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河川局

審議会等の情報 社会資本整備審議会河川分科会について


第52回河川整備基本方針検討小委員会

平成18年11月15日


出席者(敬称略)
委員長  近 藤  徹 
委   員  綾   日出教

池 淵 周 一
楠 田 哲 也
小 池 俊 雄
越 澤  明 
坂 本 弘 道
谷 田 一 三
中 川  一 
福 岡 捷 二
福 永 浩 介
虫 明 功 臣
森 田 昌 史
潮 谷 義 子


1.開      会

(事務局)  お時間を過ぎておりますので、審議そのものは委員長が加わってから始めたいと思いますが、事務的に資料確認等を私のほうからさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
 本日、進行を務めさせていただきます事務局の○○でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 では、お手元の資料でございますが、まず議事次第、それから、小委員会の名簿、配席図がございます。それから、資料目次といたしまして、資料1「球磨川水系河川整備基本方針に関する審議の流れ」、資料2「7回目の委員会での審議の補足」、資料3「計画高水流量について」。
 次に、参考資料でございますが、参考資料1「球磨川水系管内図」、参考資料2「球磨川水系流域図」、参考資料3「球磨川水系の特徴と課題」、参考資料4−1「「川辺川ダムを考える住民集会」論点(治水・環境)」、参考資料4−2「住民討論集会の論点説明資料(計画高水流量)」、参考資料4−3「「川辺川ダムを考える住民討論集会」(計画高水流量)概要等について」。参考資料5「現在の治水対策、河道流量について」。参考資料6「ダム反対の要因の一つとなった事項について」。
 また、これまでの資料につきましては、別添のファイルといたしまして机の上に置いております。資料についてご確認をいただきたいと思いますが、過不足等はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、ちょっとまだ委員長がおりませんので、本日のグループはBグループでございます。○○委員、○○委員、○○委員、○○委員、○○委員はご都合によりご欠席になっております。それでは、委員長が参りますまでお待ちいただきたいと思います。

(委員長到着まで中断)

(事務局)  それでは、小委員会を開催いたしたいと思いますので、カメラの方はご退席いただきますようお願いいたします。わかりました。済みません。失礼いたしました。
 それでは、カメラの方はご退席いただいてよろしいでしょうか。
 ただいまより、第52回社会資本整備審議会河川分科会河川整備基本方針検討小委員会を開催いたします。
 本日、ご欠席の委員は、○○委員、○○委員、○○委員、○○委員、○○委員でございます。資料確認につきましては、委員長が来られる前に確認いたしました。
 それでは、傍聴の皆様におかれましては、傍聴のみとなっております。審議の進行に支障を与える行為があった場合には退室していただく場合があります。議事の進行にご協力をお願いいたします。
  それでは、○○委員長、よろしくお願いいたします。


 

