉      会

(事務局)  ありがとうございました。
最後に、○○よりごあいさつを申し上げます。
(河川局長)  途中中抜けいたしまして、まことに申しわけありません。○○委員長はじめ委員の先生方には、3回にわたりまして、北上川の基本方針をご審議いただきまして、きょうおまとめいただきまして、大変ありがとうございます。感謝申し上げます。
委員長の最後のおまとめの言葉に尽きると思いますが、我々も今まで川の堤防の外に向かっていろいろ流域対策、いろいろな施策を打ってきたところでございますが、この辺で法律的にきちっと整理する時期に来ているのかなというふうに思っております。この暮れに向かいまして、いろいろ議論して一つの成果としてまとめていきたいと強い決意でございますので、ひとつ先生方にもご指導のほどこれからも引き続きよろしくお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
(事務局)  次回の委員会の開催日時につきましては、別途ご連絡をいたします。よろしくお願いします。
お手元の資料につきましては、お持ち帰りいただいても結構でございますが、郵送ご希望の方には後日郵送させていただきたいと思いますので、そのまま席にお残しいただきたいと思います。  
それでは、閉会いたします。どうもありがとうございました。








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