2.議      事

(委員長)   ○○でございます。大事な会議に遅参して申しわけありません。
 本日は、委員の皆様には、ご多用中のところご出席いただきまして、まことにありがとうございます。
 まず、議事に入る前に、地元の方々から意見書や要望書が来ております。既に配付しているものも含め各委員にはこの場に用意しております。各委員におかれましては、意見書の専門的な分野については既にごらんになっていると思います。本日の審議に際しては、これらの意見書の内容も踏まえてご意見をいただきたいと思います。
 それでは、議事に入ります。前回に引き続き今回も計画高水(こうすい)流量──私は高水(たかみず)流量ということで言わせていただきますが──計画高水流量についてご審議いただきたいと思います。
 前回の、審議のご意見等に対する補足説明を事務局よりお願いいたします。
(事務局)  事務局を務めさせていただいております○○でございます。それでは、座ってご説明をさせていただきます。
 まず資料1、A4の資料でございますけれども、ごらんいただければと思います。
 本日、ご議論いただく点でございますけれども、委員長からご指摘がありました。○の5つ目の「計画高水流量の検討」というところでございます。前回、第7回の委員会で、現在の治水対策の考え方と実施状況、それから、河道流量、これについてご説明をいたしましたので、その際のご質問等につきまして、宿題としてお答えをさせていただきたいと思います。また、それに引き続きまして、計画高水流量、これの事務局案についてご説明をし、ご審議いただきたいというふうに考えてございます。
 それでは、資料2に参ります。7回目の委員会での審議の補足ということでございます。
 まず1点目でございますけれども、「市房ダムの洪水調節について」ということでございます。前回、いわゆるただし書き操作について、私、ご説明をしたんですけれども、ただし書き操作という言葉自体が専門的な用語なので、次回、丁寧に説明するようにというご指摘がございましたので、資料を準備させていただいてございます。
 まず、市房ダムの洪水調節ですが、これは何度ももう既にご説明をさせていただいておりますけれども、左側のAのところに通常の操作というのがございますけれども、ここにお示ししたような流れで、流量の小さいときには流入イコール放流という1の操作、それから、流入量がふえてまいりますと、300m3/sを超えますと、一定率で放流をしていくと。流れ込んでいくもののある一定量をダムにため込みながら下流に一応流していくというような操作になります。その後、流入量が、ここにあります計画最大放流量650m3/sとございますけれども、ここまで達しましたら一定量で放流すると。その後、流入量が減少していった場合には、下流の水位の状況を見ながら放流をしていくというようなことになります。1234というようなことで通常の操作が行われます。
 これに対しまして、ただし書き操作と前回ご説明した操作でございますけれども、Bのところにございますように、ダムの容量、洪水調節容量が満杯になることが予測される場合の操作ということで、もう少し正確に申しますと、洪水調節容量を使い果たしてしまうおそれがある場合の操作というふうに言えるかと思います。
 その際の操作でございますけれども、左側のBのところの下の図のほうにございますけれども、先ほどの通常の操作と同じルールで放流をしてまいりますけれども、計画最大放流量で、3のところですけれども、放流をしている段階で、洪水調節容量の、ここの場合、8割の容量に相当する水位とありますけれども、かなりの洪水調節容量を使ってしまって、その後引き続き流入量が予想される場合に、いわゆるサーチャージ水位といいます計画で定められたその洪水調節容量の一番高い水位、そこを超えてしまうおそれが出てくる場合に、徐々に放流量をふやしていくという3’という、そういう操作をしていきます。これは、ダムから水があふれてしまうようなところまで水位が上ってしまうというようなことを防ぐための操作でございます。
 具体の例をご説明いたしますけれども、1ページの右側の(A)で、通常の操作の例ということで、昭和40年7月洪水の例が示してございますけれども、これも何回か既にお示ししてございますけれども、上から2つ目の図のところでわかりますとおり、流入量がふえてまいりますと一定率で下流に放流をしてまいりますけれども、この昭和40年の7月の洪水の場合には、一番上の図で見ていただければわかりますとおり、水位は、先ほど申しましたサーチャージ水位からはかなり低いところまでしか上っていませんで、ダムのその洪水調節容量の中の範囲内で調節が行われているというようなことがわかるかと思います。
 これが通常の操作でございますけれども、ただし書き操作の例を次の2ページのほうにお示しをしてございます。
 ただし書き操作は、市房ダムではこれまで2度経験してございまして、昭和46年の8月と昭和57年の7月の2度でございます。それぞれ示してございますが、まず左側の46年8月のほうでご説明をさせていただきたいと思います。
 上から2つ目の図でございますけれども、ダムの水位がサーチャージ水位を超えると想定された時点で、ダムからの放流量を流入量と同じになるまで徐々に近づけ貯水位の上昇を抑え、流入と放流量が同じになった時点で流入量イコール放流量とする操作を実施すると、先ほどご説明したとおりでございます。
 次に、上の図でございますけれども、その結果、ダムの貯水位は、計画上の最高水位でありますサーチャージ水位をわずかに上回るところまで上っているということで、サーチャージ水位が283mに対して283.01mというような結果になってございます。
 ただ、上から3つ目の図を見ていただければわかりますが、ダムが満杯になったといいましても、下流の人吉地点での水位というのを見ていただきますと、ピーク時の水位低下効果、これはちゃんと上っているということがわかるかと思います。
 次は、右側の昭和57年7月でございます。先ほど、市房ダムでは、これまでただし書き水位は2度経験していると申しましたが、3度の間違いでございました。訂正させていただきます。
 もう一つの、2つ目の例の昭和57年7月の洪水でございますけれども、これも先ほどご説明した46年の8月と同様の結果になってございます。ただ、57年7月の洪水につきましては、先ほど言いましたただし書き操作を始めてから、水位はしばらく上がりましたけれども、計画上の最高水位のサーチャージ水位までは上がらずに、結果的には洪水調節容量を全部を使い切るところまでは至らずに終わったというようなことでございます。もちろん上から3つ目の図を見ていただきましたら、水位の、人吉地点での水位低下効果も上っているというようなことが言えるかと思います。
 なお、平成17年9月の出水の際にも、市房ダムでただし書き操作に移行することが予測されまして、関係機関に事前に連絡をしたというようなこともございましたけれども、その際には流入量が予測を下回りまして、結果的にはただし書き操作には入ってないと。そういうような、ただし書き操作の準備をしても、必ずしもそういう操作には入らないで終わるというようなことでご紹介をさせていただきました。
 したがいまして、ただし書き操作で所定の放流量を超える放流をしておりますけれども、人吉地点での水位の低下という観点から見ますと、低減効果はあったというようなことがこれから言えるのではないかというふうに思います。
 2点目でございます。3ページに参ります。
 「市房ダムにおける事前放流について」ということで、委員長から前回ご指摘がございまして、市房ダムにおいて、いわゆる事前放流、農業用水や発電用水を先に放流して雨が降るのを待ったらどうなんだと、頭の体操として検討をしてほしいというふうにご指摘がございました。この資料につきましては、管理をされております県さんのほうで整理をしていただいたペーパーでございますが、ご紹介をさせていただきたいと思います。
 事前放流について、ただし書き操作を実施しました昭和46年8月の洪水、これをケースとしまして、仮に事前放流をしたらどうだったかというような検討をしていただいてございます。
 事前放流のタイミングといたしましては、36時間前、あるいは24時間前、12時間前ということでございますけれども、この46年8月の台風19号の経路からいたしますと、台風の場所は、その図で見ていただいたらわかるような場所でございますけれども、通常、こういった場所から右にそれたり左に行ったりというような台風のコース、とり方をしますので、必ずしもいつもこのルートではないというようなことが言えるかと思います。
 ちょっと細かい説明は飛ばさせていただきますが、シミュレーション結果でございますけれども、右側のほうの「事前放流シミュレーション計算結果」というのが示されてございますけれども、この説明がその下に記載されてございます。
 検討結果といたしましては、事前放流を実施した場合は、最大放流量を軽減させることができますが、ピークカット量は事前放流の有無にかかわらず同じだったというようなことでございます。事前放流を行ったこの12時間、24時間、36時間という3つのケース、これにつきましても、いずれも結果的にはただし書き操作に突入しております。そういうような結果がわかっております。
 さらに今回の検討でわかりましたけれども、あの貯水が270mという標高以上ないと、水位とゲート敷高の関係からうまく事前放流ができないというようなこともあったというようなことで、そういうようなことも含めまして、課題点としましては、一番下にございますが、台風の進路だとかそういったものの正確な予測がまず必要。それから、あらかじめその利水容量だとか農業用水の容量をためておった水を放流するということで、これにつきましては共同事業者の協力が不可欠。例えば、仮に右にそれてしまって雨が全然降らなかったというようなケースの場合には、そのダムの貯水位が回復するまで相当程度の時間がかかってしまうというようなことで、やはり空振りに対する対応みたいなものの協力みたいなところがしっかり必要になってくるかというふうに思います。
 事前放流につきましてはこのように検討していただきましたけれども、いろいろ課題が多い、あるということが明らかになりまして、一朝一夕にはいかないだろうというようなことが結論ではないかというふうに思います。
 3点目でございます。委員長から、いわゆるフロンティア堤防につきまして、これまでの経緯等につきまして、歴代の担当課長さんの話とかそういったところを聞いて、どういう経緯だったかというところを報告してほしいというお話がございました。それを踏まえまして、担当課のほうでいろいろ話を聞いて資料を準備させていただいております。
 まず、越水しても破堤しにくい堤防の検討が始まった背景でございますけれども、昭和20年代、まだ戦後の荒廃した時期でございますけれども、国の直轄管理河川における破堤、これが非常に多かったということでございました。その後、減少はしてまいりますけれども、昭和40年代、50年代は、破堤件数は横ばいということでなっております。そういうこともございまして、土木研究所で堤防を強化することで少しでも破堤しにくい堤防とするための研究に着手されているというようなことでございます。
 堤防の原則でございますけれども、真ん中のところに書いてございますけれども、「計画高水位以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造とする」というふうにされてございまして、堤防が完成していれば計画高水位以下の洪水の通常の作用に対しては安全性を有するが、計画高水位を超える洪水に対しては、破堤を含め安全性を保証できないというようなことになってございます。
 しかしながら、先ほども申しましたけれども、越水による被害がやはり減らない中で、越水に対して少しでも耐えられる堤防を目指していくというようなことで、昭和50年代半ばぐらいから大型模型実験の実施等により研究に着手されております。こうした経緯から、計画高水位を超え越水しても少しでも破堤しにくい堤防を目指して、現場で試験的に施行したのがいわゆるフロンティア堤防というようなことでございます。
 これにつきましては、前回にも何点か申しましたけれども、やはり課題がありまして、本格的な実施には至らず、引き続き課題に対応した検討を実施するというようなことにしてございます。したがいまして、フロンティア堤防をつくれば越水しても破堤しないということではなく、越水に対する安全性を少しでも高めたいという思いからこういう取り組みが行われたというふうに考えられます。
 萩原堤防につきましては、こういう流れの中で、全国的にフロンティア堤防の本格的実施を見送ったことを受けまして、平成10年から検討してきたフロンティア堤防につきまして、その後、整備を見送っておりまして、深掘れ対策、それから堤防の拡幅等の堤防強化に努めるというような方向としたものでございます。
 次、5ページでございます。「萩原地区の深掘れ対策と堤防強化の整備の考え方」ということで、前回、○○委員からのご指摘で、重ねて萩原地区の深掘れ対策、堤防強化の整備について説明してほしいということでございました。若干重複がございますけれども、ご説明をさせていただきます。
 萩原地区は、背後に八代の市街地が広がっておりまして、さらに旧河道、もともと北に向いて流れておったりしてございましたけれども、そういったものを閉め切った箇所で水衝部となっておりまして、治水上重要な箇所だというようなことでございます。
 ここにおきましては、深掘れ対策、ちょうど萩原堤防の足元のところが深掘れしてございまして、そこの深掘れ対策、それから、高水敷の造成、断面が不足しているために堤防の拡幅、こういったものを実施するということにしてございます。
 深掘れ対策につきましては、前回もご説明しましたが、川の中の仕事になりますので、出水期だとかアユの生息だとかに配慮が必要で工期的に限られること、あるいは、現場がかなり錯綜するというようなこともありまして、厳しい条件での施工になるというようなことがあります。それから、高水敷の造成についても同じように水中施工になりますし、堤防の拡幅につきましても、洪水期を避けなければいけない、いろんな課題がございます。
 こちらの萩原堤防につきましては、その重要性にかんがみまして、これまで重点的に予算配分をしてきたということでございますけれども、今後、財政当局との関係もあって必ずしも約束されたものではございませんが、やはり現在の予算ベースで試算した場合には、20年から25年程度完成まで時間がかかるというようなことで前回ご説明したとおりの工程でございます。
 6ページに参りまして、左側に「スライドダウン評価について」とございます。これは、今、申しました萩原堤防の流下能力の評価等のときにご説明をさせていただいたものでございまして、萩原堤防の説明に合わせまして再掲をさせていただいてございます。
 それから、6ページの右側、「前川への分派の状況」でございますけれども、これは、○○委員のほうから、前川と球磨川本川、この分派について、これまでの実績等があれば示してほしいと。実際に、今、3対4、前川と球磨川が3対4の割合で分派しているというようなことが正しいかどうかということでご指摘だったかというふうに思います。失礼しました。6対4でございました。球磨川が6、前川が4というような割合で分派しているということ……、ちょっと待ってください。失礼、最初言いました4対3で、球磨川が4、前川が3という割合で分派されていることが実績として評価されて、確認されているかというご質問でございました。
 平成7年7月の洪水時の流量観測値でございますけれども、5,000m3/s程度の出水でございましたけれども、この際には4対3で分派していることが確認されているというようなことでございますので、そういったところに問題はないのではないかというふうに考えてございます。
 次に、7ページでございます。「洪水時の中川原公園の影響について」ということでございます。これにつきましては、○○委員から、中川原公園の洪水時の影響、例えば、右岸のほうの堤防に対する影響がないかとかそういうご指摘がございました。また、委員長からは、ひとつ頭の体操として、中川原公園を除去したらどういうふうな効果があるのか、これについてもシミュレーションをしてほしいというご意見がございました。その結果についてご説明をいたします。
 まず、2つ目の、委員長からありました中川原公園を除去した場合のシミュレーション結果でございますけれども、7ページの一番右下のように、指定水位相当で中川原を掘削したというような想定でやりますと、一番上のところに水位縦断図というのを示しまして、赤が現況、それから青が中川原を掘削した後の水位というようなことで示してございます。中川原を掘削、除去いたしますと、中川原の区間のその上流側で水位低下効果はあります。これは、ありますけれども、まさにその中川原区間につきましては、水位低下というのが効果として見られてございません。
 また、中川原公園以外でも、この人吉区間では、計画高水位を超えるような地点があるというようなことで、この中川原区間を除去しても人吉区間全体の抜本的な対策にはならないというようなことがこれより明らかになったというふうに思います。
 それから、○○委員のご指摘の関連でございますけれども、左側に「流速ベクトル比較図」というのを載せてございますけれども、それから、中程に「流速分布(右岸)」、「流速分布(左岸)」というのを示してございますけれども、中川原公園付近の流速というのを左岸・右岸両方見ましても、その前後の区間と比較してとりわけ大きく早くなっているというようなことでもないというようなことで、それから、仮に取り除いた場合でも、流速・流向についてものすごく大きな変化があるかといったら必ずしもそうではないというようなことでございまして、結果といたしまして、この中川原のある場所につきましては、支川の山田川だとか胸川との合流点でもあり、流れが複雑で河床変動を起こしやすい状況であることから、局所的なその流れとか、必ずしも懸念をぬぐい去ることはできないのかもしれませんけれども、今後の河道整備に当たって、堤脚部の洗掘対策等を十分検討し、かつ河床変動についてのモニタリングを実施していくことで対応していくことかなというふうに考えてございます。
 次、8ページでございますけれども、参考といたしまして、「流下能力等の検討にあたって」ということで資料を準備させていただきました。これは、委員長のほうからのご指摘でございまして、専門家以外の方にも、流下能力の算定、これがわかるように丁寧に説明してほしいというようなご指摘がございまして、この資料を準備させていただいております。
 一番左上にありますが、まず、河川の水位は、河床の岩だとか、樹木だとか、その流れを遮る抵抗、これによって影響されまして、同じ流量でもその抵抗、粗度と言っておりますけれども、それが大きいほど水位が高くなるというようなことになります。
 流下能力の検討に当たりましては、現場で得られます各種データを用いまして、この検討を対象区間の粗度、抵抗、これを設定する必要があります。具体的には、そこの右側にあります流れに対する抵抗の設定という表がございますけれども、流れ図みたいなものがございますけれども、こういう流れに沿いまして河道の横断測量、それから、洪水時の流速、水位の観測。これは、左側のほうに2としてぽんち絵で示しておりますけれども、浮子といいます浮きを川に投下しまして、それをある区間流下する時間を計測して平均流速を求める、そういうような方法が現場では用いられておりますけれども、そういうような方法を使いまして流速を求めます。流速と断面積が出ますと流量が出るというようなことで、そういうようなことから観測流量を算出します。
 それから、そういういろいろな実績を踏まえまして、洪水の水位からピーク流量を算出すると。それから、その一方で、洪水痕跡から縦断水位みたいなものを推定いたしまして、現地で洪水の後のその水の跡だとか、泥やごみだとか、倒れている草だとか、そういったものを、いわゆる痕跡から、痕跡を測定しまして、洪水の最高水位の縦断を推定する、こういうようなことをやりまして粗度の設定に入ります。
 粗度というのは箇所ごとに決まるものではなくて、一定区間で求めまして、トライアル計算で洪水の計算水位と痕跡水位との縦断が合うようなその粗度係数を求めていくというようなやり方で粗度の設定をいたしております。
 1枚めくっていただきまして、流下能力の評価ということになりますが、流下能力はさまざまなその流量で設定した粗度等を用いまして水位計算を行いまして、洪水を安全に流下させることが可能な水位以下となる最大の流量、これを流下能力というふうにして設定をしております。
 「通常の流下能力算定の事例」ということで、左側にお示ししていますが、堤防がおおむね完成しているところにつきましては、計画高水位以下、余裕高の話を前回もご説明いたしましたけれども、計画高水以下で流下可能な洪水流量を算出して流下能力といたします。
 右側に、参考までに、ダム反対側の流下能力算定ということでお示しをしてございますけれども、第5回の討論集会資料でお出しいただいております資料の中で、2区間で計画高水位をオーバーしているところがありましたというご指摘をさせていただいてございました。したがいまして、こういうふうに計画高水位を超えているところがある場合には、必ずしも安全が確保されておらないので、我々のやり方では、流下能力としては評価できないというふうに考えてございます。
 次に、「計画高水流量について」ということで、資料3のほうをお開きいただきたいというふうに思います。計画高水流量についてご説明し、事務局案を提示させていただくというふうに考えてございます。
 まず、言葉の整理でございますけれども、現況流下能力、今、先ほどもご説明しました、現状の河道における流下能力。それから、流し得る流量、これらは、物理的、社会的、環境上の制約条件等を考慮した上で、堤防の整備等の改修を行った河道における流下能力ということでございます。それから、計画高水流量でございますが、治水計画上、河道に配分する最大流量ということで、これは、流し得る流量以内ということに当然なるわけでございます。こういう流れでまずご説明をさせていただきますけれども、この1ページのほうでは、現況の流下能力、それから流し得る流量というようなことでご説明をさせていただきます。
 まず、現況の流下能力でございます。上流区間、人吉区間でございますけれども、3,600m3/sという数字をお示しをしてございます。後ほど資料でご説明いたしますが。これにつきましては、これまで住民討論集会、あるいは前回の資料でも3,900m3/sという数字をお示ししてございましたが、いわゆる河床整正後ということの条件のもとでこれまでご説明させていただいておりまして、その河床整正をする前の能力を今回算定いたしまして、3,600m3/sということでお示しをしております。従来から申し上げておりますとおり河床整正後の能力は3,900m3/sということでことでございます。
 それから、中流区間につきましては、現況の家屋、まだ嵩上げ等ができておりません現況の家屋の敷高というものを見て算定いたしますと、3,200m3/sというような数字でございました。ちなみに、この地域では、家屋の嵩上げというのを予定してございまして、それらが終わりましたら4,800m3/sという流下能力になります。
 下流の区間につきましては、萩原堤防のところで深掘れの問題がございますので、6,900m3/s未満というということで前回もご説明をさせていただいております。
 それから、流し得る流量でございますけれども、前回も河道流量というような名称でご説明をさせていただいておりまして、若干重複いたしますけれども、流し得る流量は、上流区間、人吉区間では4,000m3/s、それから、中流区間では5,500m3/s、下流区間では8,000m3/sというふうに考えてございます。
 1枚めくっていただきまして、その根拠となりますデータをお示ししてございます。
 一番右側が上流の人吉区間でございますけれども、堤防がおおむね完成していることから計画高水位で評価してございまして、一番厳しいところでいきまして3,600m3/s、61k800地点で3,600m3/sというようなことでございます。なお、再々ご説明していますが、堆積した砂礫の一部除去等で河床整正等を行いますと3,900m3/sというようなことでございます。
 中流区間につきましては、現況のその嵩上げが未実施、下に写真がございますけれども、何地区かまだ嵩上げが終わっていないところがございまして、ここの家屋の敷高で評価をいたしますと、渡地点では3,200m3/sというふうに評価がされるというようなことでございます。ちなみに、先ほども申しましたが、嵩上げがすべて完了いたしました場合には4,800m3/sという能力になります。
 それから、下流区間でございますけれども、「横石地点において」でございますが、これはちょっと誤植でございまして、これは「萩原地点」でございますけれども、萩原地点において堤防前面の深掘れが進んでおり、堤防の安全性が確保できていないため、これは前回からも申しましたとおり、スライドダウンを行いまして6,900m3/sというような評価になってございます。
 申おくれましたけれども、萩原地点は下流に堰がありまして、湛水区間ともなっておりまして、流量観測等の関係から遙拝堰上流で湛水区間からまたさらに上流の横石地点を基準地点として考えるというようなことにしてございます。
 1枚めくっていただきまして、今ご説明しました流し得る流量の検討のご紹介でございます。
 3ページでございますけれども、人吉区間の流し得る流量でございますけれども、現況の流下能力、先ほど申しました3,600m3/s、河床整正をすると3,900m3/sということでございますが、できるだけ河道で分担するという考え方をして流し得る流量が幾らかということで考えをいたしまして、一番下のところにございます、平水位以上の掘削に加え、軟岩が露出しない範囲での局所的な水中掘削、それから、人吉市街地より下流の家屋に影響しない範囲での局所的な引堤、こういったことを講ずることによりまして、4,000m3/sというようなことで流し得る流量を考えてございます。
 123という横断がございますけれども、例えば、1の59k600付近の図ですけれども、青の斜線で引いておりますところが平水位以上の掘削ということになってございまして、堆積している土砂を除去するというような絵でございます。
 ちなみに、その下に岩盤線というのが入ってございますが、ボーリングデータ等に基づきまして推定した、いわゆる人吉層を含めた岩盤のラインでございます。
 こういうようなことをベースにしまして、流し得る流量を人吉地点で4,000m3/sというふうに考えてございます。
 1枚めくっていただきまして、今申しました4,000m3/sをさらに超えて河床掘削により流し得る流量をふやすことができるかというような検討をした結果でございます。
 右側のほうに3,600m3/s、4,000m3/s、4,500m3/sの河道が示してございますが、ここに青で出てきておりますところが軟岩が露出しておるところございます。それから、そこのところに赤く線が引っ張ってございますけれども、これが堤防と軟岩が接する区間というようなことでございます。堤防と軟岩が接する区間がふえてくるといろいろ問題が出るというようなご指摘が前回も○○委員からございましたけれども、見ていただければ、4,000m3/sの対応河道、真ん中の対応河道ですと、河床砂礫の除去等は行われますけれども、軟岩の露出という観点では、現況河道から大きな変化はございません。それが4,500m3/s河道になりますと、軟岩の露出が非常に大きくなっているというのがおわかりいただけるかというふうに思います。それが左側の上のほうに「河床掘削を実施した場合の断面の変化」ということで示してございますけれども、軟岩の露出の割合が4,000m3/sを超えると大きく比率がふえてくるというようなことがこれでおわかりいただけるのではないかというふうに思います。
 それから、左側の下には、そういうような川の中の工事を仮にやった場合にも非常にここの場合には長期の時間がかかるというようなご紹介でございます。
 結論でございますけれども、4ページの右側の下でございますけれども、4,500m3/sに対応する河道まで掘削すると軟岩の露出する割合が大きくなるというようなことでございまして、今からご紹介するような課題が出てまいりますので、4,000m3/sを超える流量を河床掘削で対応することは困難というふうに結論づけられるというふうに思います。
 その課題でございますけれども、5ページ、6ページでご紹介をいたします。
 5ページでございますけれども、○○委員からも前回ご指摘のありました人吉層の露出が河道の維持管理、または河道の安定性というようなことで言いかえられると思いますけれども、それに及ぼす影響なり懸念が大きいというご指摘でございました。
 この人吉層でございますけれども、左側の上に分布が書かれております。人吉盆地の特に下流側というんでしょうか、そちらのほうに膳弱なシルト岩が主体となっております人吉層が分布してございます。この人吉層につきましては強度が低くて乾湿等の変化にも弱い特性があるというようなことでございます。
 こういう岩につきましては、よくスレーキング試験というのが行われます。スレーキングというのは、こういう軟岩みたいなものが乾燥したり、それから湿潤状態になったりというようなことを繰り返すとばらばらに崩壊してしまうというような現象を起こすことがございます。実際にこういう岩質を対象に、人工的に24時間ずつ乾燥、湿潤を繰り返して細粒化の度合いを確認する試験を行いました。そこの左にスレーキング試験の図がございますけれども、乾湿1回後でも大分傷んでいます。乾湿を5回繰り返し後の残留岩というのは、もうほとんどこんな状態だということで、きょう、そのサンプル、人吉層のサンプルもお持ちしております。指でひっかく、爪でひっかくととれていくような、そういう粘土が少し固結したような、そういうような岩でございますけれども、少し皆さんに見ていただければというふうに思います。
 この岩につきましては、圧縮強度も低いですし、今言いましたようなスレーキングというような現象を起こして大変もろいというようなことがございます。その結果、5ページの右側にございますけれども、河川の維持管理という観点からしますと、そこに流れがあったり、それから砂礫が流れたりすると、やはり弱いところでございますので、澪筋が固定されたり、深掘れが進行して、場合によっては護岸の根本、こういったところがやられて崩壊する可能性があるというようなことが言えます。実際に、○○委員からのご指摘ですと、多摩川だとか、浅川だとか、そういったところでそういう問題が出てきておりまして、例えば橋脚の基礎部、こういったところの根継ぎをしないといけないようなことが起こっているだとか、そういう問題が生じているやに聞いております。
 これは、軟岩といいますか、人吉層の問題ではないんですけれども、球磨川の人吉区間でも、山田川の合流点のたしか下流だったと思いますけれども、かつて下がえぐられて基礎洗掘で護岸が崩壊したというような事例がございます。今は修復されてございますけれども、基礎がやられますとやはりこういうような同じような状態を生じかねないということで、河道の安定上の問題があるのではないかというふうなご指摘だったかというふうに思います。
 5ページの右側の下に62k600の露頭状況というのがございますけれども、こういうふうに露頭しているところございますけれども、そこがどんなふうに変化しているかというところを示したものがその左側の横断図面でございます。昭和57年から平成17年にかけまして河床が実際に下がっているのがわかりますので、やはりこういう河床の安定上の問題がこの人吉層が露頭してしまうと出てくるというようなことが言えるかというふうに思います。
 もう1点が、その人吉層が露出することに伴います河川環境上の問題でございます。これは、○○委員のほうから前回もご指摘がございました点でございます。人吉層、軟岩層が露出してしまいますと、1つは、その魚類の生息環境への影響というのがございます。やはり人吉層が露出するということは、砂礫のところが失われる。砂礫のところはアユの産卵場だとかそういったものになってございますので、そういう人吉にとって大事な場所が改変されてしまうというようなことになります。実際にその流量をふやしていくと、瀬の面積、あるいは産卵場の箇所数がどういうふうに減少していくかというのをその左側の上に示してございますので、これからわかるかと思います。
 それから、河川の生態系への影響ということで、底生動物というものを指標してみますと、河床掘削によりましてこの人吉層が露出すると底生動物相が貧弱になるというふうに想定されます。その根拠でございますけれども、球磨川では、川辺川の合流よりまださらに上流の明廿橋付近で、以前、過去の砂利掘削で、ここはいわゆる軟岩ではなくて火山性の固い岩の露頭でございますけれども、そこにありますような岩盤の露頭、露出状態が現在も生れております。この地区とほかの地区との比較を底生生物でしてみますと、右側にそのグラフを示してございますが、生活型別指数というのがございますが、砂礫の河床と岩河床とを比べますと、砂礫の河床のほうが圧倒的に種類が多いというのがわかります。それから、底生生物につきましては、掘潜型とか、匍匐・携巣型とか、遊泳型だとか、造網・固着型だとか、その生活の場によって分類がされておるようなんですけれども、それらのバランスも特に掘潜型が岩河床ではないだとか、そういうようなことが生じておりまして、場の変化によりまして生物相も変わるというようなことが言えると思います。
 それから、生活型別個体数というのを右側に示してございますが、種類、今先ほど言いました種類別の数が大きくその岩河床の場合には異なっております。
 結果は、その岩河床の場合には、ちょっとここに記載してございませんけれども、フタバカゲロウとクダトビケラとガガンボというそういう底生生物が8割を占めているというようなことで、逆に言いますと、岩河床を生息の場としているその種ばかりいるような、そういう環境に逆になっているということが言えると思いますけれども、本来の川の環境とは異なるそういう生息環境になってしまう懸念があるというふうに考えられます。
 1枚めくっていただきまして、流し得る流量の検討のさらに可能性として、4,000m3/sを超える河床掘削が難しいのであれば、引堤はどうかということで考えたものでございます。前回も引堤案をお示しさせていただきましたけれども、同様に4,500m3/sの際の引堤の法線を示してございますけれども、やはり人吉の中心市街地の大事な部分、約370戸の移転が必要となって社会的な影響も大きいということで、なかなか難しいのではないかというふうに考えてございます。
 それから、次のページでございます。
 次は中流部でございますけれども、中流部の流し得る流量の検討でございます。前回もこの辺につきましては詳しくご説明をいたしましたのでポイントだけお話をさせていただきたいと思います。
 中流部につきましては、計画高水位を上げた場合には、JR肥薩線だとか国道219号の嵩上げ、それから、既に完了しております家屋嵩上げ、これの再嵩上げが生じるというようなこともございますので、中流部全体にわたりまして計画高水位を上げるというのは、やはり適切でないというふうに考えます。上流の洪水調節により人吉区間で4,000m3/sの場合に渡に流れてくる流量5,500m3/sでございますけれども、これを流すことが可能かということで検討をいたしております。
 この検討の結果でございますけれども、下の水位縦断図を見ていただければ、計算水位が計画高水位を上回る区間というふうに表示してございますけれども、そこが2カ所ほど出てございます。これらにつきましては、人吉だとか萩原堤防のように堤防のある区間ではなくて、そこは山になり岩盤であるというようなことでございまして、部分的に水位が計画高水位を上回るところは出てまいりますけれども、土砂の除去だとか、それから樹木の伐採だとか、いろんな手を講ずることによりまして、問題なく流れるような措置は可能というようなことになってございます。
 参考までに、土砂の撤去ということでは、瀬戸石、荒瀬、両ダムの貯水池内につきまして、堆積した土砂を除去するというようなことで、この水位縦断図は作成してございます。
 以上のように、中流部におきましても、先ほどから申していますように、部分的に土砂の除去だとか樹木の伐採を行えば、再嵩上げだとかそういったことなしに5,500m3/sの対応が可能ということでございまして、中流部の流し得る流量は5,500m3/sでよろしかろうというふうに考えてございます。
 次、9ページでございます。
 下流部における流し得る流量でございます。これも前回かなり詳しくご説明させていただきましたけれども、ポイントだけお話しをいたします。
 天井川でございまして、ひとたび氾濫すると低平地に氾濫流が広がるという地形でございますので、計画高水位を上げることは避けるべき、そういうふうに思われます。そんな中で、深掘れ対策というのは緊急にやらなくちゃいけないことというふうにしてございますけれども、深掘れ対策、高水敷造成、堤防の拡幅を行った上で、流心を中央部に寄せるための左岸の高水敷の一部掘削、こういったものを行いますと8,000m3/sの河道断面の確保が可能だというようなことでございます。
 10ページに参ります。
 以上の現況流下能力、それから流し得る流量、これらを踏まえまして、計画高水流量、これについてご説明をさせていただきたいと思います。
 計画高水流量につきましては、先ほども申しましたが、治水計画上、河道に配分する最大流量、これは流し得る流量の範囲内で決めるというようなことでございますけれども、計画高水流量につきましては、上流区間の人吉区間で4,000m3/s、それから、中流区間で5,500m3/s、それから、下流区間、横石地点の評価で7,800m3/sというようなことでご提案をさせていただきたいと思います。
 時間の関係もございますが、若干補足でご説明をいたしますが、11ページに「計画高水流量(案)について」ということで、過去の工事実施基本計画と今回の河川整備基本方針案の比較というのを載せてございます。人吉地点は4,000m3/sは変わらず、それから、横石地点が7,000m3/sから7,800m3/sというようなことになってございます。
 一番下に、「各地点における計画高水流量算定結果」というのがございます。何度も基本方針のときにもご議論がありましたけれども、雨の降り方、例えば上流で多いだとか下流で多い、それから、ピークが立った雨、あるいはだらだらと長く継続している雨、いろんな雨のパターンがありますので、いろんなケースを想定して、実際に安全度に応じた雨を降らしまして流量を計算すると、そういった中で一番危険な最大の値を用いまして計画高水流量として設定するというようなことで、ここにバックデータをお示しをいたしてございます。
 1枚めくっていただきまして、12ページでございますけれども、今の申しました計画高水流量を水面計であらわしますとこういうようなことになってございます。
 13ページに参りまして、2点だけ補足でございますけれども、人吉地点の計画高水流量は変わってないんですけれども、下流、中流については数字的にふえているので、何か追加的な対応が必要なのかというようなことで、○○委員からも前回ご指摘がございましたので説明資料を準備させていただきました。
 下流につきましては、現在の萩原堤防でございますけれども、スライドダウンをしないといけないような、そういうやせた堤防でございまして、深掘れもございまして、現況の流下能力は6,900m3/s未満ということでございますが、堤防整備、いわゆる深掘れ対策、それから堤防を所定の厚さに拡幅する、そういった堤防整備が完成いたしますと流し得る流量はおおむね8,000m3/sになります。
 ただし、一番下の横断図で見ていただければと思いますけれども、萩原堤防のところは湾曲してございまして、水衝部に当たりますので、なるべく流心を中央に寄せるというような観点から、高水敷の造成だとか、それから、高水敷の左岸側のほうの一部を掘削しまして、流心をなるべく中央部に寄せて安全度を高めるというようなことは実施するというふうに考えてございます。
 それから、中流部におきます流量増に伴う影響でございますけれども、先ほどもご説明をいたしましたけれども、樹木の伐採だとか部分的な堆積土砂の除去、こういったものはございますけれども、例えば、再嵩上げが生ずるだとか、新たな影響が出てくるというようなことはございません。
 以上、また資料は10ページに戻っていただきますけれども、以上のようなご説明の中から、球磨川におけます計画高水流量につきましては、上流区間の人吉区間では4,000m3/s、それから、中流区間の渡地点で5,500m3/s、下流区間の横石区間で7,800m3/sとさせていただく事務局案を提示してご説明とさせていただきます。
 以上でございます。
(委員長)   ありがとうございました。
 それでは、前回のご質問をされた委員に対する回答が出ておりますので、その関係委員についてのご意見を伺いたいと思いますが、まず、資料2の1ページは、私からのただし書き操作についての質問でございました。了解いたしましたが、ただし書き操作が3回あったのか、2回あったのか、ちょっと歯切れが悪かったので。
(事務局)  ちょっと私が最初間違えて申し上げまして、3回が正しいということでございます。
(委員長)   そうすると、ここには、46年と57年がありますね。あと1回は。
(事務局)  あと1回は、平成7年にやりました。
(委員長)   わかりました。
(事務局)  ことしも同じ傾向でございます。
(委員長)   それで、ちょっと私も今まで思い込みがあったんですけれども、昭和40年の出水では、大変水害被害者の方から毎度反対意見が寄せられておりますので、ただし書き操作でダムがギブアップしていたのかと思いこんでいましたが、これを見ると市房ダムのほうは計画どおりというか、ゆとりがあって、結局は、川辺川流域の出水が大部分であの大洪水になったというふうに理解しましたが、それでよろしいんでしょうか。
(事務局)  1ページの右側の下の図にございます。これも前回もちょっとご紹介をいたしましたけれども、委員長ご指摘のとおり、雨の降り方が、球磨川本川に比べまして川辺川のほうが多かったということもありますし、川辺川筋からの流出が多かったというようなことでございます。
 それから、一番上の図でご紹介をしましたけれども、洪水調節容量の範囲内で操作をしておりまして、ただし書き操作には至っていないということでございます。
(委員長)   わかりました。そうすると、結局住民への説明が不足しておると、説明責任が欠けているんじゃないかという証拠にはなりますね。
 それから、1、2はそうでしたが、3ページ。3ページは、これは私の質問でありましたけれども、ダムの構造上、市房ダムの構造上、事前に水を放流して洪水調節容量を増量しておいて、ダムへ洪水が来たときに洪水調節をするというのは極めて限界があるという説明でしたね。
(事務局)  そのとおりでございます。やはり台風の進路だとか雨の正確な予測というのもなかなか難しいですし、先ほど申しましたように、構造上の問題がありまして、ある水位より低くなりますと、その予備放流の効果みたいなものが出にくい構造にも市房ダムの場合はなってございますので、より確実なものとする場合には放流施設の改良も伴うということで、現時点では非常に難しいというようなことでございます。
(委員長)   それから、この利水者の協力が必要だというところが、熊本県企業局と土地改良区とありますね。企業局の場合は、お金を払って容量をあけさせてくださいということが可能なのか。これは、比較的県庁内の話でできるかなという一縷の望みでありますが、土地改良区の場合は、これは季節によって、例えば田植え期だったら絶対だめというようなことになるんでしょうね。これは頭の勉強でしたから、結論ということではないですが、難しい問題があるということを理解いたしました。
 それから、4ページは、これも私からの質問でございますが、ともすれば計画高水位まで流せばいいんだというので、右の堤防の写真を見ても計画高水位まで護岸をしていてその上をあけていますね。会計検査とか何かに厳しいものだから、それ以上は破堤してもいいのではないかという考えが現場の担当者にあるのではないか。説明は抜けていましたけれども、それが実はお聞きしたかったのです。どんな場合でもやっぱり破堤するのは悔しいんじゃないかと思います。念のためお聞きした次第であります。
 それから、5ページは、萩原地区の深掘れ対策で、これは○○委員ですけれども、後ほどまとめてお聞きいたしましょうか。それでは後へ回します。
 6ページの左側も同様ですね。
 それから、6ページ右側の前川への分派の状況についてですが、○○委員ですね。
(委員)  それでは、説明は理解いたしました。ただ、これで4対3程度で、実績で流れているということなんですが、いま一つやはり確認しておかなきゃならないのは、資料3の萩原地区の堤防をどういう方法で強化するのか。すなわち資料3の12ページの図によると、まず、深掘れを埋める部分と、それから堤防拡幅部分の高水敷の造成、これをやるということで、これは大体、図から判断すると50mぐらい近く前出しをするわけです。そういうことで計画規模の出水のときにも大体その割合ぐらいになるということを確認していただければよろしいと思います。
(委員長)   わかりました。
 次に、資料2の7ページでございますが、私からは、中川原公園を除去したらもっと洪水は流れるのではないかという趣旨でしたが、ただいまの計算結果を見ますと、もうちょっと下流の人吉橋付近に狭いところがあってあまり効果がないという説明だったと理解いたしました。
 それから、○○委員からは、これについてありましたのでお願いします。
(委員)  資料によると、中河原公園を少し削ってもそうそれほど流速には影響ないという結果です。右岸と左岸について堤防の際の流速を計算していますから、右岸際でも4m/sぐらいで、左岸で3m/sですね。ですから、中央部分では、おそらくもう少し下がるということになるでしょう。そういう点では、今、委員長が言われたように、中川原区間よりも少しや下流や上流に狭いところがあって、この中川原公園区間では、洪水にとっては流下断面があるということなんだろうと、この結果から判断できます。
 ただし、後で出てきますように、やはり中川原公園があることによって流れが偏流するわけですよね。特に堤防の右岸側に対して水深平均流速が4m/s程度出ているわけですから、相当な流速が出ていると考えるべきです。ということは、この右岸堤防際の川底の洗掘に対してどういうインパクトを与えるのかは、この地区の安全上極めて重要なことなので、資料2の7ページに緑で書いてあるように、「今後の河道整備にあたっては、堤脚部の洗掘対策等を十分検討し、かつ河床変動についてモニタリングを実施していくことが必要」ということで、洪水に対する影響を照査し、継続的にモニタリングを実施していくことを確実に実行していくということで了解いたしました。
 以上です。
(委員長)   それでは、その次は8ページですが、私の要望で了解しましたが、この絵を見ると、橋の真ん中で浮子を流して1カ所だけはかっているように見えますけれども。これは、もうちょっと丁寧にやっているのだと思います。漫画ですからこうなっているのだと思います。川べり、川の真ん中、左岸寄り、右岸寄り、浮子も表面、水深の深いところ、いろいろ調べた上でやっているのだと思いますが、できればもうちょっと丁寧に説明していただきたいと思います。
 それから、資料3の2ページの現況流下能力の点は、これは○○委員でしたけれども、また後ほどお伺いすることにいたしましょうか。
 それから、資料の5ページは、これは○○委員でした。
(委員)  きょう会場に来て気付いたのですが、小委員会に寄せられた意見等の中に、私の名前を上げて理由を説明せよというのがあります。それは、2006年10月13日付のもので、配布されている資料集の52の1ページ目、2ページ目にあります。その内容は、河床掘削と軟岩の露出の関係、そして軟岩の存在と堤防の安全性についての質問です。関係しますので説明をさせていただいてよろしいでしょうか。
(委員長)   どうぞ。
(委員)  まず、河床掘削と軟岩の露出の関係についてです。望ましいのは、現在ある河床材料がちゃんと維持されていることだと。すなわち、健全な球磨川というのは、河床に十分な砂礫があって、それが上流から供給され下流にも動いていく状態です。1洪水で砂礫がそんな長距離にわたって動くことはありませんけれども、何回かの洪水を経ながら徐々に下流に移動していくことが大変重要なわけです。流下能力を上げるために川底を掘るということ、それがどういうことを引き起こすのかということとの関係を述べる必要があります。
 まず、軟岩の露出がどうして起こるのかという件です。軟岩が露出をしているところは、まだ大規模ではありません。ですからまあまあ健全なんです。この区間には、もともと軟岩が砂礫の下にある。水が集中するところ、例えば、湾曲部の外岸側で集中するところ、あるいは中川原公園の左岸堤防際のような水が偏流するところ、そういったところの河床は掘れて軟岩まで洗掘深が届いている。ふだんはそこのところに石で埋まっているけれども、洪水になるとそれが流出して、洗掘部が広がることになるわけです。
 なぜそういうことになるのかというと、1つには、現在ではほぼ中止している砂利採取によって過去に河床低下が起こったと。ダムが河床低下を起こしたせいであると質問書には書いてあるんですが、ダムは関係ないとは言いませんけれども、河床低下の主要な原因は砂利採取であるといえます。今は砂利採取をほとんどやっていませんが、私は今後も砂利採取をやめるべきだと思います。軟岩が下にあって、それがなぜ出るところが出たのかというのは、大洪水であれば1洪水で、砂州の高さ分ぐらいの砂礫の厚さが少しずつ移動します。そのときに局所的な深掘れが生じ、そこでは軟岩のところまで掘れていくことになる。もしもそこの砂礫部分をさらに取り去ってしまったらその軟岩部分が出てきますから、軟岩の上にはある厚さの砂礫層がないと、洪水中に砂礫はとまらずに移動してしまうことになる。ですから、軟岩の上の砂利層が薄くなっちゃうと、もうそれは流水の力に耐えられないということです。だから、ある大きさ砂礫がある厚さをもって軟岩上に存在するということが、河床の安定にとって大事なんですが、そのある大きさのある厚さという部分をはいでしまったら、もうこれは上流から土砂が来ても、そこにはずっととどまっていることはできなくなるのが通常です。
 前回の委員会で私が、多摩川の軟岩の例を出しました。多摩川、浅川で、軟岩を出してしまったために、今、河道の安全性の維持に大変苦労しています。何とかして砂礫を河床に戻そうとして、別のところから礫を持ってきて河床に置いても、やっぱりそこには止まりません。それは砂利をとったために深掘れが起こったのですが、堤防際の深掘れ部分が堤防の安全性を崩さないためにいろいろな苦労をして維持管理をやっているということを前回お話ししました。多摩川の軟岩は上流部や、川辺川と球磨川の合流点より上にあって、下にはほとんど見られないと質問書には書いてあるんですが、そういうことはありません。きょうの資料にありましたように、軟岩はこの合流点より下流にもあります。この軟岩が露出したときには、大きな問題を引き起こすということを申し上げました。ですから、できるだけ河床を掘らない、現在の川の砂礫をできるだけそのままあるような河床にすることが大事で、河床掘削は最小限にするべきである。
 もうひとつの質問は、現在の堤防の前面が洗掘を受けているということで、そんなところに堤防をつくるのかという趣旨の質問なんですが、それは堤防が必要だからつくっているのであって、要は、その堤防の前面が洗掘を受け、危険にさらされないようにするということが大事なのです。洗掘をひとたび起こしてしまったら、そこのところからどんどんどんどん上下流に洗掘箇所が広がっていくということです。
 何度も申し上げましたように、鬼怒川では、軟岩が出ちゃったために深掘れができ、そこに水が落ち込む。軟岩上では流速が上がるために、まるで滝が上に上に移動していくように軟岩が洗掘を受けていく。それをとめるのは、極めて大がかりな土木工事をやってとめているということです。将来の河道の維持管理を考えたらそういうことを起こさないことが大事なんだということを私は申し上げたわけです。
 それで、ご質問に対しては答えさせていただいたと思います。事務局が軟岩の強度テストを行った結果が、資料3の5ページで出されました。このように乾湿を繰り返す、すなわち水深が減り、一部の軟岩河床が水面に出て、乾湿を繰り返すことによって軟岩がもろくなっていく。現在、現地の軟岩が回っていますが、ちょっと爪でひっかいただけでもとれてくるような軟岩ですから、やはりこれは浸食を受けやすく、大変注意しなきゃいけない河床材料だろうと思います。砂礫層があることによってこれを守っているわけですよね。護岸の先、堤体の先の洗掘を抑えているわけです。これがはぎ取られますと5ページの右の図のようになって、そしてここは乾湿を繰り返す。さらにそういう深くなったところに洪水を集め、どんどん局所深掘れが大きくなっていく、深掘れをするということで、その深掘れが縦断的につながったときに、維持管理も大変だし、もっと怖いのは、この川の安全性をどうやって確保するのかということだろうと私は思って申し上げました。
 以上です。
(委員長)   私にも意見を求められておりましたので、同様ということにしたいと思います。
 それでは、6ページもこれは○○委員ですけれども、後ほどまとめてお願いします。
 では、前回ご質問のあった事項については、それぞれの委員からお話をお聞きしましたので、事務局のこれまでの説明について皆様からご意見を承りたいと思います。
 まず、河川工学の立場から○○委員、お願いします。
(委員)  きょう、資料等でご説明いただいた内容で、この人吉地点、あるいは人吉区間での計画高水流量は4,000m3/sということにつきましては、河床掘削の可能性とか河道の維持管理、環境への影響、引堤の可能性等を見せていただき、また説明をいただいた形からいたしますと、4,000m3/sが限界かなというふうに思うところでございます。
 それにあわせて、この4,000m3/sをさらにアップするということの内容におきましては、特にこの掘削の施工年数とか年間の施工延長距離、そういった形の期間の長さ。もちろんこれは投資力を投入すればこういったものは短くなるのかもわかりませんけれども、その発現効果の長さ等を考えますと、それをさらに河床掘削等でアップしてということについては、かなり現実的ではない形としてとらえる必要があるというふうに感じた次第です。
 ただ、基本高水、この7,000m3/sというのを前提にこの河道への配分と洪水調節施設との検討、組み合わせ等を考えたときに、追ってまた後者の問題についてのご説明等をいただけるやに思っておりますので、そういった形で、このアップ、ダウンによって洪水調節施設によるこれへの関与も出てこようかというふうに思っておりますので、そのような形で意見を申し述べさせていただきたいと思います。
 以上です。
(委員長)   それでは、○○委員。
(委員)  2点お教えいただきたいんですが、1つは、流し得る流量とその継続時間について、その堤防の安全性の面からお教えをいただきたいと思います。
 現在の堤防の計画は、流し得る流量に相当しますある設定水位でかなり長時間続いても破堤しないという設計コンセプトかと思います。計画上、きょうもありましたけれども、スライドダウンしなければならない堤防の場合には、浸透による破壊が可能性が高いというふうに思われますが、時間を限りますと、ある設定の水位で数時間もつという可能性もあるのではないかというふうに思います。つまり、流下能力がある安全率のもとで保証されているということになるように思えるんですけれども。もしこのような条件が真であるとするならば、計画上スライドダウンしなければならないものも、安全率を考えますとスライドダウンしなくてもある意味ではある程度もつという、つまり、ある流下能力があるというふうなことも考えられるように思います。このような視点からその堤防の安全率をその流下能力とその継続時間の点からお教えをいただけたらと思います。
 今、構造令のほうをちょっと目を通させていただきますと、天端幅は、堤内地、堤外地の水位差で決まっていませんで、流量で決まっている。それは、浸透ですと水位を考えないといけませんので、多分その浸食のほうによる破壊が主になっているのではないかというふうに思います。また、その堤体の勾配も50%以下という定めしかありませんし、その堤体の透水係数の切れの締め固めも構造令では明確になっていないように思えるんですが、その点をちょっとお教えをいただけたらと思います。
 それから、第2点は、非常に細かい話で恐縮なんですが、資料の3の9ページの、下流部における流し得る流量のこの右側の図と写真の照合をしていましたら、左岸側が深く、高水敷の下が深くなっていて、右岸側が浅くなっていて、その下側の写真とちょっとイメージが違うように思うんですけれども、この点をお教えいただけたらと思います。
 以上です。
(委員長)   これは、事務局からお願いいたします。
(事務局)  まず、1点目の堤防の安全論というんでしょうか、につきましてですけれども、ご承知のとおり堤防自体は、過去から歴史的に嵩上げを地域の方々だとかいろいろな方々がやってきたり、その後、河川管理者がやってきたり、いろいろな形で現在の形状になっているというようなことでございまして、堤防の中のその土質だとかそういったものが正確に把握できているというようなことには残念ながらなっていないところでございます。そういう、何ていうんですかね、横断的な土質の性状、あるいは縦断的な土質の性状が十分把握できていない中で堤防の設計論というのを考えていく中で、これまでとってきたやり方が堤防の定規断面とかよく言っておりますけれども、断面形状を規定して、これなら大丈夫だろうというようなやり方で考えてきているというようなことであります。
 これは、過去の経緯がそうなんですけれども、ご指摘のとおり、本来浸透だとか、継続時間だとか、そういったものをとってより精緻にそういったところの設計ができるのであればより望ましいことではあるというふうには思いますけれども、先ほど申しましたような現状の中で、直ちにすべての堤防でそういう設計論を取り入れていくのは、今の段階では難しいというふうに考えております。
 そうは言いつつそういうことではいかんということで、全国的に今堤防の安全性の再点検を始めたところでございまして、そういうデータに基づきまして、今後、堤防自体の安全性の評価の仕方みたいなものは、今後、もっとしっかり検討をしていかなくてはいけないというようなふうに考えてございますけれども、現時点では、先ほど言いました堤防のその断面形状をもって評価せざるを得ないというようなことで構造令自体も組み立てられてございますし、そういう方法でやらざるを得ない現状かというふうに認識してございます。
 2点目の件でございますけれども、ご指摘のところ、ちょっと今事務局で検討しておりましたが、詳しいところをもう一度ご説明していただければありがたいというふうに思いますけれども。
(委員)  下の写真でいきますと、左岸のほうが浅いはずなのになぜ深くなっているのか、右岸のほうが掘れるはずなのに、土砂輸送の関係でそうなっているのか。
(委員長)   これは、やっぱり左岸のほうに高水敷、広いのがあって、そこからがくっと下がってますね。それから、右岸はすぐ足元からこう掘れてますから、やっぱりこの図でいいのでしょう。何で真ん中がこんなに掘れたのかという疑問があります。おそらく流量が少ないときに分流したんでしょうかね。と思います。
(委員)  ありがとうございます。
(委員長)   堤防については、私もドクターを取っていますので、機会があれば持論を述べたいと思います。
(委員)  よろしくお願いします。
(委員長)   それでは、○○委員のほうからご意見がありましたらお願いします。
(委員)  前回、欠席しまして大変申しわけございませんでした。その間に、中川原を取り外すとかいろいろ議論があったようでございまして、きょう来てびっくりしたわけですけれども。
 特に今の事務局のご説明に対しては質問はないわけですけれども、例えば、資料3の5ページでございますけれども、この右側に山田川が合流点で堤防が崩れた写真が載っていますけれども、私もこのときはもう○○をやっていまして、ずっとこの出水の様子からまだ記憶に新しいわけです。そのときの印象としまして、この右側の、ちょっと橋がかかっていますけれども、これが山田川でございまして、球磨川が増水して山田川からの水が球磨川のほうに流れでないと、こういう状況でございまして、いわゆるバックウォーターというんですかね。この山田川の橋の上流辺が非常に水につかったというふうな印象でございまして、明くる日にこの堤防がこのようなことになっているので、ほんとうに驚いたわけでございます。これは、結局、先ほど委員長も堤防のことをおっしゃいましたけれども、この水が浸透して、長い間の水が滞留したものですから、どこかしらから水が入っていってこのような形になっていったのかなというふうに感じました。
 特にこの破壊されているその堤防の横線に白く塗っていますけれども、これは何で白いのかということはよくわかりませんけれども、これは、いわゆるこの堤防の上にパラペットというものをつくってもらったんですね。この堤防の高さというのは基本計画にのっとっての高さだと思うんですけれども、それで波を防ごうということで、ご承知のとおりパラペットというのは、日本語に訳しますと欄干とか、手すりとか、そういう程度のものでございまして、実際に大きな水がここまで達した際に果たしてもつかどうかということは非常に心配しています。
 さらに、これも相当年月がたっていまして、私がこのパラペットがずうっと上流にも下流にもつくられていますけれども、そこを毎朝ウォーキングするんですけれども、ここには亀裂が入っていたり、そういうふうなことで、非常に危険を感じている次第でございます。
 要するに、計画高水流量というのは、どういうものが適切かどうかはよくわかりませんが、私どもとしてのほんとうの願いというのは、水位を下げてもらうということによって災害あるいはこのような堤防の決壊が防げるのではなかろうかということになって、球磨川の流量を調整することによって、上流の洪水施設によって球磨川の水位を下げてもらうというのが私どもの一番大きな願いでございます。
 以上です。
(委員長)   それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  これまで2回欠席しておりますので、ただ、これまでの経緯は私なりにはフォローさせていただいておりますが、計画高水流量の議論になっているわけですので、必然的に配分の問題がある。要するに、貯留するか、河道でもたせるかという議論になっているわけです。そこで、2点、きょうのお話を伺って、それから、住民の方からのいろいろなご質問等の中の1つの論調について私なりの考えを申し述べたいと思います。
 まず第1点目は、計画論という、計画というものの本質的なものですが、計画というのは、ある外力を想定してそれに対応する施設をつくるというものになっているわけですが、ですから、計画上でき上がったら、それは万能であるというわけではないわけです。その外力に対してある力を持ったものを私どもはつくるということになるわけで、万能なものをつくろうとすると、この国家予算を相当に突っ込んでしなくてはいけない。ですから、そこのバランスというものがございます。国の均衡ある発展を考えながらどのレベルにもっていくかということが計画であるということで、いろんなご意見をいただいておりますが、何かができればもう大丈夫ということはあり得ません。常にこの国は災害と顔を突き合わせて私どもは生活しているということで、その中で合理的な計画は何であるかということを議論しているということを再確認させていただきたいと思います。
 それから、2つ目は、この、まさにきょうのご議論で計画高水流量のことでございますが、河道でもたせるか、貯留施設というふうに配分するということが最終的に決めなくてはいけないことになるわけですね。この基本方針の中では、その計画高水流量を決定すればいいわけですが、ということは、必然的に残りを貯留しないといけないということになるわけです。そのときに、基本はやはり河道でもたせるということだろうと思います。ただし、○○委員から先ほどご説明がありましたように、河道の望ましい姿でもたせるということがまず第一であると思います。これは、自然条件を十分考慮して、望ましい河川としての姿でその限りにおいてもたせるということだと思います。
 それから、もう一つは、川というのは自然に流れているものだけではなくて、非常に長い年月、人とのかかわり合いの中でその河道が形成されています。ですから、人吉の洪水、計画高水流量を上げるということは、もしも何らか人吉市の人々が、いや、引堤にみずから応じましょうと、自分から引っ越していきますというふうな都市計画を地方主導で何かされたとしたら、それは可能性として現段階でないわけではないと思いますが、ということは、何に次ははね返ってくるかというと、その下流部、中下流部にそれが影響を及ぼします。
 というように、河川というのは、上流から下流まで、長い歴史の中でそこに人は川とかかわり合いながら生活してきたその過程でできた社会基盤というものを無視しては、やっぱり河道をいろいろ変更するということは難しいと思います。この場合、仮に人吉で流量をふやしたとしたら、中流部に非常に大きな変更を求めることになると思います。いろいろな社会基盤の変更を迫られることになると思います。そうしますと、先ほど申しましたが、2点目、その河道に関することでございますが、自然の条件、それから人間とのかかわりで出てきた現河道というものについて考えるならば、きょう、事務局のほうからご提示のあった流量というものは、私はリーズナブルなものであるというふうに考えます。
 以上です。
(委員長)   それでは、○○委員、お願いします。
(委員)  二、三ちょっとお聞きしたいことがございます。まず、資料3の10ページなんですが、右側の一番下に、横石地点の基本高水のピーク流量9,900、それから、計画高水が7,800というふうにあるわけですけれども、その下の説明に、「上流での洪水調節の結果が「流し得る流量」以下であることから洪水調節後流量を設定」ということを書いてあるんですね。ちょっとよくわからないんですが、この意味が。
 これだと、別に7,800でも7,900でもぎりぎり8,000でもまあいいのかなという気がするんですけれども、7,800というふうに決められたというか、これでしたいというか、その理由がもう少しよくわかりませんので教えていただきたいというのが1点でございます。
 次のページ、11ページでございますが、1/80、それから1/100の雨に引き延ばした、ここを与えられたと思うんですが、例えば、平成18年7月の結果が一番右のコラムにあります。ここで、横石、1/100で7,796m3/sというのがここに出ておるわけですけれども、おそらく私の理解不足だと思うんですけれども、これを教えてほしいのは、バーでずうっと数値が入ってないのは何年かございます。横石だけの流量があるのが何件かございますが、ここの理由をちょっと教えてほしいということと、これは計画でございますので、どこかで3,000m3/sをカットしていると思うんですが、その3,000m3/sのカットの仕方をちょっと教えてほしいんです。例えば、どこの地点で3,000m3/sを切ってその流量を下流に与えて下流の流量を計算されているのか、とりあえず基本高水みたいな格好で流して3,000m3/sを各ポイントで引かれているのかどうか、いろいろあろうかと思いますが、そのあたりをちょっと教えていただきたいのが2点目でございます。
 それから、資料2にちょっと移りたいんですが、資料2の6ページ、観測流量というのがございます。これは、1m3/sの精度で出ておるわけでございますが、どのようにしてこのような1m3/sの精度まで角度を持って書かれているのか。機械的に何かこういうふうにされているのか、そのあたりをちょっと教えていただきたいということと、それから、粗度のことについてちょっと教えていただきたいんですが、例えば、7ページの「流速ベクトル比較図」がございます。こういった平面二次元の計算では、低水路、特に高水敷があるところですね、いろいろ粗度の与え方が、一定の粗度を与えておられるのか、あるいは何らかの粗度係数を与えておられるのか。高水敷、低水路等でどうなのかということと、右上の図で、「中川原公園を除去した場合のシミュレーション結果」というのがございますが、これは、平面二次元の中での結果なのか、準二次元の結果なのか、それを教えてください。その場合、平面二次元のときに使われた粗度の値と、準二次元でその粗度をどのように取り扱われたのかという、これは7ページ、8ページ、ここを絡めてちょっと教えていただきたいんです。
 特に平面二次元でやりますと、実際には河床波とか、あるいは河床材料の大きさとか流形、そういったものが抵抗の要素、粗度の要素になるわけです。8ページの「流れに対する抵抗(粗度)の設定」のところで、そういった河床材料あるいは河床形態との関係で粗度を考慮されているのか、されていないのかというのがちょっとよくわかりませんので、その辺もちょっとあわせて教えていただきたいということ。
 最後に、これは参考のためにお聞きしたいんですけれども、熊本県の住民討論集会で計画高水についてもいろいろ議論をされたと思うんですけれども、その際に、どういった治水方式といいましょうか、洪水調節方式があるのかとか、先ほど、小池委員がいろいろな貯留とか、あるいは川で持つとかいうふうなことをおっしゃいましたけれども、そういったことで、もう少し具体的な何か洪水調節施設とか洪水調節の方法とかについて議論がもしされたということでありましたら、ちょっと今後の議論とも関係しますので、参考にさせていただきたいと思いますので、情報の提供をいただけたらというふうに思います。
 以上です。
(委員長)   これは事務局から答弁をお願いします。
(事務局)  まず、中川原公園のシミュレーションのところの話を先に説明させていただきます。
 水縦断の話と、それから流速のベクトルの比較図、いずれも平面二次元でこれらの算定を行ってございます。
 それから、粗度につきましては、8ページのところでもご説明いたしましたけれども、ある一定の区間で検証をして粗度を設定しているというようなご説明をいたしましたけれども、あの区間全体、ある一定の区間全体として1本で設定をさせていただいてございます。委員ご指摘のように、箇所箇所で河床材料だとかいろいろなものの影響というのは出てくるというふうに思いますけれども、そういったものが局所的にあらわれるようなケースというのは、こういった場合、なかなか想定しづらくて、ある程度包含されてしまうということもございまして、ちょっと荒っぽい言い方になってしまうかもしれませんけれども、そういう区間で設定した実測値等を見て、痕跡水位等を見て設定した粗度を使わせていただいたというようなことでございます。
 それから、最初のほうのご質問に戻りまして、7,800m3/sのところで、「上流での洪水調節の結果が「流し得る流量」以下であることから洪水調節後流量を設定」と、ちょっと十分私もここのところの説明をはしょってしまった関係で、委員、おわかりにくかった点があったかと思います。そこはおわび申し上げたいと思います。
 人吉地点等で4,000m3/sというのを、基本高水と計画高水流量の関係で設定するためには、洪水調節施設を想定してやることになります。そのときのある想定の洪水調節方式というのがございまして、それに基づいて計算をすると、人吉市の基本高水のピーク流量に対して計画高水が4,000m3/sになります。同様に、渡地点につきましても、同じ洪水調節方式を使いまして計算をすると1,500m3/s。それから、横石につきましては、100分の1の基本高水9,900m3/sに対しまして同じような調節方式を想定いたしまして計算をすると、ここでは7,800m3/sだったというようなことで、流し得る流量は8,000m3/sなんですけれども、そこまで調整ができるということで低いほうの7,800m3/sのほうを採用させていただいたというようなことでございます。
(委員)  11ページの7,796という計算値に基づいているということですね。
(事務局)  はい、そういうことです。
(委員)  わかりました。
(委員長)   5番目の質問は、大変短時間なんですけれども、毎度毎度いろいろな意見書が届いておりまして、その中にもご提案がありますので、目を触れていただけばいいと思います。
 それでは、○○委員、お願いします。
(委員)  まず1点目、資料2の最後のページの、「ダム反対側の流下能力算定根拠」と書いてあるところです。現在、河道の流下能力4,300m3/sを設定したときは、2区間で計画高水位をオーバーして流れています。計画として用いる流量は、計画高水位以下で流れるということが重要であって、こういうように計画高水位をオーバーしたら4,300m3/s流れますというのは、考え方が基本的に間違っていると私は思います。
 2点目ですが、先ほど私にいただいた質問に対して答えたことに関連するんですが、資料3の4ページです。4ページの軟岩が出てくるというところの図であります。流し得る流量の検討とともに河床掘削の可能性の検討についてです。この図では、4,000m3/s対応河道では、この軟岩の出てくる量は現状とそれほど変わってないというご説明がありました。これについては、私は納得できません、今までいろいろなところで見てきて分かったことは、1回軟岩が出てしまうと、ここで示したような軟岩がここまで出ますよという静的な検討結果と、実際に洪水が流れたときに実は川底は下がり、もっと厳しい状況があらわれてるのとは違っているということです。これは、4,500m3/sを流したときにその深さまできれいに切るとこれだけ出ますというんですが、これで決して軟岩の露出箇所は済まないだろうということです。
 以前の砂利の採取によって、同様な軟岩洗掘が起こったところがありまして、こういう簡単な説明ではうまくいかないんだということを強く認識しておく必要があります。とりわけ、人吉地区の軟岩は、私がこれまでかかわったものよりもっと軟らかいものです。スレーキングテストの結果では、乾湿を繰り返せば水っぽくなってしまって、そして最後に細かいものになっちゃうという話と、一軸圧縮強度、軟岩の平均的な強さをあらわすときに使うんだろうと思うんですが、密度と一軸圧縮強度の関係から見てもこれは非常に弱いということ。ほかにも、私は土丹というものを幾つか経験しているんですが、これは非常に弱いグループに属しているんだということなので、この問題はしっかりと理解してもらう必要があると思っています。
 その意味で、4,000m3/sを計画河道で流すという提案ですが、4,000m3/sを流したときに、しっかりと維持管理できていくのかということに、むしろ心配があると私は思います。しかし、先ほど○○委員が言われていましたような考え方が当然だと思います。その中で、人吉区間だけが悠々と余裕をもって流れるような河道をつくるというのは、球磨川では考えられません。そのような背景を考えますと計画河道として計画高水流量4,000m3/sを選ぶのは、ぎりぎりの選択であると私は思っております。
 以上です。
(委員長)   ○○委員、お願いします。
(委員)  今回の補足資料のただし書き操作の件と、それから、計画高水流量の件についてコメントしたいと思います。
ただし書き操作というのをこんなにちゃんと僕は説明を受けたのは初めてです。この要点は、少なくとも最大洪水より大きいものは流してないし、市房ダムへの洪水ピークを調節して人吉基準点の洪水を下げていることです。委員長はさっきギブアップというような言葉を使われました、それからパンクという言葉もよく言うんだけれども、流入量をそのまま流すような場合もこれはあり得るわけですね、二山洪水や三山洪水なんかが来たら。しかし、少なくともここでは、洪水調節はやっているんだということが確認されているというのは非常に重要な点だと思います。
 言いたいのは、このダムだけではなくて、しばしばダム放流が水害を激化させたという言い方がされ、この球磨川でも過去にそう言われたわけですけれども、極端な場合、ピークを流す可能性はあるということはあっても、やはり多くの場合、実績としては、最大洪水はカットして調節して流しているというのは、やはりこういう例でいつも確認していく必要があります。用語としてダム放流という言葉が誤解を与えるというのはこの委員会でも出たことがありますけれども、まさにダム調整後流量として機能しているというのがはっきりあらわれた例だと思いますので、これは、その点は十分確認しておく必要があると思います。
 それから、計画高水流量の検討ですが、確かに、基本方針では、貯留施設について特定しないというのがこの委員会の原則です。それだから、まず河道で流せる基本高水流量を決めて、それでその差は貯留でやるんだよという説明をしているんだと思うんですが、やはりこの球磨川の場合には、特定しないといって現実的には特定されているというふうに考えざるを得ないと思います。
 やはり河道で流す流量を決めて貯留を考えるんですが、実際には、やっぱり貯留できるところがほんとうにあるのかどうかということだとか、その容量との兼ね合いでやっぱり河道流量は考えています。だから、やはりその貯留施設を特定しないというのが基本方針の方針だというんだけれども、名前は出さないにしても、少なくとも皆さんご存じのとおりの特定されたもの、現在ある程度進行中のものがあって、それは、とにかくその効果が非常にあるというのが暗に一方であってこの河道流量も検討されている。私も、人吉の河道流量4,000m3/sは、先ほど○○委員とか○○委員がおっしゃったことは全くそのとおりで適切だと思います。ただ、それだからもう差額は全部上へ持っていくというのでは、球磨川の場合には説明不足ではないか。先ほどの○○委員の説明に奇しくも貯留施設の話をされて、それだから横石地点で7,800m3/sになったということです。言いたいことは、資料1で計画高水流量の検討、次にすぐ環境とか河川利用へ行くんですが、やはり何らかの形で貯留施設の効果の議論をしないと、貯留施設も環境と深い関わりがあるので、次の議論に進みにくいのではないか。計画高水流量を対象にして、河道の安定性とか川らしさ、あるいは環境への影響というだけのチェックポイントでいいのかなと。また、それは次の整備計画でやるのかわかりませんけれども、やっぱりコストというのは大きな問題で、大規模な河道掘削をやるのと貯留施設とのコスト面での比較などをやはり議論しないと、この球磨川ではなかなか河道の計画高水流量の理解もできないではないかというのが私の感想です。その辺をどこまで検討できるかについては、この委員会の役割に関わる問題ですが、ぜひご検討をいただきたいと思います。
 以上です。
(委員長)   それでは、河川工学以外で○○委員、お願いいたします。
(委員)  前回欠席しておりましたが、本日の資料3のご説明の基本的な内容については理解がよくできましたので、ストーリーとしては適切ではないかなと思います。
 それで、次回の検討内容と少し関係がありそうなのでちょっとお話ししますと、ちょうど○○さんからもちょっとご指摘がありましたが、中川原公園の撤去が意味があるのかどうかという検討をされていましたが、もう少しこういう流量等の検討のみならず、もう一つ積極的にこういうものがあることが河川の環境とか、それから、素人目で見てもこれは左右から支川が合流していますので、こういう中州の存在がやはりむしろ、積極的にむしろ残すべきなのか。あるいは、仮に撤去した場合、人吉橋を含めてこれは全部つくり直しだと思いますから、かなり膨大な投資ということで、そういうことを含めて、やはり八代市と人吉市に多くの資産と人口があるというご説明を何度も繰り返されますので、その中のかなり河川上の大きなオープンスペースだと思いますから、これの中囲いの意味については少し、もう少しご説明をいただきたいなと思いました。
 それから、これは多分管理だけを指定されているのかもしれませんが、たまたま資料3の中にかなり大きなこの引堤可能性の検討ということで、上からの上空の写真がありますが、何かかなり駐車場があるような形で利用されていまして、将来の利用のあり方も含めて、どういう姿が、仮にこの中川原公園が存続した場合にどういう姿が望ましいのかということも少し議論があってもいいのかなという感じがいたしました。
 以上でございます。
(委員長)   これは、答えは求めないで、今後の整備計画で検討してくれということですね。
(委員)  はい。
(委員長)   それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  まだ河川環境のところに入ってないんですが、いろいろと教えていただきたいところがあります。非常に全体に、特にただし書き操作という我々門外漢には非常にわかりにくいものを実態も含めてよく教えていただいたのは、ほんとうに○○委員おっしゃるようによく勉強になりました。私に一番関連する虫の話が出てきますので、資料3のところでご質問と、というか内容を、私の想像する内容も含めてお話ししたいと思います。
 資料3の6ページで、軟岩の基盤上では、非常に貧弱な種類相になるということがこのデータで非常にはっきりしたと思います。ただし、横で生活型別個体数という図を一般の方が見ると、砂礫で1,600で岩河床だと1,700で、数は増えるという印象を持たれるかもしれませんが、これは、私は造網・固着型で非常に増えたのは、非常に小型の種類のトビケラとか、小型の種類の網を張るユスリカで、生物体量でいうと決して増えなくて、河川の生産性という意味でも、それから生物の多様性という意味でも岩河床では貧弱になるということは、非常にはっきりしたデータが出てきたのではないかと思います。ただし、先ほど申し上げたことはあくまでも推察で、細かい種類のリスト、個体数や重さを見ないとわかりませんので、今回、委員会のスペースの関係もあるでしょうけれども、バックデータとしてそこら辺もきっちり考察していただきたいということです。
 それからもう一つ、そのページの前へ戻っていただきまして、この人吉層の分布の図がちょっと私にわかりにくくて、ご説明をお願いします。人吉層は、この黄色の部分だけでしたですか。この真っ白の部分はどのようになっていましたでしょうか。明廿の上のほうの例えば深田の付近は、私、現地を見たときは軟岩が出ていたような、固い岩ではなかったような気がするんですが、そうするとこの白、分布図はちょっと様子が変わってくるんじゃないかと想像するんですが、ちょっと教えてください。
 それから、上に砂礫の薄いカバー、お化粧をして河床環境を戻すというのは、私もこのお話を聞いたときに一瞬考えたんですが、やっぱりそれは無理なんでしょうね、河川工学的に。そこまでは生物と絡んだお話です。
 それからもう一つは、現状で流せる流量の議論は、もう既に非常に頻繁にされたんだと想像するんですけれども、八代、7.4mでしたっけ、あのところのハイウォーターが堤防の天端より2m近く低いところに設定されていますよね。それから、あそこの水深からいうと非常に余裕をゆっくり持っているんですけれども、それは、やっぱりその地形特性からいってそういうのはやむを得ないんでしょうか。
 それから、これはおそらく議論が出ているので、私は過去資料をもう一回点検すればわかるんですけれども、人吉の実績流量と現況流下流量と流し得る流量、計画高水流量、その関係を、人吉だけじゃないんですけれども、幾つかのところで一覧表になったようなものはもう既に提示されたんでしょうね。その点のデータを示して下さい。
(委員長)   ちょっと、それでは事務局からご答弁ください。
(事務局)  まず、1点目の生物の関係でございますけれども、今、ちょっと手持ちのデータを見ますと、岩の河床で確認されているのが、一番多いのがクダトビケラ、表面に何かトンネルみたいなのをつけて生息しているトビケラだったと思いますけれども、その次に多いのがフタバコカゲロウ、その次に多いのがガガンボということで、これらで8割を占めているというようなことで、それによってその生息の場というのがわかるのではないかなというふうに思います。
(委員)  ついでに申し上げます、クダトビケラとガガンボというのは、いずれも造網性とはいいましても、岩盤の上にぴちゃっとくっついて、小さなマット状の網をつくる造網で、普通のちょっとシマトビケラなどの網を張って、水中の餌をとらえる様式とは違います。それらはいずれも非常に小型個体ということで、生体量はうんと低いと思います。
(事務局)  非常に小型なものだというふうに思います。
 それから、2点目でございますけれども、人吉層の分布の関係ですけれども、盆地の中のボーリングデータだとかそういったものから推定できるのがここにあります分布図ということになっておりまして、この白塗りのところは、河床砂礫の堆積、基本的にはなっておりまして、その分布状態の把握がうまくできていないところというふうにお考えいただいて結構だと思います。昔は、ここは、ご承知と思いますが、湖の形態をとっていたところで、そこに堆積したものがいろんな岩になったり、いろいろなものになっているという地質構造になっていまして、そんな中で押さえられているのがここのところということでございます。
 それから、明廿橋のところでございますけれども、ここにつきましては、火山性の、いわゆる火山砕屑岩と申しまして人吉層に比べたら非常に固い岩でございまして、私も現地で指で掘ってみましたけれども、人吉層のほうは削れますけれども、明廿橋のところは堅くて、ちょっと見には、これは素人がこんなことを言っちゃいけないのかもしれませんが、凝灰岩みたいな形で中に少し小石をかんでいるような、そんなような状態になっておりまして、かなり固そうに見えました。
 2点目については以上です。
 それから、萩原地点の余裕高のお話になるんだと思いますけれども、あそこの地点の、何ていうんですか、流量だとかそういったものから設定をさせていただいております。すぐ前が切り立った護岸になっておりますので、見た感じ、先ほど委員おっしゃられたような印象を持たれるかというふうに思いますけれども、河川の計画論としてはそういうような設定になるということでございます。
 もう1点、委員、ご指摘いただいた点、ちょっともう一度お願いします。
(委員)  現況流下能力と、流し得る流量と、それから計画高水流量とございますよね、各地点、上流、中流、下流というぐあいに。例えば資料3の一番頭に設定されて……、いや、ごめんなさい、一番後ろですね、後ろのほうに設定されていますが、それ以外に過去の被害、甚大な被害を出さないで流下した実績流量というんですかね、そういうのはもう既に議論をされているんでしょうね。私、ちょっと何回が出られなかったので。
(委員長)   過去の洪水と被害との関係は、何か最初に説明は聞いたと思いますね。
(委員)  反対の方、ダムに必ずしも賛成でない方がやはり実際にたくさん流れてますよという議論が何回か出ていて、人吉でどうだったのか、それから、萩原でどうだったのかというのは、もし一覧表みたいなものでわかれば。
(事務局)  今の点につきましてですが、前回の……、ちょっとお待ちください。
(委員長)   では、調べている間に、今おっしゃった、掘って砂礫で埋め戻せばいいじゃないかというのは魅力あるということでしたが。
(委員)  魅力あるというか、無理があるということはわかりました。
(委員長)   生態学的にはどうなんでしょう。
(委員)  その埋め戻す、そのお化粧をする厚さにもよるんでしょうけれども、厚化粧してしまいますと、逆に掘った効果がございませんよね。せいぜい10cm、20cmぐらいですと、それは永続性という意味ではちょっと疑問符がつくと思います。
(委員長)   意見書の中にも1.3mぐらいという話がありますから、1.3mだともとに戻っちゃうだけですし、もっと掘って下げてということだろうと思うんですね。そうすると、その間の生態系を一たん壊しても、壊してという言い方はおかしいですけれども、すぐ戻ってくるんですかね。
(委員)  川の生態系は割とそういう意味で戻りやすいものです。洪水攪乱にもちゃんと反応・回復するように、割と頑強といいますか、時間をかければ戻りますので、工事区間を一気にやってしまって絶滅させない限りは、上流から流れ、あるいは下流から飛んでいって、あるいは泳いでいって回復することはできると思います。
(委員長)   これは○○委員がいろいろ川を眺めてきて、掘って砂利を埋め戻せばいいじゃないかというあたりについてのご意見を。
(委員)  いや、しっかり計画的に考えて広い範囲にわたって砂礫を厚く置かない限り、それは非常に難しいですね。軟岩の上では、岩と石との摩擦が小さいわけですよ。水の重さと石の重さで岩と砂礫との摩擦力を増しているのに、その砂礫層を薄くしちゃったら、もうずるずる流されていくことになります。私はそういう失敗を多摩川等でやっております。砂礫の置き換えをやってみたときに、水みちのついた軟岩上では、置き換えがうまくいかないということです。
(事務局)  先ほどのご指摘の点に戻らせていただきますが、お手元に参考資料3といいまして、第1回のとき以降ご紹介しております「特徴と課題、流域の概要(地域特性)」という資料をつけてございます。下のほうにございますけれども、そこの7ページに「主な洪水と治水計画の変遷」というようなことで、これまでの最大流量、いろんな条件がついております、市房ダムのありなしだとか、氾濫した場合の扱いをどうしているかとかいろいろ条件がついてございますけれども、これまでの最大流量ですね。最大流量というか、これまでの出水の実績とその際の最大流量、わかる範囲でこの辺でお知らせしてございますので、参考までにご説明をさせていただきます。
(委員長)   それでは、○○委員のほうからお願いいたします。
(委員)  本日の説明につきましては特に、細かいところを除けば大体結構だと思いますが、先ほどどなたか、その次の話題であります河川環境等が、ぼつぼつお願いをする時期になっていると思います。
 前も申し上げたいと思いますが、ダムの発電、ダムの撤去に絡む珍しい事例かと思いまして、その際にほかの河川でも申し上げました炭酸ガス会計をきちんとちょっとお伺いしたいと。何か変えれば必ず損得があるはずでございますので、それをお願いしたいと思います。
 それからもう一つは、ダムを撤去した後、洪水が来れば一気に堆積した土砂は流れてくれるんだろうと思いますが、やはり堆積したものによりまして、いわゆる昔の環境にどう変わっていくのかという見通しをちょっとお聞きしたいと。いずれにしても、ダムができて長いことがたっていますので、現況でも非常に安定した環境にあると思うんですが、差し支えなければ残したいなと。景観がどう変わるのかなんていうのも結構おもしろいかもしれません。
 以上、これはお願いであります。
(委員長)   ○○委員、お願いいたします。
(委員)  きょう聞かせていただいたので、ちょっと感想的なことなんですが、資料3の9ページ、これを見せていただきますと、これは下流部なんですが、この写真の上ではよくわからないんですけれども、下の断面図からいきますと、大変なこれは天井川だということがわかります。低いところと高いところで、これ、大体10mの差があるというようなことですので、そういうことからいうと、オランダみたいな感じかなという感じがいたします。
 これに対して、ここに書いてあること、計画高水流量を上げるということは避けるべきだというこというようなこと、あと下に書いてある深掘対策だとかいろいろなことをやれば8,000m3/sの流量は可能だということなんですが、今の計画が、計画高水流量、工事実施基本計画は7,000m3/sになっているんですね。これを今度7,800m3/sにすると。それから、現況の流量能力は6,900m3/sだということだけど、これを7,800m3/sにするには、これはおそらく、何ですか、掘削をするのか、それとも堤防をしっかり補強するのか、この辺のきちっとした自信がないことには、ここまでは言えないんじゃないかと思うんですけれども、これは隣に堤防のドクターがいらっしゃいますから、この、あれですか、堤防をしっかりつくってこれはやっていこうという、水量が上がらなきゃいいということなんですか。先ほど、なるべく水量は下げてほしいという○○委員のお話がございましたが、ここは上流だからどういうふうに、天井川になっているんですかね、そこも。おそらく上流だからなってないんじゃないかと思うんですけれども、下流は、これはみんな扇状地ですから、おそらく太古の昔からだんだん上ってきたということで、その下には、さっき○○委員のおっしゃった軟岩ですか、こんなものがあるのかないのかもちょっとあれなんですけれども、掘削ができるのか。ただ、ちょっと深掘りにもなっておるということですが、この辺の具体的な、今の流量を上げることに、今ではない、過去における計画の流量を上げることによって水位が上がるのか、上がらないのか。それから、それに対応するだけの工事としては、こんなことをちゃんとやるんですというようなことがあるのか。あるんだと思いますけれども、その辺をちょっと簡単で素人の私にもわかるようにご説明いただければと思います。
(委員長)   では、事務局から。
(事務局)  お手元の資料の13ページでございます。13ページの左側のところに、下流部における流量増に対する追加的対応というところがございますけれども、委員ご指摘のとおり計画高水位は上げないように考えてございます。深掘れをしてございますので、ここは堤防の安全性を確保するという観点で埋めます。その上に、堤防の足元をしっかりさせるということで、高水敷を造成し、堤防を拡幅するというようなことを考えてございます。それとあわせまして、先ほどからその右岸側に水が集中して流れる結果、深掘れが起こるというようなこともございますので、なるべく流れの中心を左に持っていきたいというようなことでございまして、高水敷の一部掘削というのを入れるというようなことで考えてございます。
(委員)  ありがとうございました。しっかりお願いしたいと思います。
(委員長)   それでは、○○委員、お願いいたします。
(委員)  それでは、私は1つ、先ほど委員長も言われましたけれども、流速のことでちょっとお伺いしたいんですが、今、私のほうの研究所も灌漑用水の利用をした後、河川還元がどの程度あるかということを現地で実測しながらちょっと調査をしてみたいと思っているんですが、ここで、資料2の8ページですか、河道の横断測量をして流速、水位を観測しながら流速も観測して流量ということなんですけれども、私も現実にこういう河川流量観測というものを実際最近になって何十年ぶりかにやるときに、昔とあまり変わってないなという感じがするんですが、先ほど委員長言われましたからあれですけれども、真ん中に浮子を置いてその流速ということではなくて、もっといろいろな方法を、方法といいますか、流速の観測地点というのはあるんでしょうけれども、それに関連して、7ページのところで「流速ベクトル比較図」が表示されています。これは、中川原の公園区間を掘削しても、そう流速に差異はないという結果を出されているわけですけれども、ここで左岸川と右岸川の流速があって、そのベクトルが示されておりますが、確かに中川原区間の61k100地点から61k200地点が中川原区間ですけれども、それをこのベクトル図のところで比較してみますと、特に中央が、左岸が前後遅くなって、その中間が速くなっていると。これは地形図を見ていきますと河川の合流地点が上流にあり、下流には橋がありますから、橋脚の狭窄部で左岸川はそうなっているのかなと思っているんですが、この左岸、右岸は実測流速をベクトルであらわされているのか、それとも何かまた別途の粗度係数等を勘案しながらの計算値なのか、そこのところをちょっとお聞きしたい。
 流速をはかるのに、現地ではかる場合、洪水時、これは4,000m3/sを想定してやられていますが、真ん中だけでなくてどんな感じかということを、もし説明していただければしていただきたいということと、もう一つは、この全体のスケジュールについてなんですが、きょう、今3時半ですけれども、これは委員長にお願いしたいんですが、できれば3時間なら3時間、2時間半なら2時間半という形で示していただければ、あとの予定も立てやすいものですから。
 それと、今回、基本高水、これで4回目の討論になると思いますけれども、前回のときで基本高水についてある程度の方向性といいますか、委員長のこのご意見をお聞かせ願いながら結論が出たかな思っていたんですが、そこらあたりの今後の予定を含めて少しお願いできればと、これはお願いです。
(委員長)   これは私が意見書を読んでいるうちに時間を忘れまして、遅刻しましてまことに申しわけありません。15分遅刻しましたので、恐縮でございます。
 私としては、この運営も今まで全委員にご意見を伺ってと思って進めてまいりました。それらのこともあって、事務局の説明が長過ぎたとは思いませんが、次回以降の時間設定については、ひとつ事務局でご検討をいただきたいと思います。
 それでは、お待たせしました、○○委員、お願いいたします。
(委員)  今、できるだけ手短にしなければならないなという感じがいたしましたけれども、やはり少し述べさせていただきたいと思います。
 1つは、市房ダムに関してですけれども、私たちは、この資料の中で示しておりますように、事前放流を実務上問題なく実施するという点に当たりましては、これは非常に利水業者の理解を得る、そういう仕組みづくりをやっていかないと、ほんとうに操作する者に対して厳しい責任が問われかねないという、当然、そういう責任上の操作ということは当然ですけれども、今日の気象情報等が正確、万全と言えないような状況とか、二雨目がどのような形で来るのかいったような判断が迫られていく中では、私は、やはりここは仕組みづくりをきちっとやっておかないと、なかなかその事前放流というようなことは難しいのではないかという思いがいたしました。
 県として、こういった状況の中で、観測データの資料収集整理、それから事前放流が導入されたほかのダムでどんな効果があって課題が出てきたのか、そんな検討をきちっとやっていくべきという指示をしているところです。
 それから、やはり国土交通省におきましても、この点については、利水に必要な水量が回復できなくて農作物に被害が出たというような場合に、損失補償制度、こういったものをぜひ今後農水との間とも連携をしながらしっかりと対応をしていかれるということが、事前放流、これはシミュレーションを見ていただくと、できないということではなくて非常に効果性もあるわけですけれども、そこにはリスクがあるという状況でございますので、国・県ともに行政としてそのあたりのことをきちっとやっていかなければならないんじゃないかというふうに思っております。
 住民側の皆様たちは、どんなに市房ダムの状況説明をしましても、前回も申し上げましたけれども、市房ダムができる前は、毎年水害に遭いながらも床下浸水にとどまっていて、水位はゆっくり上ってゆっくり引いていったと。水が引いた後はさらさらした砂が残ってほうきで掃除ができた。しかし、今は違うというような思いがございます。それから、この地域というのは、20軒ぐらいの民家、公民館、旅館、消防署、そういったところがあった地域ですので、もし今のように毎年大水害に見舞われるというような歴史があるとするならば、そのような場所にこのような施設が建てられたのだろうかというような疑問も持っていらっしゃいます。それから、40年前のこの地域は、はげ山が多くて川幅も狭かったのにもかかわらず、今のような急激な増水はなかったというようなお話も私のところには聞かれているというところです。
 それで、そこでじゃありません、改めて資料2の4ですけれども、「越水しても破堤しにくい堤防に向けた取り組み」、これはこれまでもちょっと質問もさせていただいたわけですけれども、平成9年度以降に試験的に施工されているというところが書いてございます。その箇所は、全国でどれぐらいの箇所数になっているのか。そして、その箇所の中で何が検証されたのか。それがなぜこのたびその萩原というところの中で、その結果というようなものがどのように影響を持ってこのフロンティア堤防が萩原でできないという結論に達したのかがやはり明確でないという思いがいたします。地方と国という違いはありますけれども、同じ行政の立場ということから考えますと、私は、萩原堤防は、問題点あるいは施工方法についてクリアされたからこそ平成13年度の予算要求がされたのではないかというふうに思いますので、そういったところの中でなかなかここは理解しがたいと、そういう行政としての思いがございます。
 それから、資料3のページ3ですが、まず、人吉市街地の水中掘削について、この点については、非常にたくさん先ほどから疑問も、あるいは理念もお伺いをいたしました。事務局から4,000m3/sの河道の断面確保のために62k00付近において一部水中掘削を含めた河道整備が必要という説明がございました。一方では、水中掘削等を行えば魚類や底生動物の生息、生育環境、さらには船下り、河川護岸基礎等へのさまざまな影響が懸念されるということも説明がされました。そういう意味で、62k00付近で計画されている水中掘削について河川環境等への影響がどの程度あるのか、わかりやすく説明をしていただきたいと、そういう思いがございます。
 それから、上流部における4,000m3/sを上回る流量を確保するためのさらなる河床掘削の可能性についてお伺いをしたいと思います。この資料では、3,600m3/s、4,000m3/s、4,500m3/sの3つのケースについて河床掘削をした場合、河川内がどのような状態になるのかわかりにくい状況です。各断面図で軟岩の露出の状況や断面の変化について説明していただきたいと思います。
 それから、私はもう全くの素人ですけれども、掘削深度はどれぐらいになっていったときにこういったようなことが言われるのか、掘削深度のことは全く今まで触れられてこなかったんですが、それはどういうようなことなのでございましょうか。
 それから、軟岩と堤防が接する区間、ここは、具体的にどのような対策をお考えなのか、お示ししていただきたいと思いますし、○○委員が多摩川水系の例の中で非常に問題点が多かったというご指摘をされていらっしゃいますけれども、他の水系ではどのような対策を講じてどのような結果が出てきたのか、そのあたりのことも含めてぜひ理解をさせていただきたいというふうに思います。
 それから、○○委員のほうから河床の掘削と軟岩の露出関係、大変学ぶことが多い観点の中から説明をしていただきましたし、国交省のほうからも説明がありました。しかし、一般論として、ダムができたということは、堆砂の問題があるということが言われておりますし、砂礫の供給が減少していくことで河床の軟岩が露出するということになりはしないのかというふうなことを私は感ずるところであります。
 それから、同じページの左下をごらんいただきますと、これは、確保できないという説明の中でこの文言が使われているというふうに思いますけれども、5,000m3/sの河道をつくるのに、この計算でいきますと190年かかることになります。1年間に行う工区の範囲、これを大きくすれば短縮するということは、これは一般的には考えられることですので、幾ら確保できない理由としての説明であるにしても、ちょっとこれはいかがかなと、そんな感じを持ったところであります。
 それから、上流部ということの中で、資料3のページ3から7、こういったところの中で、河床掘削もだめ、引堤もだめということでずうっと説明がございました。そこで、私は、できる限り河道に流量を配分すると、こういう基本的な考え方を踏まえますと、4,000m3/s以上の流下能力が確保できないのか。今、いろいろな委員の方の中から4,000m3/sは妥当であるというご説明がございました。しかし、私としては、できる限り河道に流量を配分するという点では、もう少し創意工夫というようなことが求めることはできないのかという思いがございまして、そういった意味合いの中から、少し説明、質問をさせていただきたいと思います。
 資料3のページ13でございますけれども、ここのところで、工事実施基本計画と比較しますと、中流部、下流部の流量が増加されたということがございます。事務局から、上流部での河床掘削は、生態系及び河川護岸等へ及ぼす影響が大きく、4,000m3/sを超える掘削は困難と、こういう説明がございました。このことは、環境、あるいは観光、治水上の安全性を含めた面に配慮したものでございます。これは、決してここの部だけ、人吉地区だけに限ったことではなくて、球磨川水系全体を通して私は求められる考え方だというふうに思います。しかし、中流部の渡地点におきましては、計画高水流量が工実の4,900m3/sから5,500m3/sに増えたということによりまして、そこは樹木伐採や堆積土砂の除去等の追加的対策、これで乗り切るという考え方が示されました。しかし、人吉地点のさらなる掘削は、環境等に及ぼす影響が大きいために困難、こういう説明からすれば、中流域においても同じように環境や観光面に対して何らかの影響が出ると、このように懸念されるということが私は通常ではないだろうかというふうに思います。中流部の樹木伐採や堆積土砂の除去等が環境へ与える影響についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか、そこあたりのことも私はぜひ環境上からもお伺いしたいというふうに思います。
 それから、中流部の計画高水流量の増加、これによって水位の上昇幅は何mぐらいに実際なるのでしょうか。その辺の説明はなかったような感じがいたします。
 それから、下流部、この深掘れ対策、それから、高水敷の造成、それから、堤防の拡幅を行った後に、左岸高水敷の一部を掘削することによって萩原堤防付近では流し得る流量を8,000程度として、計画高水流量は工実の7,000m3/sから7,800m3/sに増えております。そうしますと、10kmから20kmの範囲の中にある宅地嵩上げ完成地域、完成している地域がございますけれども、その完成地域は、今回の計画された土砂堆積除去区間の下流側にあるわけですね。つまり、土砂撤去の効果は及ばないところの中にこういった宅地があるという状態でありますので、この点についても私はこれでいいのかというふうな疑問がございます。萩原堤防から下流部において再改修等は必要でないのか、再度確認をさせていただきたい。もし仮に追加的対応が必要と、そういうような場合には、どのような対策をお考えになっていらっしゃるのか、あわせてその対策が環境等に与える影響についてもご説明をお願いしたいというふうに思います。
 それから、○○委員、○○委員等々からもお話がありましたが、私も計画高水流量論議が、当然配分と、それから河道、貯留の関係の中で考えられていくというような、そういうようなことをこの会議を通しながらとっても感じるわけですけれども、本来、基本方針では、具体的な河川施設までは位置づけられていないということは、これは明確です。しかし、現実にこの球磨川の場合を考えてみますと、基本高水流量と計画高水流量が工事実施基本計画とほぼ同じと、こういうようなことになりますと、基本方針は、川辺川ダム建設を前提とするものではないかと、これはマスコミの皆さんたちから、いつも川辺川ダムというそういうことが見えてきましたね、どう思われますかと盛んに言われますけれども、私は、これまで原則論として、基本方針では、河川の施設まで位置づけられているのではなくて次の段階ですと、このように申し上げてきていたわけです。国の計算では、基本高水流量、毎秒7,000m3/sのうち川辺川ダムで対応するということを考えますと2,600m3/sになります。つまり4割近くをダムで対応すると、こういうような形になります。非常にこのように1つのダムで依存度が大きいというようなことをどのように考えていけばいいのか、今までの論議等々を考えておりますと、本当にこれでいいのか、安全なのかというような思いがいたします。
 ダムが有機的に機能するというのは、想定された雨の降り方の範囲でありまして、それ以上降ればダムは機能不全になります。川辺川ダムが対応できる降雨、それは一体何oぐらいなのか、河川整備計画の論議に入るまでに私は明確にする必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。つまり、市房ダムの流域住民の皆様たちの不安感ということともこのあたりのことは非常に私は折り重なる不安状況ではないかというふうな感じがいたします。
 それから、環境面についても、河床掘削によって軟岩が露出しますと、底生動物相が、底生の動物相が貧弱になると予測されるというふうにここのペーパーの中には記されておりますが、ダムがもたらす下流の水質あるいは流量、河床低下、水温変化、移動障害などによる底生動物等への影響、こういったものは、流域全体で見た場合、どちらが本当に河床掘削による影響なのか、あるいはダムの影響なのか、長期広範囲にわたる影響、そういったものも、今後、課題的には、私は整理をしていく必要があるのではないかというふうに思います。
 本当に一歩進んだところの中の論議にまで今言及をしてしまったわけですけれども、これまでの論議を聞きながら、だんだんと何か河川基本方針、その向こう側のところも実は折り重なっているというような感じが非常にいたしました。
 それからもう1点、実は、資料の2のページ9、反対派の皆さんたちが、ここに書かれておりますけれども、計画高水位を2カ所で超えているということで、国土交通省のほうでは、こういったことをもって安全とは言えないということを言っていらっしゃいます。資料3のページ8ですけれども、ここのところをごらんいただきますと、2カ所、やはりオーバーしているわけです。しかし、そこのところは、樹木や土砂の撤去で対応できると、こういうふうになっているわけでございまして、国土交通省が反対派の人とのやりとりの中で、私も事前協議で、ここのところはどこの位置なのかを明確に聞いた覚えはないんですけれども、この資料3のページ8で示されている箇所と、資料2のページ9で示されている箇所、これは違っているのかどうか、そのあたりのことがちょっと何かはっきりとらえられないでいるという、そういう状態でございます。
 きょうは時間がほんとうにオーバーしておりますので、この次で結構でございますので、ぜひお答えを求めたいと思います。
 以上でございます。
(委員長)   それでは、ただいまのご質問に答えてください。
(事務局)  何点かございましたので、順番に説明をさせていただきます。
 1点目の、フロンティア堤防の関係でございますけれども、試験施工を行いましたところは4箇所でございます。あわせまして、延長でいきますと13km強ということでございます。試験施工ということで行いましたけれども、先ほども申しましたけれども、堤防が長期にわたって嵩上げをされたり拡幅を繰り返してつくられてきたというような経緯もありまして、その一連区間で評価したときに、破堤しにくい機能というのが保証できるかというところがなかなか難しいということがございまして、引き続き現地の状況等を見ながら課題を整理していきたいというふうに考えておりまして、それ以降、試験施工の箇所を拡大していないということでございます。
 2点目でございますけれども、人吉市街地の水中掘削の件でご指摘がございましたけれども、この水中掘削を行う場所でございますけれども、中川原の上流で水の手橋のやや上流側に当たります。ちょうど人吉城の前で、その清流コースの川下りの発着場あたりの川幅の狭まったところで、場所的には水がたまったように見えるというようなところでございます。
 ご指摘のとおり、水中掘削は川底を直接改変しますので、生物の生息環境とかそういった観点からは極力回避すべきというふうに我々も認識してございますけれども、この部分につきましては、いわゆる狭窄部、非常に断面的に厳しいところになってございますので、水中の河床の砂礫を一部除去して対応すると。その結果、瀬の部分ですと、例えばアユの産卵場だとかそういったものに活用されておりますけれども、水中の部分になりますので、比較しますと河川環境に大きな影響は及ばないというふうな判断をしまして、最小限の掘削を水中掘削の形で行うというふうに考えたものでございます。この区間は、先ほど申しましたように、清流コースの川下りも行われてございますけれども、水中掘削であれば、そういう景観上だとかそういった問題はないというふうに考えております。
 実際の施工に当たりましては、河川環境の急激な変化を避けるためにモニタリング等を行いつつ丁寧にやるべきだというふうに考えてございます。
 それから、横断、それから掘削深度の話、ちょっと後で紹介させていただきます。いろいろきょうはデータをお持ちしておりまして、後ほどそれで説明をさせていただきます。
 その次の4つ目でございますけれども、軟岩と堤防が接するところの対応でございますけれども、堤防と軟岩が接するところにつきましては、○○委員からもお話がありましたけれども、流速が速まったり、あるいはそれに伴って河床砂礫がその上を移動したりすると洗掘が進んでしまいかねないということで、護岸につきましては根入れをしっかりその中に入れるということと、軟岩の部分を場合によってはコンクリートで直接覆うとか、流速を低下させるための例えば根固めブロックみたいなものだとか、そういったものを設置するなど効果的な措置を講じなければならないというふうに思っています。そういうこともございまして、できるだけ人吉層の新たな露出というのは避けたいというふうに考えてございます。
 次が、ダムの堆砂の、ダムが、何ていうんですかね、土砂をとめるというような問題についてのご指摘でございますけれども、確かにダムという構造物は、水をためると同時に貯水池に土砂をためこむ、そういう構造でございます。したがいまして、そういったことに伴いまして、その土砂がいっぱいたまってダムの耐用年数が損なわれるとか、ダムの下流で河床低下があったり、河川環境の問題が発生している例が見られるというような報告は聞いてございます。最近では、そういうような課題に対応して、ダムにたまっている土砂を下流に供給する、これは四国で行われた例がございますけれども、下流に置いておいて流していくというような対応をしたり、ダムに堆積した土砂を下流に流していくような設備、これは、排砂設備だとか、排砂バイパスだとかいうふうに言われておりますけれども、そういうような設備も各地で実際に設置がされています。そういうような土砂の問題につきましては、ご指摘のようなところがあると思いますので、ダムの検討に当たりましては、そういった土砂問題にも対処できる方策を考えていくというようなことが必要ではないかというふうに考えております。
 次に、190年かかるという人吉区間の施工の話でございますけれども、アユの関係だとか、観光の関係だとか、出水期の関係だとかありまして、施工の日数が限られている中でやらなくちゃいけないということと、川の中、やはり閉め切って行うというような関係もございまして、もう少し工夫をすればもう少し短くはなると思いはしますけれども、施工上、かなり時間がかかってしまうのはやむを得ないところだというふうに考えてございます。岩盤の上に、要は、例えば矢板だとかそういったものを打って、1回閉め切りをして中をとるだとか、そういうような工事になるとかなり時間がかかってしまうというようなことでございます。
 それから、できる限り河道流量を河道でもたせるというような方法がないのかというご指摘だったかと思いますが、若干重複はいたしますけれども、河道の流下能力を上げる方法としましては、堤防の嵩上げと、それから川の拡幅、いわゆる引堤、それから河床掘削、この3つの方法がございますけれども、堤防の嵩上げにつきましては、何度か出てまいりましたけれども、ハイウォーターレベルを引き上げるというのは、万一破堤したときの被害を拡大するというようなこともありまして問題だというふうに言われております。人吉市街地のように、現在、ハイウォーターレベルと背後地が同じような高さになっているというようなところでも、ハイウォーターレベルを上げるようなことはやはり問題があるというふうに考えられます。ハイウォーターレベルを上げる、あるいは堤防を嵩上げすると、その構造物だけを上げるだけじゃなくて、それに伴いまして、周辺の道路だとか、橋だとか、いろいろなものを上げなきゃいけませんし、場合によっては、それに付随して建物も上げなきゃいけない。そういう社会的に大きな影響が出てしまうので、そういったことも忘れてはならないと思います。
 それから、川幅を広げる話は、きょうも資料を使いましてご説明いたしましたけれども、500m3/s引き上げるだけで人吉市の市街地、中心市街地の350戸が移転を余儀なくされてしまう、それも大変重要な施設がということでございまして、地域社会に甚大な影響を与えるというようなことで、なかなか難しいかなというふうに思っております。
 残された河床掘削でございますけれども、先ほどお話がありましたように、軟岩である人吉層の露頭による川底の安定性の問題、あるいは、河床砂礫の掘削に伴う河川環境への影響の話、こういったものもありまして、4,000m3/sの河道の確保が限界ではないかというふうに考えてございます。
 それから、中流部の樹木伐採や堆積土砂の除去、これが上流のほうの理屈と合わないんじゃないかというご指摘だったかというふうに思いますけれども、中流部の堆積土砂の除去の主たるものは、荒瀬、それから瀬戸石両ダム貯水池での堆積土砂の除去でございます。それらにつきましては、貯水池内の堆砂でございますので、環境に与える影響はそれほど大きいものではないのではないかというふうに考えてございます。
 また、そのほかの地点につきましても、河道の湾曲部だとか、局所的に土砂が堆積し、河原状をなしたりたまっているところが対象でございますので、環境に対する大きな影響はないというふうに考えてございます。
 また、樹木伐採につきましては、高木だとか水の流れに障害となるものが対象でございまして、環境を激変させる、あるいは景観を激変させる、そういうようなことのないようにやっていかないといけないというふうに考えておりますし、そういうようなことによりまして、川下りの皆さんがあそこを利用されてございますけれども、それに対する景観上の大きな影響なども軽減できるのではないかというふうに考えております。
 それから、中流部の水位上昇につきましては、計画のハイウォーターレベルは引き上げてございませんので、新たな宅地の嵩上げだとか、それから、あそこにあります重要なインフラでありますJR、それから国道に対する影響もないということでございます。
 それから、萩原堤防から下流部において追加的な対策がないかというご指摘でございましたけれども、これにつきましては、ハイウォーターレベルも上げませんので、新たなものはございませんということでございます。
 それから、あと、計画高水位を上回るところが資料2の9ページの、人吉地区のお話、これは「ダム反対側の流下能力算定根拠」というところでお話をさせていただきましたけれども、これは人吉地区の中でございますので、堤防のある区間でございまして、こういったところで、計算水位が計画の高水位を超えるのは問題ではないかというふうに思っております。中流区間の計画高水位を計算水位が上回るところ、確かに2地点ございますけれども、これは、渡より下流のいわゆる中流部の山に挟まれたところでございまして、実際にハイウォーターを上回るところは、岩盤上の山つきのところでございまして、JRや、それから国道や、それから宅地嵩上げだとか、そういったところにも影響のない範囲でこの辺は流し切れるというふうに考えてございます。
 あとは、人吉区間の横断、それから掘削深度でございますけれども、ちょっと資料を準備しておりましたので、ちょっと今からパワーポイントでごらんいただくようにしたいと思います。
(事務局)  見えにくくて済みません。事務局のほうから説明いたします。
 こちらにありますのが、黄色いのが砂礫層でございまして、青いところが人吉層になってございます。これは、人吉市の58k00から順番に横断をかけております。こちらの青い線で書いてございますのが、これが計画で、今回のあれで掘削するところでございます。
 これが、4,000m3/s、4,500m3/s、5,000m3/sで、どういうふうに掘削するかということをお示ししたものでございます。前回、1断面しか出していませんでしたので、きちんと今回お出しをしてご説明をしたいと思います。
 色で分けておりますので、ちょっとわかりにくいかと思いますけれども、青いところが4,000m3/sでございまして、この4,000m3/sという、一番上のラインになってございます。ですから、ここで言いますと平水位以上の掘削という形で、この水位が、三角マークが入っておりますが、この水面よりも上のところで4,000m3/sは切っていくという計画でございます。ただ、さっき言った6,200m3/sだけは、水中掘削があるというところの断面をお示しをしておるということでございます。
 掘削深でございますが、この目盛り、これは1ますが5mでございまして、これで見ていただきますと、大体1mぐらいほどに下がっているようなイメージで見ていただければというふうに思います。
 4,500m3/sになりますと、やはり砂礫層、水の中にもかなり入ってまいりますし、軟岩に近いところに掘削深が出てまいります。5,000m3/sになりますと、やはり軟岩を切ったり、さっき言ったように軟岩に近いところを切るということで、大分この5000m3/sの切り方の中で軟岩に対する影響、つまり露出する割合が大きくなったり、水中での掘削が多くなったりということがわかるかと思います。
 以上、簡単でございますが、ご説明しました。
(委員長)   ただいまの説明でいかがでございますか。よろしゅうございますか。
 それで、私からは、意見書が幾つか来ておりましたが、堤防工事を安定した岩盤までパイルを打って云々というのがあって、これは○○委員が先ほどお答えしていただいたので、私も同じお答えにさせていただきます。
 市房ダムは、過去3度の洪水調整不能に陥りダム施設の一部が損壊するなどというのがございました。これについてはどんなものなのか、不安感を招く話なのでお答えいただきたいと思います。
(事務局)  今の点でございますけれども、46年の出水のときに、ダムの下流の、ちょっと専門的な用語になりますけれども、導流壁といっているところでございます。ダムの本体の下流で放流した水を、何ていうんでしょう、その横のほうに行かないようにするために壁を立てますけれども、その施設が、ちょうどあのときには、ただし書き操作をしたというふうなお話をさせていただきましたけれども、計画よりも大きな放流量を記録してございます。その影響かどうかまで直接把握してございませんけれども、その導流壁が倒れたというようなことがあったというふうに伺っております。ダムのゲートだとか本体だとか、そういったところに何か直接構造的な問題を生じたということではないというふうに聞いております。
(委員長)   それから、先ほど、委員同士で議論をしましたけれども、軟岩を掘削して砂礫を一時補完してまた埋めればいいじゃないかという提案もありました。これは、今後の検討課題にして、生態学的には存外強かだぞというお話もありましたが、工学的にはかなり問題だというご意見もありました。多少の宿題を残して、本日は、事務局の提案である4,000m3/sというのを一応腰だめにして結論としたいと思います。そういうことにしたいと思いますが、いかがですか。
 それで、ただこれの前提は、○○委員もおっしゃったけれども、できるだけ河道に処理するのが原則ではないかというのは、おそらく各委員はみんな同じ意見だと思います。肝心な洪水調節施設は、本来、河川整備計画で議論すべきだというのが基本ではありますが、いずれにしても、9回も住民討論集会も行われたことでもあり、それから、きょう、各委員からも、一体全体川はギチギチだって言うけど、ダムがゆとりがあるのならもうちょっとダムに頼るというのもあるし、逆な場合もあるんでしょう。そちらの感度分析も必要だと思います。これだけ議論になっているのに、川辺川ダム計画を全く議論せずにこれで決めたというのもいかがかと思います。事務局のほうで、きょうの議論に耐えるダム計画の資料、皆さんの関心のあるところについては、次回、作成していただいて議論に付したいと思います。
 それから、堤防論を私はご披露しようと思いましたけれども、時間の関係で、次回、私も意見を申し上げたいと思います。
 それから、ダム放流というのは、いつもひっかかって、先ほども触れましたように市房ダムで昭和40年洪水ではパンクしたとして、住民から不信感を買ったんですが、資料を見ると、市房ダムはちゃんと正規に働いていたこと、川辺川の流量が多かったがゆえにああいう大災害になったというふうに私はこれを読みました。したがって住民説明会とか、あるいは説明責任の問題ではないかと思います。
 問題は、放流という言葉です。これは河川工学全体の問題なんでしょうけれども、上流からダムに水が流れ込んで、これが流入量。それがそのまま下流に行ったときに、なぜ放流量って言うんでしょうか。通過量と言えばよかったのではないか。河川工学の委員の方も含めて、これだけ住民に誤解がある言葉は、変えていただくことも大事なのではないかと思います。それらを宿題として、次の機会にダム問題について議論をさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
 それでは、ありがとうございました。
 各委員には、本議題につきまして貴重なご意見をいただきまして、ありがとうございました。最後に、本日の議事録につきましては、内容については発言者の氏名を除いたものとし、各委員のご確認を得た後、国土交通省大臣官房広報課及びインターネットにおいて一般に公開することとします。
 本日の議題は以上でございます。
 委員長が遅参したこと、ひらに謝る次第でございます。次は、ちょっと私は、やっぱり基本方針として委員全員にご発言を求めたいと思いますので、審議時間はとりたいと思いますので、ちょっと事務局のほうでご検討を願い、各委員にご協力を願いたいと思います。
 以上でございます。

 

3.閉      会

(事務局)  ありがとうございました。
 次回の本委員会は、Bグループにつきまして、常呂川と3水系の審議を12月11日、月曜日、13時から15時の間で、場所は後日改めてご連絡をいたしたいと思います。
 また、球磨川水系の審議につきましても後日改めてご連絡をいたします。
 お手元の資料につきましては、お持ち帰りいただいても結構でございますが、郵送をご希望の方には後日郵送をさせていただきますので、そのまま席にお残しください。
 それでは、閉会いたします。どうもありがとうございました。






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